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2016年01月07日

対数関数グラフを描きましょう(対数関数は指数関数の逆関数なのです)

 New Year です! 
 こばとはマリちゃんと一緒に札幌旅行を満喫しましたよ。
 姉(かばねちゃん)の家でおせちとお雑煮食べて、藻岩山でスキーして、薄野(すすきの)でラーメン食べたりしました。楽しかったですねー。でも3日に、マリちゃんの要望(彼女は『動物のお医者さん』の大ファンなのです)で北大の獣医学部を見学しようとしましたが「部外者立入禁止」と書いてありましたよ・・・・・・。ちなみに姉は北大に務めていますが、人文・社会科学科の教員なのでやっぱり部外者です。仕方ないのでクラーク博士の像を見て帰りました(つまんなかった)。

こばとの数学基礎講座 14 対数関数グラフを描きましょう


 それでは 2016 年の「こばとちゃん講義」を始めますね。いよいよ対数関数が登場します。対数関数とは指数関数の逆関数と定義されます。そんなこと言われても初めての人はピンとこないと思うので、まずは y = 2 x というグラフを使って説明しますね。

 x=log2y.gif

 前回説明したように、 y = 2 x

x = log2y

のように書き直すことができます。つまりふだん指数関数を見るときとは逆に y の値に対して x の値がどうなるかという視点に変更します。

 上のグラフで x, y 共に整数値となる点を見てみましょう。

(1, 2), (2, 4), (3, 8)

ですね。そこで y = 2, 4, 8 に対する x = 1, 2, 3 を

x = log22, log24, log28

のように対数形式で書くことにします。x が整数値のときはこんなことをしても全く意味がありませんが、たとえば y = 5 を選んだ場合、グラフを見ると x は整数ではありません。電卓やエクセルを使わないと具体的な値を得ることはできないのですが、それでも x = 2 と x = 3 の間にある何らかの実数であるということを表すために、

x = log25

と書いておきます。このようにして全ての実数 y に対して、

x = log2y

を定義します。というより、指数関数のグラフを描いた時点で自動的に定義されているわけですが、改めて視点を変えてみたというだけのことです。実のところ、軸の名前やグラフの向きさえ気にしなければ、これで対数関数の本質的な説明はほとんど終わりです。しかし私たちは y = f(x) というように x を与えて y を得るという形になれているので、少し変形したほうが使いやすくなります。そこで上のグラフを左に 90°回転させて、軸の名前 x と y を入れ替えてしまいましょう。よいしょ。

 指数⇔対数回転1.gif

 はい。出来上がりです。ん? まだ違和感がありますか? ですよね。普段見慣れているグラフとは x 軸の向きが逆になってしまっています。それではグラフを左右対称に折り返してみましょう。もう1つよいしょっと。

 対数関数グラフ1.gif

 はい。今度こそ対数関数 y = log2x のグラフの完成です! 何度も繰り返しますが、本質的には指数関数グラフと何も変わりはありません。向きを変えて軸のラベルを変えただけです。より一般的に対数関数は

y = a x

の逆関数として、

y = logax

と定義されます。さて、グラフを見て明らかなように対数関数は

0 < x

においてのみ定義されます。これを真数条件とよびます。指数関数において y が正の値のみ取り得ることに対応しています。また前回のシリーズで指数関数 y = a x において

0 < a ≠ 1

でしたね。もちろん対数関数においてもこの条件がそのまま継承されます。また、

a 0 = 1, a 1 = a

ですから、

loga1 = 0, logaa = 1

は計算上大事な性質です。上のグラフで

log21 = 0, log22 = 1

となっていることを確認してください。以上をまとめておくと、

 0 < x, 0 < a ≠ 1, loga1 = 0, logaa = 1

となります。

 前回にもお話した対数値の見積もりについて、改めてグラフを用いて説明します。

 対数値の見積もり.gif

 上のグラフにおいて y = log23 の値は整数で表せないので正確な値を計算するには手間がかかります。しかし次のような不等式を用いておおよその数を知ることはできます。

  log22 < log23 < log24  ⇔   1 < log23 < 2

 これで大まかに「 1 と 2 の中間値 1.5 ぐらいだね」と予測できます。しかしグラフを見てわかるように、 y = log2x は x の値が大きくなるほど増加率は緩やかになります。つまり今注目する区間 [2, 4] を 2 ≦ x ≦ 3 と 3 ≦ x ≦ 4 に2分割した場合、 2 ≦ x ≦ 3 における値の増加率のほうが少し大きいために、 x = 3 よりも少し手前で y = 1.5 という値に達してしまいます。言い換えると x = 3 における y の値は 1.5 を少し超えます。文章で書くと何だかややこしいですが、グラフを見ると一目瞭然です。これで「うーん。まあ大体 1.6 かなあ」と推測できますが、このあたりが限界ですね。具体的な計算を実行するには大学レベルの解析学の知識が必要になります(次々回に計算式を紹介します)。ちなみに log23 は無理数であり、その近似値は 1.584962501 です。
   
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