2017年03月07日
漫画『とんがり帽子のアトリエ』1巻の感想とあらすじ
『とんがり帽子のアトリエ』1巻の感想。
とんがり帽子のアトリエ
著者:白浜 鴎
掲載:月刊モーニング・ツー
1巻発売日:2017年1月23日
この世界には魔法が溢れ、それは人々の生活を豊かにする、なくてはならない便利な奇跡。多くの人間はその恵みを享受することしかできず、どれほど強く望もうとも、魔法をかけることができるのは「魔法使い」だけだった。
とある小さな村で仕立て屋を営む母と2人で暮らしている少女・ココは、幼い頃から魔法に強いあこがれを抱いていた。生まれた時から使えない人が魔法使いになることは無理だと聞かされていたが、どうしても諦めきれずにいたココ。
ある日、ココは村に訪れた魔法使いのキーフリーと出会い、魔法をかける瞬間を目撃したことで、秘されていた魔法の使い方を知ってしまう。高まる好奇心を抑えられずに魔法を試し、使えたことに大喜びするココだったが、いろいろ試すなかで発動した魔法が家全体を包んでしまい、母親もそれに巻き込まれてしまった。
キーフリーの申し出により弟子として迎えられたココは、母にかけてしまった魔法を解くため、魔法使いとしての修業の日々を始めることになった。
魔法使いに強いあこがれを抱き、その秘密を知ってしまった少女の、魔法を試してしまったことで訪れる絶望、そして手にした希望にふれる姿を描いた物語。
王道魔法ファンタジー漫画。『エニデヴィ』の著者である白浜鴎さんの新作です。以前試し読み1話の感想をちょろっと書いてからずっと気になっていた作品ということで、この度読み終えた1巻が面白すぎたので改めて感想書かせていただきます。
『魔法使いの嫁』の著者・ヤマザキコレさんも絶賛と聞いたら否応なく期待は膨らんでしまいます。
早速個人的評価を言ってしますと、かなり控えめに言っても「最高」。子供の頃に児童文学などを読んで夢見ていたファンタジーの世界に出会えた気分。『ハリー・ポッター』を始めて読んだときの感動にも近いかもしれません。
年甲斐もなく「魔法」というモノにワクワクしながら読んでしまいました。タイトルにもある“とんがり帽子”、魔法使いを表すトレードマークのようなモノだとずっと思っていましたが、思い返してみると近年の漫画、小説、ゲームに登場する魔法使いで被ってるキャラクターはほとんど見なくなりましたね。これだけでもちょっとテンションが上がります。
『とんがり帽子のアトリエ』の世界には魔法が溢れ、特別なモノではあっても人々を助けるためになくてはならない便利な奇跡として、あることが当然とされています。ただ、その仕組み自体は解っておらず、魔法を使えるのも生まれながらに素養を持つ「魔法使い」だけ、普通の人が使うことは叶わない奇跡・・・というのが常識。
しかし、それは魔法使いたちが魔法の秘密を隠すために広げた偽りの事実。実際は特殊なインクとペン、そして決められた図形の組み合わせさえ知っていれば、素養も何も関係なく誰でも使うことが可能。魔法陣の出来栄えの良さが、そのまま魔法の強さや効果にも直結されます。つまり、この世界の魔法はかけるものではなく「描くもの」、ということです。図形の組み合わせなどについては、巻末に「魔法陣入門」が記載されています。
読んでると、主人公のココが感じてる溢れるワクワク感が伝染してくるようです。金髪の可憐な少女であるココは、魔法に強い憧れを抱いていることを除けばどこにでもいる普通の女の子。魔法のことを考えるだけで「はわわん」とキラキラし、魔法のかかった道具を見れば目を輝かせて大興奮。
そんなココが秘密を知り、はじめてその手で魔法を発動させることに成功すると、「きゃー、きゃー・・・」と部屋の中を駆けずり回って大はしゃぎ、でも本当は見てはいけない魔法を見てしまったことに頭を抱え、しかし溢れる好奇心は抑えきれず「もう1回・・・」とのめり込む。はじめての体験はどんなことでもワクワクするものですけど、ココの場合はそれだけではなく、無理だと言われてもずっと諦め切れなかった夢ですから、その喜びが体全体に現れるのも当然ですね。まあ、その後に知らないことが原因で彼女に絶望が襲ってくるわけですけど、同時に大きな希望も手にすることになります。
高い画力によって描かれた絵からもファンタジーが溢れています。1枚1枚が絵本の挿絵のような味わいがあるので、絵だけでも楽しめ、膨らむ想像が止められません。
作品内容にマッチした精緻な絵は美しく世界を彩り、幻想劇な風景、個性的なキャラクター、1コマごとの背景絵も丁寧に描かれています。キャラクターの表情もコロコロ変わるので感情の変化や起伏が分かりやすいのも良かったですね。ファンタジー作品における絵の重要性はかなり大きいと思いますが、この作品に関しては「素晴らしい」の一言です。
昔懐かしい王道ファンタジーですね。ここ最近読んだ中では文句なしでナンバーワンと絶賛できる作品。ストーリー、キャラクター、世界観、絵、どの要素も大好きです。若い子はもちろんのこと、大人にこそ読んでもらいたいと思わせてくれるワクワク感がありました。
魔法使いの世界に足を踏み入れたココ、師匠を得て、共に魔法を学ぶ3人の見習い仲間も出来、これから魔法によって様々な物事に関わっていくのですが、1巻ラストでいきなり降りかかる困難。ココが幼い頃に出会い、再び目の前に現れた謎の仮面の魔法使いは、敵か味方か何が目的なのか、とても気になります。
とんがり帽子をかぶったカワイイ魔法使いの物語、2巻以降も期待しています。
【eBookJapan】 とんがり帽子のアトリエ
