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2022年11月25日

【ブックレビュー】英語は爆発させて覚えろ!『脳が認める外国語勉強法』が面白い!

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本日紹介する本は脳が認める外国語勉強法(ガブリエル・ワイナー著、ダイヤモンド社)

著者のガブリエル・ワイナーさんは、世界中で歌い、各国の音楽家と交流する米国人声楽家。

本書は、かれが独自に体得した外国語の短期学習法を解説する本です。



著者の経験で得たノウハウを脳科学の理論で補強しながら、ジョークを交えてまとめた内容となっています。





本書の中心となる考え方は、言語は私たちの周りの事物と独立してあるのではないこと。

そしてひとつひとつの単語が、それが指し示す対象と1対1に対応しているわけではないとこと。

わたしたちの脳は、目で見たもの、耳で聴いたことなど、五感の様々な刺激をきっかけに、とっても複雑な関係性の網の目の中から、ある単語や文章を呼び出し、さらに数珠つなぎに連想し、言葉を話したり書いたりしています。

ですから、言語を学ぶときも、「犬=dog」みたいに、単語単語をバラバラに頭に入れ、脳内でぶつ切りにしてしまうような学び方ではだめだとのこと。

単語の意味や発音、文法を忘れず、するすると出てくるようにするためには、極力ほかの語、画像、音声などと関連付けて覚えるのが有効だというのが、本書のキモになっています。






たとえば昔からあるリングで綴じた「単語カード」も、言葉と対応する何かしらの画像を必ず入れる(絵にしにくいものこそ無理やり入れる)などの方法を指南しています。

現在は、著者が勧める外国語学習方法に強い味方が次々に現れています。パソコンやスマホのアプリケーションソフト、またSNSを含むコミュニケーションツールです。

本書では、五感を連関させる言語学習に最適なITツールが挙げられているのも大きなポイント。

たとえば

デジタルフラッシュカード「anki」

ネイティブの音声が聴ける「FORVO」

外国語の作文を添削してくれる「lang-8」

などなど、使い方なども割と詳しく紹介しています。先述の「画像入りカード」を手早く作るために有用なGoogle画像検索の活用なども、非常に実践的です。






また、多くの人が経験的に気付き、ひそかにやっている方法。いわば「公然の秘密」となっているあの方法にも言及しています。

それは「言葉は性的なイメージ、下品なイメージと結びつけると記憶しやすい」ということ!

実際、著者は外国語を学習するときには、単語を映像でイメージし、頭の中で性交させたり爆発させたりしているそうです。

身もふたもない。というか、子供か。

「うんこ漢字ドリル」やら「もえたん」やらの例を挙げるまでもなく、これは真理といっていいでしょう。

そのように、実践的ノウハウとともに、語学習得マニアの楽しげな息遣いも聞こえてくる本書。

とはいえ疑問もないことはないんです。

アメリカ人の著者がこれまで学んできた言語の多くはフランス語やドイツ語など欧州の言語です。
ノウハウは使えるとしても、日本人が英語を学ぶ場合とでは難易度が全然違うのではないか、と。

いくら英語を勉強してもなかなか身に付かない私たちとしてみたら、性交とか爆発とかいいながら実にノリノリな彼と、若干の温度差は感じてしまいます。

まあ、本書はそもそも日本人向けに書かれた本ではないのでそれは仕方ないことです

じつは、著者も、母国語と学習言語による難易度の違いには触れています。そして興味深いことに、英語圏の人間にとって学びにくい言語として「日本語」という言葉が何度も登場しています。

じつは著者、目下、日本語を学習中なのだそうです。

ではどうでしょう。次作では日本人読者に向け、彼が日本語学習に奮戦する様子を描くエッセイ、あるいは高難易度言語を学ぶ際のノウハウを改めて書いたら面白いのでは。

そんな期待をさせてくれる楽しい書き手です。

ぜひ今度は、日本語をバンバン爆発させてください。

本書の購入は著者の経験を脳科学の理論で補強しながら、ジョークを交えてノウハウにまとめた本書。

中心となる考え方は、言語は私たちの周りの事物と独立してあるのではないこと。また個々の単語が、指し示す対象と1対1であるのではないということ。

脳は、目で見たもの、耳で聞いたものなど、五感からの様々な刺激をきっかけに、関係性の網の目の中から単語や文章を呼び出し、数珠つなぎに連想しながら言葉を話したり書いたりしています。

