2017年04月17日
てんそく伝説さつじんじけん その1
てんそく伝説殺人事件 その1
皆さんご存じのてんそく村には、どくろ・まぐろ様をご神体とするてんそく神社がある。
この比較的大きめの真っ黒なしゃれこうべは、わたしには「ヤッターマン」のドクロベエを連想させる。
この人間離れしたどくろ・まぐろ様と地下洞窟に安置されている巨大な「ム」の形をした石のかたまりが、むかしむかし、てんそく村に地球外生命体が到来したことを連想させると考える学者もいる。
てんそく神社に伝えられている「てんそく村縁起絵巻」によると、てんそく村は昔、いちど全滅したらしい。
このてんそく村を全滅させた厄災を「てんそく村大災害」とよんでいる。
そして、「てんそく村大災害」が起きたとされる7月7日に、てんそく神社では、七夕祭りとともに「綿あめ流し」の神事が行われる。
この大災害の原因などの詳細は、歴史学者の研究を待たねばならないが、最近、いくらかは分かってきた。
しかし、「巨ム」へ御供えをする「巨ムへの供物」などについては、不明点も多い。
どうやら、てんそく村には、その昔、雨傘株式会社(UMBRELLA CORPORATION)と言う会社があったらしい。
その雨傘社が作っていた「手形ウイロ酢」という製品が、このてんそく村大災害に関係しているらしいのだが、その詳細は、ここで記すにはあまりにも、おそろしいため、別途、「売御狭人(ばいおはざと)」氏の居宅で起きた、<マンション「レジデンス・伊比留」殺人事件>で語ることとする。
ただ、「手形ウイロ酢」が手の形をした名古屋名産のウイロのマリネ(酢漬け)であるらしいことを付記しておく。
さて、てんそく村神社には、ふたたび「手形ウイロ酢」が復活して、住民に厄災が降りかかったとき、どくろ・まぐろ様が叫び、「巨ム」が住民の光となるだろうという伝説がある。
そして、巨ムへの供物をしなかったり、綿あめ流しの時に「綿」ではなく「なた」をふりまわすと「マグロ様の祟り」があるのだ。
祟りとは、首回りがとてもかゆくなり、かいてもかいてもかゆみがとれなくなって、キンカンやムヒやレスタミンやオイラックスを塗っても、かゆみがとれず、首をかきむしって、気が狂ったようになるとうものらしい。
これを「てんそくマグロ症候群」と名付けることはたやすいが、事の本質を表しているとは言いがたいと私は感じている。
事件が発覚したのは、7月8日、てんそく神社の祭りつまり綿あめ流しの翌日だ。
てんそく村には、病院は無く、診療所がひとつあるだけで、病気や怪我のひとはみんなそこで診てもらっていた。
村民のひとり場虎智史(ばとらさとし)が、前日の祭りで隣の「八馬鹿村(やつばかむら)」の地酒で作った「桑ドリアン」カクテルという、地酒「犬神族」にスイートベルモット、桑の実とドリアンをすりつぶした物に、アロマチックビターズを加えたカクテルを飲み過ぎて、心配になり気分が悪くなってきた。
この「桑ドリアン」は飲んだときは、口当たりが良いので、どんどん飲むが、時間が経過すると、突然、酔いが回ってくるので「時限爆弾」と呼ばれている。
小さな木造2階建ての診療所には、1階が診察室や待合室、台所やトイレ風呂があり、2階には診療所の先生である「後宮金蔵(うしろくきんぞう)」医師の寝室と書斎があった。
場虎は、時限爆弾で突然酔いが回って、狂ってしまうのではないかと恐怖におののきながら、診療所をたずねた。
しかし、診療所に後宮医師がいないので、2階で寝ているのかを思って、2階の書斎へ行った。
しかし、2階の書斎にも後宮医師はいなかった。
そこで、寝室を見たがそこにもだれもいなかった。
でも、ベッドが変だ。掛け布団がめくれて、シーツもしわくちゃになっているに、枕がきれいな状態で、頭の来る位置、つまり正しい位置にあったのだ。
これはおかしい、と感じた場虎は、そのベッドに横たわった。
すると天井に「わたしはだあれ?」と書かれているではないか。
場虎はとっさに頭の中にあった言葉を叫んだ。
「時限爆弾」
どこかから「正解」という声が聞こえ、ベッドが傾き始めた。
と同時に、壁の書棚が二つに割れ、滑り台のようなレールがベッドの方に延びてきたのだ。
場虎は、そのまま斜めになったベッドからレールへと滑り、壁の中へ、そして地下へと滑っていった。
そしてついた場所は、最新設備を備えた研究施設の様な部屋だった。扉には大きな平仮名の「ふ」が右90度に回転して書かれており「寝る「ふ」・野次馬作戦研究所」と書かれていた。
場虎が入っていった。
中にはいろいろな変な物や「初号機」「4号機」などと書かれた機械、そして「アンビリーバブルケーブル」と書かれた配線などがあったが、場虎は。時限爆弾「桑ドリアン」の効果で、だんだん頭がおかしくなってきた。
場虎は見た。部屋の中央に倒れている白衣の男。そして、壁には至る所に、なたか何かで切り刻もうとしたような傷跡を。
そして、床には真っ赤な大きな「ム」の字とてんそく神社のお守りとして売っているクリスタルの「巨ム」文鎮が落ちていた。
場虎は、おもわず「こんなとき、どうすればいいの?」とつぶやいた。
これが「てんそく伝説さつじんじけん」のはじまりである。
つづく
------------------------------------
「てんそく伝説さつじんじけん」は下記とは関係があるようでありません。あしからず。
皆さんご存じのてんそく村には、どくろ・まぐろ様をご神体とするてんそく神社がある。
