2020年08月08日
【ネタバレあり】「オメガラビリンスライフ」を語る・キャラクター編
夜分遅くに今晩は。
2020年の8月も近年通りの酷暑に苦しむ、「暇人の独り言」管理人です。
冷房を動かしていない部屋は、もはや火事かと思う位の熱気で、30秒と居座っていられません。
実家暮らしできてなかったら、ワシとっくに猛暑かコロナウイルスで死んどるわ…
…さて、今回の記事では、発売から1年は経っており今更にも程がありますが、『オメガラビリンスライフ』のキャラクターについて語ってみようと思います。
度々過去作である『オメガラビリンス』や『オメガラビリンスZ』の話題を混ぜておりますが、そこはシリーズ経験者の悪癖として、さらりと流していただけると有難いです。
もちろんネタバレだらけなので、閲覧には御注意を。
・紅月ひなた(あかつき ひなた)
『オメガラビリンスライフ』の主人公です。
美しい大庭園を有するベルフルール女学園に通いたいとの念願叶って同校に転入するも、翌日にその大庭園が全滅すると、花々を復活させるべく聖洞の冒険に臨みました。
「庭園に何かした犯人」との濡れ衣を着せられようとダンジョンでワナにかかろうと気落ちしない、底抜けのポジティブ思考。
加えて、自分を犯人呼ばわりする水瀬樹里(みなせ じゅり)にも憤る様子もなく、むしろ「大好きな庭園が枯れちゃって、悲しくて仕方なかっただけだと思う。その悲しみをぶつけたいなら、私がいくらでも受け止めるよ。」と共感を示すだけの優しさも備えています。
言葉は選んでいるが性悪女が八つ当たりしてきただけだと見透かしており観察眼も凄い
その一方、親友の黄蓮寺鈴音(おうれんじ べるね)が落ち込んだ時には自らも沈んでしまったり、ちょっとした恩のある青い薔薇が消滅した際にはその原因となった欲望の魔女に激しい敵意を燃やすなど、他人の苦難にはしばしば揺れ動く面がありました。
また、度々「誰かを守るために強くなりたい」と口にしていますが、時には「誰かを守るために」が抜け落ち、ひたすら「強くなりたい」だけに目が行ってしまう瞬間もあります。
影の無さそうなひなたにも、若さゆえの危うさは見え隠れ。
大庭園の世話役を務める久遠桃萌(くおん もも)からは、「不思議な力を持っているかもしれない」と評されています。
確かに最終決戦の場面ではひなたの身体が白く光っており、欲望の魔女も「このチカラは…!?」とたじろいでいました。
ダンジョンにはオメガパワーと呼ばれる不思議な力が満ちていますが、そこに巣食うモンスターが仰天しているなら、また別種の力だとしても頷ける話です。
しかし、それを聞いたひなたは「冗談」としか受け止めず、話題を振った桃萌も「御自身で気付かれるまでは今のままで良いと思います」と話を終えたため、詳細は謎のままでした。
もしも続編が開発されたら、その不思議な力で世界の行く末を左右する重要人物に…
…といった展開になるのも、面白そうな気がします。
元々は庶民の出のようで、「家にはハウスメイドや執事がいるもの」と認識する生徒ばかりの超お嬢様学園では、周囲の会話についていけないのがお約束。
そのため、プレイヤーの目線に最も近い存在だと感じられるでしょう。
未知の冒険にもまるで怯えないので恐いものなど何もないかと思えば、意外にも幽霊が苦手。
ついでに、ガラケーの電源を入れることすらままならないレベルの機械音痴でもありました(しかも本人は自覚していなかった)。
将来に悩む鈴音に参考として語ったところによると、夢は何と冒険家。
鈴音からも「ロマンがすごい!(?)」と言われていますが、正しく壮大の一言に尽きる目標です。
何があろうとめげない性格は商売人にも向いていそうだけど、それは置いておこう。
ちなみにひなたがベルフルール女学園に転入したのは、行方知れずの母親『はるか』の面影を追うためでもありました。
理事長の久遠凜華(くおん りんか)は、その『はるか』と浅からぬ関わりがあったものの全てを語りはせず、『はるか』本人も劇中には登場しないまま。
いつか、娘と母との再会が叶う時は来るのだろうか…
・ブロッサムフレア
周囲8マスに攻撃する。
・ボタニカルブレイズ
部屋全体に防御力無視でダメージを与える。
・アップルヒーリング
満腹度を20%回復しHPを50回復する。
・ブルーミングハート
部屋内の味方のHPを50%回復し、5ターンの間物理攻撃力と物理防御力を上昇させる。
「ブロッサムフレア」と「ボタニカルブレイズ」は、HPが50%以下の時に使用すると威力が2倍になるのが、大きな強み。
基本的には温存しておき、追い詰められた時に発動して、逆転を狙いたいところです。
常時発動するパッシブスキルで、HPが一定以上の時に致死量のダメージを受けるとHPを1残して耐える「折れない心」共々、ストーリー上での凄まじく前向きな性格がダンジョン内でも再現されています。
HPを半分回復できる上に物攻と物防が強化される「ブルーミングハート」も、窮地で頼れるスキルです。
強いて言うと「アップルヒーリング」は微妙かもしれませんが、パンを節約したい時には悪くないはず。
攻撃・補助・回復と3拍子揃った、万能主人公です。
キャラクター選択に迷ったら、細かいことは考えずにひなたを採用して良いでしょう。
・黄蓮寺鈴音(おうれんじ べるね)
ひなたのクラスメイトの1人で、非常に好奇心旺盛で人懐っこい少女です。
転入したばかりのひなたと瞬く間に打ち解けると、濡れ衣を着せられた彼女に味方し、その冒険に率先して同伴しました。
学園で初めてできた友達だけにひなたからも特別と認識されていたり、ひなたが「強さ」だけに執心しかけた時にはその目を覚ます切欠になったりと、彼女との結び付きの強さを示す描写が多々あります。
さらに、色々と上手く噛み合わない二次元オタクの黒崎冥(くろさき めい)がモンスターから精神的に追い詰められた際にも一番に庇い、彼女の逆転勝利に貢献していました。
しょっちゅう発する「ふみゅ〜」「ふぇぇ〜」といった独特な感嘆語が鼻につく点は少々残念ですが、とことん友達想いな立ち振る舞いは幾度も仲間達を奮い立たせており、十分尊敬に値する人物です。
好奇心の強さが害をもたらすこともあり、料理で卵焼きを作った際には思い付くままに調味料(砂糖・カラシ・ワサビ・黒酢・味噌)をぶち込んだために「殺人的なマズさ」にしてしまっています。
しかし体調不良だった樹里が不用心にこれを食べると、即座に昏倒したものの目覚めた時にはすっかり快復していたという、妙な御利益が確認されたり。
そのまま永眠すれば良かったものを
この他にダンジョンでは、仲間達を巻き込みモンスターだらけの部屋へ転落した一方、その部屋で偶然見つけた宝石を持ち主に返したことでお礼を貰う場面もあります。
良くも悪くも本人の想いとは裏腹な結果を引き寄せる、予想を許さない運勢の持ち主です。
見かけによらず手先が器用で、アクセサリーを手作りするのが趣味。
当初はそれを稼業に活かす考えはなかったらしく将来に悩んでいたものの、その腕でひなたにプレゼントをして喜ばれたのを切欠に、デザイナー等を視野に入れる気配を見せ始めました。
将来の夢など頻繁に変わってしまうものですが、親友の助言が元で本当にデザイナーの類になったら、なかなかドラマティックな気がします。
「主人公の親友で性格が天然」な点では、過去作の美桃なこの同類。
ただし付き合いの長さや、どちらがどちらを支えているかは、結構に対照的となっています。
(なこは主人公と人生の半分は一緒にいるほど付き合いが長く、支えられているようでフォローしている側。鈴音は初対面から秒で仲良くなっており、ひなたを助けようとしているものの逆に自分が救われがち)
大雑把には似た者同士でも、細かく見れば違いはあるものだ。
・ティンクルスター
前方1マスのモンスターにクリティカル攻撃を行い、8ターンの間混乱状態にする。
・マーメイドリンク
5ターンの間、部屋内の味方の物理防御力と魔法防御力を上昇させる。
・キラキラパニッシャー
周囲8マスにクリティカル攻撃を行い、5ターンの間鈍足状態にする。
・ハピラキクローバー
部屋内の味方に10ターンの癒し状態と、5ターンの会心状態を付与する。
最も活躍してくれるのは、唯一複数のモンスターを攻撃できる「キラキラパニッシャー」です。
周囲8マスへのクリティカル攻撃は贅沢な性能であり、しかも敵を鈍足状態にできるので、距離を取って態勢を立て直す時間も稼げます。
次点を挙げるなら、敵1体にクリティカル攻撃を決められる「ティンクルスター」でしょう。
混乱の状態異常もおまけできるため、やはり回復等をする隙を作れます。
効果範囲では「キラキラパニッシャー」に大きく劣るものの、モンスター1体を攻撃できれば十分な状況は少なくないので、活躍の場はいくらもあるはず。
残った2種の内、物防と魔防を上げる「マーメイドリンク」は攻撃力の強いモンスターとやり合う時に、HPの自然回復量を増やしつつクリティカル状態になれる「ハピラキクローバー」は防御力の高いモンスターを相手取る時に使用すると、なかなか輝いてくれる技です。
もちろん、攻撃も防御も強力な敵には、両方使用するのがお勧め。
なお、確率で発動するパッシブスキルとして、HPが0になった時に運良く復活できることがある「妖精の贈り物」を身に着けます。
もちろん頼りにはできないけれど、発動した場合は幸運に感謝。
味方への良性状態異常や敵への悪性状態異常、そしてクリティカル攻撃を得意とするスキル構成で、補助と会心攻撃の名手と言える存在です。
偶然に縁深い鈴音を操作して、必然の勝利を目指してみましょう。
・紫咲由梨香(むらさき ゆりか)
ベルフルール女学園の生徒で、学園一のゴージャスボディを持つ女性です。
…制服着てるけど、本当に現役の生徒ですか…?