言語を学ぶ際も、単語単語をバラバラに頭に入れ、脳内でぶつぶつ切れてしまうような学び方ではだめ。

単語の意味や発音、文法を忘れないためには、極力ほかの関連語、画像、音声などと関連付けて覚えるのが有効だというのが、本書のキモになっています。





実際の学習ノウハウとしては、たとえば昔からある単語カードでも、言葉と対応する何かしらの画像を必ず入れる(絵にしにくいものこそ無理やり入れる)などの方法を指南しています。

現在は、有難いことに著者が勧める外国語学習方法に強い味方が次々に現れています。パソコンやスマホのアプリケーションソフト、またSNSを含むコミュニケーションツールです。

本書では、五感を連関させる言語学習に最適なITツールが挙げられているのも大きなポイント。

たとえば

デジタルフラッシュカード「anki」

ネイティブの音声が聴ける「FORVO」

外国語の作文を添削してくれる「lang-8」

などなど、使い方なども割と詳しく紹介しています。先述の「画像入りカード」を手早く作るために有用なGoogle画像検索の活用なども、非常に実践的です。





画像やイメージの関連でいうと、多くの人が経験的に気付いてはいるのですが、いわば「公然の秘密」となっているあの方法にもに改めて言及しています。

それは「性的なイメージ、下品なイメージと結びつけると記憶しやすい」ということ!

著者は外国語を学習するとき、単語を映像でイメージし、頭の中で性交させたり爆発させたりしているそうな。

身もふたもない
というか、子供か。

「うんこ漢字ドリル」やら「もえたん」やらの例を挙げるまでもなく、真理といっていいでしょう。

そのように、語学習得マニアの楽しげな息遣いが聞こえてくる本書。

とはいえ疑問もないことはないんです。

アメリカ人の著者が学んできた言語の多くはフランス語やドイツ語など欧州の言語。ノウハウは使えるとしても、日本人が英語を学ぶ場合では難易度が全然違うのではないか、と。

いくら英語を勉強してもなかなか身に付かない私たちは、性交とか爆発とかさせながら実にノリノリな彼と、若干の温度差は感じてしまいます。

まあ、本書はそもそも日本人向けに書かれた本ではないのでそれは仕方ないことで、著者も、母国語と学習言語による難易度の違いには言及しています。

そして興味深いことに、英語圏の人間にとって学びにくい言語として「日本語」という言葉が何度も登場しています。

じつは著者、目下、日本語を学習中なのだそうです。

ではどうでしょう。次作では日本人読者に向け、彼が日本語学習に奮戦する様子を描くエッセイ、あるいは高難易度言語を学ぶ際のノウハウを改めて書いたら面白いのでは。

そんな期待をさせてくれる楽しい書き手です。

ぜひ今度は、日本語をバンバン爆発させてほしいところです。






2022年11月24日

顧客からのクレームで「絶対にやってはならない行動」とは?

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どのような職種でも発生し、現場としてできるなら対応したくないものに「クレーム」があります。

しかしクレームは、早期に適切な対応行わないことで、必要以上に話がこじれ問題が大きくなってしまうのも大きな特徴です。

そこで今回は、クレーム対応において「やってはいけないこと」を紹介し、心構えや対策方法について考えてみます。



NG行動1 「すぐに反論する」

クレームを受けた際、不快な状況から逃れるため、また、言われっぱなしになることで立場が悪くなることを避けるため、相手の話の途中で「しかしお客様……」と反論してしまいがちです。

しかし、話の腰を折られると感情はヒートアップします。

まずは聞き役に徹し、相手の気持ちをすべて吐き出させることが大切です。人間は、高いテンションでの怒りの状態を長時間維持することはできません。気持ちを吐き出すだけ吐き出すと、次第に怒りのトーンは下がっていきます。