この比較的大きめの真っ黒なしゃれこうべは、わたしには「ヤッターマン」のドクロベエを連想させる。
この人間離れしたどくろ・まぐろ様と地下洞窟に安置されている巨大な「ム」の形をした石のかたまりが、むかしむかし、てんそく村に地球外生命体が到来したことを連想させると考える学者もいる。
てんそく神社に伝えられている「てんそく村縁起絵巻」によると、てんそく村は昔、いちど全滅したらしい。
このてんそく村を全滅させた厄災を「てんそく村大災害」とよんでいる。
そして、「てんそく村大災害」が起きたとされる7月7日に、てんそく神社では、七夕祭りとともに「綿あめ流し」の神事が行われる。
この大災害の原因などの詳細は、歴史学者の研究を待たねばならないが、最近、いくらかは分かってきた。
しかし、「巨ム」へ御供えをする「巨ムへの供物」などについては、不明点も多い。
どうやら、てんそく村には、その昔、雨傘株式会社(UMBRELLA CORPORATION)と言う会社があったらしい。
その雨傘社が作っていた「手形ウイロ酢」という製品が、このてんそく村大災害に関係しているらしいのだが、その詳細は、ここで記すにはあまりにも、おそろしいため、別途、「売御狭人(ばいおはざと)」氏の居宅で起きた、<マンション「レジデンス・伊比留」殺人事件>で語ることとする。
ただ、「手形ウイロ酢」が手の形をした名古屋名産のウイロのマリネ(酢漬け)であるらしいことを付記しておく。
さて、てんそく村神社には、ふたたび「手形ウイロ酢」が復活して、住民に厄災が降りかかったとき、どくろ・まぐろ様が叫び、「巨ム」が住民の光となるだろうという伝説がある。
そして、巨ムへの供物をしなかったり、綿あめ流しの時に「綿」ではなく「なた」をふりまわすと「マグロ様の祟り」があるのだ。
祟りとは、首回りがとてもかゆくなり、かいてもかいてもかゆみがとれなくなって、キンカンやムヒやレスタミンやオイラックスを塗っても、かゆみがとれず、首をかきむしって、気が狂ったようになるとうものらしい。
これを「てんそくマグロ症候群」と名付けることはたやすいが、事の本質を表しているとは言いがたいと私は感じている。
事件が発覚したのは、7月8日、てんそく神社の祭りつまり綿あめ流しの翌日だ。
てんそく村には、病院は無く、診療所がひとつあるだけで、病気や怪我のひとはみんなそこで診てもらっていた。
村民のひとり場虎智史(ばとらさとし)が、前日の祭りで隣の「八馬鹿村(やつばかむら)」の地酒で作った「桑ドリアン」カクテルという、地酒「犬神族」にスイートベルモット、桑の実とドリアンをすりつぶした物に、アロマチックビターズを加えたカクテルを飲み過ぎて、心配になり気分が悪くなってきた。
この「桑ドリアン」は飲んだときは、口当たりが良いので、どんどん飲むが、時間が経過すると、突然、酔いが回ってくるので「時限爆弾」と呼ばれている。
小さな木造2階建ての診療所には、1階が診察室や待合室、台所やトイレ風呂があり、2階には診療所の先生である「後宮金蔵(うしろくきんぞう)」医師の寝室と書斎があった。
場虎は、時限爆弾で突然酔いが回って、狂ってしまうのではないかと恐怖におののきながら、診療所をたずねた。
しかし、診療所に後宮医師がいないので、2階で寝ているのかを思って、2階の書斎へ行った。
しかし、2階の書斎にも後宮医師はいなかった。
そこで、寝室を見たがそこにもだれもいなかった。
でも、ベッドが変だ。掛け布団がめくれて、シーツもしわくちゃになっているに、枕がきれいな状態で、頭の来る位置、つまり正しい位置にあったのだ。
これはおかしい、と感じた場虎は、そのベッドに横たわった。
すると天井に「わたしはだあれ?」と書かれているではないか。
場虎はとっさに頭の中にあった言葉を叫んだ。
「時限爆弾」
どこかから「正解」という声が聞こえ、ベッドが傾き始めた。
と同時に、壁の書棚が二つに割れ、滑り台のようなレールがベッドの方に延びてきたのだ。
場虎は、そのまま斜めになったベッドからレールへと滑り、壁の中へ、そして地下へと滑っていった。
そしてついた場所は、最新設備を備えた研究施設の様な部屋だった。扉には大きな平仮名の「ふ」が右90度に回転して書かれており「寝る「ふ」・野次馬作戦研究所」と書かれていた。
場虎が入っていった。
中にはいろいろな変な物や「初号機」「4号機」などと書かれた機械、そして「アンビリーバブルケーブル」と書かれた配線などがあったが、場虎は。時限爆弾「桑ドリアン」の効果で、だんだん頭がおかしくなってきた。
場虎は見た。部屋の中央に倒れている白衣の男。そして、壁には至る所に、なたか何かで切り刻もうとしたような傷跡を。
そして、床には真っ赤な大きな「ム」の字とてんそく神社のお守りとして売っているクリスタルの「巨ム」文鎮が落ちていた。
場虎は、おもわず「こんなとき、どうすればいいの?」とつぶやいた。
これが「てんそく伝説さつじんじけん」のはじまりである。
つづく
------------------------------------
「てんそく伝説さつじんじけん」は下記とは関係があるようでありません。あしからず。
価格:514円 |
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6176144
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック