2016年01月21日
超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その11
かえるくんです
引き続き平成27年7月の3級学科の過去問題です。
Q25、商標権についての問題です。
ア 商標登録出願の日前から,登録商標と同一の商標を使用し
当該出願日において,周知であれば,先使用権が認められ
る場合がある。
イ 商標権者は,指定役務に類似する役務について登録商標を
独占して使用することができる。
ウ 登録商標と類似する商標を,指定商品に類似する商品につ
いて,他人が使用する行為は,商標権の侵害とならない。
アはその通りです。イは商標権者が独占できるのは同一の
場合だけで、類似役務については他者を排除できますが
独占はできません。ウは商標と商品(役務)がともに類似の
場合も商標権侵害となります。
Q26、PCTに関する問題です。
ア 保護を求める締約国における審査が希望する1カ国で統一
して行われる。
間違えやすい所です。統一して行われるのは「出願手続き」
で「審査」は各国の特許庁が行います。
PCTではWIPOから国際調査報告書が各国に送付され
それが参酌されるものの実際的な審査は夫々の国が行い
ます。
イ 保護を求める締約国における特許出願の手続が簡素化さ
れる。
その通りです。
ウ 締約国で登録された特許権について,国際事務局を通じて
一元管理できる。
そこまではやってくれません。
Q27、営業秘密についての問題です。
ア 失敗した研究の実験データは,営業秘密として保護され
ない。
イ 不正競争防止法における営業秘密は,事業活動に有用な
営業に関する情報を保護するものであり,技術に関する
情報は保護されない。
ウ 営業秘密として不正競争防止法で保護される対象が,
他の知的財産法の保護対象となることもある。
ア・イは簡単な選択肢なので消去法でウが正解だとわかり
ますが、それでは勉強にならないので検証します。
アは失敗例(ネガティブインフォメーション)も有益な情報として
扱われることを知っていれば簡単です。イは技術情報だって
当然、有用な情報です。
ウについて、知的財産法の保護というのが権利の行使で
あれば、特許権、実用新案権など権利化されないと使えない
権利もありますが、先使用権のように独占できなくても、以前
から事業化して使っていた(事業化準備も含む)のであれば
認められる権利もあります。この権利は特許法で定められて
いる権利なので保護対象といえると思われます。
Q29、育成者権についてです。
ア 登録品種の名称を育成者権者に無断で使用する行為は,
育成者権の侵害となる。
育成者権は、種苗を独占的に育成・販売することを保障
するもので、名称の独占を許すものではありません。
この問題は、何度か出題されています。
イ 農家が収穫物の一部を次の作付けの種苗として使用する
行為は,育成者権の侵害とならない。
その通り、この行為は許されています。
ウ 登録品種の種苗を育成者権者に無断で業として生産する
行為は,育成者権の侵害となる
その通り、これは侵害に当たります。
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