感情には共感で手当てを
理詰めの説得の前に、感情には感情で手当てする必要があります

話を聞く際には、適度にあいづちを打ち、相手が不便を感じている状況に「それはお困りのことと思います」「ご迷惑をおかけしております」と共感を示しましょう。

そして、怒りがトーンダウンしていると感じられたら、改めて今回起こった問題を時系列に聞いていきます。相手の頭の中も整理され、感情をぶつける段階から、理性による話し合いのステージに移行していきます。

NG行動2 「ひたすら謝る」

クレーム対応は、感情を受け止めてあげることがスタートであることは確かですが「謝ること」に終始するのも考えものです。

重大な問題が一つ発生すると、お客様の心には、様々なことに疑心暗鬼が発生するもの。その中には言いがかりに近いもの、勘違いに過ぎないものもあるでしょう。

問題の核を見極めて提案する
問題の所在がどこにあるかがわからないまま謝り続ければ、お客様も問題解決のために何をしてくれるのかがはっきりわからず、後の対応が期待と食い違うリスクが高まります。

クレームを受けた場合、問題の「肝」となっていることが何かを考え、その問題にしぼり、具体的な解決方法の提案を行います。問題設定が正しく、提案が必要十分なものであれば、付随する問題も自然に解決に及びます。



NG行動3「自分だけで処理しようとする」

クレームを初めに受ける人は、上司への報告や、問題の長期化を厭い、その場ですべての問題を解決してしまおうとする傾向があります。

しかし最初にクレームを受けた担当者が、代替案の提出などの決定権がない場合が多いこと。また、相手は感情的に直接相手をした人

自分だけで処理しようとすると、お客様にとって納得できる提案ができないことがあります。一旦クレームを自社に持ち帰り、事後対応を決めることも必要です。

「あなたをないがしろにしない」というメッセージを
まずは「のちほど、『必ず』ご連絡致します」といったように、はっきりとした口調で、今後の方針を伝えることが大切です。

クレームを行うお客様には、「自分だけが不当な扱いを受けている」「ないがしろにされている」という想いがあります。「あなたは大事なお客様です」「問題解決に取り組みます」という気持ち・意思を確実に示しましょう。

NG行動4 長時間放置する
とくに苦情が「持ち帰り案件」になった場合、最も大切なことはレスポンスの速さです。

折り返しの連絡が遅くなると、「無視されたのでは」「話をうやむやにしようとしている」と疑われ、その後連絡をした際、相手の怒りが復活していることがあります。

決定権のある上司となかなか連絡が取れない、代替案がなかなか決定しないということもありますが、それは社内の事情に過ぎません。少しでも対応に進展があった場合には、なるべく早く途中経過を連絡しましょう。

クレームは顧客満足度向上のヒント
同じ原因でクレームが何度も発生する場合、それはそのまま「会社の課題」となります。お客様が何に腹を立てているのかを吟味し、なぜそういうことが起こったのかを考えることで業務改善のきっかけとなります。

そしてそれは、直接クレームを受けた人にすべての責任を負担する事態を避けるためでもあります。

よく「クレーム処理」という言葉が使われますが、クレーム対応を有益なものとするには、目の前の問題を処理するという発想だけではなく、顧客満足向上の機会と考えるのが大切なことなのかもしれませんね。








奄美大島の穴場海岸 抜群の透明度と白い砂「崎原ビーチ(さきばるびーち)」

奄美大島観光で多くの方が訪れるビーチと言えば、加計呂麻島が目のまえに見える島の南端、浅瀬でもウミガメとの遭遇率が極めて高い「ヤドリ浜」

空港からの至近にある大きなビーチでアクティビティも多く楽しめる「土盛海岸」などががあります

それら定番ビーチはもちろん訪れたいところですが、奄美は、集落で管理する小さなビーチがたくさんあり、次から次に見つけることができます。

はっきりいって、数日の旅行で全部まわることは不可能。せっかく良いビーチに行くなら、ゆっくり楽しみたいですもんね。

そこで今回は、あまり観光客が行くことが少ない、というか地元の人もあまり行かない(らしい)ながら、その美しさに息をのむ素晴らしいビーチを紹介します。

それが「崎原海岸(崎原ビーチ)」です。
※読みは「さきばる」

島北部の笠利町、笠利湾に付きだす岬にあるビーチ。ちなみに奄美空港も笠利町にあり、車で30分程度でいける距離にあります。

海岸には、緑豊かな雰囲気たっぷりの道
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緑のトンネルに潜り込むと。。
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こうなるんです!
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おおお、なんと美しいのでしょうか。




