寄与の小さい項がノイズになります
何だか妙なタイトルですけど、最後に意味がわかります。とりあえず今回はy = (logx)2
という関数をベースに話を進めます。この関数はこれまでにも何度か登場しましたが、改めてグラフを載せておきます。
logx に cosx を掛けて 2 乗すると、 y = (logx)2 に沿った形の振動関数が得られます:
(logx)2 から sin2x を引いて
y = (logx)2 − sin2x
という関数を作ってグラフを描いてみると ......
三角関数の影響で グラフ全体が小刻みに揺れます。
この関数全体に cos(x/π) を掛けて
y = [(logx)2 − sin2x] cos(x/π)
という関数を作ってみると ......
周期の予測が難しい複雑な関数になります。
細かい揺れは sin2x の影響ですから、これを取り除いて
y = (logx)2 cos(x/π)
としてみると ......
すっきりとした形のグラフになります。これならコンピュータを使わなくても充分に解析できる易しい関数です。 sin2x は 0 〜 1 の値しかとりませんから、ノイズのように細かく振動させる 効果しかありません。何か複雑な関数を見かけたときには、寄与の小さい項を取り払ってみることで全体の性質を知ることができます。