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2023年09月02日
1-7-0 人的資源管理 補足(過去問)
@非正社員の質的基幹化:非正社員であっても、判断や管理など、質的に高度な業務を実施するようになってきた状態のこと
【背景】
・正社員の賃金負担、解雇の難しさ
・業務量の変化に対して柔軟に対応できる
【問題点】
・非正社員の仕事の難易度が上がっても待遇には正社員と開きがある。
・機密事項に対する社員教育や訓練が不十分な場合がある。
・正社員と非正社員が同等の仕事を行い待遇が違う場合非正社員が不満を感じ職場の一体感が低下する。
・終身雇用を前提とした社員の雇用は難しくなっており、長期的な視点で育成することが困難になっている。
・正社員と同等の業務を行うようになっているとまでは言い切れない。
Aヒューリスティックやバイアス:単純化や経験則に頼って意思決定をすることが多い
・後知恵バイアス(hindsight bias):物事が起きてからそれが予測可能だったと考える傾向
・確証バイアス(confirmation bias)(追認バイアス):ある選択肢に好意を抱いた人は、その選択肢を支持するような証拠を探し求め、データをそのように解釈する
・内集団バイアス(ingroup bias):自分が帰属している集団には好意的に考え、その外の集団には差別的に考えてしまう傾向
・感情ヒューリスティック(affect heuristic):好き嫌いだけで意思決定をし、理由を後付けする
・代表性ヒューリスティック(representativeness heuristic)(典型性ヒューリスティック):あらかじめ抱いている固定観念に合った特性を見いだそうとする
・利用可能性ヒューリスティック(available heuristic):想起しやすい事柄や事項を優先して評価してしまう傾向のこと
【背景】
・正社員の賃金負担、解雇の難しさ
・業務量の変化に対して柔軟に対応できる
【問題点】
・非正社員の仕事の難易度が上がっても待遇には正社員と開きがある。
・機密事項に対する社員教育や訓練が不十分な場合がある。
・正社員と非正社員が同等の仕事を行い待遇が違う場合非正社員が不満を感じ職場の一体感が低下する。
・終身雇用を前提とした社員の雇用は難しくなっており、長期的な視点で育成することが困難になっている。
・正社員と同等の業務を行うようになっているとまでは言い切れない。
Aヒューリスティックやバイアス:単純化や経験則に頼って意思決定をすることが多い
・後知恵バイアス(hindsight bias):物事が起きてからそれが予測可能だったと考える傾向
・確証バイアス(confirmation bias)(追認バイアス):ある選択肢に好意を抱いた人は、その選択肢を支持するような証拠を探し求め、データをそのように解釈する
・内集団バイアス(ingroup bias):自分が帰属している集団には好意的に考え、その外の集団には差別的に考えてしまう傾向
・感情ヒューリスティック(affect heuristic):好き嫌いだけで意思決定をし、理由を後付けする
・代表性ヒューリスティック(representativeness heuristic)(典型性ヒューリスティック):あらかじめ抱いている固定観念に合った特性を見いだそうとする
・利用可能性ヒューリスティック(available heuristic):想起しやすい事柄や事項を優先して評価してしまう傾向のこと
タグ:企業経営理論
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2023年08月27日
1-7 人的資源管理
雇用管理
【採用管理】
●採用管理:各部門別に必要になる人材を決定し全社で積み上げていく考え方と、雇用にかけられる労務費の費用から逆算して人数を決定する考え方がある。
・インターンシップ制度:新卒採用で学生が在学中に就業体験をする制度:優秀な人材を採用したり、企業イメージを高めることが狙い
〈RJP(Realistic Job Preview)〉:好感されにくい現実をありのままに伝えようとする広報戦略
・自己の能力を見つめなおさせ自己選抜によって応募を辞退させる効果
・職務や職場への初期適応を円滑にする効果
・入社後の離職を回避させる効果
【配置・異動の管理】
●異動の種類
・垂直的な異動:昇進(上位の役職)降職、昇格(上位の職能資格)降格
・水平的な異動:配置転換:適材適所を実現、従業員の育成や、組織の停滞を防ぎ組織を活性化する
●ジョブローテーション:様々な職務を経験させ人材育成を図る制度
●CDP(キャリア・デベロップメント・プログラム)(キャリア開発制度)
・従業員のキャリアプランの実現と企業のニーズに合った人材育成が目的
・従業員毎の長期的なキャリア計画を作成し、その計画に基づいてジョブローテーションなどの配置転換や、教育訓練などを行う制度
●社内公募制度:新しい事業やプロジェクトを開始する際、社内公募で従業員が自分自身で応募できるのが特徴
●複線型人事制度:企業が複数のキャリアパスを用意し、自分の意志で選択する制度:管理職や、専門職など複数のキャリアパスを用意することで、考え方の多様化に対応
【退職管理】
●定年退職:60 歳定年制だったが平成18年法改正(高年齢者雇用安定法)により65 歳まで定年が段階的に延長
・高年齢者雇用安定法:3つのいずれかを行う義務
@定年の延長
A継続雇用制度
B定年制の廃止
・令和 3 年 4 月からは、70 歳までの就業機会の確保が努力義務
・早期退職優遇制度:定年前に退職することで退職金を優遇する制度:人件費の増大を抑止
【雇用調整】:過剰な雇用を削減
・残業時間削減⇒アルバイト削減⇒採用削減・配置転換⇒希望退職者募集⇒解雇
〈非正社員の実質的基幹化〉:判断や管理など質的に高度な業務を実施
・正社員を雇用すると賃金負担が大きく、また解雇も難しい
・業務量の変化に対し、柔軟に対応
人事評価
【評価方法】
●成果主義:仕事の成果の評価を元に評価
・メリット:優秀な従業員のモチベーションを高める、合計の人件費を抑制
・デメリット:短期的な成果を求める、他の人や部門との協力がおろそかになる
・導入の留意点:公平で透明な評価、個人の裁量があり努力次第で成果を挙げられる、能力開発の機会を提供する
