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2023年03月04日

サケの鼻はなぜ曲がっているのか 〜シロザケの一生

サケにもいろいろありますが、日本で「鮭とはなにか」を定義するとき、最もポピュラーなのが

シロザケのことを指すというもの。

というのも、日本で古来から獲れる鮭はほぼシロザケといえるからです。

ご存知の通り、鮭の生息地として北海道があります。「木彫りのクマ」がくわえているのもシロザケですね。

誰しもご存知だと思いますが、さけは回遊魚といわれます

つまり川で卵として生まれたあと、海で過ごし、また川に返ってくるという生態です。

川の上流で孵った卵は、稚魚の間に川で過ごして成長し、春にある程度の大きさになると、海への旅が始まります。

海に出た後は数年を過ごすことになりますが、正確に何年を過ごすのかははっきりとはわかっておらず、大体5年程度といわれているようです。

そして、海での旅を終え、秋に川に戻っていく。

その目的は、そう。人生(鮭生)最後の仕事である産卵です。

メスが上流で産卵、オスが精子をかけ、一生を終えることになります。




なぜ鮭の鼻は曲がっているのか?

さて、鮭をイメージしたとき、だいたい鼻の先がぐいっと曲がったものを想像しませんか。鼻といっても、正確にいえば上顎および下顎なのですが、この部分が曲がる現象を、「鼻曲がり」といいます。

サケの象徴的な姿ともなっている、立派な鼻曲がり

じつはすべての鮭が、鼻は曲がっているわけではありません

これはオスのみに表れる特徴です。

そして、鼻曲がりが起こるのは、成魚となり、海から川に帰り、メスが産卵期に入るときの一時期のみなんです。

メスの産卵期のオスの体の変化については、鼻以外にも様々なものがあります。

たとえば、ベニザケやカラフトマスなどにみられる、体が縦に広がり、背中が出っ張った形になる「せっぱり」

ではなぜ鼻曲がりは起こるのでしょうか。

これには諸説ありますが、まず考えられるのは、産卵中の雌を守り、卵を狙うほかのオスと戦う武器としての機能。

産卵時のオスの役割は、卵に精子をかけて受精させる放精ですが、油断しているとほかのオスが卵を横取りして、放精してしまうんです

これは雄の本能が許しません

自分の種の保存を目指すオスにとっては、最も避けなくてはならない事態。

まして、その直後に死を運命づけられているのですから文字通り命がけなんですね

もうひとつ、海から川への旅で、体がかなり酷使され、その肉体的ダメージによるホルモンの変化により、体の組成が変わってしまい、あのような形状になるのだともいわれています。

いずれにしろ、厳しい環境に立ち向い、戦い続ける雄々しいサケの「勲章」といえます



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