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プロフィール

はぴせ
元会社員の後期高齡者。自称平均的な日本人。札幌市出身、東京都在住。「心と体の健康維持・増進」を願い、求める極意は「自然体」で「頑張りすぎない程度に頑張って」日々を暮らすこと。
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2013年11月12日
A333・音楽が寿命を延ばす? 曲によって効果は異なる(2)
音楽でマウスが延命するという研究で2013年イグ・ノーベル賞医学賞を受賞した帝京大医学部准教授新見正則さんへのインタビュー記事(1)〜(4)が読売新聞(2013年11月7日〜11日)に連載されました。
前回、その(1)「オペラ椿姫で移植した心臓が長持ち」を紹介しました。
今回はその続きです。

「音楽」の効果の他に「匂い」、「運動」、「視覚」、「睡眠」、「アタマ」と続きます。

「アタマ」とは? ・・・「心の持ちよう」、「どう考えるか!」ということ。

「考え方を変えるだけで、人間けっこう健康になるし、幸せになるよってことが、今回の研究で結構わかったわけだよ。
半分治ったら、おかげさまって言おうとかさ。
まだ半分治らないと言わないで、ね」

と結論しています。

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途中、「イグノーベル賞とは?」、「漢方と西洋薬」、「健康診断病」、「医療は経済学の仕組みの中でどんどん薬が増えていく」など話題豊富です。
少し長くなりますが記事(2)〜(4)を(一部要約)連記します。

(2)匂いや運動でも効果に違い

記者;音楽以外の実験もしたのですか。
能見;
「匂い」と「運動」も実験した。
「匂い」は不妊症の女性などに使われる当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が一番効く。100日も、移植した心臓が止まらなかった」

記者;「椿姫」より長かったのですね。
能見;
そうだよ。当帰芍薬散は6つの生薬からできているんだけど、そのうち1つずつの生薬の匂いを嗅がせても無効で、8日しかもたなかった。また、1つの生薬を抜くと6つのパターンの薬を作れるが、その6種類も全部無効だった。当帰芍薬散は6つの生薬を全部使うことが大事みたい。
飲ませる実験では、当帰芍薬散は47日だった」

記者;なぜ当帰芍薬散を使ったのですか。
能見;
漢方はたくさん実験していて、その中で効果があったのが当帰芍薬散だったということ。
もうひとつおもしろいのは柴苓湯(さいれいとう)。これを食べさせると100日以上ももった。ところが、柴苓湯の匂いを嗅がせても、9日間で無効だった。
また、当帰芍薬散と柴苓湯を一緒にすると効かなかった」

記者;一緒にすればよいというものではないのですね。
能見;
キツネの匂いでも実験してみた。マウスは先天的にキツネを敵だと思っているらしい。キツネの匂いを当帰芍薬散と一緒にすると効かない。

記者;
「運動」についてはどのような実験をしたのですか。
能見;
2つの実験をした。
ひとつは、マウスにくるくる回るホイールでの自発運動の実験。
もうひとつは、ベルトコンベヤーでの強制的実験。
走るのをやめると微量の電流が流れて、罰がある仕組み。こちらを毎日1時間走らせる。
日によって値が違うが、中央値で、ベルトコンベヤー型は35日、自発運動では15日、移植心臓が止まらなかった」

記者;本人が嫌だといっても定期的に運動した方がいい、好きな時だけだとだめ、ということでしょうか。
能見;
「なぜ違いが出るのかはわからないが、もしかしたら、1時間ぐらいなら運動した方がいいのかもしれないね。
いま、運動を2時間にしてみたりとか、もっと速くしてみたりとか、いろんな実験をしているから。ちょっとした運動がいいのか、思いっきり運動した方がいいのか。あるいは短い時間がいいのか、長い時間がいいのか。そうすればわかるでしょう

記者;「食べ物」や「見る物」にも、研究は広がっていきますか。
能見;
「視覚」は当然やるよね。例えば、光刺激。太陽を浴びるのがいいのか、マウスは暗いところにいるから暗い方がいいのかとか。
あと、「眠り」。傾斜のところにマウスを置いて、寝ると落っこちたりするようにしたりとか、いろんなことしようとしている」

(3)「アタマ」がカラダに影響しているらしい

記者;こうした実験から、どんなことがわかるでしょうか。
能見;
僕たち人間様は、薬を飲んだら治ると思っているじゃない。それも大切だけど、ちょっと運動しようとか、しっかり寝ようとか、健康的なものを食べようとか、音楽を聴こうとか、匂いを工夫してみようとか、いろんな感情があるじゃない。
お父さん入院したから見舞いに行こう。これは実は、無意味じゃなさそうだということだよ。

記者;見舞いに行くことが、お父さんの寿命に関わっているかもしれないし、関わっていないかもしれない。それが科学的にわかってきたということでしょうか。
能見;
実験でわかってきたことは、全部が現象論。ノーベル賞を取ろうと思ったら、その途中を解明しないといけない。

「アタマ」がどうやって免疫機能(移植心臓を異物として拒絶したりする)に介入しているかということを解明しない限り、ノーベル賞にはならないよ。

「アタマ」が何をしているのか。「津軽海峡冬景色」と「椿姫」では何が違うのか。
インプット(入力するもの)もアウトプット(結果)もわかっていて、その途中がまだわかっていない」

音楽でも、ストレスでも、なにか「アタマ」がアウトプットに影響していると思っている。

記者;イグ・ノーベル賞は人を笑わせ、そして考えさせる研究に贈られる賞です。
能見;
そう、笑わせるだけじゃダメなんだ。そして考える、そこが大事なんだ。
オペラが効いたっていうのは、その結果の向こうにはもっと広い何かが待っているわけだよな。それは、みんながうさんくさく思っている『リラックスしている人のほうが長生きだ』っていうこと。それ本当だろうか。それを研究できれば、世の中に役立つんじゃないかな」

