Yahoo!より、
五輪組織委・遠藤副会長インタビュー「徹底した感染対策で安全な大会可能」
5/23(日) 21:15配信
産経新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/0690ce2cbc71ca5f0ef550134103f66a5809ddb3
記事より、
新型コロナウイルスの感染が収束しない中、東京五輪・パラリンピックは安全に開くことができるのか。大会組織委員会副会長の遠藤利明元五輪相は産経新聞のインタビューで、コロナの治療にあたる医療従事者を現場から引きはがさずに感染対策を徹底することで「安全・安心な大会を開くことは可能だ」と訴えた。
−−具体的には
「来日する選手や関係者は、出国の96時間以内に2度のPCR検査などを行い、陰性証明書の提出を求める。さらに入国直後だけでなく、選手村や宿泊先に入る際、滞在中まで含めて検査を徹底し、日本の人々と接触や交わらない手はずも整える。公共交通機関の利用は禁じ、選手村や宿泊先からの外出は、自身が提出した活動計画に記載されたものに限定する。違反すれば日本滞在に必要となる大会の参加資格剥奪(はくだつ)もありうる」
−−海外から訪日する数万人規模の報道陣が、感染を広めるとの懸念がある
「大会に合わせて来日する海外メディアは、街なかでの取材は認めない。宿泊先と競技に関係する施設以外での活動は、行動計画で認めたものに限定する。宿泊先は組織委などが用意したホテルに限定し、一棟やフロアの貸切など、管理できるようにする。食事もホテルの部屋でのルームサービスやデリバリーを用意する。宿泊先の管理も徹底し、一般利用者との接触を避ける。公共交通機関の利用も禁じ、専用バスや貸切車両での移動とする。地方で競技が開かれる際は、他の乗客と間隔を空けたような、組織委が指定した新幹線や飛行機で移動してもらう」
−−東京五輪が開幕する7月23日は、65歳以上の高齢者へのワクチン接種を終えていない
「コロナの治療やワクチン接種に携わる医療従事者を、大会のために引きはがすようなことはしない」
−−大会に多くの医療従事者が携わることで、コロナの治療やワクチン接種に影響が出るとの懸念がある。
「まず、海外からの観客受け入れを断念したことなどを踏まえ、医療スタッフの必要人数を精査した結果、当初『1万人』とされていた必要数を、全体で3割程度削減できた。組織委は、国や都、各地の医師会と連携し、東京都内では約10、都外では約20の医療機関と協力や調整を行っている。その信頼関係は今も崩れていない。看護師も、例えば現在業務から離れている『潜在看護師』を含めて協力をお願いしたり、数日間の交代勤務などを活用したりして、今の医療提供体制に影響を及ぼさないようにする」
「先日、日本スポーツ協会を通じ、大会期間中に競技会場などで診療に携わるボランティアのスポーツドクターを募集したところ、定員の2倍近くの395人から応募があった。国内の競技団体に所属するチームドクターなどが多い」
−−IOCのバッハ会長が、選手村に入る選手らの75%が新型コロナワクチンを接種したか、確保していることを明らかにした
「大会時には8割を超える選手らにワクチンの見通しが立ちそうだ。日本でも、選手や監督・コーチに6月末までに優先接種を行う計画を立てている」
−−バッハ氏は、IOCが医療従事者を提供する用意があるとも言及した
「申し出は大変ありがたい。詳細はまだ詰めていないが、選手村や関係施設で従事してくれる医師や看護師の派遣を受けるのではないか」
−−大会を無観客とする可能性は
「6月に最終方針を決める段階で、野球やサッカーなどの観客の実態を踏まえ、判断することになる。なるべく無観客にしたくないとの気持ちもあるが、当然緊急事態宣言の行方も考慮しなければならない。可能な限り科学的な根拠も踏まえて判断したい」
−−今月都内の五輪会場で行ったボートのアジア・オセアニア予選では、来日したスリランカチームのスタッフに感染が確認された
「確かに感染者は1人出たが、徹底したPCR検査などで即座に隔離でき、他の選手に感染を広げることもなかった。一連のテストイベントで約1000人の海外参加者のうち、感染者は1人。昨年来、各国で行われた430の国際大会では5万4000人の選手が参加したが、選手らを一般人と隔離する『バブル方式』などの徹底により、大会でクラスター(感染者集団)が起きた事例は見当たらない。組織委では感染症の専門家にも入ってもらい、感染対策を日々更新している」
−−野党には、大会を今秋や来夏に再延期するよう求める意見がある
「多くの競技会場では、来年1月以降に別のイベントを開く予約が入っている。大会後は、ただ施設を返せばいいわけではない。選手のウオームアップ用などに整備した仮設施設も取り壊す必要がある。その期間まで考えると、秋に開催を順延すれば年内に施設を返せなくなる。各施設に1月以降の予約を再びキャンセルしてもらうのも困難だ。関係者の宿泊先や移動手段の再手配なども考えると、今秋への延期は難しい」
「来夏に再延期となれば、多くの選手を選考し直さなければならない。来年2月には北京冬季五輪があり、さらに2024年のパリ五輪の日程も考えれば、主催者のIOCが来夏への再延期を認めるとは思えない」
−−自民党内では、東京都の小池百合子知事が、直前に中止を唱えるのではないかとの疑念がある
「IOCと開催契約を結んだ都がこれだけ予算を支出し、準備を進めた大事業だ。大会が『絶対できない』という環境ではない以上、小池氏が機先を制する形で中止を言い出すのは、都民にとっても、小池氏にとってもプラスとならないのではないか。小池氏は20年以上も協力してきた盟友だが、彼女も政治生命をかけて五輪に取り組んでいる」
−−未曾有のコロナ禍で大会を開く意義は
「『こんなときに』という声があがるのはよくわかる。ただ、こんなときだからこそ、スポーツの持つ力を実感する側面もある。例えば、柔道男子66キロ級の日本代表決定戦では、丸山城志郎選手が24分間の死闘の末に敗れ、勝った阿部一二三(ひふみ)選手が彼の思いも背に五輪に臨むことになった。大会の試合には、アスリートの努力が詰まっている。私たちが徹底した感染対策を用意するので、アスリートの皆さんは自信と誇りをもって大会に挑んでほしい」
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