自身もれっきとした女性ながら女好きで、軽い挨拶のつもりでひなたや七海の頬にキスをしたり、ひなたの手を握ったり腰に手を回すなどのスキンシップで、仲間達を度々赤面させています。
野郎にやって欲しい
女性キャラクターを売りにしている「オメガラビリンス」シリーズながら何気に存在しなかった、色気を全力で出しに来ている人物です。
包容力溢れる聞き上手な性分であり、他人の相談役となる場面が多く見られますが、一方で自分の事を話した機会は少なく、謎の残るキャラクターでした。
特に不思議なのは、樹里との関係性です。
非常に親身に接しているのですが、それも単なる包容力ゆえなのか、何か特別な事情でもあるからなのか…
裏を疑いたくなる人物ですが、自らの深層心理を映し出したダンジョンでは女子のことばかり考えているのが描かれたり、人付き合いの苦手な藍刃澪(あいば みお)から「雰囲気はジャスミンみたいに優しい」「悪い人ではないみたいだけど」と評されているので、ロクでもない事をしでかしはしないと思われます。
同じく澪からは「色々えっちでだめ」とも思われているが
・快楽-プレジール-
部屋内の味方のHPを50回復、悪性状態異常を治し、10ターンの癒し状態を付与する。
・妖艶-アギシャン-
周囲2列のモンスターを10ターンの間幻覚状態にする。
・憎悪-エーヌ-
部屋内のモンスターに魔法ダメージを与え、死の宣告状態にする。
・天国-パラディス-
部屋内の味方のHPを999回復し、5ターンの間浮遊と回避を得る。
由梨香のスキルは、全て香水を用いた技。
学園の花々を使って香水を自作しているとの描写を、ダンジョン内でも活かしている形です。
最も頼り甲斐あるスキルは「天国-パラディス-」ですが、他の3つの技も優れもの揃い。
「快楽-プレジール-」は体勢の立て直しにぴったりだし、「妖艶-アギシャン-」はモンスターから逃げる余地を作れるし、「憎悪-エーヌ-」はモンスタールーム等で使えば直接攻撃する暇のない敵も葬れると、役に立たないスキルを探す方が難しい気がします。
HP回復と悪性状態異常の治療を1人でできる点は、過去作のなことそっくり。
よってなこと同様、HPさえ残れば何とかできるプレイヤーにお勧めのキャラクターと言えます。
香水で味方を元気付け、敵を惑わす姿に惹かれたなら、由梨香に白羽の矢を立てると良いでしょう。
・藍刃澪(あいば みお)
ひなたのクラスメイトの1人で、花咲き誇るベルフルール女学園の生徒の中でも、特に花を愛してやまない少女です。
一見すると言葉少ななクールビューティーに思えますが、実際は人付き合いが苦手なだけで、胸中では結構な量の台詞を喋っています。
周りを巻き込みたくないゆえに当初ひなた達とは別行動で花を守ろうとしていたなど、人間に対しても優しさは向いている模様。
とにもかくにも花好きな彼女ですが、中でも「ヴェール」と名付けた花には格別の愛情を注いでおり、「花びらが1ミリ伸びた」「3枚目の葉っぱのギザギザがとってもオシャレ」など、非常に細やかな観察日記まで付けています。
「ヴェールが元気でいるとお空の太陽まで笑ってくれているみたい」といった恥ずかしいポエムのような文言や、高頻度で混ざって来るはっちゃけた顔文字は、もはや「花オタク」とでも呼んだ方がしっくり来るレベル。
ただし、そんな観察日記を付けている澪自身、「読まれてたら恥ずかしくて生きていけない」「その時はヴェールの隣に埋めてもらおう」と考えているようです。
性悪女が覗き見ちゃったけどどうしましょ
仲間にして旧知の間柄でもある銀城七海(ぎんじょう ななみ)の事は、「大切な幼馴染み」「親友」と認識しているものの、転落しかけた彼女を庇って自分がかすり傷を負った一件以来疎遠になっており、ベルフルール女学園にて久々の再会となっています。
しかし、七海に対して嫌悪を抱いたわけでは毛頭なく、むしろ彼女が話してくれなくなったことで、自分が何かをしでかして嫌われたのかと思っていたようです。
イベント『七海と澪V』にて、その誤解が解ける描写は、見ていて安堵する限りでした。
友と友には、『和』が似合う。
・まっすぐリリーちゃん
前方1列のモンスターに、防御力無視でダメージを与える。
・冴えわたるミントくん
自分のHPを50%回復し、投げ強化状態を得る。
・突撃パイナップルさん
前方1列10マスに弾を放ち、着弾した敵とその周囲に火属性ダメージを与える。
・閃光のロータスさま
前方3列10マスのモンスターに火属性の大ダメージを与える。
...どれも命名が特徴的です。
活躍の機会が多い技は、「まっすぐリリーちゃん」「突撃パイナップルさん」「閃光のロータスさま」の3種類でしょう。
いずれもモンスターとの距離を取って撃てば、反撃を受ける心配なくダメージを与えられるのが強みです。
モンスターのレベルが上がって来ると1回で始末とはいきませんが、相手に近付かずHPを削ってやれる魅力に陰りはありません。
どのアクションスキルも離れた場所からの攻撃に役立つ性能である上、常時発動するパッシブスキルには敵との距離が離れているほど与えるダメージが増える「得意な間合い」もあり、遠距離攻撃のエキスパートと言って良い存在です。
モンスターに近寄られたくない、または遠くから一方的に攻め立てたいユーザーなら、澪を操作するのが御決まりになるでしょう。
・銀城七海(ぎんじょう ななみ)
ひなたのクラスの学級委員長にして、財閥の1人娘です。
1泊の値段を聞いたひなたが立ったまま気絶する程の高級ペットホテルにチンチラを泊めていたり、アニメの影響でバイオリンの演奏を聴きたがる冥のために様々なバイオリニストを招いての演奏会を開きにかかるなど、大富豪ならではのとんでもない行動を間々見せます。
しかし、心に傲慢さは全くなし。
物腰は嫌味なく丁寧で礼儀正しく、周囲から頼られるのが好きであるなど、立派に人格者です。
ついでに、家庭では自ら料理もするとのこと。
メイド長からは「お嬢様がそのような雑務をされるなどとんでもない」と叱られているそうですが、生まれ持った身分で付け上がっているよりは格好良い生き様だと感じます。
…使用人達にしてみれば、立場が無くなる話なのも確かですが。
ちなみに鈴音も「自分で料理しようとしたら専属のシェフさん達に怒られる」そうな。
ひなたの仲間達はお嬢様なのを鼻にかけるタイプが見当たらず、好感触です。
ただし七海と鈴音では自炊に文句を言われる理由が違う可能性もある
仲間達のことは苗字+敬称で呼んでいますが、幼馴染でもある澪だけは下の名前で「澪さん」呼び。
さらにイベント「七海と澪V」では、彼女を「澪ちゃん」と呼んだ上、敬語口調も崩して話していました。
この場面からは、本来はあどけない性分を財閥の跡取りゆえに厳しく律しているのかも…と想像させられます。
そのほか、澪を案じてダンジョンに踏み入る場面では、ひなた達の忠告も聞かずに駆け出した描写も。
冷静さを著しく欠いていた点はよろしくないですが、これもまた澪への気持ちを物語る証左でしょう。
ブラックコーヒーが嫌いで編み物やしりとりも苦手といった他愛ない弱点があるものの、これらは周囲の観察眼等で判明したもので、自らが仲間達に語る事はありませんでした。
人に弱点を見せようとしないのは、過去作に登場した白金美玲と重なって見えます。
カラーリングも金色と銀色で、対になっている感のある2人。
・ノーブルウィップ
前方3マスのモンスターに、魔法ダメージと封印状態を与える。
・エンプレスジャッジ
部屋内のモンスターに魔法ダメージを与える。
・ロイヤルミラー
4ターンの間、自分と味方にダメージ反射と魔法反射を付与する。
・クイーンズファゾム
部屋内のモンスターを金縛りにし、フロアのワナ全てを可視化する。
少数の敵には「ノーブルウィップ」、多数の敵には「エンプレスジャッジ」の出番になるでしょう。
前者は敵の特技を封じる効果もあるので、厄介なモンスターを弱体化させたい時にも頼りになります。
残り2つのスキルについても、「ロイヤルミラー」は敵の魔法攻撃をノーダメージで跳ね返せるし、「クイーンズファゾム」はモンスターを行動不能にして態勢を整えられるしで、利用価値は確かです。
…「ロイヤルミラー」には、物理ダメージを無傷では返せない欠点があるけれど。
アクションスキルは魔法攻撃に偏っているものの、確率で発動するパッシブスキルとして、ダメージを受けると物理ダメージのカウンターをかます「その手をどけなさい」を持つので、何だかんだで物理攻撃にも困らないはずです。
偉ぶらなくとも高貴さ満々の七海と共に、気高くダンジョンをクリアするのも、また一興。
・黒崎冥(くろさき めい)
ベルフルール女学園の生徒で、「覇王の血を引く者」「右手に闇の力を封じている」などの自称を持つ変人です。
その正体はアニメ好きの夢見がちな少女で、ひなたのような本物の「不思議な力」は持っていない模様。
しかし、「かつて深蒼のドラゴンバスターと呼ばれた」などと言った具合に、放っておくと妙な設定がどんどん増えます。
普段は落ち着き払った声で仰々しい言葉遣いをしているものの、素が出ると甲高い声で小学生並みの幼い喋り方をする、ギャップの激しい人物です。
最初は樹里から「ひなたは選ばれし者」とホラを吹き込まれており、ひなたを敵視していました。
しかし、ひなたが鮮やかにモンスターを倒した所を目撃すると「マスター」と呼び慕うほど心酔し、丁寧語で接するように。
それ以後は、ひなたと近しい鈴音に対抗意識を燃やしています。
もっともその鈴音からは、カッコイイポーズを考えている所を「罰ゲーム中か一発芸の練習」と勘違いされるなど、悪気なく痛い目を見せられる事が多々ありですが…
由梨香から「実はとっても強い」と評される通り、ダンジョンではなかなかの戦いぶりを見せます。
精神面には脆さがあり、とある敵との戦いでは「闇の力や使命なんて弱い自分を隠すための虚勢だ」と言われて呑まれかけますが、モンスター達に問題なく打ち勝つ様を見ればひなたからの「強さと勇気は本物」との声こそ正解と言って良いでしょう。
