2016年03月05日
仙台攻略 | 転勤族向け 仙台市の概要についてまとめてみました
1.はじめに
私の周りでは、転勤の話題が出てきました。私は次年度も仙台残留が決定しました。
上から転勤のお話が来たときに「九州や沖縄、関西に行きたい!」と宣言していましたが、上から「まだ時期尚早」というお返事を頂戴しました。余りにも「沖縄」を押しすぎました。「東京」、「名古屋」、「広島」を押すべきでした。
地元は仙台ですが、北海道新幹線が開業する前に、この地から逃げ切りたかったです。なぜなら、お仕事のテリトリーが広がってしまうからです。
私が勤めている会社では、北海道新幹線の開業により北海道南部(長万部より南)のお仕事は、札幌支店・東京の本社から東北支社(仙台)へ移管されます。これにより、札幌在住の方々の一部は仙台へ転勤になります。仙台から新函館北斗までは2時間半です。時間的には、山形の庄内、岩手の三陸、秋田の能代より近くなります。
さらにもう一つの要因があります。来る3月11日で先の震災より5年が経ちます。もう5年です。私のお客様は官公庁が多いのですが、復興が進んでいる岩手県・宮城県内では5年を区切りに他県からの応援は激減するようです。福島県内も例外ではありません。ただし、5年が経過しても細かいお仕事は山のようにあります。現地は更地もしくは盛土して嵩上げしただけです。山を切り飛ばして、高台に移転地を作っても、細かいインフラはまだ手付かずというところも多いです。
やることは山のようにありますが、お役所の人員は大幅に削減されます。その穴埋めを我々のような民間事業者が肩代わりするというお話も出ています。要するに、当面の間、沿岸に出向です。民間事業者も全体のパイは増えていませんので、支社で働く人数が減るということです。
復興関連の仕事は減りますが、この5年間、本来行うべきお仕事を放置してきました。いよいよそのツケがやってきます。今年度あたりから、じわじわとその予感はしていました。実際に今年度、今まで放置していた事業に関するお仕事を行いました。私、それは全く頭に入っていませんでした。私のように、このことを頭から抜けていた他社様はすでに仙台の事業所を縮小しています。考えが甘いです。
都市計画道路事業を5年も放置していたら、ちょっとマズいですね。今までは「復興事業が優先」という大義名分がありましたが、これからはその言い訳は通用しなくなります。いろいろ放置していたこともあり、目に見える形でしわ寄せが出てきています。インフラでは「道路の維持管理放置による舗装や各種構造物、道路付属物の劣化」、「砂防事業に予算が回らないことによる土砂災害の発生」、「強引な開発行為による低地部の浸水の頻発」です。
ということをダラダラと書きましたが、今回の本題は、「仙台に転勤が決まった」「決まりそうな方向けの情報提供」です。仙台や東北の基礎的な情報、良い点、悪い風習等を記事としてまとめてみました。
2.仙台市の基礎知識
まずはここから説明します。
(1)仙台市の超概要
- 所在する県:宮城県(県のほぼ中央)
- 人口:108.2万人(平成27年国勢調査)、人口増加率:0.83%増(前年比)、国内で11番目に人口が多い市(10番目は広島市、12番目は千葉市です)
- 市内の区:青葉区(310,181人:東京特別区を除くと区では日本で2番目に人口が多い区です。一番は横浜市の港北区)、宮城野区、若林区、太白区、泉区の5区で構成(ただし、いずれの区の1区の大きさ(面積)は巨大。居住可能エリアはわずかで、大半は山林か田畑です)
(2)仙台市の地勢
これはざっくり説明します。
- 総面積: 786.30平方キロメートル(岡山市より若干狭く、福島市より若干広い)
- 山:市の西側は奥羽山脈、最高峰は船形山(日本二百名山)で1,500m、この他の山:泉ヶ岳(スキー場が2つあります。日本三百名山)、北泉ヶ岳、七ツ森、鎌倉山(作並の近く一見の価値あります)、太白山、日和山(日本一低い山、標高3m)
- 川:七北田川(泉区)、広瀬川(主に青葉区)、名取川(若林区、太白区)。行政区は同じでも、これら河川を境に街(集落)は激変します。河川を渡河する橋も少ないため、橋の周辺は常に混雑しています。
