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2023年07月15日

515番:ジュール叔父さん(4)

 
『ジュール叔父さん』(4)


−−−−−−−−−−−【4】−−−−−−−−−−−−−

  Ma mère souffrait beaucoup de la gêne où nous vivions,
et elle trouvait souvent des paroles aigres pour son mari,
des reproches voilés et perfides. Le pauvre homme avait
alors un geste qui me navrait.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−

 母は私たちの生活のやりくりにはたいそう苦しみました.
そしてしばしば夫に苦い言葉をみつけては、陰険な含みの
ある責めを浴びせるのでした.気の毒な父を見ると私は胸
をえぐられました.


−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

souffrait <souffrir (自) 苦しむ、痛みを覚える
  Elle a beaucoup souffert pendant sa maladie.
彼女は病気の間相当苦しんだ.
  〘de〙のために苦しむ、(を)患っている
≪D'où souffrez-vous ?−−Je souffre de la tête. ≫
≪どこが具合悪いのですか?−−頭痛がするのです.≫
gêne (f) (肉体的な) 不自由、困難 ❷ 迷惑、面倒
 ❸ 金に困ること、不如意 ❹ 気づまり、気兼ね 
voilé(e)(s)(形) 覆いのかかった、ベールをつけた、
 ❷不明瞭な、あいまいな
   parler en termes voilé  ぼかした言葉 [比喩、
   ほのめかしなど] でしゃべる
perfide (形) 不実な、裏切る ❷偽りの、陰険な
ami perfide 腹黒い友
aigre (形) ❶すっぱい、❷(音、声が)鋭い、甲高い(→aigu)
❸(生格、言葉などが)気難しい、辛辣な、とげとげしい 
(m) 酸味
reproches [rprɔʃ](m) 非難、批判
navrait <navrer (他) ひどく悲しませる、胸をえぐる、困らせる
  (多くは受動態で))
geste [ジェスト](m) ❶身振り、しぐさ ❷行ない、行為、態度
 s'exprimer par gestes / 身振りで表現する
avoir le geste noble / 物腰が上品である.


514番:「ハイデルベルク物語」のご紹介

ハイデルベルク物語

戯曲「アルトハイデルベルク」は小説・「ハイデルベルク物語」を
書いたあとに作られました.どんなものなのか少しご紹介させて
いただきます.実は書きかけて、途中で投げてしまって、今は
オクラ入りになったものです.


GESCHICHTE
  VON
ALT-HEIDELBERG

ハイデルベルク物語(1)


1.  Karl Heinlich

−−−−−−−−− 【1】−−−−−−−−−−−−

In Karlsburg* , einer kleinen Stadt im Norden Deutsch-
lands, lebte in den achtziger* Jahren des letzten Jahrhun-
derts* ein einsamer Fürst,* der nur einen einzigen Sohn
hatte. Den Sohn eines Fürsten nennt man einen Prinzen,
und wenn er der älteste Sohn ist, dann ist er der Kronprintz
oder der Erbprinz. Dieser Prinz, von dem die Geschichte
handelt, hieß Karl Heinrich.


−−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−

 カールスブルク−−そこは北ドイツにある小さな町な
のですが、ここに前世紀80年代(1880年代)、たっ
た一人の息子をもつ孤独な君主が住んでいました.一人の
君主の息子は王子と呼ばれました.そして長男だったため、
皇太子、つまり君主のあと継ぎでした.この物語が扱うこ
の王子の名前はカール・ハインリヒと言いました.


−−−−−−−−−−− 《語句》−−−−−−−−−−−−−

Karlsburg:ドイツ北部の小都市という設定、こちらはハイデ
  ルベルクと違って架空の地名.同名の地名がドイツには
  複数実在するが、これらとは別.
achtziger:「80年代の」.数字では 80er と書く.
des letzten Jahrhunderts:「前世紀の」.この場合は19世紀.
einsamer:(形) ❶孤独な、さびしい、❷人里離れた、
   ❸人のいない、ここでは❶「孤独な」の意味
Fürst:「公爵」「領主」「君主」「大公」.ドイツは1871年に国家
   統一. 
einzigen:(男性混合A格語尾)
      <einzig (形)唯一の、ただ一つの
nennt:(3単現) <nennen (A格をA格と) 呼ぶ、名づける、言う 
Prinzen:(男単A)<Prinz(弱)王子、皇子
Erbprinz:(男)(弱) 皇太子、(王侯の)世継ぎ
hieß:(過去3単) <heißen 不規則動詞(heißen=hieß=geheißen)
    (自) 〜という名前である
    (他) 〜という意味である、を意味する
  Wie heißen Sie ? お名前は?
  Was heißen Sie ? どういうこと?      
しかし区別なく同じように使われています.