●目標管理制度「MBO(Management By Objectives)」:面談の上で個人の業績目標を設定し、自主的に目標を達成する管理方法
・メリット:従業員の創意工夫、やる気、面談によるコミュニケーション
・デメリット:意図的に目標を低く設定しがち、若年者や業務によっては目標が設定しにくい、評価者の負担が増える
●コンピテンシー評価:行動特性を基準にして人事評価を行う:プロセスを評価する評価方法
・高い業績を上げている人をサンプルとして抽出⇒成果を上げる行動特性を評価の指標⇒指標を元に人事評価や能力開発を行う
〈360度評価〉上司が部下を評価するだけではなく、自分を取り囲む先輩や同僚、部下、場合によっては関係先の部署や取引先などが評価
《メリット》
・顧客や取引先が評価者となった場合には、被評価者の顧客志向が高まる
・異なった評価を見ることによって、評価者を訓練する機会を提供する
・上司と部下のコミュニケーションの活性化が図られる
・普段の業務では得られない、さまざまな情報を入手できる
・多様な評価を被評価者にフィードバックすることができる
・デメリット:中立的な評価を行うことができる評価者を選抜することが難しい
【心理的誤差】:評価者の誤差のこと
●ハロー効果:目立つ特徴があると、他の要素の評価もそれに引きずられて歪められること
●中央化傾向:評価結果が中央に寄ってしまう傾向
●寛大化傾向:評価が甘くなってしまう傾向(特に評価者に自信が無い場合傾向が強くなる)
●論理誤差:評価要素の間に関連がある場合、1 つの要素が優れていると別の要素も優れていると思い込んでしまうこと(TOEICの点数⇒英語での交渉)
●対比誤差:評価者自身の能力や価値観を基準にして評価してしまうこと(自分の専門分野など)
【心理的誤差を防ぐ施策】
●考課者訓練:評価者の訓練
●多面評価:360度評価
報酬管理
報酬の目的は業績に貢献するため行動を行うような動機づけを行うこと:限られたコストの中で最大限の成果を上げるような報酬制度や報酬額を決定する必要がある
【昇給】
●定期昇給:査定昇給(職務の内容や能力を評価)、自動昇給(年齢や勤続年数)
●ベースアップ
【基本給】
●年功給:勤続年数や年齢、学歴
●職能給:職能という能力
●職務給:職務に対して支払われる給与
●成果給:成果に基づいて支給額が決定
【賞与】
・賞与総額:業績と同業他社の相場
・個別の支給金額:基本給×平均支給月数と個人の評価
【退職金】:給与の後払いとなり、終身雇用制度を支える仕組み:(退職金制度は義務ではありません)
●ポイント制退職金:職能資格と勤続年数をポイント化し、ポイントに単価を掛けて退職金を算定する方式:企業の貢献度に基づいて算定
●確定拠出年金制度
・確定給付型:将来受け取る年金額が決まっている
・確定拠出型(日本版401K):毎月の掛金が確定している:企業は年金の運用成績に関わらず一定の年金額を支払えばよい
〈その他の報酬制度〉
●持株制度:従業員の経営への参加意識を高めるのが狙い
●ストックオプション:決められた価格で株式を取得できる権利を与える制度:会社の業績を向上させて株価を上昇させる動機づけを強める、優秀な人材を確保
能力開発
【OJT】(On the Job Training):実際に仕事を行いながら上司が指導
・短期間で実務能力が身につけられる、きめ細かい指導、コストがかからない:日常の能力開発の柱
・短期志向になりがち、指導者に教育の成果が左右される、体系的な知識の習得が難しい
【Off-JT】(Off the Job Training):仕事の場を離れて、研修などの形式で行う
・体系的に知識を習得、新しい知識を習得しやすい、
・コストがかかる、実務能力の修得が難しい:終了後のフォローが重要
タグ:企業経営理論
2023年08月24日
1-6-2 組織と人材 補足(職務特性モデル• 組織開発• 組織コミットメント)
職務特性モデル
・モチベーション(動機づけ)理論の1つ
・仕事の性質や特性そのものがモチベーションに深くかかわるとする理論:仕事自体が面白ければモチベーションが高まる
●モチベーションは以下の職務特性に影響される
・技術多様性:様々なスキルを必要とするほど動機づけが高まる
・完結性:職務の一部であるより職務として完結しているほど動機づけが高まる
・重要性:他の人にとって重要で価値があるほど動機づけが高まる(自分自身にとってではない)
・自律性:裁量が大きいほど動機づけが高まる
・フィードバック:成果についての情報を直接的に得られるほど動機づけが高まる。
組織開発
・組織の有効性や従業員のウエルネス(心身ともに良好な状態)の改善を目指して、人間的かつ民主的価値観のもとで計画的に組織変革に介入するマネジメント手法
・人間尊重の価値観:基本的に善で最適な場を与えると、自律的・主体的に能力を発揮する
・民主的な価値観:多くの人が参加し関与した方が意思決定の質は高まる。
・当事者中心の価値観:自ら主体的に変革に取り組む
・社会的・エコロジカル的なシステム志向の価値観:組織を取り巻く社会や環境をも重視する
組織コミットメント
・「個人が組織に対して一体化している程度」:会社と自分が一体だと感じている人は、会社のために主体的に働く:逆に会社と自分は関係ないと感じている人は、給与のためにしかたなく働いたり、すぐ転職したりする
・情熱的コミットメント:一体感や愛着といった情緒的なもの
・功利的コミットメント:損得に基づく功利的な判断
・規範的コミットメント:組織に忠誠をつくすべきとの信念
・態度的コミットメント:組織の価値や目標を進んで自分に取り入れていくこと
・行動的コミットメント:個人の過去の行動によって、その組織への関与が強まる過程に注目したもの
・会社が個人の組織コミットメントを高めるには様々な方法がある:主体的に仕事が進められるようにする、成長の機会を提供するなど
タグ:企業経営理論
2023年08月23日
1-6 組織と人材
経営管理の発展
【テイラーの科学的管理法】
・課業管理:課業(1日に行う作業量)を設定し管理を行う。
・4つの管理原則:課業を設定する事、標準的な条件を設定する事、家業を達成した労働者には高い賃金で報いる事、家業が達成できなかった労働者には低い賃金にする事
・科学的管理法の成果:IE(経営工学)の発展の契機となった。
