以前、海上保安庁三浦管区海上保安部の「平成23年〜25年のシーカヤック事故事例」をもとにカヤックフィッシングの危険性に関する記事を書いた。
ホビーカヤックを手にして、足漕ぎパワーで調子に乗って危険な海に出てしまっていた自分の危うさにはたと気が付いた時だった。
そしてこの度、新たに海上保安庁三浦管区海上保安部のHPに平成25年〜29年のデータに基づく注意喚起情報が掲載されていた。
その内容を見ていく。
まず、カヌー(シーカヤックやシットオントップカヤックを含む)の船舶海難は、春季に急増するとのこと。
下の引用画像にあるとおり、カヤックの海難事故は4月、5月が多く、特に5月が最多。
そして、事故原因としては、操船技能不足等による運航不能が約5割、経験年数別に見ると3年未満が約6割を占めるとのこと。
上の2つのデータを合わせて見ると、春先、気温の上昇に合わせて新たにカヤックフィッシングなどをはじめた人が、経験不足で事故に遭遇してしまうケースが最も多いのではないか、という推測ができる。
しかも、春は風が強かったり、気温に比べて、海水温が低い。
夏場なら多少下手して「沈」してしまっても、再乗艇して事なきを得られるようなケースでも、体温低下で運動能力が落ちて再乗艇ができず、海難事故に発展してしまうなど、事故が増えてしまいそう。
上の画像にある注意事項のうち、1点目「十分な技能が身につくまで、必要以上に沖へ進出しない」は基本中の基本。
自分の場合は、6年ほど経験した上で昨年末、カヤックフィッシングの危険性を再認識して、海水温の低い時期に乗るのを止めた。
さらに陸から4km〜5kmと遠くに行く必要のある深場釣りはやめた。ホビーカヤックの凄まじい機動力があれば、行くこと自体はさほど難しくないけれど緊急時をイメージすると、リスクが高すぎる。
加えて最近は、以前に増して、カヤックに乗れる気象条件かどうかも厳しく判断している。
2点目「十分な経験のある者との複数行動」は、カヤックフィッシング人口がそれほど多くないことと、カヤックならではの自由な釣りを求めて、単独でカヤックフィッシングを始める自分のような人にとっては、案外難しいかもしれない。
環境が許せばもちろん、先輩カヤックフィッシャーに教えを請うたほうがいいし、そういう環境を求めるべきなのかもしれない。
実際、自分も偶然海岸で出会った先輩カヤックフィッシャーに着眼のコツを教えてもらって救われたことがある。
でも今は動画など、色々な媒体から多様な情報を得ることができるので、仮に一緒に行動するようなカヤック乗り仲間がいない場合、まずはショップ店員さんなどにツボだけ聞いてみたうえで、何かあっても危険のない穏やかな状況、場所で少しづつ、技術を習得した上で、少しづつ沖に出ていくことをお勧めしたい。
そうする内に、海岸や海上で同じようにカヤックフィッシングを楽しむ人と知り合ったりする可能性も高いと思う。
このブログでも可能な限り危険について書いているつもりなので、是非、どんな危険がある遊びなのか、しっかり理解した上で、可能な限りの対策をしたうえで、自己責任であることを踏まえて、でも勇気をもって本気でカヤックフィッシングを楽しめたらいいなと思う。