2017年08月21日
漫画『私は君を泣かせたい』1巻の感想とあらすじ 不良少女と優等生のライト百合
『私は君を泣かせたい』1巻の感想。
私は君を泣かせたい
著者:文尾文
掲載:ヤングアニマル
1巻発売日:2017年5月29日
優等生の仮面を被る女子高生・相沢羊(あいざわ よう)。幸い良い子でいることも勉強も嫌いじゃない彼女は、人当たりが良く、クラスメイトや教師からの印象も上場。でも、四六時中優等生でいると疲れることもあるわけで、そんなときはちょっと廃れた映画館で放課後をのんびり過ごすのが日課。
ある日、いつものように映画館でひとりの時間を満喫していた羊は、偶然そこへ入ってきたクラスメイト・虎島ハナ(とらじま はな)と遭遇した。彼女はセーラー服の上からスカジャンを羽織り、ロングスカートを履いた絶対に関わりたくないヤンキー娘。
しかし、ふと彼女に視線を向けると、そこには大粒の涙を流しているハナの姿があり、映画よりも彼女の綺麗な泣き姿に見惚れてしまった羊。そして、ハナにハンカチを差し出したことがきっかけで、仮面優等生と涙脆い不良少女の交流が始まった。
あの日から私は、彼女を泣かせたくて仕方ない――。
他人に本性を見せない仮面優等生の少女と、自分をありのままに曝け出す涙脆い不良少女。同じクラスという接点しかなかった正反対の2人を「涙」が繋ぎ、ゆっくり距離を縮めていく交流を描いた優しい物語。
女子高生2人のガールズストーリー。ちょい百合。帯には『新米姉妹のふたりごはん』の作者・柊ゆたか先生のオススメコメント付き。帯裏の謳い文句は「不良少女×仮面優等生。2人の冷たい心を涙が優しく融かしていく――」。青年漫画雑誌「ヤングアニマル」にて2016年16号から連載開始。
作者は『三番目の月』『屋上の百合霊さんSIDE B 仲良しクイズ』といった作品を持つ漫画家・文尾文(ふみお あや)先生。
このブログでの百合作品紹介記事もちょとずつ増えてきましたね。他と比べたら多いってほどではないですけど、自分で思っていた以上に好きなジャンルだったのかも。
個人的にはほんわか系やコメディ系のライト百合が好み。『推しが武道館いってくれたら死ぬ』や『ひまわりさん』は特に注目してる漫画でもあります。まあ、ガッツリ百合してたアニメ『神無月の巫女』も大好きですけど。
本日紹介させていただく一冊『私は君を泣かせたい』も百合っぽい作品。百合物語か友情物語なのかは微妙なところで判断に困りますが、女の子同士の交流を描いた内容になってます。
泣き虫な不良と猫かぶりな仮面優等生の2人の女子高生が、ひょんなことからお互いの本当の姿を知ったことをきっかけに、交流を重ねながらゆっくりと距離を縮めていくお話。
たぶん百合漫画です。まだ恋愛の波は起きてないのでライト百合に分類できるかと。学園モノ、日常系、不良と優等生のよく見る定番カップリングではありますが、最近読んだ百合系統の作品では、個人的ランキングでトップ3には入るぐらい良かった作品。
普通に学園生活を送っていたら交わることがなかったかもしれない2人を繋げたのは、「涙」。とても可愛く、そして美しく、ちょっぴり切ない。つまりすごく良い。
主人公はタイプの異なる女子高生2人。
相沢羊(あいざわ よう)は良い子を演じる仮面優等生。決して仕方なく優等生をやってるわけではなく、やったぶんがきっちり自分に返ってくることは好ましく思ってます。基本的に誰に対しても親しく振舞ってはいますが、本音や本性を晒すことは苦手なようで、人間関係は踏み込みすぎず踏み込ませすぎずといった感じ。そんな彼女が仮面を外して安らげるのは、人気の少ない映画館でのんびり過ごす放課後の時間。自分以外幽霊部員の映画研究部部長という立場と状況をフル活用してます。
もう1人の主人公、虎島ハナ(とらじま はな)は自分を偽らない涙もろい不良少女。ロングスカートにスカジャンという時代錯誤感もあるヤンキーファッションを纏い、授業をサボることも珍しくありませんが、実はとても人懐っこい性格。ヤンキーっていうよりワンコっぽい子なので(特に羊の前では)、「オラオラ」言ってるより「ワン」とか「クーン」の方が合ってそう。良くも悪くも感情表現が素直な可愛い泣き虫さんです。