色々と患った台詞回しは時に包容力満点の由梨香さえも困惑させますが、「化学を制する者は黒魔術を制する」との考えから化学が好きでその成績は学年1位であるなど、独特な感性が意外と日常生活に役立っている面もあります。
また、樹里からカッコイイポーズを教わる代わりとしてアイドルのイベントに出るよう求められた時の練習では、捻くれ者の性悪女をして「ちょっとしたもの」と舌を巻かせるまでの集中力や覚えの速さも披露しました。
ただしこんなキャラして目立っている割に人前に出るのは苦手なんだとか
思わぬ素質を数々隠し持っており、単なる「痛い子」とは油断できない少女です。
…もしも将来落ち着いたら、今の自分を振り返った時に身悶えしそうだけど。
・闇黒撃烈衝
前方1マスのモンスターに、魔法ダメージか即死を浴びせる。
・邪王炎涙絢
周囲8マスに物理攻撃。たまに5ターンの倍速状態を得る。
・幽縛天呪殺
部屋内のモンスターに物理攻撃。たまに即死させる。
・黒炎封魔懺
5ターンの間、自分の物理攻撃力と魔法攻撃力を上昇させる。さらに確率で、10ターンの癒し状態と5ターンの無敵を得る。
最も魅力的な技はやはり、「幽縛天呪殺」でしょう。
部屋全体を高威力で攻撃でき、時に即死も起こせるとなれば、文句無しで切り札です。
言ってしまえば、このスキル1つ使えるだけで、モンスターフロアさえ大した危険ではなくなります。
一方、実用性はそこそことして、非常に面白いのが「邪王炎涙絢」。
説明文によると「右手に封じた邪龍を解放する禁断の技」とのことですが…
技名に「邪王炎」、右手の邪龍、しかも倍速…
『幽☆遊☆白書』の飛影が使う「邪王炎殺黒龍波」を連想してしまいます。
即死や倍速や無敵といった美味しい効果はいずれも確率での発動ですが、ハズレたとしても十分強い技揃いなので、ガンガン攻めたいプレイヤーには気が合うことでしょう。
冥の「闇の力」を正しく使って、彼女を学園の救世主にしてみるのも、面白いものがあります。
・水瀬樹里
ベルフルール女学園の生徒にして、現役アイドルの少女です。
表向きは愛想よく振舞っているものの、転入したてのひなたを内心「ただのいい子ちゃんって感じ?」と嘲るなど、性格は非常に下劣。
最も特筆しなければならないのはやはり、ひなたを庭園崩壊の犯人呼ばわりした事でしょう。
花が枯れずに咲き誇る大庭園は、学園の生徒達にとって誇りであると同時に、夢を追うことへの励ましでもある存在。
樹里もそんな庭園に勇気付けられていた一人ゆえ、花々の壊滅にショックを受けるのは理解できます。
しかし、ひなたを犯人扱いしたのは「今までになかったことが起きたなら今までになかったことが原因」との理屈からであり、ただの八つ当たりに過ぎませんでした。
(当のひなたにも見破られているほか、言葉は選ばれていたが自身が裏表なく慕う由梨香からも面と向かって指摘された)
しかも無実の人間に当たり散らすほどショックを受けた割には、自分の手で庭園を復活させようとはしていません。
それどころか、理事長の凛華が「生徒の過ちは教師の過ち」「嫌な思いをさせて済まなかった」とひなたに謝るのを目撃すると、「これじゃ自分が悪者みたい」「いい子ちゃんに恥をかかせないと気が済まない」と逆恨みし、果てはひなたと仲間達の行く手にワナまで仕掛ける始末。
もはや本気で庭園の崩壊を悲しんでいたのかさえも疑わしい有様を晒していながら、本人曰く「自分のファンだった」鈴音達がひなたに味方する理由は、理解できなかったようです。
庭園を蘇らせるべく奮闘して現実に成果まで挙げている転入生と、初めての転入生が庭園を潰したなどと証拠もなく騒ぐばかりで何ら他人のために行動しないアイドルなら前者がより支持されて当然ですが、そんなことにも気付かなかった姿からは知恵の乏しさを感じます。
現実の世の中では自分勝手で庶民のために動かない政治家等がもて囃されてたりもするが
最後はダンジョンの中で遭遇したひなたに直接喧嘩を売り、応じた彼女と対決して敗北。
由梨香に促されてようやくひなたに詫びると、とりあえず庭園復活のために動くようにはなりました。
ただし仲間入りしてからも、うわべだけの謝罪で自分を許した七海や鈴音を「ハッ、ちょろい」と腹の中で小馬鹿にしていたり、青い薔薇の生存が分かって嬉し泣きするひなたに「ウッソ!?ウケるんですけど〜!」と軽々しい口を叩くなど、品位に欠ける言動には変化が見られません。
流石にひなたを犯人扱いした件ばかりは多少反省したらしく、仲間入りする際にはお詫びの花束を送っていますが、本人が事情を知らぬまま申し出たとは言え材料はひなたに集めさせているので、その反省も深くはなさそうだと感じます。
性悪なキャラクターゆえ、大して変化しないのも想像に難くありませんが、仮にも味方になったのなら、もう少しは改心や成長も見てみたいものでした。
そんな樹里もアイドル活動には基本的に真摯で、ファンレターには直筆の手紙や自撮り写真で答えたり、体型を維持するために食事には細心の注意を払ったり、漫画を原作とするドラマのオーディションに挑む前には作品に詳しい冥からファンの気持ちを聞こうとしたりと、のし上がるためなら地道な努力を厭わない姿も見られます。
…と言いつつ、庭園でコンサートを行うために必須である理事会への申請を行わず、凜華からその件を問われると「申請した」と偽るなど、やはり汚い手段に頼っている場合もある模様ですが。
「理事会はアイドル活動反対派が多くて申請しても邪魔されるだろうから今の内に味方を増やしてゴリ押しで開催しよう」との算段だったようですが、その理事会のトップ相手に「理事会に申請した」などという嘘が通じると踏んでいたとは、実に浅慮なものでした。
(ちなみに凜華から「あたしにはまだ連絡が来ていない」「このままでは中止になるかも」と煽られると、「コンサートは絶対に開く」と反射的に返答したのを『申請』と見なされ、理事長権限で許可された)
主人公と不仲だったけれど後に仲間になる役回りは、過去作の茜崎莉央(あかねざき りお)と同様。
しかし莉央とは異なり、こちらは味方化してからも上述した様な感心できない言動が散見されます。
他の仲間達に比べると、年齢不相応に幼稚かつ浅薄。
ユーザーから好かれるか嫌われるかは、極端に分かれそうです。
好みの話をさせてもらうなら、管理人にとっては大嫌いなキャラクターですが…
・憎まれ口を叩きつつも青い薔薇の消滅に落ち込むひなたを元気付けるなど、本人なりの仲間意識を見せている
・自分のアイドル活動に利用したいためとは言え、他人の何気ない特技の活用法を発見する目線に優れている
・凄まじく狭き門である上に輝かしい時代がすぐ終わるトップアイドルの夢に向かって、理解者なしでもぶれずに邁進できる根性者である
…と言った美点も、あるにはあります。
この3つだけで根は良い奴…と言うには辛いですが、根の先端まで腐っているとも言えなさそうです。
根から上がダメじゃ、99.99%マイナスだけれども。
・ミラクル☆ウィンク
敵1体に魔法ダメージを与え、HPとオメガパワーを吸収する。
・ドキドキ♡握手タイム
部屋内のモンスターを引き寄せ、周囲8マスにダメージを与える。
・満喫♪プライベート
自分を透明の状態異常にする。
・衝撃!プレゼント4U
部屋内のモンスターにダメージを与え、何らかの悪性状態異常を付与する。
一見トリッキーな技ばかりに思えますが、実はいずれも強力な性能をしています。
特に「衝撃!プレゼント4U」は、モンスターに浴びせるダメージも大きい上、悪性状態異常までかけられるので、最高の頼もしさです。
他に、こちらのHPやオメガパワーを吸収するモンスターに「ミラクル☆ウィンク」でやり返したり、「満喫♪プライベート」で危険なモンスターを一方的に攻め立てるといった戦法も取れます。
ただし、「ドキドキ♡握手タイム」は敵を近寄らせるため、こちらの装備を弾くモンスターやアイテムを変化させてしまうモンスターがいる時には、余計な危険を増やしてしまいます。
こいつだけは、使い所に要注意。
それにしても、自分は良い思いをしながらモンスターには痛い目を見せようとする戦いぶりには、ストーリー上での性格の悪さが見事に反映されています。
アイドルより魔女になる方が似合うと思うぞ。
戦場を引っ掻き回して自分のペースを作りたいプレイヤーにとっては、存分に馬が合いそうなキャラクターです。
・パイ
過去作『オメガラビリンス』や『オメガラビリンスZ』にも登場した妖精です。
1作目にて主人公の朱宮愛那(あけみや あいな)に救われて以来、彼女の側で過ごしていましたが、本作では凜華の実験の影響でベルフルール女学園に強制召喚されました。
しかし、過去作と変わらぬ能天気ぶりであっさり馴染み、ひなた達とも仲間になります。
ストーリー上ではさして活躍しませんが、時折過去作の思い出を蘇らせる発言をするのが、シリーズ経験者にとって嬉しいところです。
また学園内で話しかけると、「ひなた達と愛那達はすぐに仲良くなれると思う」と口にすることがあります。
過去作をプレイしたユーザーとしては、この台詞に心底から同意するばかりです。
実現する可能性の大小はともあれ、本当にひなた達と愛那達を出会わせてみたいものだ。
でも由梨香と愛那は会わせるとまずそう
今回の『オメガラビリンスライフ』への出演により、唯一のシリーズ皆勤賞となりました。
他のキャラも名前だけ出てたり各人のスキルやエピソードに関係するアイテムもあったりするけど
更なる続編が来るか否かはともあれ、とりあえず『ライフ』までの3作品では、このパイがシリーズの顔になったと言って良さそうです。
ここまで来たら、公式からはっきりマスコットキャラクターと呼ばれても納得できるかもしれません。
・久遠凜華(くおん りんか)
ベルフルール女学園の理事長で、オメガパワーの研究者。
