ペトロニウスの何やかんや

●てんそく伝説さつじんじけん　その3

さて、てんそく村診療所の地下にある「寝るふ」の実験施設で、殺されていた白衣の男は、半年前から、診療所の医師を務めていた後宮金蔵であった。

出身はわからないが、てんそく村の出身ではないことは確かで、長年、ドイツの研究施設で研究していたらしい。

それが、半年前にてんそく村診療所に、赴任してきたのだった。

凶器はクリスタルの巨ム文鎮ではなかった。

巨ム文鎮で後頭部を殴った後、首を絞めて殺したのだ。

「そんみんおじさん。手で首を絞めて殺すのは、扼殺(やくさつ)ていうねん。知ってる？」

「知ってるよ風花。ひもなどで首を絞めたら絞殺(こうさつ)、ひもので殴って殺したら撲殺(ぼくさつ)というわけだ」

「ひもので殴って人を殺せんの？そんなん無理やわ」

「風花はあの有名な「まだらのひもの」事件をしらないのかね？」

「あれは、まだらのひものじゃなくて、すけそうだらのひものでしょ」
　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく
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秀逸な作品ですが、ひものが出てこないのが欠点です。

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