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コンパクトで比較的人が少なく、まるでプライベートビーチのような魅力でがあります。
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ガイドブックなどでも大きく紹介されていることが少ないので、見落とすところでした。
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奄美の海岸でそれほど多くはない、きめ細かい真っ白な砂浜があるのも魅力。その砂の白色が、透明度の極めて高い水を通し、陽の光を反射。波に揺らぎ、やわらかいマリンブルーに輝きます。

岩場やサンゴ礁が少なく、浅瀬でのシュノーケリングでは魚はたくさん見ることはできませんが、波も穏やかで、柔らかい砂に足をつけながら安全に泳げます。ファミリーでカップルで、のんびりと過ごすには最適です。

崎原海岸に限った話ではないのですが、奄美のビーチは小規模で、小さな集落で管理しているところがほとんど。観光客の務めとしてごみなどをしっかり持ち帰り、きれいに保ちましょう。

もちろん、きれいな海の写真を撮りたい人にもピッタリ。空港が近いので旅行初日や最終日によるのもおススメです



posted by ちゃんにし at 12:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観光

奄美大島「マングローブパーク」近くのランチ 「つむぎ庵」の「薬膳蕎麦セット」全力推し

奄美大島観光で外せないのは、島中央を流れる住用川周辺のマングローブ原生林。

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住用川をカヌーで下り、島特有の動植物群を眺めるのは、子供から大人まで楽しめる定番レジャー。とくに「黒潮の森マングローブパーク」から出発するツアーが、丁寧なガイドと手ごろな料金で人気です。

しかしここで一つ注意。パーク近くでランチしたくても、あまり飲食店がないんです。

併設のレストランはあって、軽食から名物料理まで楽しめてよいのですが「どうせならもう少しこだわって選んでみたい」という方もいらっしゃるでしょう。

そこで紹介したい店があります。

国道58号沿い、マングローブパークから車で2,3分ほどのところにある

「つむぎ庵」
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10人くらいでいっぱいになる小さな店で、つい見落としてしまいそうになりますが、この店なかなか個性が光っています。

地産地消をテーマに開発した、こだわりのメニューを提供するお店として2017年にオープン。「NPO法人奄美島おこしプロジェクト」が運営しています。

とくにスポットを当てている島の名産が、奄美の亜熱帯の特殊な気候がはぐくみ、漢方や薬膳で使われる薬草の数々。

代表的なものとして

「シマ桑」 亜熱帯性で一年中落ちないという特徴を持ち、ビタミン・ミネラル、食物繊維を豊富に含み、青汁の材料としても知られます。

「シマアザミ」 奄美大島や喜界島で古くから食され、ポリフェノールが豊富。さまざまな生活習慣病を防ぐオメガ3脂肪酸の一種「α-リノレン酸」を含みます

「長命草」 沖縄や奄美で獲れ、その名の通り長寿の薬として珍重。ポリフェノールの中でも「クロロゲン酸」「ルチン」などが豊富です。

つむぎ庵では、それらの薬草を自家農園で栽培。そして、それらをおいしく味わうメニューを数々用意しています

とくにおすすめするのが

奄美薬膳蕎麦セット(写真は大盛。サイドメニューが充実しているので普通盛りでもかなりのボリュームです)
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シマ桑、シマアザミ、長命草を練り込んだ蕎麦は、自家製麺。太目でこしがあり、そばの風味に加え、薬草がかすかに香ります。薬草というと苦そう、強い香りがありそうに思えますが、さわやかに香る程度。

そして奄美と言えば黒豚です。伝統料理の「黒豚なんこつ」もセット(写真右上)

