倉敷市真備町は7月に豪雨災害で水没の町と言われた。
小田川沿いの町。
そして、小田川の堤防が決壊してまちが水没してしまったということだ。
危険があったのに逃げなかった人が亡くなった。
事前に警報があったにも関わらずだ。
自分だけは大丈夫というのが正常化バイアスというもの。
しかし、その問題に向かい合わない、問題先送りをどう防ぐかは、具体の行動を示さなければならないということは、あまり重視されていない。
Yahoo!より、
なぜ逃げない? 災害大国の日本が陥りやすい「正常性バイアス」問題
9/30(日) 13:00配信 現代ビジネス
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180930-00057510-gendaibiz-bus_all
記事より、
・2018年7月6日から8日にかけて、西日本を中心に襲った豪雨に対して、気象庁は「大雨特別警報」を発表した後に記者会見を開き、警戒を呼び掛けた。
・「特別警報」は数十年に一度の重大な災害が予想される場合に出される。2013年8月末、従来の警報の基準をはるかに超えるような災害が起こる危険性がある場合に最大級の警戒を呼びかけるために、気象庁が導入した。
・2011年に紀伊半島を襲った台風12号による豪雨では、降り始めからの雨量が1000ミリから2000ミリに達する記録的な大雨になると発表したが、「雨量の数値だけを聞かされても、どのくらい危険な状態なのかがわからなかった」という意見が、地元の自治体から相次いだという。
・そこで登場したのが「特別警報」だ。今回の西日本豪雨に向けて気象庁は、冒頭のような記者会見まで開いて、九死に一生レベルの危機が差し迫っていることをアピールした。
・だが、こうした呼びかけに反応して、ただちに避難した人は少数にとどまり、6日午後8時頃、全域に避難指示が出された広島市安佐北区では、7日午前0時時点で避難所に身を寄せたのは市が把握している限り874世帯1992人で、全体の5%強
・甚大な被害があった岡山県倉敷市真備町では、亡くなった人のうち、約8割が屋内で発見されており、逃げ遅れて溺死した人が多かったとみられている。
・「西日本で、経験したことのないような豪雨が降る」というニュースは、日本中で繰り返し報じられ、共有された。にもかかわらずなぜ、ほとんどの人は逃げなかったのだろうか。
・「正常性バイアス」とは、水害、地震、津波、火災などの危険が目の前に迫っていても、日常生活の延長線上の出来事だと判断し、「自分は大丈夫」「まだ安全」などと思い込んでしまう人間の心理的な傾向
・被害が大きかった真備町では、「ダムがあるから安全と油断して逃げ遅れた」という声が多く聞かれた。また東日本大震災では、「チリ地震津波のあとにできた堤防があるから大丈夫」と思い込んでいた高齢者が多数犠牲になった
・2016年にカリブ海地域に甚大な被害をもたらした大型ハリケーン「マシュー」でのキューバの事例
・大型ハリケーン「マシュー」によって、ハイチでは842人、アメリカ・フロリダ州では18人の生命が失われた。ところがキューバでは、農業や食糧生産が大打撃を受け、歴史的な町並みで知られるバラコアでは住宅の90%が崩壊という凄まじい被害を受けながらも、死者はゼロだった。
・それは政府の呼びかけによって100万人もの住民が事前避難していたからだ。
・有効な対策のヒントを、横浜市立大学の武部貴則教授が提唱する「広告医学」にみつけた
・防災意識の低い人にも、情報で避難させようとするのではなく、「避難したくなる避難所」ができたら、災害による死傷者を大幅に減らせるのではないだろうか。
・毎日の生活を送る中で、目の前に危険がなければ、普段通りに過ごしたいと思うので、後回しにしても当面困らないことについては、適切な行動を取ることは難しい。
・たとえば、台風が近づいたらお孫さんと過ごす日にするとか、ハザードマップで危険な地域に住む人は、ホテルに割安で宿泊できるとか、映画館で無料で映画を見て一夜を過ごすことができるようにするとか、そのくらいの発想の転換が必要なのではないでしょうか。
・「この20年、日本の災害医療は進歩しているように言われていますが、避難所についてはほとんど変わっていません。暖房も冷房も無い体育館で、床に段ボールを敷き、プライベートもなにもない状況で長期間の避難所生活を余儀なくされる。あれでは、健康な人も病気になるし、災害関連死もなくせません」
最後の話はそのとおりで、観光客に売れ残ったホテルを売るのではなく、事前に快適な避難、避難という名目でのレジャーを楽しんでもらうといった取り組みが重要になってくるのだ。
そのためには事後ではなく、事前にホテル避難への補助をしてもいいし、ホテルとタイアップして宴会や食事とセットの割引プランを提供してもらうということが現実としては有効だろう。
災害が来たら、仕事が増えると土建屋が喜ぶ、河川管理をしている行政も整備が進むと喜ぶ?ためには、少なくとも死者はでないという環境を作ることが大切だ。
まさに、それは環境を作るものなのだ。
アナウンスの酷さ、計画性のなさが露呈したJR東日本の台風24号に備えての計画運休なのだが、そうした対応と同様に、雨の日はスーパーが割引をするように、大雨や台風の予報が出たらホテルは割引、宴会プランでご家族様だとお得!みたいなことを実施してもらうように、ホテル旅館業界と国や自治体はタイアップするのは一つのアイディアだと思う。
事後対応ではなく、事前対応。
これを実現するにはやはり、外れても楽しかった、と思ってもらうことが大切だ。
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