- 地形:西側(山形県側)急峻な山、東北道より東側は丘陵地、仙台駅の少し東側から太平洋までは平地(農耕地帯で軟弱地盤)です。過去の津波浸水エリアは仙台東部道路より海側(東側)です。
(3)気象
続いて、仙台市の気象の概要です。札幌ほどではありませんが、夏は涼しく、冬は極寒です。降雪は東北地方ではかなり少ない方です。降雪量の境目は東北道が目安です。この道路より西側は雪がかなり降ります。
夏場は過ごしやすいです。
降水量の平均値(月の上旬・中旬・下旬の合計値)
・平均値の最大値:72.1mm(8月下旬)
・平均値の最低値:8.9mm(1月中旬)
平均気温(月の上旬・中旬・下旬の平均値)
・平均気温の最高値:24.6℃(8月上旬)
・平均気温の最低値:1.3℃(1月下旬)
・年間平均気温:12.4℃
最深積雪量
・最深積雪量の最高値:8cm(2月上旬)
・最深積雪量の平均値:3.2cm
地震
年に数回、震度5弱以上の地震があります。非常に地震が多い場所です。なお、震度5弱程度の揺れでは地下鉄は運休になりません。JRも少し遅れるだけです。このため、地震が発生しても残念ながら平常どおり勤務です。
(4)交通
@道路
高速道路・自動車専用道路
まず、高速道路ですが、仙台市を中心にぐるっと取り囲むように高速道路が整備されています。東に仙台東部道路、西に東北自動車道、南に仙台南部道路、北に仙台北部道路が整備されています。
しかし、仙台の街なかまで短絡する都市高速道路や自動車専用道路は仙台西道路の1本しかありません。このため、朝の時間帯は各インターチェンジに向かう幹線道路は大渋滞が発生します。夕方の時間帯はインターチェンジから市街地に向かう方面は大変混雑します。
もう少し広域的にみると、仙台から南側は東北道、常磐道が整備されています。東京の最寄りのIC・JTC(東北道:川口、常磐道:三郷)までの所要時間が4〜5時間です。常磐道は亘理IC〜いわき中央ICまで暫定2車線区間ですが、東北道より早く到着できます。ただし、途中福島第一原発があること、関東まではサービスエリアが少ない(仙台から南側の最初のサービスエリアは南相馬鹿島SA、その次は茨城県の中郷SA)ので、リスクを避けたい方は東北道をおすすめします。
仙台より北ですが、青森県まで東北道と三陸道が整備済み又は施工中です。三陸道は登米ICまで整備済み、石巻までは4車線化済みです。
一般道路
仙台市及び宮城県は元々道路整備に余り力を入れてこなかった場所です。という訳で、渋滞は全国の政令指定都市でも酷い部類の入ります。公共交通機関があるのにも関わらず、皆さん車で移動します。また、立体交差等が少なく、無駄に広い平面交差点が多いことも原因と考えています。
以下の場所はその「無駄にデカいだけの平面交差点」の代表例です。
A公共交通機関
仙台市及びその周辺市町の公共交通機関は以下のとおりです。
JR線
仙台駅に乗り入れているJR路線は、東北本線、常磐線、仙石線、仙山線の5路線です。また、仙台空港アクセス鉄道も仙台駅まで乗り入れています。
そのうち、仙石線は元々宮城電鉄という私鉄でしたので仙石線だけは独立しています。仙台近郊のJR線では一番安定している路線です。起点は仙台駅ではなく「あおば通駅」です。「あおば通駅から苦竹駅」までの間は地下区間(仙台トンネルという)です。実質地下鉄のようなものです。石巻方面の快速列車は東北仙石ラインという路線に移っています。東北本線のホームから出発しています。
仙山線は仙台と山形を結ぶ路線です。JRの幹線ですが、路線は単線区間です。単線区間に限界まで列車を走らせているため、ちょっとしたアクシデントがあると、すぐに遅れます。遅れの原因は、首都圏のような人身事故は少なく、「落ち葉で坂を登れない」、「鹿とぶつかった」、「大雪で走行不可能」というものがほとんどです。
最後に、東北本線・常磐線について記述します。仙台駅を境に運行本数が激変します。南側(東京側)は本数が多く、最も本数が多い区間は仙台、名取間です。ただし、踏切事故や人身事故等が発生した場合は、半日は運転見合わせになります。
仙台市地下鉄
仙台にも地下鉄があります。仙台市の南北を連絡する南北線、東西を連絡する東西線です。運行本数は上記のJR線と比較すると、比較にならないほど多いです。ただし、表定速度は遅いです。場所によっては、自転車の方が目的地に早く到着できます。
路線バス
仙台市内には、主に仙台市交通局のバス(市バス)と宮城交通の2種類の路線バスが運行しています。その他、愛子観光バス、山交バス(48ライナー)の一部路線が運行されています。東西線開通後は、市中心部を走り回る市バスは激減しました。バスの運転は荒いです。ただし、運転はかなり上手な方が多いです。原付バイクのような運転をする方もいます。
なお、市バスに限った話しですが、仙台駅からの運賃が距離の割に安い路線は要注意エリアです。具体的な場所は内緒です。ご自身で調べてください。
3.仙台市周辺の市町とお近くの県庁所在地
仙台市に隣接する市町について説明します。西側の山形県及び色麻町、村田町以外はほぼ仙台市の衛星都市です。仙台の延長と考えてください。特に富谷町は国内で最も人口が多い町です。面積は狭いのですが、町内に巨大な住宅地が開発されたため、人口増加が著しいところです。来年度中に「富谷町」から「富谷市」に変更するようです。
多賀城市は仙台の東側に位置しており、仙台と塩竃の中間にある市です。これまで明治22年の多賀城村発足以降、市町村合併を一度も行ってこなかったので面積は狭いです。仙台港背後地の恩恵で行政が成り立っているところです。平安時代はこの場所が東北の拠点でした。
名取市は仙台の南側の都市です。ここも仙台市のベットタウンです。市の南東側(岩沼市との境)に仙台空港があります。
- 東側:多賀城市、利府町
- 西側:山形県山形市、山形県東根市
- 南側:名取市、村田町、川崎町
- 北側:富谷町、大和町、色麻町
それぞれの位置は以下の地図を参照願います。
次にお近くの県庁所在地です。これは距離で表現します。国土地理院の情報を元にまとめてみました。
仙台から山形市、福島市までは距離も近いため、高速バスが異常に多いです。山形市まではJR仙山線又は高速バスで1時間程度です。福島市までは東北新幹線で15分程度、高速バスで1時間弱です。
盛岡市は国内最大の面積の県庁所在地です。県の中央に位置していますが、岩手県が巨大すぎるため、仙台からは至極遠い場所です。盛岡までの所要時間ですが、東北新幹線のはやぶさ号で向かう場合は40分程度で到着できます。仙台から盛岡までの各駅停車の「はやて号」、「やまびこ号」で1時間半程度。JR在来線で約3時間(一関、小牛田で乗り換え有り)、高速バスで2時間半です。
秋田県は宮城県と県境は接していますが、秋田市の位置が日本海側であるため、仙台市から果てしなく遠い場所に位置しています。盛岡経由の秋田新幹線で向かうのが一番早く、約2時間半かかります。北海道新幹線開業後は、所要時間は新函館北斗とほぼ同じとなります。高速バスもあります。仙台〜秋田間の所要時間は3時間半です。鉄道より1時間程度の時間差しかないため、私が秋田に向かう場合は高速バスが多いです。
- 岩手県盛岡市(直線距離:161.1km)
- 秋田県秋田市(直線距離:174.2km)
- 山形県山形市(直線距離:44.6km)
- 福島県福島市(直線距離:67.7km)
以下は参照です。
東京からの隣接県の県庁所在地までの距離です。
- 埼玉県さいたま市(直線距離:19.0km)
- 神奈川県横浜市(直線距離:27.2km)
- 山梨県甲府市(直線距離:101.7km)
- 千葉県千葉市(直線距離:40.2km)
大阪からの隣接県の県庁所在地までの距離です。
- 京都府京都市(直線距離:43.0km)
- 奈良県奈良市(直線距離:28.7km)
- 和歌山県和歌山市(直線距離:60.5km)
- 兵庫県神戸市(直線距離:30.9km)
4.その他
以下の項目は簡単に説明します。
(1)教育
はっきり言って、教育(特に学問)には力を入れない県、市です。中学では部活動(スポーツ)を優先させる風潮が強いです。ですので、家族で転勤で赴任してくる方は注意が必要です。教育水準は低いです。過度な期待はしない方が良いと思います。