・科学的管理法の問題点:経済人モデル(合理的な基準に基づいて行動するという考え)
【人間関係論】
・ホーソン実験:集団の中での非公式な行動基準(標準作業量が引き上げられたり集団に迷惑が掛かる)
・ホーソン実験の成果:生産に影響を与える要因は非公式な人間関係が重要
・社会人モデル:レスリスバーガー:人間は感情をもった社会的な存在であり、感情の理論で行動する
・インフォーマル組織:非公式な組織が公式な組織に大きな影響を与える
・人間関係論の問題点:感情を重視するだけでは生産性は向上しない。目的をもって自律的に行動する存在でもある。
モチベーション理論
モチベーション:動機づけ
【内容理論】
●マズローの欲求段階説:人間の欲求を5段階に体系化:下から、生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、自我の欲求、自己実現の欲求
・低次元の欲求が満たされると上の欲求を満たそうとするが、自己実現欲求以外は一旦満たされると動機づけの要因にならない
●マグレガーのX理論・Y理論
・X理論:従来からの人間観(仕事が嫌い、強制や罰が無ければ仕事をしない)、低次元の欲求段階にいる:命令と統制による管理
・Y理論:新しい人間観(仕事をするのが本性、目的のために進んで働く、報酬や条件で進んで責任を引き受け創意工夫する):高次元の自我の欲求や自己実現の欲求段階にいる:目標による管理(MBO)
●ハーズガーグの動機づけ・衛生理論
・動機づけについて2つの要因がある:不満要因、、満足要因
・不満要因(衛星要因):会社の方針、作業条件、給与、人間関係:要因を高めても不満は減少するが積極的な動機づけにならない
・満足要因(動機づけ要因):達成感、認められること、やりがい、責任、昇進、成長:高次元の欲求段階に相当する欲求
⇒職務充実(別名ジョブ・エントリッチメント):計画や判断など責任と権限を拡大し仕事を質的に充実:職務の垂直拡大
●アージリスの未成熟・成熟理論:人間は成長の段階で、受動的から能動的になったり、依存した状態から自立した状態になるもの
・組織は人間の成長を妨げないようにすることが重要⇒職務拡大、別名ジョブ・エンラージメント:仕事の範囲を水平的に拡大する:成長の実感を与える・
〈内発的動機づけ〉
・外発的動機付けは強制や懲罰、評価、報酬などが要因
・内発的動機付けは、例えば業務等に対する興味や関心から意欲が沸いて業務遂行等からの達成感や満足感、充実感を得たいという欲求が要因
〇デジの内発的動機付け:人は生まれながらに有能感と自己決定への欲求をもっており、この 2 つがモチベーションの重要な源泉となっている
〇チクセントミハイのフロー心理学:人が極度に集中している、没頭している状態を「フロー状態」という。
フロー経験:「活動の過程における成功と失敗が明確で、行動が必要に応じて調節される直接的で即座な反応」、「活動の目的が難しすぎず易しすぎない」「活動に本質的な価値があり活動が苦にならない」等が条件
〇ホワイトのコンピテンス(有能性)概念:コンピテンスとは環境に対する適応能力を指す概念:
「個人が経験・学習を通して獲得した能力をある状況下であれば有効に作用するだろうと考える潜在能力を持つこと」、
「その状況下でその潜在能力を有効に活用することで自分の有能さを発揮しようと動機付けられること」の2つを統合した概念
【過程理論】:どのようなプロセスで動機づけが行われるのかということに注目するのが過程理論
●ブルームの期待理論;動機づけの強さ(報酬の期待される価値と、報酬を得られる確率を掛け合わせたもの)
・報酬というのは、金銭的な報酬だけではなく、仕事の充実感や得られる尊敬など、個人にとって動機づけとなるもの全てを含む。
:個人によって報酬のとらえ方違うので動機づけの強さも変わる。
●マクレランドとアトキンソンの達成動機説
・達成動機:高い業績を上げたい、達成し成功したいと思う人が多く持っている動機:個人の責任で仕事をする事を好み、自分が行った事について迅速なフィードバックを望み、中リスクを好む。
・中ぐらいのリスク:50%以上の成功確率があれば動機づけ(リスクが低すぎるとあまり動機づけされない)
〈(中核的)職務特性モデル〉
・仕事の性質や特性そのものがモチベーションに深くかかわっていると考える理論:仕事自体が面白ければ、モチベーションが高まる
1,技能多様性:必要とされるスキルの多様性。
2,完結性:仕事の流れの全体に関与できること。(一部じゃない)
3,重要性:仕事の出来栄えが他の人(社内や顧客)にとって重要なこと。
4,自律性:自分で工夫できる裁量が大きいこと。
5,フィードバック:仕事そのものからフィードバックを得られること。(事の成果についての情報を直接的に得られるほど動機づけが高まる。)
〈(中核的)キャリア・アンカー〉:E.シャインによって提唱
・個人がキャリアを選択するときに、自分にとって最も大切で、犠牲にすることができない価値観を意味
・長期的なキャリア形成においては「どの仕事をしたいのか(what)」よりも「どのように仕事をしたいか(how)」の方が重要
・シャインは、8種類のキャリア・アンカーを示している
@管理能力 - 組織の中で責任ある役割を担うこと
A技術的・機能的能力 - 自分の専門性や技術が高まること
B安全性 - 安定的に 1 つの組織に属すること
C創造性 - クリエイティブに新しいことを生み出すこと
D自律と独立 - 自分で独立すること
E奉仕・社会献身 - 社会を良くしたり他人に奉仕したりすること
F純粋な挑戦 - 解決困難な問題に挑戦すること
Gワーク・ライフバランス - 個人的な欲求と、家族と、仕事とのバランス調整をすること
リーダーシップ
・与えられた状況の中で、目標を達成するために個人や組織に対して影響を与えること
【リーダーシップの源泉】:メンバーがリーダーシップを受け入れることが必要
〈組織から付与〉
・合法勢力:組織から与えられた権限
・報酬勢力:報酬を与える能力から生じる
・強制勢力:罰則を与える能力
〈個人の資質〉
・専門勢力:専門的知識や技術
・準拠勢力:個人的魅力や一体感
〈権威受容説(権限受容説)〉:権威は相手に受け入れられて初めて有効である:C.I.バーナードが提唱
・権威がメンバーに受容される主なポイント:
@リーダーの伝達の内容が、組織目的と矛盾していない
