私の結論・理想的なわかりやすさとは
アニメというよりはゲーム脳なので、ゲーム目線で考えるとゲームというものは「わかりやすい・にくい(とっつきやすい・にくい)」と「底が深い・浅い」に分割可能なんです、でもって人気があるゲームの多くが、わかりやすくて底が深いゲームになっています、例を挙げればマインクラフトなど。
逆にわかりにくくて底が深いゲームは人気はないけど濃いファンがついている、例を挙げれば格ゲー、そしてわかりやすくて底が浅いゲームは一部の例外を除いて短命化しやすい、わかりにくくて底が浅いゲームは話題にもならない。
わかりやすくて奥が深いのが一番理想なんですが、これが一番難しい。
わかりにくいとされる要素
1専門用語が多い
2人間関係が複雑
3話の展開が激しい、情勢が何度も変わる
4純粋に情報量が多い、キャラが多い
5情報が多い割に情報の仕分けがされていない
6客が基本的なことを理解している事前提
大体私が感じたわかりにくい要素はこんな感じです。少し考えてみましょう。
1専門用語が多い
これは本当にわかりやすい。ロボットアニメの場合ロボットを特別な呼称で呼ぶパターンが多いです、これはお約束ですね。これは専門用語でも客が常識を共有している、例えばロボットアニメのロボットは専門の呼ばれ方があるということを理解していればそれは専門用語にならないんですよ。
2人間関係が複雑
これも説明不要ですね。特に寝返りがあるとか親友の仲違いとか離婚とかそういう人間関係の変化イベントが多いと更にややこしくなります。
3話の展開が激しい
これヨーロッパ中世史なんかがモロにこれです。勢力ごとの関係性が流動的で昨日の敵は今日の友、昨日の友は今日の敵みたいな流れが多く、理解するにはコツがいります。
そのためか西洋の作品は日本のものと比べてこの点わかりにくい作品が多い感じです、多分文化的な背景なんだと考えます。
4純粋に情報量が多い、キャラが多い
これはよくあります。一気に情報が流れてくると混乱するんですよ。ゲームなんかは少ない操作で面白さがわかるような方が理想的です。うまいゲームは少ない操作で面白さを理解できるけど上手い人の操作量は凄まじいってものになります。
5情報が多い割に情報の仕分けがされていない
例えば勧善懲悪は善と悪に仕分けされています。例えば〜部所属の〜さんとか、〜出身の〜さんとか、部長の〜さんみたいな感じでわかりやすい情報がついているとわかりやすい。
わかりにくいと言われる作品を見るとそのキャラやモノが何なのか、どこに所属しているのか、何を目的としているのかなどが曖昧なまま放置されているモノが多いと思う。
6客が基本的なことを理解していること前提で客が理解していない
私なんかは歴ヲタなのですが、歴史なんかはこれが難しい、1回史料に出てきて終わりみたいな人物が極めて多い世界なので。
とは言え例えばちょうど大河でホットな「本能寺の変」は日本人全員が知っている事前提になります。こういったみんなわかってるよねのラインが人によって違うのでそのラインを引き違えるとわかりにくいになります。
SFや格ゲーなんかはこの問題で死んだ部分があります、クリエーターやファン層が考えるみんな理解している範囲と一般人が理解している範囲の差が激しい。
複数のわかりにくさが同時にくる作品はわかりにくい
例えば世界観はすごく複雑なんだけど人間関係はすごく単純みたいな作品は結構わかるんですよ、理解力を世界観だけに全振りすればいいから。
ダグラムなんかはクリンの仲間は最初から最後までほとんど変動がないんです、だから世界観やシナリオの割にかなりわかりやすい。
逆に複雑な世界観設定、絡まった人間関係、豊富な専門用語、整理されていない情報、これらが同時に来るととてもわかりにくい。
アニメのわかりやすさとゲームのわかりやすさの違い
ゲームってアニメと違ってたくさんのキャラクターを簡単に理解できるんですよ。ZガンダムはMSのデザインが陣営ごとに統一されていないからわかりにくいと言われたそうですが、ゲームだとエゥティタでは陣営でMSが色仕分けされているのでデザインで仕分けされていなくてもわかるんですよ。
勧善懲悪は何故わかりやすいか
基本的に世界の全てを「いい人」「悪い人」にわけられるから。どんな複雑な設定があっても絶対にどっちかのタグが付くからタグ検索が楽。敵味方、善悪、光闇とざっくりわけられる。
TFなんかはキャラの多いものの大半がサデ軍のどっちかに別れているのでその範囲を理解すれば後は簡単ですね。勧善懲悪はわかりにくい5の情報の仕分けという点を善悪に分けるからわかりやすいわけです。
「視聴者の常識だより」が通じない時代に生きている私達
近年、具体的に言うとここ15年位は共有された常識というものが消えていっているように感じます。理由はシンプルにテレビの衰退、例えば視聴率50%を超えるおばけ番組が有ればみんなその番組を見ていると考えてもいいんですよ。60年代から00年代半ばまでの40年以上に渡って流行の発信源だったテレビの神通力がだんだん減ってきたんです。
所が近年はネットが発達したせいでテレビに代わる巨大な情報源が誕生してしまった、結果的に単純に流行の発信源がTVとネットに別れます、更に流行は若年層から産まれる、TVの視聴者は大きく分けて高齢者とガチ幼児、そのガチ幼児も最近はYou Tubeという時代です。
例えば1stガンダムは視聴者が他のロボットアニメを視聴した経験があることを前提に作られています、また多少の戦争知識も求められ、さらにSFに対するもやっとした認識も求められる、その最低限の前提を他のテレビ番組を見た事でクリア出来ます。今の時代はそれが難しいんですよ。
潮流としての流行が見えない時代
去年は鬼滅の刃が大流行しましたが、ここでポイントがあります。流行ったのは鬼滅であって鬼滅系じゃないんですよ。進撃の時も結局ポスト進撃は現れないまま消えました。
例えばマジンガーZが流行ったら数年後にはロボットアニメが多数作らえ、その中からガンダムが出てきてガンダムが成功したらリアルロボット系が流行り、エヴァが流行したらセカイ系が流行りました、ドラクエが流行したらJRPGが流行りました、スト2が流行ったら格ゲーが流行りました、そういう流行の潮流が近年、具体的な時期は不明ですが、少なくともここ十数年見られなくなっています。
だから流行に乗れば流行に乗ってる勢は理解してくれるというのがとてもやりにくくなっています。
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