2017年05月19日
漫画『RYOKO』1巻の感想とあらすじ
『RYOKO』1巻の感想。
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/14ee1858.cff12cf6.14ee1859.4255bfb4/?me_id=1213310&item_id=18334904&m=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F5042%2F9784091275042.jpg%3F_ex%3D80x80&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F5042%2F9784091275042.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
RYOKO
著者:三ツ橋 快人
掲載:週刊少年サンデー
1巻発売日:2017年2月17日
低下する日本の食料自給率をなんとかするため、政府はある薬物をあらゆる食材へ投与して回復を計った。ところが、その目論見は思わぬ副作用を生み出したことで失敗に終わり、それによって国から人の姿はほとんど消えてしまうことに・・・。秘薬の投与によって食材は肥大化するも、同時に自我を持ったことで怪物のような姿になり、奴等は人間を襲い出した。被害を恐れた人たちは次々と国を捨て、今では僅かな人たちを残すのみ。
崩壊した国に今なお残るセーラー服を着た少女・料子は、片足を失ったパパと幼い弟との温かな食卓を守るため、日本刀を振るい怪物になった食材たちと戦って野菜や肉などの食料を得ていた。
これは、亡き母との想いを胸に、家族を守るために食材を狩り続けるひとりの少女―料子の話。
食材が薬物投与によって化物になった壊れた世界で、家族との美味しいご飯が並ぶ温かな食卓を守るため、セーラー服を着た少女が日本刀片手に襲い来る食材を狩り続ける姿を描いた物語。
終末の食卓バトルアクション漫画。コミックを読んだきっかけは以前試し読みしたときに、1話ながら面白い設定と世界観に興味を引かれたからですね。
「新世代サンデー賞(SSS賞)」史上初の大賞を受賞したルーキー漫画家・三ツ橋快人さんの連載作品。新人賞の受賞作を本誌で即連載開始されたのは、河合克敏さんの『帯をギュッとね!』、藤田和日郎さんの『うしおととら』以来の快挙だそうです。
「グルメバトル漫画」といえば、代表的なところでは『ミスター味っ子』、『中華一番!』、『食戟のソーマ』など、今も昔も高い人気を誇ってきたことから数多くの名作が生まれ続けていますね。
さらに、グルメバトルではあっても料理対決をするわけではなく、『トリコ』のようなグルメをテーマにしたモンスターとのバトルアクションを描いた作品まで生まれてきました。この作品があまりにも有名になったので、同類の作品もそれなりに存在すると私は思っていたのですが、グルメとアクションを合わせた作品は意外とないものです。
そんな中で登場したのが食卓バトルアクション漫画『RYOKO』。食材になるモンスターを狩って料理する辺りはトリコと似ていますが、違うと言えば全く違う内容で、一味違った面白さでグルメバトルを描いた作品になっています。
なによりもまず強く興味を引かれたのは、食材に滅ぼされかけている日本という『RYOKO』の特殊で独特な世界観。
日本は現実問題として低下する食料自給率の向上という課題を抱えているわけですが、この作品内では日本政府がある思い切った計画を実行に移すも・・・・あえなく失敗。自給率向上のために政府が開発した秘薬をあらゆる食材へ投与すると、肥大化したうえに自我まで芽生えた凶暴な化物と化し、人を襲い始めてしまいました。その結果、国民は次第に減っていき、化物が闊歩する街には主人公たちを残して人間は誰もいなくなってしまいました。
現実とは違って政府が積極的に問題解決に動いたものの、何かしたらしたで取り返しのつかない事態を招き、国民はおろか政府機関まで国を捨てて国外へ逃亡するハメになってしまいましたとさ。
ただ、化物と言っても“にんじん”や“もやし”といった食材であることには変わりなく、狩ることが出来さえすれば食べられます。基本自我はあっても知能は低いのですが、中には高度の知能を有する固体も存在し、とりわけ手強い。
野菜ひとつ手に入れるためにも命懸けの危険が伴い、下手すれば狩るどころか食材の餌食になってしまう恐れを孕んでいるのが、『RYOKO』の世界です。