Aリーダーの知識や能力が伴っており、その権限行使にふさわしい
B伝達の内容がメンバーの個人的利害に反していない
C伝達の内容がメンバーの無関心圏の範囲であること(無関心圏とは興味関心が無い内容ということです)
〈リーダーシップとフォロワー〉
・リーダーシップの本質は人がついてくること:優れたリーダーかの判断はフォロワーがリーダーを受容する度合い
【資質特性論】:個人的資質:共通する性格特性の統一見解は出てこず
【行動類型論】:行動パターン
●レヴィンのリーダーシップ類型論:タイプを3に分類
・専制型リーダーシップ:仕事の成果は民主型と同等、満足度や雰囲気は民主型より劣っている
・民主型リーダーシップ:援助し集団で決定:仕事の成果と、仕事の満足度やグループの雰囲気の両面で一番良い結果
・放任型リーダーシップ:全て個人が自由に決定:仕事の成果が最低
●リカートのシステムW理論: 4 つのタイプに分類
・独善的専制型
・温情的専制型
・相談型
・参加型:参加型が理想:部下を支持し集団的な意思決定、高い業績目標を設定:集団のモチベーションを高め、成果を上げる
各小集団の管理者が連結ピンの役目を果たすことが重要:管理者が連結ピンとなることで、コミュニケーションや組織運営が円滑になる
●ブレーク=ムートンのマネジリアル・グリッド
・リーダーの関心を、人間の関心と業績の関心の 2 軸
・人間の関心と業績の関心が共に高いタイプが、最も高い業績を上げる
●シャートルのオハイオ研究:リーダーの行動は「構造作り」と「配慮」という2軸
・「構造作り」:インフラ整備+部下の課題管理:仕事志向
・「配慮」:良い人間関係を維持しようとする行動:人間関係志向
優れたリーダーは双方を高度に行う
【リーダーシップのコンティンジェンシー理論】:状況によって適合するリーダーシップは異なる
●フィードラーのコンティンジェンシー理論
・指示や命令を中心とした仕事中心型:リーダーが統制しやすい状況は良い(メンバーがリーダーを信頼しており、仕事内容が明確で、リーダーの権限が強い状態)
:逆にリーダーが統制しにくい状況もこちらの方が良い
・人間関係の配慮を中心とした人間関係中心型:状況がどちらでもない中間的なときは良い
・リーダーシップ・スタイル:LPC(もっとも一緒に仕事をやりたくない同僚)という指標:LPCが高いリーダーは人間関係志向、低いリーダーは生産指向、仕事志向
・状況要因:リーダーシップ・スタイルと集団業績の関係を状況要因として、リーダーと集団の関係性を状況好意性という概念でとらえ@リーダーと集団の関係(良い-悪い)、Aタス
クのルーティン化、構造化の程度(高い-低い)、Bリーダーの公式権限の強さ(強い-弱い)の三側面で表しました。
●ハウスのパス=ゴール理論(経路理論):報酬の目標を示し、その報酬を得るための経路を明確にすることが必要だと指摘
・期待される報酬の価値を明確に示し、障害を避けて報酬を得るための経路を示す
・部下の能力が高く、仕事が高度なほど、参加的なリーダーシップが有効
●その他のリーダーシップ理論
・PM 理論:P機能(目標達成能力)、M機能(集団維持能力):P,Mどちらも高いリーダーが高い生産性を示す
・リーダー・メンバー交換理論(LMX理論):自分と似た考え方・個人特性を持ち、能力が高いメンバーを内集団として選び、貢献に対する内的・外的報酬を提供
内集団のメンバーは信頼関係を築き、成果を高めるための資源や機会を積極的に受け取り、仕事に対してリスクを取る傾向にある
組織活性化
【組織文化】
●組織文化の定義と役割:組織メンバーの間で共有された価値や理念、あるいは習慣となった行動パターンと定義:組織文化は組織メンバーの間で形成される
●組織開発(組織変革):組織開発や組織変革と呼ばれる方法
・組織開発(OD):組織の有効性や従業員のウエルネス(心身ともに良好な状態)の改善を目指し、人間的かつ民主的価値観のもとで計画的に組織変革に介入するマネジメント手法
・重視している価値観
@人間尊重の価値観:人間は基本的に善であり、最適な場が与えられれば、自律的・主体的にその人間の能力を発揮する。
A民主的な価値観:意思決定する際、関連するできる限り多くの人が参加し関与した方が意思決定の質が高まると考えられる。
B当事者中心の価値観:自ら主体的に変革に取り組むものと考えられる。
C社会的・エコロジカル的システム志向の価値観:組織内だけでなく、組織を取り巻く社会や環境をも重視している。
〈組織アイデンティティ〉:「我々は何者であるか」という問いに対する答え
・組織に対して近くしている、中心的、連続的、独自的な属性
〈キャメロンとクインの組織文化理論〉
●組織文化:組織メンバーの間で共有された価値や理念、あるいは習慣となった行動パターンと定義
・クラン文化:支援的リーダーシップ:クラン(仲間)水平的な関係性
・アドホクラシー文化:革新者的リーダーシップ:創造性を発揮、組織外部に発信:ベンチャー
・ハイアラーキー文化:規則や手続きの遵守:明確な階層がある官僚組織
・マーケット文化:現実主義的リ−ダーシップ:プロセスより市場シェア拡大を重視
【集団の行動】:企業は、小さな集団の集合体と考えることができる
●集団の行動様式(集団のダイナミクス):個人には見られないような特性
・集団の凝集性が高くなる:集団の行動基準に従う圧力が働く
・凝集性が高い集団:まとまりが高い、閉鎖的になる、集団浅慮(グループシンク)
・集団浅慮;集団で決定すると短絡的に決定される:集団を過大評価、集団が閉鎖的⇒均一な意見にする圧力がかかる⇒危険な意思決定をしてしまう。
●コンフリクト(葛藤):組織が個人の集団である以上コンフリクトは避けられない
・コンフリクトを解決していくことで変革を実現する。⇒コンフリクトマネージメント
【組織学習】:組織やメンバーが新しい知識を獲得する活動やプロセス
●低次学習と高次学習
・低次学習(シングルループ学習):既存の枠組みの中で行う学習:組織がゆっくり進化している時
・高次学習(ダブルループ学習):既存の枠組み自体を変革するための学習:組織が革新的に進化する時に必要
●組織学習のサイクル:4 段階のサイクル
・個人の信念が変化
・個人の行動が変化
・組織の行動に影響
・行動の結果、環境に変化
●組織学習の制約
・役割の制約:役割の制限があり行動を起こせない
・傍観者的な態度:周りが傍観者で組織行動に生かされない