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黒豚のお肉と軟骨をみそ味でじっくり煮込んだ料理。奄美の豚の魅力である、甘みのある脂身がフルフルとたまらない食感です。しっかり煮込んであるのでさほど「脂っこく」はありません。そして煮崩れた軟骨が、さくさく歯触りが良い。

そのほか、シマ桑、シマアザミ、長命草に加え、熱帯アジア原産で強い抗酸化作用を持つキク科植物「ハンダマ」が入った天ぷら、島で生みたての卵を使った温泉卵などなど、すべての料理に地産地消のこだわりが。

そして食事後にはデザート。

シマ桑の団子、アイスクリーム。
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さいごまで薬草づくしです。



セットがおすすめではありますが、蕎麦が苦手な方にも、なんこつがたっぷり乗った「豚なんこつ丼」、なんこつを使った「カレー」もあります。

なお、カレーには島でとれる「秋ウコン」が使われています。肝臓に良いウコンですから、夜の黒糖焼酎への備えに食すのもよいでしょう(二日酔いにも優しい!)。

11時半から15時半までの営業でまさにランチ専門店。不定休のため、あらかじめご確認を。

https://goo.gl/maps/QKqMSbH5s6Zk5DZY8

鹿児島県奄美市住用町大字役勝87







posted by ちゃんにし at 11:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観光

2022年11月16日

日本堤「山谷酒場」で、人生のスパイスを味わう(情報更新につき加筆修正)

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今回紹介する居酒屋は、2018年9月に東京・台東区の山谷地区にオープンした大衆酒場、その名も『山谷酒場(さんやさかば)』です。

お店の紹介の前に、皆様は『山谷』という町をご存知でしょうか。

町といっても、現在行政区画として山谷という地区はなく、台東区の東浅草、日本堤、清川、橋場、荒川区の南千住を含む一画を指しています。





この地域は、大阪の釜ヶ崎、横浜の寿町と並ぶ「労務者のまち」として知られ、長年、日雇い労働者が早朝その日の仕事を得る「寄せ場」、またドヤと呼ばれる安い宿泊所、そして酒場が集まり、肉体労働に従事する人たちでにぎわっていました。

漫画『あしたのジョー』の舞台としても有名です。

作中、丹下団平は山谷で流れ者のジョーと出会いジムを構えます。名せりふ「泪橋を逆にわたる」の泪橋も山谷にあります(もっとも、いまは川も橋もなく、単なる交差点)。

しかし現在、山谷には寄せ場はほぼありません。産業構造の変化による建設現場の急減、また住民の高齢化等によりかつての男たちの活気は失われました。ドヤはかつての労務者が住むほか、安宿を求める外国人バックパッカーが集まり、客層もだいぶ変わっています。

前置きが長くなりましたが、山谷酒場は、この山谷の中心部にある商店街「いろは会商店街」にあります。

いろは商店会の入り口には「ジョー」像。「ジョーの街」として町おこししています。

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とはいえ、同商店街も、お世辞にも栄えているとはいえません。閉店した店舗が年々増え、とくに夕方以降はほとんど明かりが消えてしまいます。

そのジョー像のすぐ近くに山谷酒場はオープンしました。




夜は暗く寂しい商店街ですが、その中で山谷酒場は明るく、通りから店内がみえるオープンな雰囲気。

近くに「吉原」もあり「男性の街」の佇まいのある地域ですが、女性でも入りやすく、実際にお客さんは他の大衆酒場と比べても、女性の割合は高いように感じられます。

お店に入ると庶民的な丸椅子と長机があり、バナナやパイナップル柄のカラフルなテーブルクロスと、赤い壁の色彩が目に飛び込みます。

あえて調和を目指さない、雑多な華やぎに、どこか心が踊ります。

山谷酒場の店主さんは、以前は都内の他の場所で喫茶店を経営されていましたが、山谷に魅せられて喫茶店を閉め開業されたそうです。

喫茶店ではナポリタンなど料理の評判も高く、山谷酒場もおつまみのメニューはとても豊富。焼きそばやチャーハン、カレーなど食事メニューも充実しています。

また日替わり料理が用意され、当日にTwitterで紹介されることもあります。

とくにコロナ後は、テイクアウト料理も充実させており、プリンやクッキーなど、お土産にもピッタリなスイーツなどにも力を入れています

さて、このお店の料理には、ある大きな特徴があります

それは、一言でいうと「スパイシー」。

多くの料理で多彩なスパイスが使われ、独特の味わいになっているんです。

私がおすすめする必ず頼みたい料理を紹介します。それは

「ジャンル―(醤肉)」
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甘みのある醤油味の煮豚。脂身は多いですが、しっかり煮込んであるためしつこくはありません。そして、すっと鼻を抜けるスパイスの香味がアクセントとなっています。

