2015年10月18日
原発事故の問題は終わっていないし、これからも起きないと断言できないという事実を、みなさんはわかっていますか?
第311回HPS研究会
2015年10月13日(火)pm6:25-8:00
発表者:津田敏秀(岡山大学大学院)
テーマ:福島原発事故における放射線被害
津田先生から、福島原発事故における放射線被害の最新の話を伺いました。
https://www.youtube.com/watch?v=ts7bNt-BuDo
2011年3月の東京電力福島第一原発事故による
放射性物質の大量放出の影響で、
福島県内ですでに甲状腺がんが多発しており、
今後さらに多発することは避けられない――。
こうした分析をまとめ、
国際環境疫学会が発行する医学雑誌「Epidemiology」(インターネット版)で
発表されました。
津田先生は
「チェルノブイリ原発事故で4年以内に観察された甲状腺がんの
多発と同様の現象が起きているが、日本国内ではこのことが理解されず、
何の準備もされていない。よく準備して対策をとるべきだ」と話されました。
福島県内で2011年10月から実施されている、
甲状腺がんの超音波スクリーニング検査の数値を分析したところ、
調査は事故当時18歳未満だった福島県民全員、約38万5000人を対象に、
段階的に実施されている。
このうち、2011〜13年度に検査を受けた約30万人について、
100万人あたり3人程度といわれる、
ほぼ同年齢の日本全国での1年間あたりの発症率と比較した場合、
福島市と郡山市の間で約50倍、福島原発周辺地域で約30倍、
少ない地域でも20倍となった。
2013年調査のいわき市で約40倍となるなど、
潜伏期間を考慮すると発症率がより高いとみられるケースもあった。
1986年にソ連(現・ウクライナ)で起きたチェルノブイリ原発事故では、
14歳以下の甲状腺がん患者の発生が5年目以降に急増したという。
「福島県内において甲状腺がんの著しい多発が起きていて、
チェルノブイリで4年以内に観察された甲状腺がんの多発と一緒であり、
チェルノブイリ同様、5〜6年目以降の大きな多発は避けがたい状態だ」と
指摘されました。
福島県の検討委員会は8月31日時点で、
事故当時18歳未満だった計104人が甲状腺がんと確定したことを
明らかにしていますが
「現時点では原発事故の影響とは考えにくい」とし、
理由としてスクリーニング検査による精度の向上や、
治療の必要がないのに陽性と診断する「過剰診断」を挙げています。
しかし、津田先生は
「精度向上や過剰診断ではせいぜい2〜3倍、あるいは6〜7倍、
1桁の上昇しか説明できない。統計学的な誤差の範囲もはるかに超えている」と、
国や福島県の姿勢を批判されました。
その上で「詳細な情報を与えるだけで、
有害な暴露は桁違いに少なくなる。
きめ細やかな、コストのかからない対策はいくらでも思いつく。
被曝量の多い場所を見つけて滞在時間を少しでも短くすることで
大きく変わってくる。
不要な被曝を避ける手段が、まったくとられていない。
福島県に住み続けなければならない人ほど、
そういう知識をきちんと与えられなければならない。
と報告を括られました。
私たちには
安倍総理がオリンピック招致プレゼンテーションで、
福島原発問題を『アンダーコントロール(管理下に置いており)』、
今までも現在も過去も『Safe(安全)』と述べたこと、
また、九州電力は15日、
鹿児島県の川内原発2号機を再稼働させたことを
検証する責任があります。
誰に対して
今の子どもたちと
これから生まれてくる
子どもたちに対してです。
「絶対安全」は無いということを
福島原発事故は教えてくれました。
川内での事故は起こりうる
その時、子どもたちの甲状腺がんの多発の可能性がある。
これを、事実として認識し
安全対策を検証し
どういう対応が一番望ましいのか
準備することが
重要なのだと思います。
原発事故の問題は
終わった事ではないし
これから起こらないと断言できることでも無いということを
今回の津田先生の発表から
学びました。
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