2018年02月24日
グランクレスト戦記 7話感想 埋まっている心理描写を掘る楽しみがある
7話 白亜の公子
あらすじ
テオはフォービスの君主ラドヴァンを説得で降し、ラシックはフォービス王を一騎打ちで打ち破る。フォービスとクローヴィスを平定したアルトゥーク軍はハルーシアへと到着する。
君主会議の席でテオは連合盟主のアレクシス、仇敵のロッシーニと初めて対面する。
アレクシスはテオの世評に感銘を受けており、会議の直後に忍んでテオに会いに来る。
対談の後アレクシスを見送る際、テオは彼と共にロッシーニの刺客に襲われるも、これを撃退する。
感想
先週のミルザーに続いてテオとラシックの攻略ターン。ミルザーは計略と武勇で頭を潰し、ラシックは華々しく一騎打ち、テオは説得で無血開城、という三者の対比が鮮やか。
以前の記事で連合と同盟が区別しづらい旨のことを書いたが、これはどちらかが善玉でも悪玉でもないせいもあると思う。「同盟も連合も関係ない!」というモブ領民の叫び通り、彼らにとってはどちらでもいいのだろう。忠節は美徳で変節は悪徳かもしれないが、寝返ってもラドヴァンの外からの評価が落ちるだけで領民にはそれがベストなんだよ、という旨が「共に負けてもらえないだろうか」という印象的なフレーズで表現されているように思う。
説得シーンというのは小説向けでアニメ映えしない部分だろうが、天候の変化でラドヴァンの心境推移を、影の伸びで時間の経過を表現するのはアニメらしい見事な演出だと思う。(実際に絵なしで声だけ聞いてみると、ラドヴァンが特に悩まずサクっと寝返ったように感じるのが面白い。)
アレクシスと踊るラウラさんめっちゃ嬉しそう。よかったね…!アレクシス登場の場面でもヴィラールの後ろをちょろちょろしてて実にかわいい。OPに出るくらいだからへそ出し3魔法師にもこれから活躍シーンがあるのだろうか。サブキャラ好きとしては楽しみである。
般若の形相のテオ。一番インパクトのあるカットでした。原作はさておきアニメのテオは善良・篤実・無欲で達観していて人間味が薄くすら見えるので、この表情は実にコントラストが強い。圧政が嫌で逃げてきたとかそんなレベルではない怨恨が伺える。握手中のところを両面から写したカットが印象深い。
それはそうと、テオの目的が故郷奪還であることはヴィラールには明かしているようだ。初登場時の敵味方が曖昧な状態から、かなり完全な味方に近づいた印象である。
「(シルーカのためなら)他の全てを犠牲にしても惜しくはありません。」
今週のしるかわ。しかし続くテオの言葉「私にとって一番大切なものを選んだだけです」には複雑な表情を見せるのが興味深い。テオの「大切」がどういう種類のものなのかを測りかねる感じだろうか。作中の世間的にはロマンチックな関係とされているようだが…
冒頭のラドヴァンもだが、おそらく原作では心理が詳細に書かれているのだろう。しかしアニメでは意味深なカットから心情を推察させるにとどまるので、作品傾向として好き嫌いが分かれるところだと思う。個人的にはこういう作品こそ、心情描写という宝が埋まっていると感じられるので大変好みである。
同じ連合に属するロッシーニを打倒するため、軍師シルーカのいかなる権謀が見られるのか…と思っていたら、まさかの敵側の自滅。初見では拍子抜けしたものの、ロッシーニが即日で害しに来たのはコルネーロの家名で宣戦布告をしたせいで、アレクシスが即日で会いに来たのもテオが領地よりシルーカを選んだ結果である。つまりただの偶然ではなくテオとシルーカの行動に因る必然ということになるのが面白い。
しかしフラッグは決定的な証拠にならないのかもしれないし、そもそも隠しようがないのかも知れないが、皆殺しにすれば問題ないよねと見切り発車するロッシーニはうっかりさんと言わざるを得ない。最悪回避型の戦略をとるシルーカパパの爪の垢でも煎じて飲むべきである。
猫殿下!強い!!ただのマスコットではなかった。直後に抱っこを要求するギャップもまた素敵。前半が説得シーンで静かであった分、暗殺者襲撃シーンはどこもぐりぐり動いてカッコいい。
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タグ:グランクレスト戦記
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