2016年02月05日
冒険者 = 猟師+便利屋 だよね!T
小説投稿サイトの小説家になろうでは、まあ中世ヨーロッパ風の異世界が舞台で、ゲーム的なRPG的な、西洋ファンタジックな世界観の作品が主流であるのである。
そして、そのような小説に極めて頻繁に登場する職業が 『冒険者』 である。
この冒険者なる職業をどのように規定するかは、なかなか難しいところでもある。
ゴブリン退治などを引き受けたかと思えば、
隊商の護衛などもやり、
そうかと思えば薬草採取をして、
さらにドラゴンを退治もするし、
かといってある作品ではトイレ掃除までしていた。
ということはこれをざっくりまとめていうと、
1.モンスター(害獣)退治系 2.その他雑用系 となろうと思われる。
隊商の護衛などは、盗賊退治などもやるから、これは上記1.2.の分類から離れるような気もする。
けれどもまあ、色々読んだ個人的な感触では、対人戦をメインとする連中は、なろう小説においては 『傭兵』 という分類にされるのが一般的なかんじなのかなと思われる。
冒険者はまあ、対モンスターメインの護衛で、盗賊が来たらまあしょうがないからやっつけるというイメージで、傭兵は対人戦闘もメインなイメージである。
もちろん私の勝手な分類ではあるけれど、要するに結果としての殺人を主業務とするのが傭兵だろうと思う。
傭兵はそこらへんの心理的な壁が少し高いから、冒険者と分別されているような印象を受ける。
というわけで、冒険者の仕事を
1.モンスター(害獣)退治系 2.その他雑用系 に分別したとする。
これを現代の職業に置き換えると、つまりは 猟師 と 便利屋 である。
ということは、なろう小説で冒険者を描写する際に、どんな本が参考資料たりえるのかというと、猟師の本と便利屋の本なわけである。
というわけで、今日ご紹介したいのは、
『まほろ駅前多田便利軒』 三浦 しをん 著 である。
これは、便利屋が主人公の小説作品なのである。
直木賞作家であって、笑えるエッセイなどもお書きになる三浦しをんさんの作品であるから、ある程度の面白さは保証済みである。
一応だけ内容に触れておくと、まあバツイチの便利屋のところに、変わり者で有名だった同級生が転がり込んできて、ちょっとミステリーっぽい連作短編仕立てで、まあ人生で受けた傷を抱えながらも生きていく人間たち、みたいな感じのものである。笑えるようなところもあり、文章がやっぱうまいし、非常にいい作品である。
が、中世ヨーロッパ風ファンタジーを書きたいワナビとしては、それよりも何よりも、便利屋稼業についての描写のでディテールを参考にしたいわけであるね。
この作品のなかで
『便利屋に頼むのは、自分でもできないことはないけど、自分ではやるのが面倒みたいなことなんだ(要旨)』みたいな文章があったが、つまり便利屋の日常は、いかにも雑用みたいなことでも成り立っているわけである。
そういう描写の空気感をマネして自分の作品に落とし込めば、例えば主人公の低レベル冒険者時代の描写などにより一層の深みがでるかもしれない。
例えば、馴染みのお客さんから、雨戸のたてつけが悪くなったとかいう話を聞いて、じゃあそれ私が直しますよ、というわけで、冒険者の宿に引き返して、大工道具を持ってきて、カンナで戸をすこし削って、敷居に蝋を塗って華麗に修繕し、奥様から代金をいただくFランク冒険者の主人公、というのもよろしかろう。
また後日に機会があれば猟師について書いた本もご紹介したい。
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