2016年12月01日
漫画『スピーシーズドメイン』1巻の感想とあらすじ
『スピーシーズドメイン』1巻の感想。
スピーシーズドメイン
著者:野呂 俊介
掲載:少年チャンピオン
1巻発売日:2014年7月8日
異世界の種族との取り替え子がごく稀に起こることから、エルフやドワーフなどの亜人と普通の人間が共存する現代世界。
取り替え子であるエルフの女子高生・風森さんは、美しい容姿と神秘的で森厳な雰囲気を纏うことから、周囲の人たちから魔法を使えるのではないかと思われていた。しかし、そんな能力があるわけもなく、「使えないわよ、ちっくしょーッ!」と1人頭を抱えて思い悩んでいた。
ある日、風森さんはいつものように屋上でぼっち飯をとっていると、気づかなかった先生に鍵を閉められてしまう。たまたま階段にいたクラスメイトの大磯くんに助けを求めると、なんと扉をすり抜けて目の前に・・・。魔法なのではと詰め寄る風森さんに対し、科学の力だと言い張る大磯くん。
独創科学を生み出す謎のクラスメイトに関わったことで、孤高だった風森さんの周囲には人が集まり始め、次第に賑やかな日常へと変わっていく。
魔法に憧れるエルフの取り替え子である少女と、魔法を否定する科学バカ少年の奇妙な関係を築く2人が、周囲の亜人や人間の友人たちと送る学園生活を描いた物語。
現代を舞台にしたファンタジー学園ラブコメディ。亜人×科学×学園×ラブ?コメディですね。一応ラブコメと謳ってはいましたけど、1巻時点ではその要素はあまり伺うことはできず、どちらかと言うと風森さんと周囲の人達によるドタバタ劇といった感じでした。
面白い設定によって作られた世界観ですね。亜人や異世界の住人が人間と共存している世界観ある作品は最近よく目にします。異種族間での交流と銘打って人間世界に訪れたり、突然変異として生まれてきたりと、共存するきっかけは様々。
この作品での亜人たちは、ヨーロッパの伝承に残る『取り替え子(チェンジリング)』――人間の子供が連れ去られ、代わりに置いていかれたエルフやドワーフの子供のこと――によって、人間世界に訪れたようです。取り替え子である純血の亜人と、その亜人の子である混血の亜人の2種類が存在します。
さらにもう一味加えられており、通常このような作品では亜人やモンスターごとの身体的・種族的特性や能力を発揮するものですが、本作ではこちらの世界に来た場合、見た目が亜人なだけで能力的な部分に関しては人間とさほど変わりません。エルフだからといって魔法が使えるわけでも生まれながらの弓の名手というわけでもなければ、羽が生えてるからといって空を飛ぶこともできません。
この物語の主人公である風森さんは、整った美しい顔立ちを、尖った耳、リーフの髪留めが特徴的な、取り替え子のエルフ。見た目だけではなく、纏う空気も神秘的かつ森厳な雰囲気というまさにエルフなのですが、彼女は意識的にエルフっぽく振舞っているようです。周りの期待するエルフ像に合わせているというだけでなく、エルフに憧れる中二病を患ったエルフという感じにも見えましたね。
周囲からは魔法を使えるんじゃないかと噂されますが、当然使えません。本人は幼い頃から魔法に憧れを持ち、今でも完全には諦め切れてないようです。
能力を一切仕えなくなるという設定に興味は持ったものの、正直亜人モノならやっぱり多少使えたほうが面白くなるんじゃないかとも思いました。
しかし、大磯という男子生徒の登場でこの設定に納得。彼は、非科学的なことは一切信じようとしない独創科学を生み出す科学バカです。理論上は可能でも事実上不可能とされる事象まで科学の力で実現させてしまうとんでもない人。火を起こすなんてことは朝飯前、風を吹かせたり、パンチ力増強シューズを作ったり、壁をすり抜ける荒業まで「科学の力だ!」と言い張って難なくこなしてしまいます。
彼の科学力を目の当たりにしてしまったため、風森さんのエルフっぽいクールな仮面は剥がされ、風を操る装置を懇願するなど次第にキャラの崩壊をまねいていきます。
科学は時に魔法のように見えると言われますが、それを能力の使えない亜人設定に被せてきたのは面白い。
他にもイカロス(翼人)の羽井さん、ドワーフの土和ちゃん、オーガの魅重義くんなどの亜人や、人間の田中や蛍樹さんなど愉快な登場人物多数。
ドワーフは女の子でも立派なヒゲを蓄えていますが、土和ちゃんはとてもキュートな女の子でした。羽井さんも風森さんとお近づきになりたくて必死な感じが面白い。
今後の展開次第ではラブ要素も濃くなっていくかもしれませんが、1巻は基本ギャグで話が進んでいきます。個性豊かなキャラ同士のテンポの良い会話が主ですね。
様々な亜人を見るだけでも楽しく、2巻以降新キャラが出てきてくれたらと期待。羽井さんや土和ちゃん、蛍樹さんなど可愛い子が多く登場し、その中でも私は風森さんが一番気に入ってます。一見クール、実は表情コロコロ変える感情表現豊かな子。友達のいなかった彼女が次第に周囲と溶け込んでいく様子は微笑ましいです。
亜人モノ、学園モノが好きな人なら楽しめると思いますので、よければ読んでみてください。
【eBookJapan】 スピーシーズドメイン