現在、仙台市泉区内では中学校のイジメの問題が話題になっていますが、北部(特に泉区の北西部)では陰湿なイジメが多いようです。私のときもイジメはありました。という訳で泉区の住宅地に借り住まいする方はイジメにも注意が必要です。
教育水準はどの区も大差がないので、リスクを避けたいのであれば、見た目の街並みで判断せずに、様々な方が混在して居住している宮城野区、若林区に住むことをおすすめします。
仙台の高校ですが、全国的に比較して特別優秀な高校はないです。仙台市内で優秀な高校と言われている高校は、仙台一高、仙台二高、仙台三高、宮城一高、宮城二華、仙台向山、仙台南、泉館山です。
しかし、これは高校入試の至極簡単な試験で合否が決まるものです。本人のやる気次第で何とでもなります。高校については、どこに行っても変わらないと考えています。短絡的に偏差値だけで判断するのではなく、親御さんがお子様とお話をして、「将来何をやりたいのか」、「このためには今後何をすべきか」をお互い理解する必要があると思います。
次に、仙台にある大学です。私が知っている大学しか記述しません。職場の同僚にはその卒業生がゴロゴロいますので、その大学の悪口は厳禁です。
・東北大学(たまにいますが、少数派です)
※河北新報に今年度の第二次試験(前期)の入試問題が掲載されていました。医学部、理学部、工学部等の理系の問題を、斜め読みしましたが、随分簡単な試験問題です。
河北新報の東北大学入試問題のページです。
・東北学院大学(ここの卒業生が非常に多いです)
・東北薬科大学(来年度から東北医科薬科大学になるようです)
・東北工業大学
・東北福祉大学
上記の卒業生は非常に多いです。その他の大学は判りません。
(2)食べ物
仙台に限らず、東北は食べ物は美味いです。特に米は非常に美味いです。海産物も捨てがたいです。おすすめはホヤとドンコです。放射能云々の話は正直判りません。私の周りでバタバタお亡くなりになる方はいないので今のところ問題ないかと考えています。
(3)仙台の地元民の特徴
以下は私が思う仙台の地元民の特徴です。デメリットしか記載しません。
- 時間を守らない。仙台時間というものがある。その割に飲み会の出席率は異常に高い。
- 会議を行っても、会議中は意見は言わない。終わってからブツブツいう。基本的にお仕事を一生懸命行う人はいません。すぐにサボる人が多いです。
- 内弁慶は多い。仙台が一番と思っている人が多い。二言目に「仙台って良いところでしょう〜!」という。私はそれを問われると、必ず「博多の方が良いですね」と回答します。内弁慶は首都圏や他の都市でもいますが、こちら仙台では、「他の地方を知ろうとしない」、「学習しない」方が多いだけです。
- 考え方が非常に保守的。震災後、かなりアクは取れましたが、まだ保守的です。
- 上記のこともあり、お仕事は大変やりづらい場所です。私が仙台を離れたい最大の理由はコレです。ダラダラと仕事をする傾向が強く、問題を先送り、重要なことも全く決まらないという場面に遭遇することが多いです。無駄仕事が多いため、都会より2倍苦労すると考えてください。言い過ぎかもしれませんが、課題を解決する能力が欠如しています。
- 皆さん運転が荒い。特にタクシー。タクシーが法定速度を守って走っていたり、きちんと車線を守っている場合は要注意です。近くに警察車両がいるケースが多いです。
最後に、私なりの危険な顧客の見極め方です。名刺や事務所(詰め所等)に以下のようなステッカーを平気で付けている行政、団体、企業は危険です。もう震災から5年です。無理をしてまで頑張る必要はありません。ただし、福島県は今後も頑張りましょう。
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1年働いてみて痛感しましたが、早く仕事を終わらせれば終わらせるほどちゃんと働かない人の仕事が回ってくるし、人数の少ない職場なのに人間関係も悪くて公私ともに仲良くなれそうな同僚は作れませんでした。
道行く人は太った人を見てその人に聞こえるようにバカにして笑ったりしてるのも何回か見てしまい、恐怖です。
あーそうだ、私こういう仙台が大嫌いだったなーと今さら思い出しました。
今の仕事は大好きで頑張りたいので、県外から来た優しい友達を作って頑張ろうと思います…