−−−−−−−−−−−≪解説≫−−−−−−−−−−−−−−−−

この物語のもとになっているのはマイヤー・フェルスター
(1862-1934)が1899年に発表した小説『カール・ハインリヒ』
です.これが好評を博したため、これをもとに5幕の戯曲を書いた
のが、今学習中の『アルト・ハイデルベルク』です.
 そして元の小説から、私たち初学者のために、やさしく書き直さ
れたのがこれから読む『アルト・ハイデルベルク物語』です.『ア
ルト・ハイデベルク』と並行して読むのは楽しいと思って、スター
トさせました.
 学習はどうしても、難所にくると、投げ出してしまうものですが、
そうならないように、敢えて似たもの同士を並行学習する作戦を立
てました.


アルト・ハイデルベルク物語(2)


−−−−−−−−−−− 【2】−−−−−−−−−−−−−

 In der kleinen Zeitung*1, die jeden Sonnabend in Karls-
burg erschien*2, stand eines Jahres im Monat April die Nach-
richt*3, daß der Prinz sein Examen am Gymnasium*⁴ bestanden
habe und daß er am 1. Mai auf ein Jahr* nach Heidelgerg*
reisen würde, um dort die Universität zu besuchen. Dr. *
Jüttner, der acht Jahre Privatlehrer des Prinzen gewesen
war, sollte ihn begleiten*⁶.


−−−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−−

 カールスブルクで毎土曜日に発行される小さな新聞にある年の
4月、王子が大学入学試験に合格し、5月1日、向こう1年間の
予定で留学のためハイデルベルク訪問することになった旨が載り
ました.8年間王子の家庭教師だったユットナー博士が同行する
こととなりました.

..−−−−−−−−−− 《語句》−−−−−−−−−−−−−

*1) die Zeitung:(弱) 新聞、
*2) erschien:(過去3単) <erschein (自) 現れる、出版される、
*3) die Nachricht:(弱) 知らせ、ニュース;(複) ニュース番組 
*4) das Gymnasium:(_s/複123⁴Gymnasien) ギムナジウム
     9年制高等学校(小学校と大学の間の教育機関)
das Examen am Gymnasium:ギムナジウムの卒業試験
     ドイツではギムナジウムを卒業すると、無試験でどこの
     大学にでも入ることができるそうです.
*5) bestanden:(過去分詞) <bestehen (他) (試験などに) 合格する 
(bestehen=bestand=bestanden)
*6) begleiten:(他) (Akkに) 同行する



アルト・ハイデルベルク物語(3)


−−−−−−−−−−− 【3】−−−−−−−−−−−−−

 Einen Tag vor der Abreise wurde Dr. Jüttner zu dem
Fürsten gerufen. Der Fürst sagte:„Der Prinz geht nicht
zum Vergnügen nach Heidelberg. Ich wünsche, daß er
fleißig studiert und ein geregeltes Leben führt. Haben Sie
mich verstanden ? “
Dr. Jüttner war fünfunddreißig Jahre alt, aber er sah
wenigstens fünf Jahre älter aus.


−−−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−−

出発の1日前、ユットナー博士は大公殿下に呼ばれました.
大公は言いました:「王子はリクレーションでハイデルベル
クへ行くのではないのです.王子には勤勉に学問に励み、規
則を遵守した生活をしてもらいたいのだ.おわかりいただけ
たかな?」
 ユットナー博士は35歳でしたが、いくぶんその歳より老け
てみえました.

..−−−−−−−−−− 《語句》−−−−−−−−−−−−−

die Abreise:(弱、複稀) 旅立ち、出発
der Fürst:(弱) 大公
das Vergnügen:(単ノミ) 楽しみ、喜び



     
アルト・ハイデルベルク物語(4)


−−−−−−−−−−− 【4】−−−−−−−−−−−−−

Er sagte oft:„Mein Unglück war, daß ich in dieses traurige Schloß
kam. Die Luft ist hier so schwer und dick, daß man kaum atmen
kann. Früher war ich ein lustiger, freier Mensch, aber jetzt bin ich
krank.“

−−−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−−

博士はしばしば言っていました:「私の不幸はこの痛ましい城に
やって来たことだ.ここではとても空気が重たくて厚いので、
息をするのもままならない.かつては私も愉快で自由な人間だっ
たのだが、今では病人だ.


..−−−−−−−−−− 《語句》−−−−−−−−−−−−−

das Unglück:(Eタイプ) ❶ (大規模な) 事故
❷(単ノミ)不幸、不運
traurige:(形) 悲しい
kaum:ほとんど〜ない
atmen:(自) 呼吸する、 (空気など⁴を) 吸い込む
früher:(副) 以前、かつて、昔
lustiger:右矢印1 lustig (er = 男弱N):(形) ❶愉快な、陽気な
                  ❷おもしろい
freier:右矢印1 frei (er = 男弱N):(形) 自由な
der Mensch (弱) 人間、人、 ein guter Mensch いい人
krank:(形) 病気の、



     
アルト・ハイデルベルク物語(5)