普通ならあまり関わらないまま別れていくであろう2人だったところ、映画館での出来事をきっかけにハナが羊に懐き、彼女が映画研究部へ入部するなど一緒の時間を過ごすようになっていきます。
最初は他のクラスメイトが怖がって近寄らなかったハナも、羊と親しく学校に毎日来るようになってからはその人となりが知られるようになり、羊以外の人たちも集まってくるようになりました。このときの、ちょっと複雑そうな羊の表情が良いですね。面倒事はノーサンキューだったはずが、自分じゃない子とハナが親しげに話してるところを見てモヤモヤする羊さん。そしてそれを見た私はニヤニヤ。
羊がハナと2人でいるときだけ仮面を外して素の自分を出してるところもたまりません。放課後の他には誰もいない部室で、お互い自然体のまま2人だけの時間を過ごし、少しずつ相手のことを知っていくなかで距離を縮めていく。羊はまだ完全に壁を取っ払ってるわけではありませんが、そこはおいおいハナが削り取っていくか、ぶち破るかして引っ張りだしてくれるでしょう。
はい、こんな感じで、不良と優等生2人の女子高生が織り成すガールズ・ストーリー『私は君を泣かせたい』1巻の紹介でした。とても綺麗で純粋なほのぼのしたストーリーなので読み易かったです。
現時点で2人に恋愛感情はなく、今後芽生えるかも不明ではありますが、ライト百合として読むには十分良く出来ている作品だと思います。
クラスの端から2人の様子を眺めていたい、と言ったらキモチワルイでしょうか?でも、そう思ってしまうぐらい2人の関係は純粋で美しく、ちょっと危ういところもあるけど見守っていきたいと思わせてくれる確かな魅力がありました。
表紙でも描かれているハナの泣き顔とワンコっぽい振る舞いも可愛かったです。2人の行く末が楽しみな作品なので、今後の展開にも期待しています。
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私は君を泣かせたい
著者:文尾文
掲載:ヤングアニマル
1巻発売日:2017年5月29日
あらすじ・概要
優等生の仮面を被る女子高生・相沢羊(あいざわ よう)。幸い良い子でいることも勉強も嫌いじゃない彼女は、人当たりが良く、クラスメイトや教師からの印象も上場。でも、四六時中優等生でいると疲れることもあるわけで、そんなときはちょっと廃れた映画館で放課後をのんびり過ごすのが日課。
ある日、いつものように映画館でひとりの時間を満喫していた羊は、偶然そこへ入ってきたクラスメイト・虎島ハナ(とらじま はな)と遭遇した。彼女はセーラー服の上からスカジャンを羽織り、ロングスカートを履いた絶対に関わりたくないヤンキー娘。
しかし、ふと彼女に視線を向けると、そこには大粒の涙を流しているハナの姿があり、映画よりも彼女の綺麗な泣き姿に見惚れてしまった羊。そして、ハナにハンカチを差し出したことがきっかけで、仮面優等生と涙脆い不良少女の交流が始まった。
あの日から私は、彼女を泣かせたくて仕方ない――。
他人に本性を見せない仮面優等生の少女と、自分をありのままに曝け出す涙脆い不良少女。同じクラスという接点しかなかった正反対の2人を「涙」が繋ぎ、ゆっくり距離を縮めていく交流を描いた優しい物語。
女子高生2人のガールズストーリー。ちょい百合。帯には『新米姉妹のふたりごはん』の作者・柊ゆたか先生のオススメコメント付き。帯裏の謳い文句は「不良少女×仮面優等生。2人の冷たい心を涙が優しく融かしていく――」。青年漫画雑誌「ヤングアニマル」にて2016年16号から連載開始。
作者は『三番目の月』『屋上の百合霊さんSIDE B 仲良しクイズ』といった作品を持つ漫画家・文尾文(ふみお あや)先生。
感想
このブログでの百合作品紹介記事もちょとずつ増えてきましたね。他と比べたら多いってほどではないですけど、自分で思っていた以上に好きなジャンルだったのかも。