・環境に変化を及ぼさない:組織は変化したと迷信的に思い込んでいるが実際には変化していない。
・個人がそれを正しく評価しない:環境が変化しても個人が正しく評価しない
●ナレッジマネジメント:組織の中で、知的資産を共有する方法
・ナレッジを蓄積し共有するだけでなく、個人の持つ暗黙知を、組織的な形式知として活用していくことが重要
〈SECIモデル〉
・共同化(Socialization):個人の持つ暗黙知を、別の個人が、自分の暗黙知として取り込むプロセス
・表出化(Externalization):個人が持つ暗黙知を、他人に伝わりやすくするため、言語や図表などを使って形式知にするプロセス
・連結化(Combination):個別の形式知を組み合わせて、新たな形式知を生み出すプロセス
・内面化(Internalization):個人が形式知を理解し、自分自身のノウハウやスキルとして体得(暗黙知化)するプロセス
【戦略的組織変革】:外部の環境変化に合わせて、戦略的に組織を変革すること
●組織変革への抵抗:時間が経つにつれて固定的になり、変革への抵抗が生じる。:変革のコスト(特に埋没コスト)、必要性・認識の不足
●組織変革の遂行:リッチな情報より、経営者が変革の必要性があるかを認識する
・制度的なリーダーシップ:組織に理念を注入するリーダーシップ
〈組織コミットメント〉:個人が組織に対して一体化している程度
・情緒的コミットメント:損得勘定ではなく、一体感や愛着といった情緒的なもの
・功利的コミットメント:損得に基づく功利的な判断によるもの
・規範的コミットメント:組織には忠誠を尽くすべきだという信念によるもの
・態度的コミットメント:組織の価値や目標を進んで自分に取り入れていくこと
・行動的コミットメント:個人の過去の行動によって、その組織への関与が強まる過程に注目したもの
〈解凍-変化-再凍結モデル(レヴィンの変革プロセス)〉:組織の変革は3段階のプロセスで実行される
@解凍:変革の必要性を理解させるプロセス
A変化:新しい考え方や行動様式を理解させるプロセス
B再凍結:新しい考え方や行動様式を、組織のメンバーに定着させるプロセス
タグ:企業経営理論
2023年08月22日
1-5-2 組織の構造 補足(官僚制の逆機能、組織スラック)
官僚制の逆機能
・組織の中の規則や機構が、もともとは目的追求に役立つものとして制定されたはずなのに、逆に目的追求を損ねている状態が起きること。
・セクショナリズム:部署内の権限や利害に固執し、全体の最適化を図る事が出来なくなる。
・形成期主義:内容よりも形式を重んずる。
・規則万能主義:規則が無いからと対応できない事。
・事なかれ主義:解決しなければならない問題を放置する。
・繫文縟礼(ハンブンジョクレイ):規則が細かすぎて手続きが煩雑で業務が非効率になる。
≪官僚制の逆機能ではない≫設問から・・
グレシャムの法則:「悪貨は良貨を駆逐する」
計画のグレシャムの法則:長期的・戦略的な仕事(否定形意思決定)よりも、目前の仕事(ルーティン)を優先してしまう事。
組織スラック
・組織における、過剰な人員、使用していない設備、生産のロスタイム、内部留保など余剰資源のこと。
【組織スラックの機能】
・ワークフロー・プロセスにおける緩衝材:原材料や部品の在庫保有量を増やせば、サプライヤーの急な納期の延長や急な需要の増加に対処できる。
・戦略的行動やイノベーションの促進:組織スラックを革新のための源泉として、イノベーションを生み出すことができる。(スラック革新)
・コンフリクト解消のための資源:企業内や企業と利害関係者間の対立を解消するための経営資源として活用できる。
・利害関係者を組織に繋ぎとめるための誘因:組織スラックがあると、株主・取引企業・顧客・従業員などの利害関係者の「貢献」を上回る「誘因」(メリット)を与えることができる。
タグ:企業経営理論
2023年08月21日
1-5 組織の構造
組織とは
・複数の人が共同で目的を達成するために必要
【組織の要素】
・バーナードは3つの要素を提唱
・共通の目的、貢献する意欲、コミュニケーション
【組織の均衡条件】
・誘因が貢献以上になっている状態(誘因 ≧ 貢献)
・見方を変えれば、組織は「誘因を生み出す変換をするシステム」
・誘因≧貢献ですので誘因=貢献、つまり誘因が貢献を超えなくても、組織は存続し続ける
【組織の基本構造】
・経営層⇒管理者層⇒作業(員)階層:作業階層は分業化(財務、購買、生産、営業)
【組織と戦略の関係】
・組織は戦略に従う(チャンドラー提唱):先に戦略があり、組織は戦略の実行手段
・戦略は組織に従う(アンゾフ提唱):戦略は組織の能力や特性に規定される。
組織の設計原則
【専門家の原則】
・仕事を分業化する事により専門性を高め、仕事の効率を向上させる原則
【権限・責任一致の原則】
・権限と責任は等しくなければならないという原則:権限<責任、モチベーションの低下:権限>責任、無責任な行動
【統制範囲の原則】
・スパン・オブ・コントロール:コントロールの及ぶ範囲
・1人の管理者の管理できる人数には限界がり、それを超えると効率が落ちる。
【命令一元化の原則】
・メンバーは1人の直属の上司から命令を受ける。指揮系統の一元化
【例外の原則】
・別名、権限委譲の原則
・管理者はなるべく日常的な提携業務の意思決定を下位のメンバーに権限移譲する。
・管理者は例外的な意思決定(戦略的な意思決定)に専念する
組織形態
【組織の基本体系】
・ライン:経営の主活動(生産や販売)
・スタッフ:ラインを支援する(経営企画など管理職を支援する職能)
●ライン組織
・ラインから構成される組織
・命令一元化の原則を強く打ち出した組織形態、集権的な管理が出来る。管理者の負担が増える。
●ライン・アンド・スタッフ組織
・ライン組織にスタッフ機能を追加
・管理者の負担軽減、専門的な助言、スタッフはラインに権限を持たないが不明確になり命令系統が混乱しやすい。
【機能別組織(職能別組織)】:機能ごとに分業(購買・生産・販売など)成長してくると+管理スタッフ
・メリット:専門家を追求(規模の経済、経験曲線⇒業務効率が上がる)、命令一元化の原則(統制が取りやすい)
・デメリット:管理者の負担が重くなる(複数事業の場合複数事業の生産など)、組織の硬直化(別の機能との連携が上手く出来ない:官僚制の逆機能)、利益責任が不透明