↑無料で立ち読みできます
スピーシーズドメイン
著者:野呂 俊介
掲載:少年チャンピオン
1巻発売日:2014年7月8日
異世界の種族との取り替え子がごく稀に起こることから、エルフやドワーフなどの亜人と普通の人間が共存する現代世界。
取り替え子であるエルフの女子高生・風森さんは、美しい容姿と神秘的で森厳な雰囲気を纏うことから、周囲の人たちから魔法を使えるのではないかと思われていた。しかし、そんな能力があるわけもなく、「使えないわよ、ちっくしょーッ!」と1人頭を抱えて思い悩んでいた。
ある日、風森さんはいつものように屋上でぼっち飯をとっていると、気づかなかった先生に鍵を閉められてしまう。たまたま階段にいたクラスメイトの大磯くんに助けを求めると、なんと扉をすり抜けて目の前に・・・。魔法なのではと詰め寄る風森さんに対し、科学の力だと言い張る大磯くん。
独創科学を生み出す謎のクラスメイトに関わったことで、孤高だった風森さんの周囲には人が集まり始め、次第に賑やかな日常へと変わっていく。
魔法に憧れるエルフの取り替え子である少女と、魔法を否定する科学バカ少年の奇妙な関係を築く2人が、周囲の亜人や人間の友人たちと送る学園生活を描いた物語。
現代を舞台にしたファンタジー学園ラブコメディ。亜人×科学×学園×ラブ?コメディですね。一応ラブコメと謳ってはいましたけど、1巻時点ではその要素はあまり伺うことはできず、どちらかと言うと風森さんと周囲の人達によるドタバタ劇といった感じでした。
面白い設定によって作られた世界観ですね。亜人や異世界の住人が人間と共存している世界観ある作品は最近よく目にします。異種族間での交流と銘打って人間世界に訪れたり、突然変異として生まれてきたりと、共存するきっかけは様々。
この作品での亜人たちは、ヨーロッパの伝承に残る『取り替え子(チェンジリング)』――人間の子供が連れ去られ、代わりに置いていかれたエルフやドワーフの子供のこと――によって、人間世界に訪れたようです。取り替え子である純血の亜人と、その亜人の子である混血の亜人の2種類が存在します。
さらにもう一味加えられており、通常このような作品では亜人やモンスターごとの身体的・種族的特性や能力を発揮するものですが、本作ではこちらの世界に来た場合、見た目が亜人なだけで能力的な部分に関しては人間とさほど変わりません。エルフだからといって魔法が使えるわけでも生まれながらの弓の名手というわけでもなければ、羽が生えてるからといって空を飛ぶこともできません。
この物語の主人公である風森さんは、整った美しい顔立ちを、尖った耳、リーフの髪留めが特徴的な、取り替え子のエルフ。見た目だけではなく、纏う空気も神秘的かつ森厳な雰囲気というまさにエルフなのですが、彼女は意識的にエルフっぽく振舞っているようです。周りの期待するエルフ像に合わせているというだけでなく、エルフに憧れる中二病を患ったエルフという感じにも見えましたね。
周囲からは魔法を使えるんじゃないかと噂されますが、当然使えません。本人は幼い頃から魔法に憧れを持ち、今でも完全には諦め切れてないようです。
能力を一切仕えなくなるという設定に興味は持ったものの、正直亜人モノならやっぱり多少使えたほうが面白くなるんじゃないかとも思いました。
しかし、大磯という男子生徒の登場でこの設定に納得。彼は、非科学的なことは一切信じようとしない独創科学を生み出す科学バカです。理論上は可能でも事実上不可能とされる事象まで科学の力で実現させてしまうとんでもない人。火を起こすなんてことは朝飯前、風を吹かせたり、パンチ力増強シューズを作ったり、壁をすり抜ける荒業まで「科学の力だ!」と言い張って難なくこなしてしまいます。
彼の科学力を目の当たりにしてしまったため、風森さんのエルフっぽいクールな仮面は剥がされ、風を操る装置を懇願するなど次第にキャラの崩壊をまねいていきます。
科学は時に魔法のように見えると言われますが、それを能力の使えない亜人設定に被せてきたのは面白い。
他にもイカロス(翼人)の羽井さん、ドワーフの土和ちゃん、オーガの魅重義くんなどの亜人や、人間の田中や蛍樹さんなど愉快な登場人物多数。
ドワーフは女の子でも立派なヒゲを蓄えていますが、土和ちゃんはとてもキュートな女の子でした。羽井さんも風森さんとお近づきになりたくて必死な感じが面白い。
今後の展開次第ではラブ要素も濃くなっていくかもしれませんが、1巻は基本ギャグで話が進んでいきます。個性豊かなキャラ同士のテンポの良い会話が主ですね。
様々な亜人を見るだけでも楽しく、2巻以降新キャラが出てきてくれたらと期待。羽井さんや土和ちゃん、蛍樹さんなど可愛い子が多く登場し、その中でも私は風森さんが一番気に入ってます。一見クール、実は表情コロコロ変える感情表現豊かな子。友達のいなかった彼女が次第に周囲と溶け込んでいく様子は微笑ましいです。
亜人モノ、学園モノが好きな人なら楽しめると思いますので、よければ読んでみてください。
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