−−−−−−−−−−− 【5】−−−−−−−−−−−−−

 Dr. Jüttner trank sehr gerne Bier, aber weil er unglücklich
war, trank er zu viel. Deshalb war er sehr dick geworden.
Er litt außerdem an Asthma und konnte kaum atmen.
Sein Freund, der Arzt Dr. Schneider, sagte zu ihm:


−−−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−−

ユットナー博士はビールを飲むのが大好きでした.でも
博士は不幸な気持ちだったので、飲み過ぎをしていました.
それだから博士はずんぐり太ってしまいました.その上、
喘息にかかっていて、もう息をするのもたいへんでした.
友人のシュナイダー医師が博士に言いました:


..−−−−−−−−−− 《語句》−−−−−−−−−−−−−

deshalb:(副) それゆえに、それだから
litt:(過去形) <leiden [an + Dat](病気3に)かかっている.
  Er leidet an Schlaflosigkeit. / 彼は不眠症だ.
außerdem:(副) その上、更に 
Das Asthma:[アストマ](単ノミ) 喘息


..−−−−−−−−−− ≪感想≫−−−−−−−−−−−−−

本編の戯曲『アルト・ハイデルベルク』を補う情報が学べて
たのしい学習教材です.尚、er を「彼」と訳すのが忠実な訳
で、独検などでは、そうしていただきたいです.ここでは日
本語があまり不自然にならないよう「博士」に変えました.


     
アルト・ハイデルベルク物語(6)


−−−−−−−−−−− 【6】−−−−−−−−−−−−−

„Heidelberg wird dir gut tun. Da wirst du wieder apazieren-
gehen und Berge steigen, und dann wirst du wieder gesund.“


−−−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−−

 「ハイデルべルクなら君にはいいだろう.そうすれば、
また散歩もして山登りもするだろう、そしたら再び健康
を取り戻すだろう.」


..−−−−−−−−−− 《語句》−−−−−−−−−−−−−

tun:(他) [影響などを] 及ぼす; 基本的な意味=「する」
  Das tut nichts. / それはかまわない.
  Das Medikament tut seine Wirkung. / 薬が効果を発揮する.
Heidelberg wird dir gut tun:ハイデルベルクが君に(君の健康に)
            良いふうになるだろう.
  →ハイデルベルクに行くのが君の健康にはよいだろう.


アルト・ハイデルベルク物語(7)

第2章:ユットナー博士
 2. Doktor Jüttner

−−−−−−−−−−− 【7】−−−−−−−−−−−−−

Nach seiner Audienz bei dem Fürsten ging Dr. Jüttner
auf sein Zimmer. Er freute sich, daß diese acht Jahre
endlich vorbei waren. Auf dem Tisch stand eine Flasche
Wein. Dr. Jüttner setzte sich in einen bequemen Stuhl,
schlug ein Bein über das andere*, trank ein Blas Wein
und faltete die Hände.


−−−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−−

大公殿下のところで謁見を済ませて、ユットナー博士は自分の
部屋に行きました. 博士はこの8年間がやっと終わったこと
を嬉しく思っていました.テーブルの上に1本のワインがあり
ました. ユットナー博士は
 


..−−−−−−−−−− 《語句》−−−−−−−−−−−−−

die Audienz:(弱en) 謁見
auf:(A格支配で) 〜へ; auf ~ gehen 〜へ行く
freute sich:(過去3単)<sich⁴ freuen よろこぶ、うれしく思う.
vorbei:(副) 過ぎ去って、終わって.
  Der Schmerz ist vorbei. / 痛みはなくなった.
Diese Mode ist schon vorbei. / この流行はもうすたれた.
  Mit uns ist es vorbei. / 私たちの仲はもうおしまいだ.
bequem:(形)[ベクヴェーム] 快適な; ein bequem Atuhl / 座り心地のいい椅子、
bequeme Kleidung / 着やすい衣服
setzen sich⁴+ 方向:〜に座る;Anke setzt sich auf den Stuhl. / アンケは椅子に座る.
   「座っている」という状態を言う場合は「sitzen」を用いる.
schlug:(過去形) <schlagen
schlug ein Bein über das andere:

2023年07月14日

513番:ジュール叔父さん(3)


ジュール叔父さん(3)


−−−−−−−−−−【3】−−−−−−−−−−−−−−

Ma famille, originaire du Havre, n'était pas riche.
On s' en tirait, voilà tout. Le père travaillait, rentrait
tard du bureau et ne gagnait pas grand'chose. J'avais
deux sœurs.


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−

 私の家族は、ルアーブルの出なのだが豊かな家では
なかった.苦しい生活をなんとか凌いできた、ただそ
れだけのことだ.父は働いて勤め先からは遅く帰宅し
たが、たいした稼ぎではなかった.私には2人の姉妹
がいた.