【事業部制組織】:事業ごとの分権的な組織
・複数の事業に進出したり顧客層が広くなってくると、機能別組織から事業部制組織に移行していくケースが多い
・プロフィットセンター:利益責任単位:事業部単位の利益責任を負う
・メリット:迅速な意思決定、トップの負担軽減、管理者としての教育や育成
・デメリット:(重複して)無駄が多く非効率的、排他的な組織として独断経営(セクショナリズム)、短期的な利益追求
【カンパニー制組織】:事業部の発展形で事業部をさらに分権化(社内分社化)
・インベストメントセンター:利益だけではなく投資に対する責任も持つ組織(バランスシート経営):トップはプレジデント
・メリット:経営責任が明確になる、意思決定が迅速、経営者育成
・デメリット:カンパニー間の連携がとりにくい、実際には本社に上司がいるので独立したインベストメントセンター経営が難しい
〈純粋持株会社〉
・持ち株会社の内、自らは事業を行わずに他の会社の経営権をにぎることを本業としている会社
・企業グループ全体の戦略や企画の立案に専念。傘下の子会社はそれそれの事業に専念。
【マトリックス組織】:格子状の構造をした組織、機能別組織と事業別組織の両方のメリットを狙った組織
・縦に生産や営業など機能別の組織、横に事業部別などの組織を掛け合わせる形(2つの命令系統がある)
・メリット:機能別組織と事業別制のメリットを同時に得る事が出来る。(高い専門性と機能間での連携)人材を複数の役割で有効利用できる。
・デメリット:ワンマンツーボス(命令系統が不明確になる)(管理者の間で意見の対立や権力争いが起きやすい)
〈国際化と組織形態〉
段階に適した組織
1,輸出:輸出担当部、海外事業所を設置
2,現地生産・販売:海外事業部を設置
3,グローバルな事業展開:事業ごとに国内事業と海外事業を統括して行う体制。さらに、地域別と言う切り口を加え「グローバルマトリックス組織」に移行する事もある。
組織の運営
【組織のライフサイクル】
●企業段階:起業家のリーダーシップ:管理活動はまだ重視されていない。
●共同体段階:起業家は権限委譲し分権的な組織に:管理活動を整備していく段階
●公式化段階:管理機能が発展し規則や手続きが導入
⇒官僚制の逆機能(規則を守ることが目標になる。組織は硬直化し環境変化に対応できない)
⇒組織構造を動態化(大企業病):経営と現場の情報伝達のスピード
対策:組織の階層をフラット化(階層を減らす)、プロジェクトチーム制(タスクフォース)(日常的でない複雑な問題・課題の迅速な対応)(チーム型作業組織:チームごとにタスク、労働生活の質QWLの向上が期待)、横の連携を強化、情報共有するための仕組み構築
●精巧化段階:分業と調整のバランスを追求、企業の再活性化
≪官僚制の逆機能≫
・規則や機構が目的追及を損ねている状態
@セクショナリズム:部署内の権限や利害に固執し組織全体の最適化を図る事が出来ない
A形式主義:内容よりも形式を重んずる考え方
B規則万能主義:現実の課題に対して、規則が無いからと対応できないとする考え
C事なかれ主義:問題が発生しているのに、関わろうとせず放置する事
D員数主義:本来の意図した目的に用いる事が出来ない物でも、文章上、数の帳尻を合わせて、書類上の数値があっていれば良しとする考え
E繁文縟礼(ハンブンジョクレイ):規則が細かく、手続きが煩雑なため非効率になる事
F目的置換:本来は手段に過ぎない規則や手続きが目的になってしまう事
【環境変化への対応】
・組織のコンティンジュンシー理論:状況(外部環境)により最適な組織構造は異なると言う理論。
・バーンズとストーカー
安定した産業⇒官僚的組織が向いている
不安定な産業⇒柔軟な組織
・ローレンスとローシュ
不安定な環境に置かれている組織が業績を向上させるためには⇒分化と統合の2つの機能を持つ組織
コンフリクト(葛藤)解決:立場が異なる組織間でコンフリクトが発生⇒解決⇒高い業績
【不確実性への対応】
・管理者や部門間の情報処理の負荷が重くなり十分に変化に対応できなくなる可能性がある。
・対応するには:処理する情報を減らすか情報処理能力を増やす⇒スラック資源(余剰資源)を持っておく、自己完結型の組織にする(プロジェクトチームなど)
情報処理能力を増やすには:横断的な組織を設ける。情報処理システムを整備する。
〈リスクマネージメントと危機管理〉
・リスクマネージメント:企業の収益獲得活動のために必要となるリスクを適切に管理することを言う。
・リスク:社内外の事業環境変化自体(マイナスだけではなく、プラスもリスク)
・日常的で発生が予見でき、大よその損害額が見積れるリスクが対象
・クライシス(危機):戦争や災害の様に発生の可能性が予見困難で被害額の見積りも困難な場合を言う。
・規模などにより、リスクとクライシスは範疇が変わり重複する部分が多い
・リスクマネージメント:一般的に、@リスクの発見及び特定、Aリスクの算定、Bリスクの評価、Cリスクの対策と選定、Dリスク対策の実施、E残留リスクの評価、Fリスクへの対応方針及び対策のモニタリングと是正、Gリスクマネジメントの有効性評価と是正というプロセスを経る。
〈クライシスマネジメント〉
・あらかじめ予測することが困難である事態が発生し、それに適切に対応しなければ企業の存続が脅かされてしまうような危機への対応
・日常的なリスクと違い、発生してからでは管理することができない。
・事前に事業継続計画(BCP:BusinessContinuity Plan)を策定し、対応を日常的に訓練することが重要。
・事業継続計画(BCP):企業が事故や災害などの緊急事態に遭遇した場合に、資産の損害を最小限にとどめ、中核となる事業の継続や早期復旧を可能とするための方法や手段などを事前に取り決めておく計画
〈組織スラック〉:過剰な人員、設備、生産のロスタイム、内部保留など余剰資源
●組織スラックの機能
・利害関係者を組織に繋ぎとめるための誘因:株主・債権者・取引企業・顧客・従業員など
・コンフリクト解消のための資源:企業内や利害関係者間における対立を解消するための経営資源に活用
・ワークフロー・プロセスにおける緩衝材:サプライヤーの急な納期の延長や急な需要の増加に対処できる。
・戦略的行動やイノベーションの促進:イノベーションの為の源泉にする。(スラックス革新)
【組織間関係論】
●資源依存モデル:外部組織から自由裁量が制限される状況