そして、過去作『オメガラビリンス』や『オメガラビリンスZ』に登場した魔女にして、両作の舞台であるアンベリール女学園の理事長・久遠輪廻(くおん りんね)の姉でもあります。
語尾に「〜のサ」と付くのが特徴的です。
慣れるとクセになるのサ
容姿は幼げながら、自ら作成したオメガパワーのレポートの量は100年分、学園の創立記念日は100年前と示されることから、実年齢は最低でも100歳を超えていると見て取れます。
本人がはぐらかしている上、ひなた達も必死に追及しないため、厳密に何歳かは不明ですが。
ババアぶり長い人生経験は伊達ではなく、問題児の樹里に絡む場面では、その教えが重さも深さも本物であると分かります。
いずれも前述の通りですが、ヤツに犯人扱いされたひなたには「アタシの教育が行き届いていなかった」と頭を下げたり、樹里が無許可でコンサートを行おうとした時には真っ当に申請する方向に転がしつつ「アイドル活動に反対する連中を見返したいんだろ?ならいい加減にじゃなく正々堂々とやるのサ」と諭していました。
見かけによらず教育熱心な、良き教師です。
…ただし隠し事が下手であり、うっかり秘密をバラしてしまう粗忽な部分もありました。
他にも、鈴音からは机の上がすごいことになっていると言われたり、大庭園の世話役にして自らの遠戚に当たる久遠柚結(くおん ゆゆ)からは朝方に自力で起きられないことを嘆かれているなど、だらしない様子も伺えます。
この手の描写は100歳超えの実年齢よりも、お子様の如き見た目によく似合っている印象です。
『久遠』姓なのでいつ悪人の本性を出すことかと警戒しつつ、どこかで期待もしていましたが、意外にも最後まで良い人のままでした。
もっとも、時に「マッドサイエンティスト」と呼ばれるだけはあり、妖精ネムを捕えようとした際には「理事長権限で来年の庭園管理予算を増やしてやる」として柚結&桃萌の御庭番姉妹を焚き付け、「アタシの正義の研究のためにどんな手を使ってでも捕まえるのサ!」と言い放っています。
これにはひなたも、「どっちかっていうと正義より悪役っぽいなぁ」と呆れていました。
結局失敗に終わり小物臭全開の捨て台詞と共に逃げ出した
…と、色々残念な面もあるものの、ひなたの転入を許可した人物であり、彼女にとっては夢を叶えてくれた恩人と言えます。
そんな凜華がひなたを迎えた理由は、「転入生がアンタだったから」とのこと。
…詳細は、後述する事とします。
妹である輪廻理事長については、「普段はしっかりしてるかもしれんがアタシには頭が上がらないのサ」と語っています。
もっとも、一番の証人となる輪廻理事長が登場しなかったため、真偽は不明です。
本当は凜華の方が、年少者である輪廻理事長に押されっ放しだったりして…
ちなみに久遠一家は三姉妹で、輪廻理事長の年下に、倫檎(りんご)なる末妹もいるそうです。
その倫檎は劇中未登場ですが、凜華によると少々おてんばだったものの、新しい学校を設立したのだとか。
もしもシリーズが続いたら、倫檎の登場や、久遠三姉妹の揃い踏みが見られるかも?
ダンジョンではたまにショップを開いて登場し、オメガパワーを代金としてアイテムを売ってくれます。
もちろん泥棒をしでかせば最後、番犬と共にお仕置きを加えに来るので要注意。
1ターンに2回行動かつ一撃で3桁ダメージという凶悪な力を見せますが、アイテムを用意しておけば返り討ちにする事も可能です。
チャレンジダンジョン『凜華の実験場』では、ボスとして登場。
レベルアップ不可などのルールを敷いてプレイヤーを待ち受けており、戦闘時には各種の魔法攻撃や、過去作に登場したキャラクター達のスキルを数々披露します。
ただし、装備に「魔法反射」の効果を付けておけば魔法攻撃は全てノーダメージで跳ね返せるため、『オメガラビリンスZ』にて似通ったルールで戦った輪廻理事長に比べると、遥かに楽な戦いです。
やっぱ輪廻理事長より威厳が(強制終了)
・青い薔薇/妖花アルラウネ
ダンジョンへ迷い込んだひなたに助け舟を出した声の主です。
名前らしい名前はなく、友人である妖精ネムからも「青い薔薇さん」と呼ばれています。
れっきとした花ながらダンジョンの中でオメガパワーによって開花したゆえ、陽光も浴びられなければ風も感じられない環境にあり、他の花を羨む気持ちを持っていました。
それを欲望の魔女につけ込まれて、妖花アルラウネへと変貌。
「全ての頂点に立つ花の女王」と自称する一方、他の花を自分の養分としか認識しない自己中心的な性格となり、大庭園を壊滅させてしまいます。
ただしネムの呼びかけには反応を示したり、庭園の守護者である聖花フローラを拐かすも駆けつけたひなたにフローラを託すといった形で、青い薔薇としての意識も僅かに見せていました。
邪悪な意志で動く自分の肉体に清らかな精神で抵抗するのは、ありふれているもののやはり胸を熱くされる。
終盤でのひなた達との戦いにて、フローラの放った聖なる光により、欲望の魔女と分離されます。
しかし魔女の影響で身体を闇に染められていたため、邪悪なものを浄化するフローラの光でダメージを受け、消滅してしまいました。
他に方法がなかった上、青い薔薇自身も「また魔物に身を落としてしまうかもしれない」「心のどこかで本当に庭園の崩壊を望んでしまっていた醜い花は消えた方が庭園のため」との決断をしていたため、どの道避けられない犠牲だったのは確かです。
とは言え、そんな避けられない犠牲を強いた元凶は、言わずもがな欲望の魔女。
この最期はプレイヤーにとっても、ラストボスへの怒りを抱かせるものとなるでしょう。
…と、流石に命が絶たれたかに見えましたが、欲望の魔女を倒すと、消滅する寸前に種を残していたと判明。
その種をひなた達に持ち帰られ、陽の当たる大庭園に移住しました。
さらに庭園の花達の名付け親を担う柚結からは、欲しがっていた名前も貰えることに。
「ルミエナ」(フランス語で「光」の意)と命名されると、以後はひなた達からもそう呼ばれます。
ちなみにフローラによると、昔は青い薔薇の花言葉は「不可能」であったものの、現在は「夢が叶う」と言われているのだとか。
その花言葉の変遷に相応しく、「太陽の光を浴びて咲きたい」「名前が欲しい」という、不可能と思われた夢が見事に実現したルミエナを見ていると、勇気付けられる気分がします。
「ルミエナ」の名を得てからは、まだひなた達と話をできる状態になっていませんが、いずれは無名の青い薔薇だった頃のように、人間とも会話ができるようになるはず。
その時は、どんなトークが展開されるのか。
機会が用意されるなら、是非聞いてみたいものです。
・欲望の魔女
願いを持つ者に憑依する存在で、青い薔薇を妖花アルラウネへと変貌させた黒幕。
つまり青い薔薇の仇にして、大庭園崩壊の真の元凶です。
過去作『オメガラビリンスZ』でも同名のモンスターがラストボスを務めましたが、「モンスター図鑑」によると、そちらとは同じ種族ながら別の個体とのこと。
『Z』で現れた欲望の魔女は肥満体のオバハンといった容姿でしたが、本作の個体はどこぞのヒーローものに出て来そうな悪の女幹部じみた格好をしています。
…要するに、どちらもダサい。
しかし、外道ぶりは『Z』に現れた同族よりも遥かに勝っており、青い薔薇の消滅を招いた上に、「日の当たる場所で咲きたい」という彼女の切なる願いを「くだらない夢」とこき下ろすなど、その言動は結構に不快感を覚えるレベルです。
実際に劇中では、八つ当たりで無実の罪を着せて来た樹里にも平然としていたほど温厚なひなたに「絶対に許さない!」と口走らせるまでの怒りを抱かせています。
所業は悪質そのものですが、おかげで悪役としては見事な存在感を出してもいました。
『Z』の経験者としては、あのショボかったラストボスが随分出世したものだと…
…思ったのも、束の間。
実際に戦ってみると『Z』同様に隙だらけで弱い上、止めを刺される直前には「どんな願いも叶えてあげられる」として情けなく命乞いをしたりと、折角手に入れたかに見えた悪役の威厳は一瞬で木っ端微塵に消え去りました。
態度がでかい割に器がヘボいのは、この一族の宿命なのだろうか。
・『はるか』
ひなたの母親で、彼女が小さい頃に行方不明になっている人物です。
実に気になる存在でしたが、凜華の台詞から人柄や来歴が多少垣間見えるのみで、作中に登場することはありませんでした。
容姿や性格に関しては、凜華がひなたについて「あんたを見ていると『はるか』のことを思い出す」「簡単にはめげないところまでそっくり」と評していることから、生き写しレベルで似ているのだろうと想像されます。
ただし、来歴について明かされた情報は少なく、書き留めると以下の事項程度です。
フルネームは『天乃はるか』。
100年程前はベルフルール女学園の生徒であり、学園に発生したオメガパワー絡みの大災害を解決して英雄となったものの、それから程なくして「時空の歪み」に飲み込まれて姿を消してしまったのだといいます。
長い年月が経って、ようやく『はるか』は凜華と再会。
さらに結婚して子供(=ひなた)を授かったそうですが、その矢先にまたも時空を飛び越えて、現在に至っているようです。
幾度も時空を超える理由は判然としませんが、ともあれ凜華はこの『はるか』を守れなかったことを大変に悔いています。
しかし凜華は『はるか』について、「大切な娘がいるこの時代に必ず戻って来る」との確信も持っており、その日まで自分がひなたを守ると密かに誓っていました。
この先もしも『オメガラビリンスライフ』の続編が開発されたなら、『はるか』についての物語が展開されると面白くなりそうです。
…続編が実現したならね。
『オメガラビリンスライフ』のキャラクターについて語るのは、こんなところとしておきます。
ここまで御覧くださった訪問者様、ありがとうございました。
この流れに乗って、次の記事は同作のダンジョン等について…
