アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2017年04月16日

刑事訴訟法 予備試験平成28年度

設問1
再逮捕再勾留は原則として許されないと解する。なぜなら、法が逮捕勾留について厳格な時間制限(202条以下)を設けた趣旨を没却し、身体拘束の不当な蒸返しになるからである(人身の自由、憲法33、34条)。
もっとも、逮捕して釈放後に逮捕の必要が生じる場合もあり、199条3項は再逮捕がありうることを前提にしているから、いかなる要件で再逮捕を認めるかが問題になる。上記再逮捕再勾留の原則禁止の趣旨から、新証拠発見等を理由とする再逮捕の高度の必要性と、身体拘束の不当な蒸返しとならないことに着目した相当性が要件となると解する。再勾留については、確かに、20日経過前に新証拠が見つかった場合には勾留延長ができないにもかかわらず20日経過後に再勾留するのは不当とも思えるが、逮捕は勾留の判断を慎重にするために行われるプレ勾留としての性格を有するから、再逮捕と同一の要件で判断すべきと解する。
 本件被疑事実は窃盗及び放火であるところ、甲が窃盗犯人であることの証拠がないまま20日間を経過した。しかし、甲の釈放後、甲が本件の盗品を売却していた新事実が発見された。その売却は事件発生から4日後に行われているが、このように短い期間に盗品が犯人以外の者の手に渡るのは考えにくいから、この新事実は、甲による「窃取」(刑法235条)を推認させる有力な間接事実と言える。このような有力な新証拠の発見によって、再逮捕の高度の必要性があると言える。相当性については、上記新証拠をもとにした取調べには10日も要さないと考えられるから、5日間の勾留状を発布することによって、相当性の要件を満たすと考える。
 したがって、勾留期間を5日以内とする限り、@の再逮捕再勾留は適法である。
設問2
 犯人性の証明のために類似行為を立証することは原則として許されないと解する。なぜなら、類似行為という推認力の弱い事実を立証することは事実認定を誤らせるおそれがあり、また、争点拡散の危険があるため、法律的関連性を欠くからである。もっとも、犯行態様に顕著な特徴があり、かつ、それが起訴にかかる犯罪事実と相当程度類似することから、それ自体で両者の犯人が同一であることを合理的に推認させるようなものである場合には、事実認定を誤らせるおそれも争点拡散のおそれもいずれも存在しないと言えるから、例外的に類似行為を被告人と犯人の同一性の証明に用いることができると解する。
 本件では、確かに美術品の彫刻を盗みウイスキー瓶にガソリンを入れた手製の火炎瓶を使用して放火したという犯行態様は相当程度類似するが、窃盗ののちに証拠隠滅のため放火に及ぶということ及び放火に手製の火炎瓶を使うということはそれほど特殊なこととは言い難い。また、かかる類似行為が行われたのは7年前という昔に1回だけであって、甲が特にその犯行態様を固着させていたと評価することもできない。このような前科を本件の立証に用いることは、結局、前科の事実から被告人に対して放火に及びやすいという人格的評価を与え、その人格的評価をもとに被告人が本件放火を行ったという合理的根拠に乏しい推論をすることになる。
 したがって、Aの判決書謄本を本件の証拠として用いることは許されない。  以上
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6173518
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
ファン
検索
<< 2018年04月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。