2013年07月25日
向日市から嵐山へ(その4)
より大きな地図で 西蓮寺〜嵐山 を表示
b.このあたり、葉室(ハムロ)って地名なんすね、
a.葉っぱがたくさん生えてる、そんな森の中に隠れるように家が建ってる、そんなイメージか、
b.今はそれよりもっと家が建ってるけど、それとなく風情ありますね、
a.平安時代に葉室家という貴族の別荘があったそうや、
b.どうりで、由緒あるお寺がずらっと並んでると思った、きっと葉室家がスポンサーなんでしょうね、
a.よく分かんないけど、お寺もそれなりにお金かかるしなあ、
b.しかし、この細道は気分良いっす、西蓮寺に始まり、浄住寺(ジョウジュウジ)、地蔵院と、竹林も多いし、
a.地蔵院の先から石段を降りて、さらに苔寺、鈴虫寺と、だんだん観光客の気分になってきた、
b.石段の下にかぐや姫がどうこうってありますね、
a.かぐや姫竹御殿、なんだろう、お寺でもなさそうやけど、
b.ウェブによりますと、「竹取翁(タケトリノオキナ)」と呼ばれた日本を代表する竹細工職人が、その名にちなんで竹ばかりの御殿を建てたそうです、昭和のはじめに、
a.なるほど、目の前を何千回も通ったけど、調べなきゃ無知も同然やな、
b.ここから、苔寺の横を抜けて谷の奥へとずっと入っていく細い道があるんすね、
a.ひとつは自転車だと、かつぐばかりでつまらない、嵐山方面へ山を縦走する細道、ほとんど見晴らしは無いけど、唯一、松尾山のあたりから渡月橋あたりが見晴らせてすばらしい、案内板も充実してるし、
b.もうひとつは、
a.苔寺の横を流れる川に沿って、果てしなく単調な林道をひたすら上っていく修行のようなコース、ただ、
b.ただ?
a.小一時間過ぎると、ガタガタの路面が急にさっぱりして、登りは登りだけど、遠くの山々が見晴らせて急に楽しくなる、とくに紅葉の季節はそりゃ良くってなあ、
b.で、この林道は最後、行き止まりなんすか、
a.トロッコ保津峡駅の真上のあたりが終点になるんやけど、ここから右手の細道へ分け入っていくと、嵐山の方まで道がついてて、MTB(マウンテンバイク)なら、登りや担ぎも少なく、8割ほど乗っていられるから楽しい、ハイカーも少ないし、昼過ぎならまず被(カブ)らないで(=ルートが重ならないで)行ける、崖崩れや大岩が行く手を阻むけど、作り過ぎない道だから、とても気分がいいんだ、
b.じゃあ、けっきょく苔寺からのびる二つのルートは、
a.そう、松尾山の頂上あたりで出会うことになる、で、そこからお猿で有名な岩田山を左に見ながらきつい坂を下って、渡月橋のすぐそばに降りられるんだ、
b.なるほど、でも、今回は町中の道ですよね、
a.松尾大社に向かって細い路地をクネクネ進もう、
b.ここは松尾大社じゃなく月読神社か、
a.神社むかいの小さな公園も子供の遊び場、学校帰りの中学生もときどき集まってる、
b.ゆるい坂をくだっていくと松尾大社の境内が左に見えてくる、相撲の土俵まで有らあ、
a.境内にそって道を曲がり、さらに松尾山のふもとを進もう、
b.ここら辺に来ると空気が少し変わりますね、
a.山がせまって西日が完全に遮られるから、冬はえらい寒いけど、夏はそこそこ涼しい、
b.住宅街が続いてますが、道は昔ながらのカーブを描いております、
a.あと涼しさと関係するかもしれないけど、桂川は渡月橋のあたりから、小川が二本引かれてて、住宅街の中をそれとなく流れてる、内一本は松尾大社の庭園にも流れ込むしかけ、
b.水量も豊かやし、何となく心豊かになりますね、
「それとなく小川流れる家のそば」、
a.というわけで、小川にそって住宅街を進むうちに、そろそろゴールの嵐山や、
b.しかし、前方には、交通量の多いあの宿敵、物集女(モズメ)街道が、
a.ここは右手の路地を使って、裏道から渡月橋に向かおう、クルマの入れない中州ねらいじゃ、
b.相変わらず徹底してるなあ、
a.「クルマなき道をさがしてきょうも行く」・・・
b.「ジャン、ジャン」、