…とも思うのですが、本記事を書き上げるのに力を入れ過ぎて疲れていたり、最近は他のゲーム等に関心が行っていたりするので、『ライフ』についての語りは一時休止にするかもしれません。
よって次回の更新内容は今のところ未定ですが、御興味があればまたよろしくお願いします。
それでは、今回はこれにて。
2020年の8月も近年通りの酷暑に苦しむ、「暇人の独り言」管理人です。
冷房を動かしていない部屋は、もはや火事かと思う位の熱気で、30秒と居座っていられません。
実家暮らしできてなかったら、ワシとっくに猛暑かコロナウイルスで死んどるわ…
…さて、今回の記事では、発売から1年は経っており今更にも程がありますが、『オメガラビリンスライフ』のキャラクターについて語ってみようと思います。
度々過去作である『オメガラビリンス』や『オメガラビリンスZ』の話題を混ぜておりますが、そこはシリーズ経験者の悪癖として、さらりと流していただけると有難いです。
もちろんネタバレだらけなので、閲覧には御注意を。
プレイヤーキャラクター
・紅月ひなた(あかつき ひなた)
『オメガラビリンスライフ』の主人公です。
美しい大庭園を有するベルフルール女学園に通いたいとの念願叶って同校に転入するも、翌日にその大庭園が全滅すると、花々を復活させるべく聖洞の冒険に臨みました。
「庭園に何かした犯人」との濡れ衣を着せられようとダンジョンでワナにかかろうと気落ちしない、底抜けのポジティブ思考。
加えて、自分を犯人呼ばわりする水瀬樹里(みなせ じゅり)にも憤る様子もなく、むしろ「大好きな庭園が枯れちゃって、悲しくて仕方なかっただけだと思う。その悲しみをぶつけたいなら、私がいくらでも受け止めるよ。」と共感を示すだけの優しさも備えています。
その一方、親友の黄蓮寺鈴音(おうれんじ べるね)が落ち込んだ時には自らも沈んでしまったり、ちょっとした恩のある青い薔薇が消滅した際にはその原因となった欲望の魔女に激しい敵意を燃やすなど、他人の苦難にはしばしば揺れ動く面がありました。
また、度々「誰かを守るために強くなりたい」と口にしていますが、時には「誰かを守るために」が抜け落ち、ひたすら「強くなりたい」だけに目が行ってしまう瞬間もあります。
影の無さそうなひなたにも、若さゆえの危うさは見え隠れ。
大庭園の世話役を務める久遠桃萌(くおん もも)からは、「不思議な力を持っているかもしれない」と評されています。
確かに最終決戦の場面ではひなたの身体が白く光っており、欲望の魔女も「このチカラは…!?」とたじろいでいました。
ダンジョンにはオメガパワーと呼ばれる不思議な力が満ちていますが、そこに巣食うモンスターが仰天しているなら、また別種の力だとしても頷ける話です。
しかし、それを聞いたひなたは「冗談」としか受け止めず、話題を振った桃萌も「御自身で気付かれるまでは今のままで良いと思います」と話を終えたため、詳細は謎のままでした。
もしも続編が開発されたら、その不思議な力で世界の行く末を左右する重要人物に…
…といった展開になるのも、面白そうな気がします。
元々は庶民の出のようで、「家にはハウスメイドや執事がいるもの」と認識する生徒ばかりの超お嬢様学園では、周囲の会話についていけないのがお約束。
そのため、プレイヤーの目線に最も近い存在だと感じられるでしょう。
未知の冒険にもまるで怯えないので恐いものなど何もないかと思えば、意外にも幽霊が苦手。
ついでに、ガラケーの電源を入れることすらままならないレベルの機械音痴でもありました(しかも本人は自覚していなかった)。
将来に悩む鈴音に参考として語ったところによると、夢は何と冒険家。
鈴音からも「ロマンがすごい!(?)」と言われていますが、正しく壮大の一言に尽きる目標です。
何があろうとめげない性格は商売人にも向いていそうだけど、それは置いておこう。
ちなみにひなたがベルフルール女学園に転入したのは、行方知れずの母親『はるか』の面影を追うためでもありました。
理事長の久遠凜華(くおん りんか)は、その『はるか』と浅からぬ関わりがあったものの全てを語りはせず、『はるか』本人も劇中には登場しないまま。
いつか、娘と母との再会が叶う時は来るのだろうか…
ひなたのアクションスキル
・ブロッサムフレア
周囲8マスに攻撃する。
・ボタニカルブレイズ
部屋全体に防御力無視でダメージを与える。
・アップルヒーリング
満腹度を20%回復しHPを50回復する。
・ブルーミングハート
部屋内の味方のHPを50%回復し、5ターンの間物理攻撃力と物理防御力を上昇させる。
「ブロッサムフレア」と「ボタニカルブレイズ」は、HPが50%以下の時に使用すると威力が2倍になるのが、大きな強み。
基本的には温存しておき、追い詰められた時に発動して、逆転を狙いたいところです。
常時発動するパッシブスキルで、HPが一定以上の時に致死量のダメージを受けるとHPを1残して耐える「折れない心」共々、ストーリー上での凄まじく前向きな性格がダンジョン内でも再現されています。
HPを半分回復できる上に物攻と物防が強化される「ブルーミングハート」も、窮地で頼れるスキルです。
強いて言うと「アップルヒーリング」は微妙かもしれませんが、パンを節約したい時には悪くないはず。
攻撃・補助・回復と3拍子揃った、万能主人公です。
キャラクター選択に迷ったら、細かいことは考えずにひなたを採用して良いでしょう。
・黄蓮寺鈴音(おうれんじ べるね)
ひなたのクラスメイトの1人で、非常に好奇心旺盛で人懐っこい少女です。
転入したばかりのひなたと瞬く間に打ち解けると、濡れ衣を着せられた彼女に味方し、その冒険に率先して同伴しました。
学園で初めてできた友達だけにひなたからも特別と認識されていたり、ひなたが「強さ」だけに執心しかけた時にはその目を覚ます切欠になったりと、彼女との結び付きの強さを示す描写が多々あります。
さらに、色々と上手く噛み合わない二次元オタクの黒崎冥(くろさき めい)がモンスターから精神的に追い詰められた際にも一番に庇い、彼女の逆転勝利に貢献していました。
しょっちゅう発する「ふみゅ〜」「ふぇぇ〜」といった独特な感嘆語が鼻につく点は少々残念ですが、とことん友達想いな立ち振る舞いは幾度も仲間達を奮い立たせており、十分尊敬に値する人物です。
好奇心の強さが害をもたらすこともあり、料理で卵焼きを作った際には思い付くままに調味料(砂糖・カラシ・ワサビ・黒酢・味噌)をぶち込んだために「殺人的なマズさ」にしてしまっています。
しかし体調不良だった樹里が不用心にこれを食べると、即座に昏倒したものの目覚めた時にはすっかり快復していたという、妙な御利益が確認されたり。
この他にダンジョンでは、仲間達を巻き込みモンスターだらけの部屋へ転落した一方、その部屋で偶然見つけた宝石を持ち主に返したことでお礼を貰う場面もあります。
良くも悪くも本人の想いとは裏腹な結果を引き寄せる、予想を許さない運勢の持ち主です。
見かけによらず手先が器用で、アクセサリーを手作りするのが趣味。
当初はそれを稼業に活かす考えはなかったらしく将来に悩んでいたものの、その腕でひなたにプレゼントをして喜ばれたのを切欠に、デザイナー等を視野に入れる気配を見せ始めました。
将来の夢など頻繁に変わってしまうものですが、親友の助言が元で本当にデザイナーの類になったら、なかなかドラマティックな気がします。
「主人公の親友で性格が天然」な点では、過去作の美桃なこの同類。
ただし付き合いの長さや、どちらがどちらを支えているかは、結構に対照的となっています。
(なこは主人公と人生の半分は一緒にいるほど付き合いが長く、支えられているようでフォローしている側。鈴音は初対面から秒で仲良くなっており、ひなたを助けようとしているものの逆に自分が救われがち)
大雑把には似た者同士でも、細かく見れば違いはあるものだ。
鈴音のアクションスキル
・ティンクルスター
前方1マスのモンスターにクリティカル攻撃を行い、8ターンの間混乱状態にする。
・マーメイドリンク
5ターンの間、部屋内の味方の物理防御力と魔法防御力を上昇させる。
・キラキラパニッシャー
周囲8マスにクリティカル攻撃を行い、5ターンの間鈍足状態にする。
・ハピラキクローバー
部屋内の味方に10ターンの癒し状態と、5ターンの会心状態を付与する。
最も活躍してくれるのは、唯一複数のモンスターを攻撃できる「キラキラパニッシャー」です。
周囲8マスへのクリティカル攻撃は贅沢な性能であり、しかも敵を鈍足状態にできるので、距離を取って態勢を立て直す時間も稼げます。
次点を挙げるなら、敵1体にクリティカル攻撃を決められる「ティンクルスター」でしょう。
混乱の状態異常もおまけできるため、やはり回復等をする隙を作れます。
効果範囲では「キラキラパニッシャー」に大きく劣るものの、モンスター1体を攻撃できれば十分な状況は少なくないので、活躍の場はいくらもあるはず。
残った2種の内、物防と魔防を上げる「マーメイドリンク」は攻撃力の強いモンスターとやり合う時に、HPの自然回復量を増やしつつクリティカル状態になれる「ハピラキクローバー」は防御力の高いモンスターを相手取る時に使用すると、なかなか輝いてくれる技です。
もちろん、攻撃も防御も強力な敵には、両方使用するのがお勧め。
なお、確率で発動するパッシブスキルとして、HPが0になった時に運良く復活できることがある「妖精の贈り物」を身に着けます。
もちろん頼りにはできないけれど、発動した場合は幸運に感謝。
味方への良性状態異常や敵への悪性状態異常、そしてクリティカル攻撃を得意とするスキル構成で、補助と会心攻撃の名手と言える存在です。
偶然に縁深い鈴音を操作して、必然の勝利を目指してみましょう。
・紫咲由梨香(むらさき ゆりか)
ベルフルール女学園の生徒で、学園一のゴージャスボディを持つ女性です。
…制服着てるけど、本当に現役の生徒ですか…?