・外部の組織に資源を依存している度合いが強いと自由裁量が制限される。
・依存度を高める要因:組織にとって資源が重要。外部の組織が自分の組織に対して自由裁量(パワー)を持っている場合。資源の集中度が高い場合
・依存度のマネジメントの方法:代替取引先を見つけ取引先を多角化。外部組織と協調したり第3者から外部組織の操作を試みる。
〈取引コストアプローチ〉
●ある活動を企業内部で行うか、外部の組織で行うかを選択する
・M&A:内部に取り込む方法
・アウトソーシング、OEM:外部に出す方法。
・取引コスト:取引相手を探して交渉するコスト、契約するためのコスト、正しく実行されるか監視するコストなどすべて含める。
・取引コストが高い:活動を内部に取り込んだ方が効率的:価格交渉、契約履行のチェックなどの業務が削減:市場原理による最適化が働きにくい⇒完全に内部化せず関連会社や系列会社など中間的な組織にする方法も
・取引コストが低い:活動を外部にだす
タグ:企業経営理論
2023年08月20日
1-4-2 現代の戦略 補足(オープンイノベーション、ベンチャー企業)
オープンイノベーション
【オープンイノベーションとは】
・一企業の枠組みを超え、外部の知識や技術、開発力なども活用しイノベーションを生む方法
異業種間の企業連携、産学官の連携、大企業とベンチャーの共同開発
〔クローズイノベーション〕一企業でイノベーション
【オープンイノベーションの背景と狙い】
●背景
・グローバル企業の競争激化
・顧客ニーズや技術の変化のスピード
⇒クローズドイノベーションだと競争に勝てない。
●狙い:協力していち早くイノベーションを行い競争優位を築く。
ベンチャー企業の直面する課題
●基礎研究⇒(魔の川)⇒開発⇒(死の谷)⇒事業化⇒(ダーウィンの海)⇒産業化
【Jカーブ効果】
●ベンチャー企業のキャッシュフローの推移を描いた曲線
・創業〜事業化:キャッシュフローマイナス、金融機関などからの融資は困難、特に創業時は自己資金・エンジェルによる資金調達が多い、開発・生産・販売が順調に進まないと資金が尽きる
●販売が伸びる成長期以降にキャッシュフローはやっとプラスに改善
タグ:企業経営理論
1-4 現代の戦略
技術経営(MOT)
【イノベーション】
・定義:製品自体の革新だけでなく、生産工程の革新も含まれます。
・プロダクト・イノベーション:製品自体の革新
・プロセス・イノベーション:生産工程の革新
・イノベーションのライフサイクル:技術革新のS字カーブ:
試行錯誤(ゆっくり)⇒技術が確立(一気に進む)⇒成熟(ゆっくり)
→次の技術、、前の技術とは不連続
【生産のジレンマ】
・製品革新と工程革新の観点から生産単位の進化過程
@流動化段階:ドミナントデザインの確立まで
A成長段階:製品革新の頻度が減少しつつ工程革新が進む段階
B特定化段階:製品革新は末端技術に限られ、工程革新も成熟した段階
【イノベーションのマネージメント】
●持続的イノベーション(インクリメンタルイノベーション)
・S字のイノベーション
・既存の主流顧客の要望に応えて進化
●破壊的イノベーション(ラディカルイノベーション)
・後発技術に切り替わる時
・新しい価値を持った顧客層
●イノベーションのジレンマ:前の世代のリーダー企業は、次の世代の破壊的イノベーションに対応出来ないという現象が良く起きる事。
【製品アーキテクチャ】
・製品の設計思想
●製品アーキテクチャの種類
・インテグラル型(すり合わせ):個々の部品を細かく調整して1つの製品を作る。
メリット:全体として最適・模倣困難
デメリット:進化に時間がかかる。調整コストがかかる。
・モジュール型:部品をモジュール単位で作り、インターフェースでで連結し製品を作る。
メリット:モジュールを自由に組み合わせる事で様々な製品が作れる。調整コストが低い。
デメリット:製品に無駄が多い。インターフェースの進化に時間がかかる。
・オープンアーキテクチャ戦略
製品アーキテクチャやインターフェースを公開しモジュールを提供する企業とネットワークを作る戦略
製品が迅速に進化、少ない投資
【デファクトスタンダード】
・事実上の業界標準
・デジュリスタンダード:公的に定められた標準
・ネットワーク外部性:利用者が増えれば増えるほど効用が高まる(電話、ビデオ、ネット市場など)
【ベンチャー企業のマネジメント】
・一般的に、新技術などでイノベーションを起こして急成長を志向する若い企業
・シード期:準備段階
・スタートアップ期:起業後、事業が軌道に乗るまで:先行投資、通常赤字:スイートマネー、エンジェル、ベンチャーキャピタル
・急成長期:陳知度が高まり急速に成長:黒字に転換:ベンチャーキャピタル、政府系金融機関
・安定成長期:認知度が確立:収益性が最も高い、成長は鈍化:民間の金融機関、IPO(株式公開)
【補足】
・投資事業有限責任組合:業務を執行する組合員は無限責任。投資をするだけの組合員は有限責任
・エフェクチュエーション:手段からスタート
@手中の島の原則:目的ではなく手段から始める事
A許容可能な損失の原則:あらかじめ許容できる損失を決めてから始める
Bクレイジーキルトの原則:様々な関係者と協力しながらパートナーシップを作り上げていく事
Cレモネードの原則:予期せぬ事態を回避するのではなく、偶然の出来事を活用する事
D飛行機の中のパイロットの原則:予測では無くコントロール可能な活動に集中し望ましい成果を得る事
【ベンチャー企業の直面する課題】
・魔の川(デビルリバー):基礎研究を製品化
・死の谷(デスバレー):製品開発段階を事業段階(量産化、採算)
・ダーウィンの海:競合企業との競争
Jカーブ曲線;ベンチャーのキャッシュフロー
【社内ベンチャー】
・目的:@新規事業への進出Aチャレンジ精神を持つ人材の育成B社内の既存資産の有効な活用
メリット:経営資源の有効活用(人材、設備、資金、販路、ブランド、信用):リスクがベンチャーよりは少ない
デメリット:組織的な承認が必要で時間がかかる、既存事業を脅かすビジネスは認められない。
【イノベーションの種類】
●オープンイノベーション:企業の枠組みを超えて外部の知識・技術・開発力なども活用:異業種企業との提携・産学官連携・大企業とベンチャーの共同研究
●クローズドイノベーション:社内だけ
●リバースイノベーション:新興国で開発し先進国にも事業展開