−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

originaire (形) originaire de + 地名 @ 〜出身の、
〜生まれの、 〜産の、 〜に起源を持つ
  右向き三角1 Elle est originaire de Marseille. / 彼女はマルセイユ出身だ.
   une plante originaire d'Afrique / アフリカ原産の植物
  A元からの、最初の; 生まれつきの
s' en tirait (半過去) <s'eh tirer (困難などを) 切り抜ける
voilà tout:c'est tout と同じく「それだけのことだ」
  列挙や陳述の終わりに用いて、それまでに挙げたこ
  とが、たいしたことじゃない、と言い示す. 

512番:アルト・ハイデルベルク(156)


𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌
       
アルト・ハイデルベルク(156)



−−−−−−−−−−−−【156】−−−−−−−−−−−−−−−

Karl Heinrich: Lauf, zieh Dein weißes Kleid an. Es muss alles.
.......................anders werden, Käthie, tausendmal lustiger und
.......................tausendmal toller. Es isi immer noch nachzuholen,
.......................für zwanzig verlorene Jahre ! (Fast bitter.) Das ist,
.......................zum Henker, nicht leicht !

.........Käthie: Wie meinst [Du] das ?

Karl Heinrich: (wieder lustig). Gar nichts mein ich. Galopp, Käthie 
........................Kleid an, Hut auf und dann los !

.........Käthie: Nach Neckargemünd ?

Karl Heinrich: Und morgen nach Paris.

.........Käthie: (ab)

Karl Heinrich: (allein, pfeift eine Melodie). Was gibt es ?

............Lutz: (ist wieder hereingekommen). Eure Durchlaucht !
        
Karl Heinrich: (gleichgültig). Andere Stiefel her, Lutz, und den
.......................leinenen Anzug.

............Lutz: Eure Durchlaucht !

Karl Heinrich: Was ist ?

............Lutz: Seine Exzellenz ist da !

Karl Heinrich: Welche Exzellenz ?

............Lutz: Seine Exzellenz der Herr Staatsminister !

Karl Heinrich: Sie sind wohl verrückt !

............Lutz: Seine Exzellenz der Herr Staatsminister von Haugk.

Karl Heinrich: Lutz. Sie sind. Sie...

............Lutz: (tritt an die Tür, öffnet). Seine Exzellenz, der Herr
.......................Staatsminister von Haugk. (Dann ab.)


−−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

.カール・ハインリヒ: さあ、走っていってあの白いドレスを着ておいで.
......................すべてが生まれ変わるんだ、ケティー.今より千倍
......................楽しく、千倍素敵にならなきゃ.失われた20年間は
......................まだ取り返しがきくのさ.(もう苦々しくさえなって)
......................ちくしょう!これは楽じゃない!

....ケティー: どういうことよ?

.カール・ハインリヒ: (再び明るくなって) 何でもないさ.ケティー、
......................さあ、駆け足で行ってくれ.ドレスを着て、帽子を
......................かぶったら、そしたら出発だ!
.
....ケティー: ネッカーゲンミュントへ行くのね?

.カール・ハインリヒ: そして明日はパリだ.

....ケティー: (退場)

.カール・ハインリヒ: (ひとり、口笛で何かのメロディ−を吹く)
......................どうしたのだ?

.......ルッツ: (再び入ってきて) 殿下!

.カール・ハインリヒ: (意に介さず) ああ、ルッツ、別の長靴を出して
......................くれないか.それとリンネルのスーツをたのむ.
        
.......ルッツ: 殿下!

.カール・ハインリヒ: どうした?

.......ルッツ: 閣下がお見えになりました!

.カール・ハインリヒ: どこの閣下が?

.......ルッツ: 国務大臣閣下です!

.カール・ハインリヒ: 気でも狂ったか!

........ルッツ: 国務大臣、フォン・ハウク閣下です.

.カール・ハインリヒ: ルッツ、君は、君は...

........ルッツ: (ドアに歩み寄って開ける)フォン・ハウク国務大臣
.........................閣下です.(ルッツ、そう言って退場)



−−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

Lauf, zieh Dein weißes Kleid an. 
さあ、走っていってあの白いドレスを着ておいで.

<an/ziehen:et⁴を着る、身につける
den Anzug anziehen / スーツを着る
Es muss alles anders tausendmal lustiger und tausendmal
toller werden.
全てが千倍楽しく、千倍素敵にぜひとも変わらなければね.
müssen は話法の助動詞で「ぜひとも〜するべきだ」
alles anders werden:すべてが別な風になる
tausendmal lustiger:(今より)千倍楽しく
lustig:(形) 愉快な、楽しい 
toll:(形) すてきな、すごい
nachzuholen:(zu 不定詞) <nach/holen (他) 遅れを取り戻す
失敗を取り戻す
Es ist immer noch nachzuholen, für zwanzig verlorene Jahre:
 * sein + zu 不定詞 〜されうる
失われた20年については、まだ取り返すことができる.
   (取り返されうる)
der Henker:(同尾型) 死刑執行人、(比) 暴君、独裁者
   zum Henker !: ちくしょう!、うせろ!、くたばれ!
los:(副) さあ、それ、(話) 出発して
pfeift:(3単現) <pfeifen (自) 口笛を吹く
gleichgültig:(形) 無関心な。冷淡な、どうでもいい 
der Stiefel:(同尾型) ブーツ、長靴
leinen:(形) 亜麻布の、亜麻製の、リンネルの
verrückt:(形) 気の狂った