そして私の一番のお気に入り(メニュー全て食べたわけではないのですが)は

麻婆豆腐!
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こちらもスパイスがふんだん。かなり辛いのですが、辛味だけでなく花椒や八角など?が効いていて、辛さだけではない奥行きがあります。





そしてスパイスを効かせているのは料理だけではありません。

実はお酒もなんです

山椒酒やカルダモン(しょうがの一種)酒などスパイスを漬けたお酒の数々。

なかでも山谷酒場で必ず体験してほしいお酒は

お店オリジナルの「山谷酒」。

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焼酎をベースに、数種の秘密のスパイスで風味付けをした一品です。

一口含むと、薬膳種のような複雑な風味、柔らかな刺激が口の中に広がります。

最初のアタックでくせの強さに怯むかもしれませんが、慣れるとどんどんハマっていきます。ぐっと舌を抑えるようなビターさで、辛い料理の刺激も緩和され、酒も食事もどんどん進みます。

飲み方は炭酸、あるいはウーロン茶わり、お湯割りなど。特にお湯割りにすると、立ち上る香気が鼻腔の奥を刺激してきます。
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はじめガツンと来るインパクト、そしてじんわりとしたしびれ感、後に残るさわやかな清涼感。それらが混然一体となった山谷酒に、この店の個性が集約されているといっても過言ではありません。

山谷酒をたっぷり楽しみ、お店を出てきたときの、残り香がほかの居酒屋とは全く異なります。ほかのどこでもなく「ああ、山谷で飲んだなあ」という感覚としていつしか刷り込まれてしまうのです。





このスパイシーな体験と山谷の関係についてもう少し考えてみます。

山谷酒場の店長さんは、長く飲食経営をしていたこともあり、徒手空拳ではなく、この場所にお店を出すことの勝算をかなり考えて開業されたと思うんです。

交通の便があまりよくない場所でもあり、この地域で生き残っていくには、わざわざ足を運ばせる独自性が必要であるということにも意識的なように思います

ですから、スパイスによるほかにない味付けは「差別化」という言葉であらわすことができます。しかし、そんなビジネス用語だけでは、文字通り味気ない。そう感じさせる「何者か」がこの味にはあるんです。

思うにこの味は、ただ奇をてらった趣向ではなく、まさにこの「町」を表現したものじゃないでしょうか。

独特の内装にもいえますが、山谷酒場が私を含め多くの人を引き付けているのは、店主さんが山谷という町の個性を自らのセンスでとらえ直し、新たな魅力として提示し、それが共感されているからだと思います。

人生の辛み、苦味といってはずいぶん陳腐ですが、スパイスの効いたメニューからは、この山谷に生きる人々、街の歴史がかもしだす空気そのものを、お店全体のコンセプトとして落とし込もうとする意志を感じるのです。

と、力んで書いてしまいましたが、料理もお酒もみんなウマいので、みなさまもぜひ

山谷酒場 東京都台東区日本堤1-10-6 
【交通】日比谷線三ノ輪駅から徒歩8分
南千住駅から徒歩10分、バス「吉原大門」
月曜・火曜定休(祝日など例外あり)



2022年09月22日

【にっぽんのブログ研究】台湾の食卓の空気感伝わるグルメブログ Aiwanさん「食べ台湾!美味しい台北」






数あるブログのジャンルの中でも根強い人気を保つ飲食店の食レポブログ。私もまた、読者として日常的に楽しませてもらっています。

飲食店の紹介は、実用性からみると自宅近くの地域が取り上げられているほうが情報として使えるのですが、その一方で、ちょっと遠くにある飲食店を現地の食文化とともに紹介するタイプのブログもまた、想像を掻き立てられてよいですよね。