(4)半分治ったら、おかげさまと言おう

記者;リラックスしている方が長生き、ということが本当ならば、病院に行く回数も減るかもしれません。健康にいつも不安を感じる現代人に、大きなメッセージです。

能見;
「たくさんの人が『健康診断病』だよね。
元気な人が健康診断を受けて、最高血圧が141、正常から1つでもあがったら高血圧だ、とかね。
例えば、血圧が高くて頭が痛いとか、顔が熱いとか、夜眠れないとか、異常があるなら薬で血圧を下げればいい。だけど、すごく元気なのに、血圧が高いからという理由だけで、薬を飲んだりする人もいる」

記者;元気なうちに薬を飲みはじめなくては、と思っている人もいます。
能見;
「キーワードは『人はいろいろ』。それをみんな十把一からげに血圧の数値に線を引いちゃうんだもん。高いのがハッピーな人もいれば、低いのがいい人もいる。ちょっとデブなのがいい人がいれば、ヤセがいい人もいる。

医療は経済学。薬が必要な病気の人と、まったく薬のいらない健康の人の間、グレーの人が多い。でも、経済学の仕組みの中では、グレーの人にも薬を処方した方がもうかる。それで、薬はどんどん増えていく。

グレーの範囲がとても広いということをみんなも知るべきだ。
薬ではなく、運動しろよ、少しやせろよ、ストレス減らせよ、という指導がもっとあっていい」

記者;ここまでの話は、診療に漢方を取り入れたことと関係がありますか。
能見;
「漢方は、10年前セカンドオピニオン外来の担当になってから始めた。
それまで、僕は血管外科の専門家だったから、専門領域以外の患者さんには、『違いますよ、別の診療科へ行ってください』と言えばよかった。ところが、セカンドオピニオンはどんな患者でも診る。こんなに悩んでいるんだ、行くところがないんだ、と知った」

記者;なぜそこで漢方を取り入れることになったのでしょうか。
能見;
「漢方薬はラムネよりは絶対に効くから(笑)。
大切なことは、体の不調の多くは、本当は時間の経過でも治る。みんな、それを忘れている」

記者;セカンドオピニオンでは、どんな訴えをする患者さんがいらっしゃいましたか。
能見;
加齢現象なのに、病気だっていう人がいたね。
夜中に2回もトイレ行く、と悩む人がくる。そうしたら、『俺も2回行くよ』と話すと、喜んで帰るよ。これを2回は病気だと思って薬を飲んじゃうから『病気』になっちゃうんだよ。

記者;加齢現象と病気、間違えそうですね。
能見;
医療に経済学が入ると、加齢を病気にするのが一番簡単なんだよ。
薬を飲むと20歳に戻りますよ、と宣伝文句をいうと、どんどん売れる。
どんどん病気が増える。顔がほてる、ちょっと太る、眠れない、ほとんどは加齢が原因でしょう」

記者;こうした症状には、確かに漢方は役立ちそうですね。
能見;
漢方の治療をしたら、症状の半分か4分の3は良くなるかもしれない。でも残りは、完全には治らないかもしれない。
『治る』というと20歳を思い出し、もう一度そういう体に戻れると思う患者さんもいる。だから、半分は良くなる、残り半分は気合で良くなれ、受け入れろって言うことにしている。

長生きしそうなリラックスしている人は、きっと『おかげさまで半分楽になりました』というでしょう。
でも、そうでない人は、『先生ダメです。半分治りません』というかもしれない」

記者;心の持ちようは重要かもしれません。
能見;
考え方を変えるだけで、人間けっこう健康になるし、幸せになるよってことが、今回の研究で結構わかったわけだよ。半分治ったら、おかげさまって言おうとかさ。まだ半分治らないと言わないで、ね」


インタビュー記事は以上です。
私は20数年間糖尿病と付き合ってきて、体質とか生活環境とか糖尿病になる要因は様々言われますが、やはり自分の「生活習慣」が最大の要因であろうと(知識とか単なる言葉ではなく、実感として)、この何年かに至ってやっと思えるようになって来ました。

今、後期高齢者で80歳に近づきつつあります。インスリンの助けを借りてではありますが、最悪期から今日までのA1c改善のグラフが心の支えになっています。

「ここまで改善されている」ことを喜び、これからの加齢に向けて体調にあった食事とか運動とかの会得の励みになっています。

能見さんのお話には教わること、共感するところが多々あります。
長くなりましたがインタビュー記事を引用させていただいた所以です。


バックナンバータイトルを下記分類で一覧致します。
該当するジャンルの(1)〜(8)をクリックいただくと、そこに分類されているタイトルが一覧され、
タイトルをクリックいただくと本文が開きます。


1、「日記・諸事寸話」
-・「ハッピー健康習慣」バックナンバー(1)
2-1、「身体の健康」
-・「ハッピー健康習慣」バックナンバー(2)
2-2、「運動」
-・「ハッピー健康習慣」バックナンバー(3)
2-3、「食習慣・食生活」
-・「ハッピー健康習慣」バックナンバー(4)
3、「心・頭脳の健康」
-・「ハッピー健康習慣」バックナンバー(5)
4-1、「病気・傷害・医療」
-・「ハッピー健康習慣」バックナンバー(6)
4-2、「糖尿病」
-・「ハッピー健康習慣」バックナンバー(7)
5、「福祉・介護・看護」
「ジャンルなし」

-・「ハッピー健康習慣」バックナンバー(8)


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