自身もれっきとした女性ながら女好きで、軽い挨拶のつもりでひなたや七海の頬にキスをしたり、ひなたの手を握ったり腰に手を回すなどのスキンシップで、仲間達を度々赤面させています。
女性キャラクターを売りにしている「オメガラビリンス」シリーズながら何気に存在しなかった、色気を全力で出しに来ている人物です。
包容力溢れる聞き上手な性分であり、他人の相談役となる場面が多く見られますが、一方で自分の事を話した機会は少なく、謎の残るキャラクターでした。
特に不思議なのは、樹里との関係性です。
非常に親身に接しているのですが、それも単なる包容力ゆえなのか、何か特別な事情でもあるからなのか…
裏を疑いたくなる人物ですが、自らの深層心理を映し出したダンジョンでは女子のことばかり考えているのが描かれたり、人付き合いの苦手な藍刃澪(あいば みお)から「雰囲気はジャスミンみたいに優しい」「悪い人ではないみたいだけど」と評されているので、ロクでもない事をしでかしはしないと思われます。
由梨香のアクションスキル
・快楽-プレジール-
部屋内の味方のHPを50回復、悪性状態異常を治し、10ターンの癒し状態を付与する。
・妖艶-アギシャン-
周囲2列のモンスターを10ターンの間幻覚状態にする。
・憎悪-エーヌ-
部屋内のモンスターに魔法ダメージを与え、死の宣告状態にする。
・天国-パラディス-
部屋内の味方のHPを999回復し、5ターンの間浮遊と回避を得る。
由梨香のスキルは、全て香水を用いた技。
学園の花々を使って香水を自作しているとの描写を、ダンジョン内でも活かしている形です。
最も頼り甲斐あるスキルは「天国-パラディス-」ですが、他の3つの技も優れもの揃い。
「快楽-プレジール-」は体勢の立て直しにぴったりだし、「妖艶-アギシャン-」はモンスターから逃げる余地を作れるし、「憎悪-エーヌ-」はモンスタールーム等で使えば直接攻撃する暇のない敵も葬れると、役に立たないスキルを探す方が難しい気がします。
HP回復と悪性状態異常の治療を1人でできる点は、過去作のなことそっくり。
よってなこと同様、HPさえ残れば何とかできるプレイヤーにお勧めのキャラクターと言えます。
香水で味方を元気付け、敵を惑わす姿に惹かれたなら、由梨香に白羽の矢を立てると良いでしょう。
・藍刃澪(あいば みお)
ひなたのクラスメイトの1人で、花咲き誇るベルフルール女学園の生徒の中でも、特に花を愛してやまない少女です。
一見すると言葉少ななクールビューティーに思えますが、実際は人付き合いが苦手なだけで、胸中では結構な量の台詞を喋っています。
周りを巻き込みたくないゆえに当初ひなた達とは別行動で花を守ろうとしていたなど、人間に対しても優しさは向いている模様。
とにもかくにも花好きな彼女ですが、中でも「ヴェール」と名付けた花には格別の愛情を注いでおり、「花びらが1ミリ伸びた」「3枚目の葉っぱのギザギザがとってもオシャレ」など、非常に細やかな観察日記まで付けています。
「ヴェールが元気でいるとお空の太陽まで笑ってくれているみたい」といった恥ずかしいポエムのような文言や、高頻度で混ざって来るはっちゃけた顔文字は、もはや「花オタク」とでも呼んだ方がしっくり来るレベル。
ただし、そんな観察日記を付けている澪自身、「読まれてたら恥ずかしくて生きていけない」「その時はヴェールの隣に埋めてもらおう」と考えているようです。
仲間にして旧知の間柄でもある銀城七海(ぎんじょう ななみ)の事は、「大切な幼馴染み」「親友」と認識しているものの、転落しかけた彼女を庇って自分がかすり傷を負った一件以来疎遠になっており、ベルフルール女学園にて久々の再会となっています。
しかし、七海に対して嫌悪を抱いたわけでは毛頭なく、むしろ彼女が話してくれなくなったことで、自分が何かをしでかして嫌われたのかと思っていたようです。
イベント『七海と澪V』にて、その誤解が解ける描写は、見ていて安堵する限りでした。
友と友には、『和』が似合う。
澪のアクションスキル
・まっすぐリリーちゃん
前方1列のモンスターに、防御力無視でダメージを与える。
・冴えわたるミントくん
自分のHPを50%回復し、投げ強化状態を得る。
・突撃パイナップルさん
前方1列10マスに弾を放ち、着弾した敵とその周囲に火属性ダメージを与える。
・閃光のロータスさま
前方3列10マスのモンスターに火属性の大ダメージを与える。
...どれも命名が特徴的です。
活躍の機会が多い技は、「まっすぐリリーちゃん」「突撃パイナップルさん」「閃光のロータスさま」の3種類でしょう。
いずれもモンスターとの距離を取って撃てば、反撃を受ける心配なくダメージを与えられるのが強みです。
モンスターのレベルが上がって来ると1回で始末とはいきませんが、相手に近付かずHPを削ってやれる魅力に陰りはありません。
どのアクションスキルも離れた場所からの攻撃に役立つ性能である上、常時発動するパッシブスキルには敵との距離が離れているほど与えるダメージが増える「得意な間合い」もあり、遠距離攻撃のエキスパートと言って良い存在です。
モンスターに近寄られたくない、または遠くから一方的に攻め立てたいユーザーなら、澪を操作するのが御決まりになるでしょう。
・銀城七海(ぎんじょう ななみ)
ひなたのクラスの学級委員長にして、財閥の1人娘です。
1泊の値段を聞いたひなたが立ったまま気絶する程の高級ペットホテルにチンチラを泊めていたり、アニメの影響でバイオリンの演奏を聴きたがる冥のために様々なバイオリニストを招いての演奏会を開きにかかるなど、大富豪ならではのとんでもない行動を間々見せます。
しかし、心に傲慢さは全くなし。
物腰は嫌味なく丁寧で礼儀正しく、周囲から頼られるのが好きであるなど、立派に人格者です。
ついでに、家庭では自ら料理もするとのこと。
メイド長からは「お嬢様がそのような雑務をされるなどとんでもない」と叱られているそうですが、生まれ持った身分で付け上がっているよりは格好良い生き様だと感じます。
…使用人達にしてみれば、立場が無くなる話なのも確かですが。
ちなみに鈴音も「自分で料理しようとしたら専属のシェフさん達に怒られる」そうな。
ひなたの仲間達はお嬢様なのを鼻にかけるタイプが見当たらず、好感触です。
仲間達のことは苗字+敬称で呼んでいますが、幼馴染でもある澪だけは下の名前で「澪さん」呼び。
さらにイベント「七海と澪V」では、彼女を「澪ちゃん」と呼んだ上、敬語口調も崩して話していました。
この場面からは、本来はあどけない性分を財閥の跡取りゆえに厳しく律しているのかも…と想像させられます。
そのほか、澪を案じてダンジョンに踏み入る場面では、ひなた達の忠告も聞かずに駆け出した描写も。
冷静さを著しく欠いていた点はよろしくないですが、これもまた澪への気持ちを物語る証左でしょう。
ブラックコーヒーが嫌いで編み物やしりとりも苦手といった他愛ない弱点があるものの、これらは周囲の観察眼等で判明したもので、自らが仲間達に語る事はありませんでした。
人に弱点を見せようとしないのは、過去作に登場した白金美玲と重なって見えます。
カラーリングも金色と銀色で、対になっている感のある2人。
七海のアクションスキル
・ノーブルウィップ
前方3マスのモンスターに、魔法ダメージと封印状態を与える。
・エンプレスジャッジ
部屋内のモンスターに魔法ダメージを与える。
・ロイヤルミラー
4ターンの間、自分と味方にダメージ反射と魔法反射を付与する。
・クイーンズファゾム
部屋内のモンスターを金縛りにし、フロアのワナ全てを可視化する。
少数の敵には「ノーブルウィップ」、多数の敵には「エンプレスジャッジ」の出番になるでしょう。
前者は敵の特技を封じる効果もあるので、厄介なモンスターを弱体化させたい時にも頼りになります。
残り2つのスキルについても、「ロイヤルミラー」は敵の魔法攻撃をノーダメージで跳ね返せるし、「クイーンズファゾム」はモンスターを行動不能にして態勢を整えられるしで、利用価値は確かです。
…「ロイヤルミラー」には、物理ダメージを無傷では返せない欠点があるけれど。
アクションスキルは魔法攻撃に偏っているものの、確率で発動するパッシブスキルとして、ダメージを受けると物理ダメージのカウンターをかます「その手をどけなさい」を持つので、何だかんだで物理攻撃にも困らないはずです。
偉ぶらなくとも高貴さ満々の七海と共に、気高くダンジョンをクリアするのも、また一興。
・黒崎冥(くろさき めい)
ベルフルール女学園の生徒で、「覇王の血を引く者」「右手に闇の力を封じている」などの自称を持つ変人です。
その正体はアニメ好きの夢見がちな少女で、ひなたのような本物の「不思議な力」は持っていない模様。
しかし、「かつて深蒼のドラゴンバスターと呼ばれた」などと言った具合に、放っておくと妙な設定がどんどん増えます。
普段は落ち着き払った声で仰々しい言葉遣いをしているものの、素が出ると甲高い声で小学生並みの幼い喋り方をする、ギャップの激しい人物です。
最初は樹里から「ひなたは選ばれし者」とホラを吹き込まれており、ひなたを敵視していました。
しかし、ひなたが鮮やかにモンスターを倒した所を目撃すると「マスター」と呼び慕うほど心酔し、丁寧語で接するように。
それ以後は、ひなたと近しい鈴音に対抗意識を燃やしています。
もっともその鈴音からは、カッコイイポーズを考えている所を「罰ゲーム中か一発芸の練習」と勘違いされるなど、悪気なく痛い目を見せられる事が多々ありですが…
由梨香から「実はとっても強い」と評される通り、ダンジョンではなかなかの戦いぶりを見せます。
精神面には脆さがあり、とある敵との戦いでは「闇の力や使命なんて弱い自分を隠すための虚勢だ」と言われて呑まれかけますが、モンスター達に問題なく打ち勝つ様を見ればひなたからの「強さと勇気は本物」との声こそ正解と言って良いでしょう。
色々と患った台詞回しは時に包容力満点の由梨香さえも困惑させますが、「化学を制する者は黒魔術を制する」との考えから化学が好きでその成績は学年1位であるなど、独特な感性が意外と日常生活に役立っている面もあります。
また、樹里からカッコイイポーズを教わる代わりとしてアイドルのイベントに出るよう求められた時の練習では、捻くれ者の性悪女をして「ちょっとしたもの」と舌を巻かせるまでの集中力や覚えの速さも披露しました。
思わぬ素質を数々隠し持っており、単なる「痛い子」とは油断できない少女です。
…もしも将来落ち着いたら、今の自分を振り返った時に身悶えしそうだけど。
冥のアクションスキル
・闇黒撃烈衝
前方1マスのモンスターに、魔法ダメージか即死を浴びせる。
・邪王炎涙絢
周囲8マスに物理攻撃。たまに5ターンの倍速状態を得る。
・幽縛天呪殺
部屋内のモンスターに物理攻撃。たまに即死させる。
・黒炎封魔懺
5ターンの間、自分の物理攻撃力と魔法攻撃力を上昇させる。さらに確率で、10ターンの癒し状態と5ターンの無敵を得る。
最も魅力的な技はやはり、「幽縛天呪殺」でしょう。
部屋全体を高威力で攻撃でき、時に即死も起こせるとなれば、文句無しで切り札です。