↑登録不要で試し読みできます
とんがり帽子のアトリエ
著者:白浜 鴎
掲載:月刊モーニング・ツー
1巻発売日:2017年1月23日
この世界には魔法が溢れ、それは人々の生活を豊かにする、なくてはならない便利な奇跡。多くの人間はその恵みを享受することしかできず、どれほど強く望もうとも、魔法をかけることができるのは「魔法使い」だけだった。
とある小さな村で仕立て屋を営む母と2人で暮らしている少女・ココは、幼い頃から魔法に強いあこがれを抱いていた。生まれた時から使えない人が魔法使いになることは無理だと聞かされていたが、どうしても諦めきれずにいたココ。
ある日、ココは村に訪れた魔法使いのキーフリーと出会い、魔法をかける瞬間を目撃したことで、秘されていた魔法の使い方を知ってしまう。高まる好奇心を抑えられずに魔法を試し、使えたことに大喜びするココだったが、いろいろ試すなかで発動した魔法が家全体を包んでしまい、母親もそれに巻き込まれてしまった。
キーフリーの申し出により弟子として迎えられたココは、母にかけてしまった魔法を解くため、魔法使いとしての修業の日々を始めることになった。
魔法使いに強いあこがれを抱き、その秘密を知ってしまった少女の、魔法を試してしまったことで訪れる絶望、そして手にした希望にふれる姿を描いた物語。
王道魔法ファンタジー漫画。『エニデヴィ』の著者である白浜鴎さんの新作です。以前試し読み1話の感想をちょろっと書いてからずっと気になっていた作品ということで、この度読み終えた1巻が面白すぎたので改めて感想書かせていただきます。
『魔法使いの嫁』の著者・ヤマザキコレさんも絶賛と聞いたら否応なく期待は膨らんでしまいます。
早速個人的評価を言ってしますと、かなり控えめに言っても「最高」。子供の頃に児童文学などを読んで夢見ていたファンタジーの世界に出会えた気分。『ハリー・ポッター』を始めて読んだときの感動にも近いかもしれません。
年甲斐もなく「魔法」というモノにワクワクしながら読んでしまいました。タイトルにもある“とんがり帽子”、魔法使いを表すトレードマークのようなモノだとずっと思っていましたが、思い返してみると近年の漫画、小説、ゲームに登場する魔法使いで被ってるキャラクターはほとんど見なくなりましたね。これだけでもちょっとテンションが上がります。
『とんがり帽子のアトリエ』の世界には魔法が溢れ、特別なモノではあっても人々を助けるためになくてはならない便利な奇跡として、あることが当然とされています。ただ、その仕組み自体は解っておらず、魔法を使えるのも生まれながらに素養を持つ「魔法使い」だけ、普通の人が使うことは叶わない奇跡・・・というのが常識。
しかし、それは魔法使いたちが魔法の秘密を隠すために広げた偽りの事実。実際は特殊なインクとペン、そして決められた図形の組み合わせさえ知っていれば、素養も何も関係なく誰でも使うことが可能。魔法陣の出来栄えの良さが、そのまま魔法の強さや効果にも直結されます。つまり、この世界の魔法はかけるものではなく「描くもの」、ということです。図形の組み合わせなどについては、巻末に「魔法陣入門」が記載されています。
読んでると、主人公のココが感じてる溢れるワクワク感が伝染してくるようです。金髪の可憐な少女であるココは、魔法に強い憧れを抱いていることを除けばどこにでもいる普通の女の子。魔法のことを考えるだけで「はわわん」とキラキラし、魔法のかかった道具を見れば目を輝かせて大興奮。
そんなココが秘密を知り、はじめてその手で魔法を発動させることに成功すると、「きゃー、きゃー・・・」と部屋の中を駆けずり回って大はしゃぎ、でも本当は見てはいけない魔法を見てしまったことに頭を抱え、しかし溢れる好奇心は抑えきれず「もう1回・・・」とのめり込む。はじめての体験はどんなことでもワクワクするものですけど、ココの場合はそれだけではなく、無理だと言われてもずっと諦め切れなかった夢ですから、その喜びが体全体に現れるのも当然ですね。まあ、その後に知らないことが原因で彼女に絶望が襲ってくるわけですけど、同時に大きな希望も手にすることになります。
高い画力によって描かれた絵からもファンタジーが溢れています。1枚1枚が絵本の挿絵のような味わいがあるので、絵だけでも楽しめ、膨らむ想像が止められません。
作品内容にマッチした精緻な絵は美しく世界を彩り、幻想劇な風景、個性的なキャラクター、1コマごとの背景絵も丁寧に描かれています。キャラクターの表情もコロコロ変わるので感情の変化や起伏が分かりやすいのも良かったですね。ファンタジー作品における絵の重要性はかなり大きいと思いますが、この作品に関しては「素晴らしい」の一言です。
昔懐かしい王道ファンタジーですね。ここ最近読んだ中では文句なしでナンバーワンと絶賛できる作品。ストーリー、キャラクター、世界観、絵、どの要素も大好きです。若い子はもちろんのこと、大人にこそ読んでもらいたいと思わせてくれるワクワク感がありました。
魔法使いの世界に足を踏み入れたココ、師匠を得て、共に魔法を学ぶ3人の見習い仲間も出来、これから魔法によって様々な物事に関わっていくのですが、1巻ラストでいきなり降りかかる困難。ココが幼い頃に出会い、再び目の前に現れた謎の仮面の魔法使いは、敵か味方か何が目的なのか、とても気になります。
とんがり帽子をかぶったカワイイ魔法使いの物語、2巻以降も期待しています。
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