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2015年10月24日

「逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし」

東京ミッドタウン内にあるサントリー美術館で開催中の「逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし」展に行ってきました。
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久隅守景は狩野派中興の祖で幕府の御用絵師、狩野探幽の一番弟子といわれ、山水画、人物画、花鳥画、仏画など幅広く活躍しました。子どもの不祥事が続き、狩野派を離れますが、詩情豊かに庶民らを表現した「四季耕作図」を多く制作し、子ども、動物を温かく描いたことで知られています。晩年は加賀藩前田家の招きで金沢に滞在したと伝えられています。そして京で最晩年を過ごしたようです。山あり谷ありの生涯でしたが生没年などの詳しいことが謎に包まれている画家でもあります。基準作というものも少ないので画業を辿る事が難しい絵師の一人ですが、サントリー美術館が果敢に謎多き絵師に迫っています。

冒頭には、狩野探幽に入門し、画家としてのスタートを切った守景の比較的若い頃の作品が並びます。気に入ったのは、知恩院小方丈の『四季山水図襖』。中国の桂林漓江(りこう)下りのような風景。
遠景の山が、お椀を伏せたように連なり、とても詩情豊かに描かれています。
知恩院の大方丈や小方丈は昨年公開されたときに行きましたが、他の部屋の襖絵は狩野尚信・信政ら狩野家の中枢絵師が描いていますが、本展に出ている小方丈下段の間西側の夏景四面は守景がこれらの中枢絵師とともに障壁画制作に参加した最初期の例だそうです。

瑞龍寺は、加賀藩二代藩主前田利長の菩提を弔うため三代藩主前田利常によって高岡に建立された寺。 瑞龍寺の仏殿、法堂、山門が国宝に、総門、禅堂、高廊下、回廊、大茶堂が重要文化財に指定されています。 今回出展の「四季山水図襖」は「瑞雲閣」と呼ばれる書院にあり、前後期四面ずつが展示されます。

久隅守景の代表作といえば、国宝に指定されている「納涼図屏風」です。前期のみ出展です。昼間の厚さが落ち着いた夏の夜の団欒が描かれています。男女で線描を変えたりと守景の技量の豊かさも見れる作品です。

また今回は「十六羅漢図」は四幅づつ展示替えで全幅見れます。神奈川県津久井の光明寺に『十六羅漢図』16幅が伝わっていることを初めて知りました。人間的で生き生きした姿に描かれていて、あまり怖くない羅漢図です。動物もかわいい。展示替えがあるので、最終週は雀に注目。

そして、守景が繰り返し描いた「四季耕作図」の世界。今回の展示では中国の農村を描いているのですが、なぜ中国なのでしょうか?東京国立博物館の耕織図が良かった。
また屏風は通常右から左へ四季が移ろうのですが、守景の四季耕作図は左から四季が始まるものがほとんどです。3Fに移動すると、「賀茂競馬図屛風」の作品があり、京都へ移り住んだ時期の作品になります。守景は四季耕作図でも、このような祭事を題材にした作品での様々な身分の人物を描かいています。

石川県立美術館の「花鳥図屛風」は琳派風。他にも「都鳥」など琳派風の作品もあって意外な面を発見しました。

最後は子供たちの作品。春に実践女子学園香雪記念資料館で開催された「華麗なる江戸の女性画家たち」でも清原雪信は展示されていました。探幽の大和絵の優美さを継承した雪信は当時から現在も人気があり、江戸時代を代表する女性画家の一人です。繊細優美な作品が前期展示には並んでいます。

作品数は多くはありませんが、全体を通して「個人蔵」の作品をたくさん見ることができ、ゆったり鑑賞できたたのは、貴重な機会でした。

「逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし」展
所在地:東京都港区9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階 サントリー美術館
開館期間:2015年10月10日〜11月29日
開館時間:10:00~18:00(金・土および10月11日、11月2日、11月22日は20:00まで開館)
休館日:火曜日(11月3日は開館)、11月4日
料金:一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料 ※20名様以上の団体は100円割引
電話番号:03−3479−8600
公式サイト:http://suntory.jp/SMA/
※期間中展示替えがあります。
posted by はまやん at 20:02| アート
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