−−−−−−−−−−−−−≪註釈≫−−−−−−−−−−−−−−−−

ケティーのセリフですがWie meinst [Du] das ?、とdu を大文字で
[ ] に入れているのは、Heinz-Pete Heilmann 版です.一方kindle 版
はWie meinst ' das ?、と省略記号を入れています.フラクトゥール
版はWie meinst das ? です.これでもじゅうぶん意味は伝わりま
す.[Du] を入れておきました.



2023年07月13日

511番:ジュール叔父さん(2)


ジュール叔父さん(2)


−−−−−−−−−−【2】−−−−−−−−−−−−−−

Je fus surpris.*3 Il me dit :
−Ce misérable m' a rappelé une histoire que je vais
te dire et dont le souvenir me poursuit sana cesse. La
voici ;

−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−

私は驚きました. 彼はそんな私に言った.
−この気の毒な人が私にある話を思い出させたの
だよ.その話を私は君に語ろう.その話の回想が
絶えず私の脳裏につきまとうのだよ.それはこう
いう話だ:


−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

fus: (単純過去1単、2単) <être
surpris: (過去分詞) surprendre (他)
         (意表をついて)驚かせる 
souvenir:(m) 記憶、記憶力、思い出、回想
sans cesse: 絶えず


−−−−−−−−−【文法】−−−−−−−−−−−−−−

*3 surpris 他動詞は過去分詞を以て、形容詞とするが、
   受動的意味をも合わせ持つ.
  surprendre (驚かせる) → surpris (驚かされた) 


関係代名詞も出てきました:
une histoire que je vais te dire:
(これから君にしようと思う話)
vais はaller の直現1単 (2単も同形)
そして、<aller + 不定詞> は近い未来を表わす.
「近い」未来なので30秒後でもいい.
この場合だとそんなすぐの未来.

これを文法用語で「近接未来」という.
尚、この近接未来はaller の直説法現在の他、
直説法半過去で、発話される場合もあるので
覚えておきましょう.
Je vais te dire un histoire. これから君にお話をするよ.
Je allais te dire un histoire. これから君にお話をするよ.

510番:アルト・ハイデルベルク(155)


𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌
       
アルト・ハイデルベルク(155)



−−−−−−−−−−−−【155】−−−−−−−−−−−−−−−

Karl Heinrich: Ein Kursbuch her. Ich will die Züge nachsehen.

............Lutz: Sehr wohl. (Ab)

.........Käthie: (immer noch ungläubig). Es ist ja nicht Dein Ernst ...

Karl Heinrich: Lutz !

............Lutz:(zurück). Eure Durchlaucht ?

Karl Heinrich: Rückert soll den Wagen schicken, den Zweispänner.
.......................Zum Selbstkutschiren. Den von heute Nacht. Aber
.......................mit frischen Gäulen. Sofort.

............Lutz: Sehr wohl. (Ab)

Karl Heinrich: Wir fahren aus, Käthie. Du neben mir auf dem Bock.

.........Käthie: Neben Dir ?

Karl Heinrich: Mitten durch Heidelberg. Ja, das gefällt Dir. Wir
.......................knallen mit der Peitsche, dass die Leute aufwachen
.......................und die Köpfe aus den Fenstern stecken. Wir zwei
.......................gehören zusammen, süße Käthie

..........Käthie: Karl Heinz.


−−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

.カール・ハインリヒ: 時刻表を持ってきてくれ.汽車の時間を調べたい.

.......ルッツ: かしこまりました.(退場)

....ケティー: (なおも信じられず) 何のご用なの? 本気じゃない
..............................のでしょ?

.カール・ハインリヒ: ルッツ!

.......ルッツ: (ふり向いて) はい、殿下?

.カール・ハインリヒ: リュッカートに馬車を用意するように言ってくれ.
........................二頭立てを頼むとな.御者をつけずにな.昨夜と
........................同じ馬車をだ.だが馬は新しい馬だぞ.すぐに
........................頼む.  

.......ルッツ: かしこまりました.(退場) 

.カール・ハインリヒ: さあ、ケティー、出かけるぞ.君は御者台で
........................私のとなりに座るんだ.

....ケティー: あなたのとなりに?  

........ルッツ: ハイデルベルク中を駆け回るんだ.そうとも、君
........................よろんでくれると思うよ.鞭を鳴らして、町中の
........................人が跳び起きるぞ.連中は窓から顔を出すのさ.
........................私たちは2人きりの世界さ.かわいいケティー.