その「遠くにありて思う」食レポブログのなかから、わたしが愛読しているブログを勝手に紹介します

「食べ台湾!美味しい台北」です

http://www.tabetaiwan.com/





ブログの概要


月間50万PVを超える人気を誇るこのブログ。2011年9月にスタートして、8周年を迎えました。

台北を中心に、台湾の各地の飲食店をリポート。老舗の大型店から、旅行ではなかなか入りにくい地元の方が通う家庭的なお店まで。

伝統の台湾料理の他、創作料理、B級グルメやファストフード、スーパーで買えるお菓子まで幅広く紹介しています。食生活を通して台湾の日常、暮らしが見えてくる内容になっています。

その人気から、書籍化も。







きれいな写真も注目です。ガイドブックの写真は、現実離れしたきらきらしたビジュアルになるものですが、当ブログの写真は良い意味でプロっぽくなくリアリティにあふれています

料理はもちろん店構えや街並み、店員さんやお客さん、卓上の気になるアイテムまで、空気感を伝える写真の数々は、月並みですが実際に台湾にいるかのような感覚を与えます

【ブログの魅力】紹介したい店を本音で語る姿勢


Aiwanさんが同ブログを開設したきっかけは、台湾でガイドブックのみを頼りに、日本からのお客様を飲食店に招待したところ「・・・」という味だったこと。

「なぜガイドブックに載っている店は、時々おいしくないことがあるのか」という、誰しも感じたことのある疑問から、自分の本音のみで書けるブログをつくることにしたそう。

私もライターのお仕事をさせていただいたことがあるのでよくわかります。

基本ガイドブック等は取材する店を決めてからいくもので、当たり前ですがマイナスの評論はしません。ライターは仕事として、その店の良いところを(無理やりにでも)見つけて増幅させて書きます。

飲食店がお金を出す広告ならもちろんですが、金銭的な関係のないガイドブックでも、よほどのことがなければ取材をOKしてくれた店をヨイショする記事を書くわけです。

その点「食べ台湾」は、そういった利害関係がないので本音の記述。

基本的にはおすすめのお店であり、またAiwanさんの人柄?もあり露骨な毒舌はありませんが、味はもちろん値段感や店内の雰囲気、接客等々、Aiwanさんの好みを織り交ぜた記述は読みごたえがあります。

取り上げようとして取材(食事)をしたものの、思いっきり没にしたお店も多々あるのではないかと想像します。

もちろん、人には好みがありますので、実際に行った人が記事と異なる印象を持つことは多々あるでしょうが、客観性を保ちつつ、利害のない書き手が素直な感想をつづっているところが人気の秘密でしょう



【おすすめページ】 小籠包!

私自身が好物だからでもありますが、ブログではとくに小籠包の紹介がおすすめ。蒸し器に入った小籠包の写真だけでも、なぜか私たちをわくわくさせてくれます。

店による個性の違いも分かりやすく説明されています。

台湾の小籠包のお店として、日本でもよく知られている「鼎泰豊」ももちろん紹介

http://www.tabetaiwan.com/archives/998343.html

また、この記事もおススメ。紹介されている店は残念ながら閉店してしまっているようですが、灌湯包(ガンタンバオ)というスープ多めの小籠包の描写がいいんです

http://www.tabetaiwan.com/archives/26278700.html

どぼどぼっと、うまみのつまった汁がこぼれおちる様子は、食欲をいやがおうにもそそります。

小籠包にかぎらず、好きな料理に絞って店を比較してみるのもよいでしょう。

なお、ブログ上には、紹介されたスポットをGoogleマップ上に示したページもありますので、現地で店探しをするのも簡単。台湾に旅行に行った時の手引きとしても使えそうです。

ということで、以上Aiwanさん「食べ台湾」のレポートでした。

【こくち!】
「にっぽんのブログ研究」では、私の独断と偏見で、面白いブログを紹介しています。自薦他薦は問いません。情報をお寄せください。




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