健康大辞典

�@見当識障害とは？
　見当識とは、時間や場所、他人および自分自身などに対する状況を認識する能力のことです。
　見当識障害とは、この見当識が正常に働かなくなった状態のことで、失見当識ともいいます。
　見当識障害についてはこちらが分かりやすいです。



�A見当識障害の原因は？
　見当識障害の主な原因として、「アルツハイマー型認知症」と「高次脳機能障害」があげられます。
　アルツハイマー型認知症の中核症状の一つに「見当識障害」があります。他の主なものには「記憶障害」があります。
　また、脳血管障害の後遺症などによる高次脳機能障害が原因で、見当識障害が起こる場合もあります。高次脳機能障害とは、知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程と、その行為によって起こる精神機能が、病気（脳血管障害、脳症、脳炎など）や事故（脳外傷）による脳損傷により認知機能が障害された状態を言います。
　見当識障害の原因についてはこちらが分かりやすいです。


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�B見当識障害によって何が起こるか？
　見当識障害によって徘徊する場合があります。自分がどこにいるのか認識できないため、徘徊してしまうのです。見当識障害に起因する徘徊の末、交通事故を引き起こしたり、行方不明になってしまう事件が実際に起こっています。
　また季節が認識できず、夏場でも冬と間違えて服を着込む方がいます。冷房などもつけずに暑い部屋で過ごすと脱水症状を起こす場合もあります。同居している場合、衣替えを行い季節に合わせた服を準備する、必要のない衣服はしまうようにするなどの対応が必要です。家族が遠方に住んでいる場合には、箪笥や衣装ケースに「夏物」「冬物」など記載して、関わりのある方にも分かりやすいように工夫して、衣替えを頼みましょう。
　見当識障害が起こると、トイレを失敗することが多くなります。原因は、トイレの場所が分からなくなるからです。たとえば自室を出てトイレに行こうとしても、道に迷い、なかなかたどり着けないということがあります。すると、尿意を我慢できなくなり、トイレに着く前に排泄に至る場合があります。あるいは、トイレをトイレと認識できず、別の場所で排泄するケースも見られます。失禁が頻発すると、家族には片付けのストレスがかかります。なによりも、失禁は認知症の方のプライドを傷つけます。
　見当識障害によって何が起こるかについてはこちらが分かりやすいです。

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�C見当識障害のある方への対応は？
　安全を確保しましょう。見当識障害の中でも道に迷ったり、外出したら帰ってこないなど、本人の生死にかかわる見当識障害の場合は、安全を第一に確保しておくことが大切になります。外出を止めるのは無理だと思いますので、出来る限り一緒に行動をする、もしそれが難しければデイサービスやショートステイなどを利用することをお勧めします。
　本人の話すことを否定しないようにしましょう。見当識障害になりますと、私たちでは考えられないような行動や発言をすることがありますが、決して否定をしてはいけません。否定をすることによって、余計に混乱してしまう可能性があるからです。いったん本人の言うことを受け入れて、違う話題に話をすり替えたりすることが最も適切であるといえます。
　病院受診がおすすめです。見当識障害は脳の病気ですので、病院に受診をすることをお勧めします。特に初期症状の場合は早めに受診をすることによって症状が治まることもありますので、見当識障害の疑いがあれば早めに受診をするようにしましょう。最近では物忘れ外来などの専門機関もありますので、積極的に相談をするようにしましょう。薬の処方などで症状が治まることもあります。
　見当識障害のある方への対応についてはこちらが分かりやすいです。