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2024年05月09日
政治・経済 【過去問から学ぼう:第6回】
前回と続きで、「大学入学共通テスト」から学んでいきましょう。
設問1
国の法制度(A)や地方自治体(B)に関心がある生徒Xと生徒Yは、自分たちが住むJ市のまちづくりの取り組みについて調べている。
かつて、K寺の門前町として栄えたJ市(C)には、多くの観光客が訪れており、K寺はJ市の重要な観光資源となっている。市の中心市街地は、駅からK寺へ至る表参道としての中央通りを中心に発展してきた。駅前には大型店舗が集まり、表参道には個人商店が軒を並べている。また、K寺の門前には空き家(D)などをリノベーションした店舗やカフェが多数立地し、地元の農産物(E)を加工した食品を販売している。
生徒たちがJ市のWebページを調べたところ、市が「市街地活性化プラン」を策定し、次のような事業を展開しているのが分かった。
空き家等活用事業:
空き家等を活用し、店舗やカフェ、民泊などの施設として利用する場合に、改修費や設備費を補助するとともに、長期的な安定経営をめざし、経営指導員による継続的指導を行う。
歴史的街なみ整備事業:
K寺周辺地区の歴史ある街なみを保全し、伝統と文化が感じられる景観を形成することを目的に、まちづくり協定で規定する範囲の景観の整備に対する助成を行うとともに、道路の美装化を進める。
生徒たちはとくに空き家などの活用に関心を持ち、空き家や民泊(F)に関する法律(G)についても、立法過程(H)を含め、調べてみることにした。
問7 下線部Gについて、生徒Xと生徒Yは、更に民泊に関連する法律の内容を調べた上で、次のような会話をしている。空欄に入る言葉を選択しろ
X:調べてみたら民泊を営むにも利用するにもいろんな法律がかかわるんだね。
Y:そうだね。まず民泊の解禁を定めた住宅宿泊事業法があるけど、ほかにも、利用料金を支払って民泊を利用する契約には( ア )が適用されるね。ちなみに、私人間の関係を規律する( ア )は、工法か私法かという分類からすれば、( イ )に該当するね。
X:また、民泊を営業する人は事業者だから、不当な加入による契約の取消しを可能にしたり、消費者に一方的に不利な条項の無効を定めたりする( ウ )も関連するよ。
Y:1つの事項についてもさまざまな法律が重層的にかかわることが確認できたね。
選択肢
( ア ) 民法 or 刑法
( イ ) 私法 or 公法
( ウ ) 消費者契約法 or 独占禁止法
では、解説していきます。
まず、( ア )に入る言葉ですが、これは民法です。
刑法は刑罰を定めた法律であり、簡単に言えば「殺人や強盗等の犯罪行為」について定めた法律です。
逆に民法は、「契約」であったり「財産」や「権利」といったものについて定めている法律で、日常生活のあらゆる活動で使われている法律です。
生徒XとYの話は、刑罰に関連することではないので、「民法」となります。
次に( イ )です。
「民法」は≪私法≫なのか、≪公法≫なのかですが、民法は個人間、若しくは個人と事業者、事業者同士の権利や契約に関する法律です。
基本的に私人同士の場合の基本法であるため、「民法」は「私法」となります。
最後に( ウ )です。
まず「独占禁止法」です。
この法律の正式名称は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。
正式名称にすると分かりやすいですが、この法律は、様々な市場における独占の禁止と適正な取引について定められている法律です。
そのため、この法律に消費者に関する権利云々はありません。
逆に「消費者契約法」。
名前に消費者と、そのまんまな言葉が入っている通り、事業者と消費者に対しての決まりが定められています。
なので、答えは「消費者契約法」です。
↓ 参考書については、時間があるときによさげなものを紹介ようにします。旺文社の参考書は問題が多いのが特徴なので、試験慣れには向いているとは思いますよ!
今回もありがとうございました。
設問1
国の法制度(A)や地方自治体(B)に関心がある生徒Xと生徒Yは、自分たちが住むJ市のまちづくりの取り組みについて調べている。
かつて、K寺の門前町として栄えたJ市(C)には、多くの観光客が訪れており、K寺はJ市の重要な観光資源となっている。市の中心市街地は、駅からK寺へ至る表参道としての中央通りを中心に発展してきた。駅前には大型店舗が集まり、表参道には個人商店が軒を並べている。また、K寺の門前には空き家(D)などをリノベーションした店舗やカフェが多数立地し、地元の農産物(E)を加工した食品を販売している。
生徒たちがJ市のWebページを調べたところ、市が「市街地活性化プラン」を策定し、次のような事業を展開しているのが分かった。
空き家等活用事業:
空き家等を活用し、店舗やカフェ、民泊などの施設として利用する場合に、改修費や設備費を補助するとともに、長期的な安定経営をめざし、経営指導員による継続的指導を行う。
歴史的街なみ整備事業:
K寺周辺地区の歴史ある街なみを保全し、伝統と文化が感じられる景観を形成することを目的に、まちづくり協定で規定する範囲の景観の整備に対する助成を行うとともに、道路の美装化を進める。
生徒たちはとくに空き家などの活用に関心を持ち、空き家や民泊(F)に関する法律(G)についても、立法過程(H)を含め、調べてみることにした。
問7 下線部Gについて、生徒Xと生徒Yは、更に民泊に関連する法律の内容を調べた上で、次のような会話をしている。空欄に入る言葉を選択しろ
X:調べてみたら民泊を営むにも利用するにもいろんな法律がかかわるんだね。
Y:そうだね。まず民泊の解禁を定めた住宅宿泊事業法があるけど、ほかにも、利用料金を支払って民泊を利用する契約には( ア )が適用されるね。ちなみに、私人間の関係を規律する( ア )は、工法か私法かという分類からすれば、( イ )に該当するね。
X:また、民泊を営業する人は事業者だから、不当な加入による契約の取消しを可能にしたり、消費者に一方的に不利な条項の無効を定めたりする( ウ )も関連するよ。
Y:1つの事項についてもさまざまな法律が重層的にかかわることが確認できたね。
選択肢
( ア ) 民法 or 刑法
( イ ) 私法 or 公法
( ウ ) 消費者契約法 or 独占禁止法
では、解説していきます。
まず、( ア )に入る言葉ですが、これは民法です。
刑法は刑罰を定めた法律であり、簡単に言えば「殺人や強盗等の犯罪行為」について定めた法律です。
逆に民法は、「契約」であったり「財産」や「権利」といったものについて定めている法律で、日常生活のあらゆる活動で使われている法律です。
生徒XとYの話は、刑罰に関連することではないので、「民法」となります。
次に( イ )です。
「民法」は≪私法≫なのか、≪公法≫なのかですが、民法は個人間、若しくは個人と事業者、事業者同士の権利や契約に関する法律です。
基本的に私人同士の場合の基本法であるため、「民法」は「私法」となります。
最後に( ウ )です。
まず「独占禁止法」です。
この法律の正式名称は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。
正式名称にすると分かりやすいですが、この法律は、様々な市場における独占の禁止と適正な取引について定められている法律です。
そのため、この法律に消費者に関する権利云々はありません。
逆に「消費者契約法」。
名前に消費者と、そのまんまな言葉が入っている通り、事業者と消費者に対しての決まりが定められています。
なので、答えは「消費者契約法」です。
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今回もありがとうございました。
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