リーマンショックやウクライナとロシアの戦争の影響は世界的なものだが、円安についてはひとり日本の問題。
円安により海外からの調達が難しくなり、あらゆる面での物価上昇となる。
日本が海外からものを買う購買力が低下し続けている状況は大変厳しい。
これが今の日本の現実。
Yahoo!より、
「1ドル120円台」円安加速に何の驚きもない理由。日本は貿易「黒字消滅」から「赤字定着」に転落寸前なので…
3/23(水) 20:00配信
BUSINESS INSIDER JAPAN
https://news.yahoo.co.jp/articles/63df15ef9db6affd5734e7c49d9b0c4053ddaa1f?page=2
記事より、
報道などの印象にもとづく「大国ロシア」のイメージとは裏腹に、日本の貿易総額に占めるロシアの割合はさほどでもない。
直近(2021年)の財務省貿易統計によれば、自動車関連を中心とする日本のロシア向け輸出額は8624億円、日本の輸出総額の1%程度にとどまる。今回の経済制裁で真っ先に規制対象(3月18日から輸出禁止)とされた日本からの半導体等部品の輸出額は約5億円、ロシア向け輸出総額の0.1%程度にすぎない。
一方、天然資源を中心とするロシアからの輸入額は1兆5431億円。輸出の倍近い規模だが、それも日本の輸入総額の1.8%程度でしかない。
くり返しになるが、貿易赤字の拡大をはじめとする需給環境の変化が足もとの円安相場をけん引している印象は否めない。
ただし、ある月の貿易赤字がその月の円売りに直結するほど為替市場は単純ではなく、貿易赤字が円売りに効いてくるのはこれからの話だ。
それでも、貿易赤字の拡大によって経常収支(=モノの輸出入や配当・利子のやり取りを含む経済取引で生じるお金の出入り)の赤字が定着する展開、もっと言えば、経常赤字は「記録しても一時的」という常識が崩れる可能性を目前にして、市場参加者が身構える形で円売りが進むことは想像に難くない。
ただし、日本の貿易収支は、過去10年間(2012〜21年)で見れば約31兆円の赤字だが、過去5年間(2017〜2021年)で見ると約1兆円の赤字にとどまり、この10年間ひたすら拡大を続けてきたわけではない。
過去5年間で貿易赤字が縮小した背景には、資源価格の高騰が2014年後半で、円安が2015年半ばでそれぞれピークアウトし、一方的な輸入拡大に歯止めがかかったという事情がある。
そうした流れを踏まえると、過去10年間は「貿易黒字の消滅」を確認するフェーズだったと言っていいだろう。
しかし、日本がこれから直面するのは、「貿易黒字の消滅」フェーズの終わりと「貿易赤字の定着(ないし拡大)」フェーズの始まりだ。
少なくとも、世界は「ロシア抜きの資源供給体制」を大至急で構築する必要があり、それにはさまざまなコストが伴うのが目に見えている。
そう考えると、コモディティ価格が高止まりして、貿易赤字が長期化ひいては慢性化するおそれは否めない。そしてそれはいずれ円売りに効いてくるだろう。
日本がそうした現状に対抗して打ち出すことのできる数少ない効果的な一手として、原発再稼働(による燃料輸入の抑制)が挙げられるが、残念ながら本質的議論は回避され、節電要請で乗り切ろうという空気が満ちている。
このまま貿易赤字が第一次所得収支(=外国証券への投資や外国企業の買収などを通じた配当や利子のやり取り)の黒字を食いつぶす構図が続けば、「成熟した債権国」から「債権取り崩し国」への転落につながることは、前回の寄稿で論じた通りだ。
外貨の流出入をめぐる構造が根本的に変わろうとしていることをまずは政策当局者が自認し、それに対応した政策を割り当てていく動きが早く出てくることを期待してやまない。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image