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2016年02月21日

超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その31

かえるくんです

引き続き、2級過去問題解説(2015/3学科)です。

Q28、著作権および著作者人格権についての問題です。
 適切なものを選びます。


ア すべての著作権を譲り受ける場合に,「すべての著作
 権を譲渡する」という条項を含む契約をすべきである。

 それでは足りません。二次的著作権の原著作者として
 権利(第28条)を行使されるリスクがあるので、その場合
 「その全ての著作権(作権法第27 条及び第28 条の
 権利を含む
)」を譲渡すると明記する必要があります。

イ 著作権を譲り受ける場合に,「著作者人格権を譲渡
 する」という条項を含む契約をすべきである。

 著作者人格権は、本人のみに帰するので譲渡できません。

ウ 著作物の作成を外部に委託する場合に,「著作者人
 格権を行使しない」という条項を含む契約をすべきであ
 る。

 これは正しい条項です。改編を加えたいときに同一性
 保持権を使われると支障が出ます。


エ 著作物の利用を許諾する場合に,「利用権を文化庁
 に登録する」という条項を含む契約をすべきである。

 利用権は文化庁に登録できなません。
 著作権の譲渡・移転が発生した場合のみ文化庁に
 著作権者を登録できます。

Q29、他社の模倣品に対する権利行使の問題です。
 この問題は難しい問題です。選択肢のウ、エで迷うよう
 に作られています。
 「方法の発明」と「物を生産する方法の発明」が別の
 もの
であることを知らなければ解けません。

ア 特許発明が物の発明である場合,その模倣品の譲
 渡の申出をする行為には特許権の効力は及ばない。

 特許権の効力が及びます。模倣品を作って譲渡すれ
 ば違法です。特許権者に損害を与えるので。

イ 特許発明がプログラムの発明である場合,そのプロ
 グラムの模倣品を電気通信回線を通じて提供する行
 為には特許権の効力は及ばない。

 特許権の効力が及びます。これも特許権者に損害を
 与えるので違法です。

ウ 特許発明が方法の発明である場合,その方法を使
 用する模倣品の輸出には特許権の効力は及ばない。

 その通りです。

エ 特許発明が物を生産する方法である場合,その方法
 により生産した物を譲渡する行為には特許権の効力
 は及ばない。

 「物を生産する方法」により生産したものなので、
 特許権の効力が及びます。

後日、この部分について説明しようと思います。





 




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