個人的にはほんわか系やコメディ系のライト百合が好み。『推しが武道館いってくれたら死ぬ』や『ひまわりさん』は特に注目してる漫画でもあります。まあ、ガッツリ百合してたアニメ『神無月の巫女』も大好きですけど。
本日紹介させていただく一冊『私は君を泣かせたい』も百合っぽい作品。百合物語か友情物語なのかは微妙なところで判断に困りますが、女の子同士の交流を描いた内容になってます。
泣き虫な不良と猫かぶりな仮面優等生の2人の女子高生が、ひょんなことからお互いの本当の姿を知ったことをきっかけに、交流を重ねながらゆっくりと距離を縮めていくお話。
たぶん百合漫画です。まだ恋愛の波は起きてないのでライト百合に分類できるかと。学園モノ、日常系、不良と優等生のよく見る定番カップリングではありますが、最近読んだ百合系統の作品では、個人的ランキングでトップ3には入るぐらい良かった作品。
普通に学園生活を送っていたら交わることがなかったかもしれない2人を繋げたのは、「涙」。とても可愛く、そして美しく、ちょっぴり切ない。つまりすごく良い。
主人公はタイプの異なる女子高生2人。
相沢羊(あいざわ よう)は良い子を演じる仮面優等生。決して仕方なく優等生をやってるわけではなく、やったぶんがきっちり自分に返ってくることは好ましく思ってます。基本的に誰に対しても親しく振舞ってはいますが、本音や本性を晒すことは苦手なようで、人間関係は踏み込みすぎず踏み込ませすぎずといった感じ。そんな彼女が仮面を外して安らげるのは、人気の少ない映画館でのんびり過ごす放課後の時間。自分以外幽霊部員の映画研究部部長という立場と状況をフル活用してます。
もう1人の主人公、虎島ハナ(とらじま はな)は自分を偽らない涙もろい不良少女。ロングスカートにスカジャンという時代錯誤感もあるヤンキーファッションを纏い、授業をサボることも珍しくありませんが、実はとても人懐っこい性格。ヤンキーっていうよりワンコっぽい子なので(特に羊の前では)、「オラオラ」言ってるより「ワン」とか「クーン」の方が合ってそう。良くも悪くも感情表現が素直な可愛い泣き虫さんです。
普通ならあまり関わらないまま別れていくであろう2人だったところ、映画館での出来事をきっかけにハナが羊に懐き、彼女が映画研究部へ入部するなど一緒の時間を過ごすようになっていきます。
最初は他のクラスメイトが怖がって近寄らなかったハナも、羊と親しく学校に毎日来るようになってからはその人となりが知られるようになり、羊以外の人たちも集まってくるようになりました。このときの、ちょっと複雑そうな羊の表情が良いですね。面倒事はノーサンキューだったはずが、自分じゃない子とハナが親しげに話してるところを見てモヤモヤする羊さん。そしてそれを見た私はニヤニヤ。
羊がハナと2人でいるときだけ仮面を外して素の自分を出してるところもたまりません。放課後の他には誰もいない部室で、お互い自然体のまま2人だけの時間を過ごし、少しずつ相手のことを知っていくなかで距離を縮めていく。羊はまだ完全に壁を取っ払ってるわけではありませんが、そこはおいおいハナが削り取っていくか、ぶち破るかして引っ張りだしてくれるでしょう。
はい、こんな感じで、不良と優等生2人の女子高生が織り成すガールズ・ストーリー『私は君を泣かせたい』1巻の紹介でした。とても綺麗で純粋なほのぼのしたストーリーなので読み易かったです。
現時点で2人に恋愛感情はなく、今後芽生えるかも不明ではありますが、ライト百合として読むには十分良く出来ている作品だと思います。
クラスの端から2人の様子を眺めていたい、と言ったらキモチワルイでしょうか?でも、そう思ってしまうぐらい2人の関係は純粋で美しく、ちょっと危ういところもあるけど見守っていきたいと思わせてくれる確かな魅力がありました。
表紙でも描かれているハナの泣き顔とワンコっぽい振る舞いも可愛かったです。2人の行く末が楽しみな作品なので、今後の展開にも期待しています。
私は君を泣かせたい 1 (ヤングアニマルコミックス) | ||||
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