人がいなくなったことで機能を失い、出歩くことすらままならない危険な世界で、足が不自由な父と幼い弟と一緒に故郷の街に残っているのが、この作品の主人公・料子です。
セーラー服がトレードマークの可愛い少女ですが、片手には中学生とは不釣合いな日本刀。危険だらけの街へ出掛けるのは当然学校へ行くわけではなく、本日の食卓に並べる料理の食材(化物)を“狩る”ため。「師匠」と呼ばれる料子たち家族にとっては唯一のご近所さんの男性から戦い方を学び、化物たちと渡り合っていけてるようです。
崩壊した危険な世界で料子は勇ましく戦う姿を見せますが、家族のもとへ帰れば料理上手な可愛い少女。料子が化物たちと戦ってでもこの街に家族と留まっているのは、警察官だった亡き母と交わした最期の約束を守るため。
良い意味で少年漫画らしさが強い作品なので、読んでると胸が熱くなりますね。絵はクセが若干強いですけど躍動感溢れるバトルシーンは見応えあり、戦う料子はポージングも含めてなかなかカッコイイ。
胸熱シーンは他にも多くありますが、やはりなかでも亡き母との約束を胸に抱きながら戦い、家族と過ごす「日常」の食卓を守ろうとする料子の想いですね。こんな世界になっても温かい食卓を守ろうとした母の遺志を継ぎ、料子の意を汲み取ってくれている家族を守り、食卓を守り、未来へ希望を繋げてる姿は応援したくなります。
あと、料子の戦う姿と家庭での姿の対比が、何気ない日常の有り難味を改めて教えてくれてるようにも思えました。
その日の糧を得るために戦い続ける少女の日常が描かれているバトルマンガ、いかがでしたでしょうか。王道なバトルマンガらしさの中に、サンデーらしさもしっかり組み込んだ作品になってます。
絵はデビューしたばかりなのでまだまだ未完成といった感じで、これからの成長に期待できそう。改善の余地があるとはいっても、現時点でもバトルシーンは迫力ある動きで見応えあり、なによりキャラクターの表情が見事なので、心情描写が少なくてもその表情によって感情が強く伝わってきました。
これからの展開は楽しみですね。正直1話の内容が普通なら中盤・終盤に持ってくるような展開だったので、この先どうなることかと心配だったのですが、むしろ2話以降が面白かった。そして、新たな出会いと新たな敵の襲来によって、料子たちの日常にも変化が現れ、2巻へと続いていきます。
まだ荒さは目立ちますが、今後に大きな期待を持てる作品内容と作者さんだったので、今後も追っていこうと思います。
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RYOKO
著者:三ツ橋 快人
掲載:週刊少年サンデー
1巻発売日:2017年2月17日
低下する日本の食料自給率をなんとかするため、政府はある薬物をあらゆる食材へ投与して回復を計った。ところが、その目論見は思わぬ副作用を生み出したことで失敗に終わり、それによって国から人の姿はほとんど消えてしまうことに・・・。秘薬の投与によって食材は肥大化するも、同時に自我を持ったことで怪物のような姿になり、奴等は人間を襲い出した。被害を恐れた人たちは次々と国を捨て、今では僅かな人たちを残すのみ。
崩壊した国に今なお残るセーラー服を着た少女・料子は、片足を失ったパパと幼い弟との温かな食卓を守るため、日本刀を振るい怪物になった食材たちと戦って野菜や肉などの食料を得ていた。
これは、亡き母との想いを胸に、家族を守るために食材を狩り続けるひとりの少女―料子の話。
食材が薬物投与によって化物になった壊れた世界で、家族との美味しいご飯が並ぶ温かな食卓を守るため、セーラー服を着た少女が日本刀片手に襲い来る食材を狩り続ける姿を描いた物語。
終末の食卓バトルアクション漫画。コミックを読んだきっかけは以前試し読みしたときに、1話ながら面白い設定と世界観に興味を引かれたからですね。
「新世代サンデー賞(SSS賞)」史上初の大賞を受賞したルーキー漫画家・三ツ橋快人さんの連載作品。新人賞の受賞作を本誌で即連載開始されたのは、河合克敏さんの『帯をギュッとね!』、藤田和日郎さんの『うしおととら』以来の快挙だそうです。
「グルメバトル漫画」といえば、代表的なところでは『ミスター味っ子』、『中華一番!』、『食戟のソーマ』など、今も昔も高い人気を誇ってきたことから数多くの名作が生まれ続けていますね。