提携戦略
●ネットワーク組織:複数の企業が集まって仮想的な企業(バーチャル企業)として競争していく組織
●戦略的提携:2つ以上の企業が連携し事業を推進
・合弁会社の設立(ジョイントベンチャー):複数の企業が共同で新規事業を推進したい時:M&Aに比べて投資資金が少ない
・共同研究と産学官連携:共同での研究開発:大学の研究を企業が商品化
TLO(技術移転機関):大学の研究成果を特許化し企業に技術移転するための法人
●クロスライセンシング:特許権などをお互いに使用:ライセンス料のコストを抑える
【プラットフォームビジネス】
・取引の場を提供(ネット市場やネットオークション、人材マッチング、不動産仲介、中古車の仲介)
【産業クラスター】
関連する企業や研究機関がネットワークを築いて集積している地域(シリコンバレーなど)
競争と協力をベースにしている。
国際化戦略
【国際化の段階】
●輸出入
●海外生産:現地法人、現地法人への生産委託、現地企業との提携、合弁会社の設立
●市場立地型投資:海外市場を開発する目的。生産・販売:海外ニーズに対応しやすい。海外の営業先や提携先が見つけやすい。
●グローバル化:世界中に生産拠点や販売拠点:世界を1つの市場としてグローバル化した大企業
・事業をグローバル統合
規模の経済・製品の固定費が大きい・各国の許認可などが必要無い・現地の習慣や文化への配慮の必要性が低い
・市場に個別に適応
グローバル統合の条件と逆
【国際化リスク】
●出資形態
・単独出資:100%出資:本社のコントロールが容易:投資額、経営資源が大
・合弁企業:海外のパートナー企業と出資:投資額減、パートナー企業の情報・仕入先・販路・経営資源を活用:本社のコントロールが弱い、技術・ノウハウの流出・模倣:守秘義務や模倣禁止などの規定
●立地
・価値連鎖活動(購買・生産・販売・研究開発など)が最も効率的に遂行でき連携が効率的な配置をする。
・カントリーリスク:政治や経済、社会環境、その国特有のリスク(法律・為替政策の急変、内乱など)
CSR
●企業の社会的な責任:ステークホルダーへの責任
【ディスクロージャー】
・ステークホルダーに情報を開示する。
・制度的なディスクロージャー:財務諸表、有価証券報告書
・自発的なディスクロージャー:IR活動(インベスターリレーションズ):企業の業績、将来に向けた取り組み:投資家からの資金調達
【コンプライアンス】(法令遵守)
・法令、社会的なルール、倫理
【コーポレート・ガバナンス】(企業統治)
・米国:企業は株主の物:経営者の独断を防ぐ
メリット:取締役は経営者を監視、株主が形成を支配
デメリット:短期的な利益を求める経営
・日本:企業は経営者や従業員の物と言う意識
デメリット:外部からのチェック機能が働きにくい⇒社外取締役導入、内部統制の仕組み整備(2008年上場企業は内部統制報告書を提出)、指名委員会設置会社
メリット:株主の圧力少な目、長期的視点の経営が可能
【SDGs】
・持続可能な開発目標:誰一人取り残されない、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年を期限とする国際目標
17のゴール、169のターゲット
タグ:企業経営理論
2023年08月19日
1-3-2 事業戦略 補足(スピードに関する競争優位)
先発優位(先行者優位)
:参入の速さ【メリット】
・カテゴリーの代名詞になり顧客の心理で参入障壁を作れる
・顧客の囲い込み(スイッチングコスト)
・技術のリーダーシップ(特許やデファクトスタンダードの確立)
・希少資源を先取り(人材、資源、立地など)
・経験曲線効果を早く実現でき、コスト優位。
【デメリット】
・多額の研究費、広告宣伝費、高い技術力、
・後発者に模倣される。
後発優位(後発者の優位性)
・需要の見極めをしてから参入できる。
・模倣によりパイオニアコスト(研究開発費、広告宣伝費)が節約
・技術・市場の変化に対応しやすい。
その他
●速度の経済性
・事業経営の速さを上げる事で得られる経済的便益。
●タイムベース競争
・速度を上げる事で優位性を築く。時間をめぐる競争
・いかに早く競争力のある製品を開発し供給するか
タグ:企業経営理論
2023年08月18日
1-3 事業戦略
業界構造分析
【5つの競争要因】(ファイブフォース)
・ポーターが提唱
・「既存業者の敵対関係」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」
【既存業者の敵対関係】
・業界内の競合他社
(競合が多い、規模が近い、成長率が低くシェア争い、差別化が出来ていない、固定費が高く価格競争になりがちな業界)
【買い手の交渉力】
・強力な購買力を持った買い手⇒値下げ
【売り手の交渉力】
・寡占業界の場合は、売り手の交渉力が高まる
(独自の技術や製品を持っていると、高い価格を受け入れざるを得ない)
【新規参入の脅威】
・参入障壁が低い業界では、新規参入してくる可能性が高い
(独自で高度な技術が必要な場合、大規模な設備投資が必要、流通チャネルが排他的な場合
【代替品の脅威】
・ユーザーニーズを満たす既存製品とは別の製品
(レコード⇒CD)
【戦略グループと移動障壁】
・戦略グループ:同じ業界に存在する同じ様な戦略の企業
・移動障壁:戦略グループを移動する時の障壁
〈撤退障壁〉
・雇用、コスト、財務的、既存事業との関係、取引関係者との関係、心理的な問題(従業員)、責任問題
競争優位の戦略
【3つの基本戦略】
・コストリーダーシップ戦略:業界全体、低コスト:市場シェア・生産量を増やす
・差別化戦略:業界全体、差別化により競争優位を築く:機能・品質・デザイン、顧客サービス、ブランドイメージ
・集中戦略:特定のセグメントに競争範囲を狭める(コスト集中戦略・差別化集中戦略)
【価値連鎖(バリューチェーン)】
・主活動:購買物流⇒製造⇒出荷物流⇒マーケティング・販売⇒サービス
・副活動:全体管理、人事・労務管理、技術開発、調達活動
【競争地位別の戦略】
・コトラー提唱
・リーダー:市場を拡大:ナンバー1シェア:フルライン戦略
・チャレンジャー:リーダーに挑戦:リーダーに次ぐシェア:リーダーと差別化
・ニッチャー:特定の市場:小さい市場でミニリーダー:集中戦略
・フォロワー:模倣して追随:リーダー・チャレンジャー・ニッチャー以外
タグ:企業経営理論