言ってしまえば、このスキル1つ使えるだけで、モンスターフロアさえ大した危険ではなくなります。
一方、実用性はそこそことして、非常に面白いのが「邪王炎涙絢」。
説明文によると「右手に封じた邪龍を解放する禁断の技」とのことですが…
技名に「邪王炎」、右手の邪龍、しかも倍速…
『幽☆遊☆白書』の飛影が使う「邪王炎殺黒龍波」を連想してしまいます。
即死や倍速や無敵といった美味しい効果はいずれも確率での発動ですが、ハズレたとしても十分強い技揃いなので、ガンガン攻めたいプレイヤーには気が合うことでしょう。
冥の「闇の力」を正しく使って、彼女を学園の救世主にしてみるのも、面白いものがあります。
・水瀬樹里
ベルフルール女学園の生徒にして、現役アイドルの少女です。
表向きは愛想よく振舞っているものの、転入したてのひなたを内心「ただのいい子ちゃんって感じ?」と嘲るなど、性格は非常に下劣。
最も特筆しなければならないのはやはり、ひなたを庭園崩壊の犯人呼ばわりした事でしょう。
花が枯れずに咲き誇る大庭園は、学園の生徒達にとって誇りであると同時に、夢を追うことへの励ましでもある存在。
樹里もそんな庭園に勇気付けられていた一人ゆえ、花々の壊滅にショックを受けるのは理解できます。
しかし、ひなたを犯人扱いしたのは「今までになかったことが起きたなら今までになかったことが原因」との理屈からであり、ただの八つ当たりに過ぎませんでした。
(当のひなたにも見破られているほか、言葉は選ばれていたが自身が裏表なく慕う由梨香からも面と向かって指摘された)
しかも無実の人間に当たり散らすほどショックを受けた割には、自分の手で庭園を復活させようとはしていません。
それどころか、理事長の凛華が「生徒の過ちは教師の過ち」「嫌な思いをさせて済まなかった」とひなたに謝るのを目撃すると、「これじゃ自分が悪者みたい」「いい子ちゃんに恥をかかせないと気が済まない」と逆恨みし、果てはひなたと仲間達の行く手にワナまで仕掛ける始末。
もはや本気で庭園の崩壊を悲しんでいたのかさえも疑わしい有様を晒していながら、本人曰く「自分のファンだった」鈴音達がひなたに味方する理由は、理解できなかったようです。
庭園を蘇らせるべく奮闘して現実に成果まで挙げている転入生と、初めての転入生が庭園を潰したなどと証拠もなく騒ぐばかりで何ら他人のために行動しないアイドルなら前者がより支持されて当然ですが、そんなことにも気付かなかった姿からは知恵の乏しさを感じます。
最後はダンジョンの中で遭遇したひなたに直接喧嘩を売り、応じた彼女と対決して敗北。
由梨香に促されてようやくひなたに詫びると、とりあえず庭園復活のために動くようにはなりました。
ただし仲間入りしてからも、うわべだけの謝罪で自分を許した七海や鈴音を「ハッ、ちょろい」と腹の中で小馬鹿にしていたり、青い薔薇の生存が分かって嬉し泣きするひなたに「ウッソ!?ウケるんですけど〜!」と軽々しい口を叩くなど、品位に欠ける言動には変化が見られません。
流石にひなたを犯人扱いした件ばかりは多少反省したらしく、仲間入りする際にはお詫びの花束を送っていますが、本人が事情を知らぬまま申し出たとは言え材料はひなたに集めさせているので、その反省も深くはなさそうだと感じます。
性悪なキャラクターゆえ、大して変化しないのも想像に難くありませんが、仮にも味方になったのなら、もう少しは改心や成長も見てみたいものでした。
そんな樹里もアイドル活動には基本的に真摯で、ファンレターには直筆の手紙や自撮り写真で答えたり、体型を維持するために食事には細心の注意を払ったり、漫画を原作とするドラマのオーディションに挑む前には作品に詳しい冥からファンの気持ちを聞こうとしたりと、のし上がるためなら地道な努力を厭わない姿も見られます。
…と言いつつ、庭園でコンサートを行うために必須である理事会への申請を行わず、凜華からその件を問われると「申請した」と偽るなど、やはり汚い手段に頼っている場合もある模様ですが。
「理事会はアイドル活動反対派が多くて申請しても邪魔されるだろうから今の内に味方を増やしてゴリ押しで開催しよう」との算段だったようですが、その理事会のトップ相手に「理事会に申請した」などという嘘が通じると踏んでいたとは、実に浅慮なものでした。
(ちなみに凜華から「あたしにはまだ連絡が来ていない」「このままでは中止になるかも」と煽られると、「コンサートは絶対に開く」と反射的に返答したのを『申請』と見なされ、理事長権限で許可された)
主人公と不仲だったけれど後に仲間になる役回りは、過去作の茜崎莉央(あかねざき りお)と同様。
しかし莉央とは異なり、こちらは味方化してからも上述した様な感心できない言動が散見されます。
他の仲間達に比べると、年齢不相応に幼稚かつ浅薄。
ユーザーから好かれるか嫌われるかは、極端に分かれそうです。
好みの話をさせてもらうなら、管理人にとっては大嫌いなキャラクターですが…
・憎まれ口を叩きつつも青い薔薇の消滅に落ち込むひなたを元気付けるなど、本人なりの仲間意識を見せている
・自分のアイドル活動に利用したいためとは言え、他人の何気ない特技の活用法を発見する目線に優れている
・凄まじく狭き門である上に輝かしい時代がすぐ終わるトップアイドルの夢に向かって、理解者なしでもぶれずに邁進できる根性者である
…と言った美点も、あるにはあります。
この3つだけで根は良い奴…と言うには辛いですが、根の先端まで腐っているとも言えなさそうです。
根から上がダメじゃ、99.99%マイナスだけれども。
樹里のアクションスキル
・ミラクル☆ウィンク
敵1体に魔法ダメージを与え、HPとオメガパワーを吸収する。
・ドキドキ♡握手タイム
部屋内のモンスターを引き寄せ、周囲8マスにダメージを与える。
・満喫♪プライベート
自分を透明の状態異常にする。
・衝撃!プレゼント4U
部屋内のモンスターにダメージを与え、何らかの悪性状態異常を付与する。
一見トリッキーな技ばかりに思えますが、実はいずれも強力な性能をしています。
特に「衝撃!プレゼント4U」は、モンスターに浴びせるダメージも大きい上、悪性状態異常までかけられるので、最高の頼もしさです。
他に、こちらのHPやオメガパワーを吸収するモンスターに「ミラクル☆ウィンク」でやり返したり、「満喫♪プライベート」で危険なモンスターを一方的に攻め立てるといった戦法も取れます。
ただし、「ドキドキ♡握手タイム」は敵を近寄らせるため、こちらの装備を弾くモンスターやアイテムを変化させてしまうモンスターがいる時には、余計な危険を増やしてしまいます。
こいつだけは、使い所に要注意。
それにしても、自分は良い思いをしながらモンスターには痛い目を見せようとする戦いぶりには、ストーリー上での性格の悪さが見事に反映されています。
アイドルより魔女になる方が似合うと思うぞ。
戦場を引っ掻き回して自分のペースを作りたいプレイヤーにとっては、存分に馬が合いそうなキャラクターです。
・パイ
過去作『オメガラビリンス』や『オメガラビリンスZ』にも登場した妖精です。
1作目にて主人公の朱宮愛那(あけみや あいな)に救われて以来、彼女の側で過ごしていましたが、本作では凜華の実験の影響でベルフルール女学園に強制召喚されました。
しかし、過去作と変わらぬ能天気ぶりであっさり馴染み、ひなた達とも仲間になります。
ストーリー上ではさして活躍しませんが、時折過去作の思い出を蘇らせる発言をするのが、シリーズ経験者にとって嬉しいところです。
また学園内で話しかけると、「ひなた達と愛那達はすぐに仲良くなれると思う」と口にすることがあります。
過去作をプレイしたユーザーとしては、この台詞に心底から同意するばかりです。
実現する可能性の大小はともあれ、本当にひなた達と愛那達を出会わせてみたいものだ。
今回の『オメガラビリンスライフ』への出演により、唯一のシリーズ皆勤賞となりました。
更なる続編が来るか否かはともあれ、とりあえず『ライフ』までの3作品では、このパイがシリーズの顔になったと言って良さそうです。
ここまで来たら、公式からはっきりマスコットキャラクターと呼ばれても納得できるかもしれません。
その他のキャラクター&敵キャラクター
・久遠凜華(くおん りんか)
ベルフルール女学園の理事長で、オメガパワーの研究者。
そして、過去作『オメガラビリンス』や『オメガラビリンスZ』に登場した魔女にして、両作の舞台であるアンベリール女学園の理事長・久遠輪廻(くおん りんね)の姉でもあります。
語尾に「〜のサ」と付くのが特徴的です。
容姿は幼げながら、自ら作成したオメガパワーのレポートの量は100年分、学園の創立記念日は100年前と示されることから、実年齢は最低でも100歳を超えていると見て取れます。
本人がはぐらかしている上、ひなた達も必死に追及しないため、厳密に何歳かは不明ですが。
いずれも前述の通りですが、ヤツに犯人扱いされたひなたには「アタシの教育が行き届いていなかった」と頭を下げたり、樹里が無許可でコンサートを行おうとした時には真っ当に申請する方向に転がしつつ「アイドル活動に反対する連中を見返したいんだろ?ならいい加減にじゃなく正々堂々とやるのサ」と諭していました。
見かけによらず教育熱心な、良き教師です。
…ただし隠し事が下手であり、うっかり秘密をバラしてしまう粗忽な部分もありました。
他にも、鈴音からは机の上がすごいことになっていると言われたり、大庭園の世話役にして自らの遠戚に当たる久遠柚結(くおん ゆゆ)からは朝方に自力で起きられないことを嘆かれているなど、だらしない様子も伺えます。
この手の描写は100歳超えの実年齢よりも、お子様の如き見た目によく似合っている印象です。
『久遠』姓なのでいつ悪人の本性を出すことかと警戒しつつ、どこかで期待もしていましたが、意外にも最後まで良い人のままでした。
もっとも、時に「マッドサイエンティスト」と呼ばれるだけはあり、妖精ネムを捕えようとした際には「理事長権限で来年の庭園管理予算を増やしてやる」として柚結&桃萌の御庭番姉妹を焚き付け、「アタシの正義の研究のためにどんな手を使ってでも捕まえるのサ!」と言い放っています。
これにはひなたも、「どっちかっていうと正義より悪役っぽいなぁ」と呆れていました。
…と、色々残念な面もあるものの、ひなたの転入を許可した人物であり、彼女にとっては夢を叶えてくれた恩人と言えます。
そんな凜華がひなたを迎えた理由は、「転入生がアンタだったから」とのこと。
…詳細は、後述する事とします。
妹である輪廻理事長については、「普段はしっかりしてるかもしれんがアタシには頭が上がらないのサ」と語っています。
もっとも、一番の証人となる輪廻理事長が登場しなかったため、真偽は不明です。
本当は凜華の方が、年少者である輪廻理事長に押されっ放しだったりして…
ちなみに久遠一家は三姉妹で、輪廻理事長の年下に、倫檎(りんご)なる末妹もいるそうです。
その倫檎は劇中未登場ですが、凜華によると少々おてんばだったものの、新しい学校を設立したのだとか。
もしもシリーズが続いたら、倫檎の登場や、久遠三姉妹の揃い踏みが見られるかも?