さらに、グルメバトルではあっても料理対決をするわけではなく、『トリコ』のようなグルメをテーマにしたモンスターとのバトルアクションを描いた作品まで生まれてきました。この作品があまりにも有名になったので、同類の作品もそれなりに存在すると私は思っていたのですが、グルメとアクションを合わせた作品は意外とないものです。
そんな中で登場したのが食卓バトルアクション漫画『RYOKO』。食材になるモンスターを狩って料理する辺りはトリコと似ていますが、違うと言えば全く違う内容で、一味違った面白さでグルメバトルを描いた作品になっています。
なによりもまず強く興味を引かれたのは、食材に滅ぼされかけている日本という『RYOKO』の特殊で独特な世界観。
日本は現実問題として低下する食料自給率の向上という課題を抱えているわけですが、この作品内では日本政府がある思い切った計画を実行に移すも・・・・あえなく失敗。自給率向上のために政府が開発した秘薬をあらゆる食材へ投与すると、肥大化したうえに自我まで芽生えた凶暴な化物と化し、人を襲い始めてしまいました。その結果、国民は次第に減っていき、化物が闊歩する街には主人公たちを残して人間は誰もいなくなってしまいました。
現実とは違って政府が積極的に問題解決に動いたものの、何かしたらしたで取り返しのつかない事態を招き、国民はおろか政府機関まで国を捨てて国外へ逃亡するハメになってしまいましたとさ。
ただ、化物と言っても“にんじん”や“もやし”といった食材であることには変わりなく、狩ることが出来さえすれば食べられます。基本自我はあっても知能は低いのですが、中には高度の知能を有する固体も存在し、とりわけ手強い。
野菜ひとつ手に入れるためにも命懸けの危険が伴い、下手すれば狩るどころか食材の餌食になってしまう恐れを孕んでいるのが、『RYOKO』の世界です。
人がいなくなったことで機能を失い、出歩くことすらままならない危険な世界で、足が不自由な父と幼い弟と一緒に故郷の街に残っているのが、この作品の主人公・料子です。
セーラー服がトレードマークの可愛い少女ですが、片手には中学生とは不釣合いな日本刀。危険だらけの街へ出掛けるのは当然学校へ行くわけではなく、本日の食卓に並べる料理の食材(化物)を“狩る”ため。「師匠」と呼ばれる料子たち家族にとっては唯一のご近所さんの男性から戦い方を学び、化物たちと渡り合っていけてるようです。
崩壊した危険な世界で料子は勇ましく戦う姿を見せますが、家族のもとへ帰れば料理上手な可愛い少女。料子が化物たちと戦ってでもこの街に家族と留まっているのは、警察官だった亡き母と交わした最期の約束を守るため。
良い意味で少年漫画らしさが強い作品なので、読んでると胸が熱くなりますね。絵はクセが若干強いですけど躍動感溢れるバトルシーンは見応えあり、戦う料子はポージングも含めてなかなかカッコイイ。
胸熱シーンは他にも多くありますが、やはりなかでも亡き母との約束を胸に抱きながら戦い、家族と過ごす「日常」の食卓を守ろうとする料子の想いですね。こんな世界になっても温かい食卓を守ろうとした母の遺志を継ぎ、料子の意を汲み取ってくれている家族を守り、食卓を守り、未来へ希望を繋げてる姿は応援したくなります。
あと、料子の戦う姿と家庭での姿の対比が、何気ない日常の有り難味を改めて教えてくれてるようにも思えました。
その日の糧を得るために戦い続ける少女の日常が描かれているバトルマンガ、いかがでしたでしょうか。王道なバトルマンガらしさの中に、サンデーらしさもしっかり組み込んだ作品になってます。
絵はデビューしたばかりなのでまだまだ未完成といった感じで、これからの成長に期待できそう。改善の余地があるとはいっても、現時点でもバトルシーンは迫力ある動きで見応えあり、なによりキャラクターの表情が見事なので、心情描写が少なくてもその表情によって感情が強く伝わってきました。
これからの展開は楽しみですね。正直1話の内容が普通なら中盤・終盤に持ってくるような展開だったので、この先どうなることかと心配だったのですが、むしろ2話以降が面白かった。そして、新たな出会いと新たな敵の襲来によって、料子たちの日常にも変化が現れ、2巻へと続いていきます。
まだ荒さは目立ちますが、今後に大きな期待を持てる作品内容と作者さんだったので、今後も追っていこうと思います。
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