2016年10月23日
仙台の話題 | 広瀬通のイチョウの伐採 銀杏(ギンナン)の果実が臭い件について
こちら仙台では、先日(平成28年10月20日)は電車が運休するほどの強風が吹いていました。このため、市内のイチョウの街路樹から銀杏の果実がボタボタ落ちまくっていました。イチョウの果実は非常に厄介ものです。落ちた果実を踏みつぶすと、独特の異臭を放ちます。私、銀杏を潰した臭いが大嫌いです。イチョウで思い出したことですが、仙台では広瀬通という大通りに植えているイチョウを撤去することに揉めています。今回は仙台のイチョウの伐採と、イチョウの街路樹及び銀杏の果実の臭いに関して、記事として取りまとめたいと思います。
【今回の記事の目次】
・1.はじめに
・2.仙台市の広瀬通のイチョウの撤去
・3.イチョウの街路樹について
・4.銀杏の果実の臭い
・5.銀杏の果実に関する注意事項
仙台市のサイトによると、広瀬通のうち、愛宕上杉通から駅前通までの区間において、宮城野橋の供用に伴い、中央分離帯を撤去し、車線の増設と右折レーンの整備を行うため、道路改良工事を実施するようです。
この改良工事により、広瀬通の中央分離帯に植えたイチョウ11本を伐採する予定とのことです。下図は広瀬通周辺の航空写真に「伐採するイチョウ」と「残すイチョウ」を記載したものです。
イチョウは、日本の道路の街路樹のうち樹種別では最も本数が多い樹木です。有名なところでは、東京の明治神宮外苑や大阪の御堂筋等がイチョウ並木として知られています。
仙台の広瀬通もイチョウが植樹されていますが、青葉通りや定禅寺通りのケヤキ並木と比べて、若干マイナーです。私が「仙台でイチョウ並木かな?」と思うところは、愛宕上杉通、県庁前の通りをまず思い浮かべます。
この広瀬通は、交通の面からみると、西は仙台西道路に接続し、東北自動車道の仙台宮城ICまで短絡する路線です。また、現在仙台駅区間ではX橋という橋を取り壊して、新たに宮城野橋という広い幅員を有する跨線橋を建設中です。この跨線橋工事と同時に東側では、宮城野区榴岡から銀杏町付近(旧国立仙台病院の裏)で道路の延伸工事を行っています。将来的な予定では、東側区間には「仙台東道路」という自動車専用道路を建設する予定です。
このため、本路線は仙台市の東西を連絡する重要な路線として位置付けられています。仙台駅近くには「宮交仙台高速バスセンター」もあり、交通量が半端なく多い道路です。昼夜問わず、常に渋滞している道路です。私は、渋滞が嫌いなので、この路線を使うことは滅多にありません。
現在の状況は、宮城野橋の仙台駅側の橋梁工事が完了する予定です。この橋が開通すると、広瀬通を通過する交通量が相当増加するものと予想しています。このため、仙台市では愛宕上杉通から駅前通までの区間のイチョウを伐採して、中央分離帯を撤去し、車線の増設と右折レーンを設置する工事を行いたいとのことです。
この区間ですが、現在の宮城野橋は暫定2車線供用中です。しかし、中央分離帯があるため、常に混雑している状態です。仙台駅を跨ぐ橋梁を拡幅し、問題となっているこの区間のみ道路を拡幅しても渋滞する箇所が西側に移動するだけです。しかし、現在の状況では更なる渋滞に拍車をかけるだけです。仙台駅付近には車で東西を連絡する路線が非常に少なく、国道45号、広瀬通、新寺通の3路線しかありません。この区間に交通を集中させることで、国道45号や新寺通の渋滞緩和にも繋がる事業であると考えています。
抜本的な渋滞対策を行うためには、秋田市の秋田中央道路のような自動車専用道路を整備すべきです。
話しをイチョウの伐採に戻します。私の考えは、イチョウの伐採については、この区間に限り「伐採に賛成」です。とにかく渋滞緩和、交通安全が第一です。「杜の都」なので、イチョウの伐採には反対という理論は通用しません。また、道路の両側のイチョウは伐採しない予定ですので、イチョウ並木として機能は保たれるものと考えています。街路樹というものは、人間が人為的に植えたものです。この区間のイチョウは戦後に植樹したもので歴史的な価値もありません。
なぜ、日本の道路の街路樹にイチョウが多いのかを調べてみました。
国内の街路樹の樹種で最も多いのはイチョウです。2位はサクラ類、3位はケヤキです。イチョウがなぜこれほど多いかというと、イチョウは大気汚染に強く、丈夫な木であるためです。火災にも強い植物です。国内に無数に植えていますが、イチョウの原産国は中国です。イチョウは裸子植物です。恐竜が闊歩しているときから現存しているしぶとい植物です。生きている化石とも言われています。
街路樹としての機能では丈夫な植物で剪定に強い特定を持ちます。ただし、道路の街路樹としての機能ではマイナスの点もあります。
まず、イチョウの葉には油分が含まれています。落葉時には葉の油分のため、バイクが転倒したり、スリップする事故が発生します。
次に、この植物の種子(銀杏)は、独特な臭いを有しています。落ちた銀杏を車や人が踏みつぶしてしまい、並木道周辺はさらに強烈な臭いを発します。さらにあの臭い果実を夢中で拾っている高齢者が非常に増える時期です。中央分離帯にも銀杏拾いをしているご老人がいます。スーパーのデカい袋が一杯になるまで拾い続けます。とても自分たちで食する量ではありません。どこかに売りさばく目的で拾っていると思います。車が猛スピードで通過しようがお構いなしです。危険極まりない行為です。人身事故の元です。
仙台で問題となっているイチョウの伐採とは全く無関係ですが、イチョウの果実である「銀杏」が臭い件について、調べてみました。
まず、イチョウには、雄株、雌株の2種類があります。実(銀杏)を付けるのは雌株です。場所によっては、実を付ける雌株を撤去して、全て雄株にしている自治体もあります。
銀杏の臭いは、酪酸とぺプタン酸という物質の臭いです。酪酸はバターやチーズのような臭い(足の臭い)、ぺプタン酸は腐敗物のような臭いです。という訳で、銀杏の臭いは、バターが腐ったような足の臭いです。銀杏の熟した強烈な臭いは、サルやネズミですら食べようとしないと言われています。
こんな迷惑極まりない銀杏ですが、熱を通したり、煮たりする過程で嫌な臭いはなくなってしまいsます。
ただし、果実を拾うときには注意が必要です。
並木道や公園などに落ちている果実の果肉の部分を触ると、手がかぶれることがあります。銀杏の果肉には、ギンゴール酸やビロボールという物質が含まれていて、これに触れると皮膚炎になる場合があります。重症になると水疱ができたり、触った部位だけでなく、全身に発疹がでる場合もあります。
また、「食べ過ぎ」にも注意が必要です。銀杏の食用とする種の中身にはビタミンB6の類縁体4-O-メチルピリドキシンという物質が含まれています。この物質がけいれんなどを引き起こす原因となります。特に、肝臓の解毒能力がまた弱い子どもは注意が必要で、症状が出た報告の70%程度が5歳未満の子どもです。大人の場合かなりの数を摂取しなければ問題はないとされていますが、個人差もあるので10個以上食べたときなどは、体に変化がないか意識しておくとよいでしょう。
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