tanx に対抗してみます
数ある関数の中でも tanx は非常に発散の速い関数です。皆さんもよくご存知のように、
x → π/2 - 0 : tanx → +∞
x → −π/2 + 0 : tanx → −∞
x → −π/2 + 0 : tanx → −∞
漸近線がπ/2 ≒ 1.57 ですからね。
指数関数では到底太刀打ちできないほどの猛烈な速さです。一時的にでも増加率を緩めてみようと exp(−x) を乗じてみると、グラフは下図のようになりました。
x < 0 では exp(−x) > 0 で tanx の発散を後押しするだけです。
注目するのは x > 0 の領域です。
結局はπ/2 で発散してしまうのですが、x = 1.2 あたりまではかなり抑え込んでいますね。0 ≦ x ≦ 1 ではむしろ緩やかな関数になっています。
f(x) が単調増加関数であることだけ調べておきましょう。
(tanx)' = sec2x = 1 / cos2x の公式を用いて f(x) を微分すると
f'(x) = exp(−x) (sec2x - tanx)
= exp(−x) (1 − sin2x / 2) / cos2x
1 − sin2x / 2 > 0 ですから f'(x) > 0 となります。
さらに強力な指数関数 exp(−x2) を掛けてみます:
今度は漸近線に近いところまで頑張っていますね。
でもやっぱり tanx のほうが強いので発散してしまいます。
exp(−x2) は y 軸に関して対称関数なので、正負の領域で抑え込む効果があります。