ダンジョンではたまにショップを開いて登場し、オメガパワーを代金としてアイテムを売ってくれます。
もちろん泥棒をしでかせば最後、番犬と共にお仕置きを加えに来るので要注意。
1ターンに2回行動かつ一撃で3桁ダメージという凶悪な力を見せますが、アイテムを用意しておけば返り討ちにする事も可能です。
チャレンジダンジョン『凜華の実験場』では、ボスとして登場。
レベルアップ不可などのルールを敷いてプレイヤーを待ち受けており、戦闘時には各種の魔法攻撃や、過去作に登場したキャラクター達のスキルを数々披露します。
ただし、装備に「魔法反射」の効果を付けておけば魔法攻撃は全てノーダメージで跳ね返せるため、『オメガラビリンスZ』にて似通ったルールで戦った輪廻理事長に比べると、遥かに楽な戦いです。
・青い薔薇/妖花アルラウネ
ダンジョンへ迷い込んだひなたに助け舟を出した声の主です。
名前らしい名前はなく、友人である妖精ネムからも「青い薔薇さん」と呼ばれています。
れっきとした花ながらダンジョンの中でオメガパワーによって開花したゆえ、陽光も浴びられなければ風も感じられない環境にあり、他の花を羨む気持ちを持っていました。
それを欲望の魔女につけ込まれて、妖花アルラウネへと変貌。
「全ての頂点に立つ花の女王」と自称する一方、他の花を自分の養分としか認識しない自己中心的な性格となり、大庭園を壊滅させてしまいます。
ただしネムの呼びかけには反応を示したり、庭園の守護者である聖花フローラを拐かすも駆けつけたひなたにフローラを託すといった形で、青い薔薇としての意識も僅かに見せていました。
邪悪な意志で動く自分の肉体に清らかな精神で抵抗するのは、ありふれているもののやはり胸を熱くされる。
終盤でのひなた達との戦いにて、フローラの放った聖なる光により、欲望の魔女と分離されます。
しかし魔女の影響で身体を闇に染められていたため、邪悪なものを浄化するフローラの光でダメージを受け、消滅してしまいました。
他に方法がなかった上、青い薔薇自身も「また魔物に身を落としてしまうかもしれない」「心のどこかで本当に庭園の崩壊を望んでしまっていた醜い花は消えた方が庭園のため」との決断をしていたため、どの道避けられない犠牲だったのは確かです。
とは言え、そんな避けられない犠牲を強いた元凶は、言わずもがな欲望の魔女。
この最期はプレイヤーにとっても、ラストボスへの怒りを抱かせるものとなるでしょう。
…と、流石に命が絶たれたかに見えましたが、欲望の魔女を倒すと、消滅する寸前に種を残していたと判明。
その種をひなた達に持ち帰られ、陽の当たる大庭園に移住しました。
さらに庭園の花達の名付け親を担う柚結からは、欲しがっていた名前も貰えることに。
「ルミエナ」(フランス語で「光」の意)と命名されると、以後はひなた達からもそう呼ばれます。
ちなみにフローラによると、昔は青い薔薇の花言葉は「不可能」であったものの、現在は「夢が叶う」と言われているのだとか。
その花言葉の変遷に相応しく、「太陽の光を浴びて咲きたい」「名前が欲しい」という、不可能と思われた夢が見事に実現したルミエナを見ていると、勇気付けられる気分がします。
「ルミエナ」の名を得てからは、まだひなた達と話をできる状態になっていませんが、いずれは無名の青い薔薇だった頃のように、人間とも会話ができるようになるはず。
その時は、どんなトークが展開されるのか。
機会が用意されるなら、是非聞いてみたいものです。
・欲望の魔女
願いを持つ者に憑依する存在で、青い薔薇を妖花アルラウネへと変貌させた黒幕。
つまり青い薔薇の仇にして、大庭園崩壊の真の元凶です。
過去作『オメガラビリンスZ』でも同名のモンスターがラストボスを務めましたが、「モンスター図鑑」によると、そちらとは同じ種族ながら別の個体とのこと。
『Z』で現れた欲望の魔女は肥満体のオバハンといった容姿でしたが、本作の個体はどこぞのヒーローものに出て来そうな悪の女幹部じみた格好をしています。
…要するに、どちらもダサい。
しかし、外道ぶりは『Z』に現れた同族よりも遥かに勝っており、青い薔薇の消滅を招いた上に、「日の当たる場所で咲きたい」という彼女の切なる願いを「くだらない夢」とこき下ろすなど、その言動は結構に不快感を覚えるレベルです。
実際に劇中では、八つ当たりで無実の罪を着せて来た樹里にも平然としていたほど温厚なひなたに「絶対に許さない!」と口走らせるまでの怒りを抱かせています。
所業は悪質そのものですが、おかげで悪役としては見事な存在感を出してもいました。
『Z』の経験者としては、あのショボかったラストボスが随分出世したものだと…
…思ったのも、束の間。
実際に戦ってみると『Z』同様に隙だらけで弱い上、止めを刺される直前には「どんな願いも叶えてあげられる」として情けなく命乞いをしたりと、折角手に入れたかに見えた悪役の威厳は一瞬で木っ端微塵に消え去りました。
態度がでかい割に器がヘボいのは、この一族の宿命なのだろうか。
・『はるか』
ひなたの母親で、彼女が小さい頃に行方不明になっている人物です。
実に気になる存在でしたが、凜華の台詞から人柄や来歴が多少垣間見えるのみで、作中に登場することはありませんでした。
容姿や性格に関しては、凜華がひなたについて「あんたを見ていると『はるか』のことを思い出す」「簡単にはめげないところまでそっくり」と評していることから、生き写しレベルで似ているのだろうと想像されます。
ただし、来歴について明かされた情報は少なく、書き留めると以下の事項程度です。
フルネームは『天乃はるか』。
100年程前はベルフルール女学園の生徒であり、学園に発生したオメガパワー絡みの大災害を解決して英雄となったものの、それから程なくして「時空の歪み」に飲み込まれて姿を消してしまったのだといいます。
長い年月が経って、ようやく『はるか』は凜華と再会。
さらに結婚して子供(=ひなた)を授かったそうですが、その矢先にまたも時空を飛び越えて、現在に至っているようです。
幾度も時空を超える理由は判然としませんが、ともあれ凜華はこの『はるか』を守れなかったことを大変に悔いています。
しかし凜華は『はるか』について、「大切な娘がいるこの時代に必ず戻って来る」との確信も持っており、その日まで自分がひなたを守ると密かに誓っていました。
この先もしも『オメガラビリンスライフ』の続編が開発されたなら、『はるか』についての物語が展開されると面白くなりそうです。
…続編が実現したならね。
次は何にしようかな
『オメガラビリンスライフ』のキャラクターについて語るのは、こんなところとしておきます。
ここまで御覧くださった訪問者様、ありがとうございました。
この流れに乗って、次の記事は同作のダンジョン等について…
…とも思うのですが、本記事を書き上げるのに力を入れ過ぎて疲れていたり、最近は他のゲーム等に関心が行っていたりするので、『ライフ』についての語りは一時休止にするかもしれません。
よって次回の更新内容は今のところ未定ですが、御興味があればまたよろしくお願いします。
それでは、今回はこれにて。
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