....ケティー: カール・ハインツ.       


−−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

das Kursbuch:[列車・バスの] 時刻表
nach/sehen:(他)[…⁴を] 調べる、確かめる
Ich muss nachsehen, wann der letzte Zug nach München fährt.
私はミュンヘン行きの最終列車がいつ出るのかを確かめ
   ないといけない.
ungläubig:[ウングロイビヒ](形) 信じていない、疑っている、懐疑的な
der Ernst:(単) まじめ、本気、真剣
 Das ist mein Ernst. / 私は本気でそう思っている.
Rückert:リュッカート(人名)、この戯曲では馬車屋
   有名人としてはFriedrich Rückert(1788~1866)[ドイツの詩人、
   東洋学者]、ただし、ここでは無関係.
der Wagen:馬車
schicken:(他) 届ける
der Zweispänner:二頭立ての馬車
Zum Selbstkutschiren:(辞書記載なし) selbst + kutschiren (御する)
   =(推測で)自分で馬車を御する用に
   =(推測で)御者をつけずに 
heute Nacht:@今夜、 A昨夜; ここではA昨夜
frischen:格語尾en (強複3格) <frisch (形) 新しい
Gäulen:(複数3格) <der Gaul (e型)[使役]馬、駄馬、馬
aus/fahren:(自) 車で出かける、外出する、ドライブする
der Bock:(変E型) 御者台
knallen:ピシャッと音を立てる
die Peitsche:(弱n) 鞭 mit der Peitsche knallen / むちを鳴らす
auf/wachen:(自) 目覚める


2023年07月12日

509番:ジュール叔父さん(1)

モーパッサン短編集(1)より

『ジュール叔父さん』(1)
A M アシール・ベヌーヴィル

MON ONCLE JULES

A M.* Achille Bénouville:


『ジュール叔父さん』(1)


−−−−−−−−−−【1】−−−−−−−−−−

Un vieux pauvre, à*1 barbe blanche, nous demanda
l'aumône. Mon camarade, Joseph Davranche, lui
donna cent sous.*2


−−−−−−−−−−訳−−−−−−−−−−−−

白ひげの貧しい老人が私たちに施しを乞うた. 仲間
のジェセフ・ダブランシュはその老人に100スー
のお金をあたえた.


−−−−−−−−− ≪註≫−−−−−−−−−−−−

A M は À Monsieur.  旦那様へ
A M.* Schille Bénouville でアシール・ベヌー
ヴィル氏に捧ぐ
*1 à このà は「〜へ」ではありません。{〜を持った」
という意味でayant とかavec に置き換えると理解しやす
いと思います. 但し実際に置き換えるなら、バランス的に、
sur soi などを補充して、avec barbe blanche sur soi あるい
はayant sa barbe blanche sur les joues といったところでしょ
うか.
l'aumône (f) 施し、恵み
*2 sous [スー] (pl) <sou (m) スー
      (5サンチームに相当する昔の貨幣単位) .
un sou は cinq centimes なので vingt sous が un franc
 本文の100スーは、5フランのこと.この場合どちら
  に訳してもよいとのことです.

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

原書を読むのは気苦労が多いので、今回は肩の凝らない対訳書で
気楽に学習しましょう.『ジュール叔父さん』の対訳書は下記の
物がアマゾンなどで入手できると思います.

@ モーパッサン短篇集U(大学書林)
A モーパッサン短篇集(1)(第三書房)
B 大学書林文庫「首飾り」(大学書林)

入手できない方、このブログでご一緒に学習をいかがでしょう?

* なお、この学習の先発組はオリンピア1号館(メイン・ブログ)で
只今学習中です.速習ご希望の方、どうぞ1号館へお越しくださいませ.

尚2度目の学習になりますので、解説をつけます.



−−−−−−−−−−≪解説≫−−−−−−−−−−−−−−

アシール・ベヌーヴィル(Achille Bénouville)(1815~1891)は
古典主義に属するフランスの風景画家.

この小説は1883年8月7日付の日刊新聞「ル・ゴロワ」
Le Gaulois に掲載されたとのこと.日本史の教科書を開
いてみると、この年、大阪紡績会社が創業したと書いて
ありました.自由民権運動もこの頃のようです.


508番:ココット嬢(29)


ココット嬢(29)
Mademoselle Cocotte



−−−−−−−−−−【29】−−−−−−−−−−−−−−

Elle avait engraissé tout d' un coup et elle marchait
maintenant avec peine, les pattes écartées à la façon
des gens trop gros, la gueule ouverte pour souffler,
exténuée aussitôt qu' elle avait essayé de courir.


..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 雌犬は忽ち肥満してしまい、もはや歩くのさえ、やっ
とのことで、その歩きぶりは四肢を広げ、大男が歩くよ
うなしぐさで、その口は息を吐くため開いていた.


