もちろん新型コロナウイルスに体内時計があるとは言わないが、人間には体内時計がある。
柴田 重信早稲田大学 先進理工学部 教授によれば、朝のほうが新型コロナウイルスに感染しやすいという。
教養のない小池百合子都知事は知らないのに偉そうなことを言って、誤ったフェイクニュースを垂れ流しているわけだ。
現代ビジネスより、
# ウイルス# 生理学# 免疫学
早朝は要注意! 時間栄養学から見た、コロナ感染リスクを減らす方法
ウイルス感染と体内時計の関係
柴田 重信早稲田大学 先進理工学部 教授
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71646
記事より、
今回、「時間健康学」「時間栄養学」を専門とする柴田重信氏(早稲田大学教授)がブルーバックスWebに緊急寄稿。ウイルス感染と体内時計の関係について考察し、感染しやすい時刻を避け、規則正しい生活リズムを維持することの重要性について語っていただきました。
コロナウイルスとよく似たインフルエンザをマウスに感染させたとき、感染させる時刻で死亡率などが異なることが、2019年に報告されました(Nature communications10,4107)。
インフルエンザウイルスを鼻から入れ、15日目の死亡率を見るという実験で、ウイルスを入れる時間が、夜遅い時間帯(マウスが寝る前)と早朝(マウスが起きる直前)とを比較したところ、夜群の21%に比較して早朝群が71%と非常に高いことがわかりました。また、体重低下も朝群の方が著しいことがわかりました。
次に、体内時計の関与を調べるために、時計遺伝子が働かなくなったマウスで調べました。その結果、死亡率は早朝では相変わらず75%でしたが、夜群でも84%に増加しました。
したがって、自宅待機で体内時計が狂ったような生活をしていると、インフルエンザウイルスやコロナウイルスに感染しやすくなる可能性を意味しています。
また、早朝群は夜群に比較して、「肺の組織で、炎症促進物質が増え、炎症抑制に関係する物質が減り、炎症が強く出る」というデータを得ています。
したがって、早朝に感染すると肺機能が強く抑制されることになります。
上のことから、高齢者には超朝型の人がいますが、そのような人は、よりウイルス感染に注意する必要があると思います。
また、満員電車では夜の帰宅時の通勤よりも朝の出勤時の通勤により注意を払うほうがいいかもしれません。
血液中にあるリンパ球の1つに、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)というリンパ球があります。自然免疫の最前線で、文字通り殺し屋として機能するリンパ球で、がん細胞やウイルスに感染細胞を見つけると攻撃します。
NK細胞中には、パーフォリンという標的細胞に穴をあけるタンパク質や、グランザイムという標的細胞を誘導し細胞死を起こさせるタンパク質が含まれています。この細胞殺傷性にも日内リズムが見られ、マウスの実験では活動期の終わりから睡眠に入る時が高くなっています。
この時間帯にはパーフォリン、グランザイムのほかにもIFN-γのmRNAといった、ウイルスや異物を攻撃する物質も多く、ピークが一致しています。
すなわち、NK細胞の働きからも、朝のほうは防御能力が弱く、夕方から夜のほうは強いといえます。
このような日内リズムはNK細胞の時計遺伝子の働きよりも、中枢時計の視交叉上核から交感神経を介する中枢時計制御で行われています。交感神経を切除すると、パーフォリン、グランザイム、IFN-γのmRNAのリズムが消失します。
新型コロナウイルスをなんとか乗り越えていくために、手洗いを心がけることはもちろんですが、特に朝に注意をしながら、体内時計のリズムを整えることにも、ぜひ気をつけてみてください。
タグ:新型コロナウイルス
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