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

engraissé:(p.passé)
     < engraisser (他) 太らせる、肥育する
tout d'un coup:突然
avec peine:かろうじて、やっとのことで、苦労して
écartées:(p.passeé)
    < écarter (他) 開ける、広げる、かき分ける
gueule:[グール](f) (獣・魚の)口、
(人間の)口【普通はbouche】、顔、面(つら)
la gueule ouverte pour souffler:現在分詞はないが、étant
    が脱落した分詞節;
    la gueule étant ouverte pour souffler
    (ぜいぜい喘いで口を開けたままだった) 
souffler:息を吐く、吹く、苦しそうに息をする
exténuée:(p.passé/f) < exténuer (他) くたびれさせる
aussitôt que:〜するとすぐに
essayer de + 不定詞:〜しようと試みる、努める
aussitôt qu'elle avait essayé de courir:
    走ろうでもすると忽ち
exténuée aussitôt qu'elle avait essayé de courir:
走ろうなどするとたちどころにばて果てた
la gueule で省略されていたétant はここでも
    陰で働いている;
  étant exténuée aussitôt qu'elle ~

507番:アルト・ハイデルベルク(154)


𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌
       
アルト・ハイデルベルク(154)



−−−−−−−−−−−−【154】−−−−−−−−−−−−−−−

Karl Heinrich: Und wer wird nach uns kommen ? Immer andere,
.......................−immer andere.−−

.........Käthie: Lass doch −

Karl Heinrich: Ja, fort damit ! Jetzt sind wir die Jungen, Käthie.
.......................Wir haben die Jugend. Lange genug haben sie mir
.......................die Kehle zugeschnürt und mir alles genommen !
.......................Lach doch, Käthie ! Wir müssen was Tolles
.......................aufführen, was noch gar nicht da war. Zusammen
.......................um die Welt reisen oder wenigstens nach Paris !

.........Käthie: Nach Paris ?

Karl Heinrich: Was ist das ? Gar nichts. Abends setzen wir uns
.......................in den Zug, früh sind wir da Stell Dir das vor !

.........Käthie: Schön wäre es schon.

Karl Heinrich: Dann wird eingekauft. Seidene Kleider, seidene
.......................Strümpfe, ein Federhut. Da wirst Du Augen machen !
...................... Dann fahren wir vors Hotel, stell Dir das vor !

.........Käthie: Und dann ?

Karl Heinrich: Ja, was dann ?! Dann wird es immer lustiger. Du
.......................bist die Prinzess, und zwar die allerschönste. Wenn
.......................wir Lust haben und Geld, [dann] fahren wir noch
.......................weiter.

.........Käthie: Du redest nur so.

Karl Heinrich: Was reden ! Ich rede nicht. Das Leben muss
.......................ausgekostet werden, immer noch mehr. Viel mehr !
.......................Wer weiß, wie lange es dauert ! Lutz !

..........Käthie: Was soll er ?

.............Lutz:(herein). Durchlaucht ?


−−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

カール・ハインリヒ: そしてぼくたちのあとには、どんな人物がここに
......................来るのだろう? いつも違った人物、−−いつも
......................また違った者が−−

...ケティー: もうおよしなさいってば.

カール・ハインリヒ: そうだな、もうやめておこう.ケティー、私たちは
......................今、若い.私たちには青春がある.長い間、宮廷の
......................やつらは私の首をしめてきたんだ.そして私から全
......................てを奪い取った ! 笑いぐさだよ、ケティー! 私た
......................ちは、ばかげたこともやってのけなくてはだめさ.
......................今までにはなかったほどの馬鹿げたことをね.
......................一緒に世界中を旅行しようじゃないか.あるいは、
......................少なくともパリへは行こう!

....ケティー: パリですって?

カール・ハインリヒ: パリへ行くぐらいが何だ?何でもありゃしない.夕
......................方、列車に乗れば、朝にはもう着いているさ.考え
......................ても見給え!
.
....ケティー: 本当に行けたら素晴らしいわ.

カール・ハインリヒ: そしたら買物をするんだ.絹の洋服に、絹の靴下、
.......................それに羽飾りのついた帽子を買うのさ.君は
.......................驚くことになるぞ!それから私たちはホテル
.......................に向かってドライブだ.−−−想像できるかい?

....ケティー: ねえ、それから? 

カール・ハインリヒ: そうだな、それから何をするか!? それから、
.......................ますます楽しくやるまでさ.君は王女様さ.それ
.......................もこの上なく美しいプリンセスなのだ.もし私
.......................たちが望むなら、そしてお金があれば、そしたら
.......................まだずっと遠くまで行きつけるんだ.

....ケティー: でも、あなた言うだけならただですものね.

カール・ハインリヒ: 口先だけだって!そんなことあるものか.
.....................人生の喜びは、もっと堪能しなくてはね.もっと
.....................たくさんのことを.人生がいつまで続くか、誰が
......................わかるんだ. おーい、ルッツ!

....ケティー: 何のご用なの?

.......ルッツ: (入場)殿下、ご用でしょうか?



−−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

Lass doch:およしなさいよ!
     lassen (自/他) […⁴を] やめる、やめておく
fort damit:それを止めておく
fort:離れる、去る
die Kehle:(弱n) のど
zugeschnürt:(過去分詞) <zu/schnüren (他) […⁴を] ひもでくくる
        [靴⁴の]ひもを結ぶ
    Die Angst schnürt + 3格 + die Kehle zu
恐ろしくて…3は声が出ない.
Tolles:形容詞[toll]の名詞化.(中性名詞扱い); ばかげたこと
    事物・事柄を表わす形容詞を名詞化すると、中性名詞扱い
    となり、複数形はない.形容詞と同様の格語尾変化をする
    が、通例、定冠詞を共なう弱変化か、単独の強変化を取る.
aufführen:(他) […⁴を]上演する、[馬鹿な真似を]する
sich3 vor/stellen:(他) 想像する、思い浮かべる         
Stell Dir das vor ! / 考えても見給え!
本文中でdir のところが大文字になっています.
   なぜそうしたかについては私の浅はかな知識では
   わかりかねますが、ハインリヒの「お願いだから」
   といった気持ちが込められているからでしょうか? .
Strümpfe:(複/変E) <der Strumf (片方の) 靴下
der Federhut:羽飾りのついた帽子
Augen machen:辞書不掲載だがgroße Augen machen:驚く、
   目を丸くする、という記載が辞書の追い込みにありました.
   おそらくこの意味だと思いますので、そういう訳をつ
   けます.  
lustiger:(形、比較級) <lustig 愉快な、陽気な、たのしい 
und zwar:(副詞句) しかも、それも
die allerschönste:(形、最上級) <allerschönst この上なく美しい  
reden:「語る」だが、nur がついているので「言うだけのこと」  
   「言うのはただ」とケティーが「そんな馬鹿な話があり
    ますか」と暗に言っています. 
ausgekostet:(過去分詞)<aus/kosten (他)[高地]味わいつくす
    堪能する 

2023年07月11日

506番:ハリエット嬢(177)(最終回)


ハリエット嬢(177)
Miss Harriet
Maupassant


−−−−−−−−−−【177】−−−−−−−−−−−−−−−

Et les chevaux, qui ne sentaient plus le
fouet, avaient leur marche, tiraient mollement.
Et le break n' avançait plus qu' à peine, de-
venu lourd tout à coup comme s' il eût été
chargé de tristesse.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 そして馬たちは、もう鞭を打たれなくなって、だらだ
らとした歩みでゆっくり馬車を引いていました.そして
突然大型四輪馬車は、ほとんど動かなくなってしまいま
した.まるで悲しみを積み込まれでもしたかのように、
重くなっていたのでした.


..−−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

chevaux (pl) <cheval (m) 馬、
fouet:[fwɛ] (m) 鞭
tiraient:(半過去3複) < tirer (他) 引く
mollement:(副) @柔らかく、そっと、静かに、
   ゆっくりと; ❷無気力に、だらだらと
break:(m)[ブレク] 四輪馬車
avançait:(半過去3単) <avancer (自) 前進する
à peine:ほとんど〜ない
lourd(e):[ルール、ルルド](形) (目方が)重い
tout à coup:突然
comme si:あたかも〜であるかのように
   * 動詞は直説法で
  主節と同時のことを言う場合は「半過去」
  主節より前に完了したことを言う場合は「大過去」
Il se comporte comme s'il avait toujours vingt ans.
(彼はいつまでも20歳の青年であるかのように
    振舞う)
Ses yeux étaient rouges comme si elle avait pleuré.
(彼女の目は泣いた後のように赤かった)
il eût été chargé de ~ :(大過去受動態)
tristesse:(f) 悲しみ





−−−《学習のおつきあいありがとうございました》−−−−−

『ハリエット嬢』の学習はこれで終了です.お疲れ様で
した.おつきあいいただいたみなさま、長い期間ありが
とうございました.何分にも素人の学習ブログでしたの
で、間違いがふんだんにあったことでしょう.お気づき
になられた方、どうぞご叱責のコメントをお寄せくださ
いませ.よりよいブログにしていきたいと心より願って
おります.ではみなさまのご多幸を願いつつ、これにて
失礼いたします.

2023年盛夏 ゴタぴょん

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

学習に使った本:
❶ Maupassant “Miss Harriet”et autres nouvelles
(folio classique)(1036)
❷「ミス・ハリエット」(パロル舎)
❸「モーパッサン全集5」(春陽堂)
❹「モーパッサン短篇集」(ちくま文庫)
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はじめまして.ゴタぴょんと申します.通訳ガイド(英語)をしております.というかしていました.コロナの影響で現在仕事はありません.毎日ヒマなので、語学学習をしております.学習したノートを公開しますので、どうぞ、ご一緒に!
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