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2015年06月02日

中公新書総解説目録(1962〜2012)

2012年10月に創刊50周年を迎えた中公新書。その際に記念に書店で配布された中公新書総解説目録(1962〜2012)は中公新書コレクターの探書用のバイブルである。小生も探索用と保存用で2冊所持しており、改版や増補版などの確認のために利用している。ただし内容栞については、明記されていないのでこれは目途を付けて探していくしかないのかもしれない。いえることは28番豊臣秀吉からは栞がある可能性が高い(豊臣秀吉には豊臣秀吉の花押が入った栞が入っていた)ため、実際にどの程度まで栞が入っていたのかを知りたいこともある。

中公新書総解説目録は著者名と書名索引がついており、これは重宝する。どの本を保有していて保有していないのか、コレクションが2000のオーダーに突入するとわからなくなってくる。特に古い中公新書については、増補版があったりと探すのに苦労する本もある。そのため保有している本を確認し、持っていない本を探す際には中公新書総解説目録に付箋を付けて探求することにした。これに毎年配布される目録をつければ、ちょっとした要約集になる。中公新書も2200冊以上あるため、自分の興味に応じた読み方をするためのガイドブックとして本目録はよいと思います。時間がない人はこの要約部分だけでも読んでおいて、後ほど役立てるようにしていくのが一番だと思う。

書店で見かけたら是非入手してみてください!

IMG_2461.JPG中公新書総解説目録

posted by empirestar at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 新書

2015年05月30日

粘り強く…

ずいぶん久々の更新になりますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?

小生の方は、ぼちぼちと探求していた本をブックオフやら古書店街で発見し、いくつか憑き物が取れました。引き続き帯の状態の良いもの、栞だけクエストなど、なかなかにしんどくなってきました。

古い中公新書の方は、ぼちぼちと神保町の棚から発見して購入している。いかんせん見つからないのが変色してしまった帯の本たち。ブックオフ等新古書店を見ているものの、こちらはタイミングや保存の問題でなかなか見つからない。帯が蛍光系と青色系の帯が実は曲者で、なかなか良い状態のものに巡り合わない。

コレクター道は山を越えると次の山が待っていて、次は何を集めるか考えるのだが、いまのところまだまだ時間がかかりそうなので、中公新書初版帯(あるいは栞)クエストは当面続きそうである。引き続き情報をお待ちしております(探求書リストを更新しました)。>https://fanblogs.jp/empirestar/archive/14/0
posted by empirestar at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 探求

2014年08月04日

本の処分

ちょいとバタバタとしていて更新が遅れました。何かしらのコレクションを充実させようとすると必ず頭を抱える問題として出てくるのは、ダブったり、時にはトリぷった本の始末がある。本をそのまま廃棄するというのも手なのだが、読みたい人のもとに行ってもらうために@人にあげる、A古本屋に売る、B個人的にオークションやアマゾンなどを利用して売却するという3つの方法をとることが多い。すでに1冊持っている状況であるので、2冊目を持っている意味がない。資源配分の観点から見ても無駄が生じてしまい効率的ではないので、ダブり本を少なくとも誰かにあげたり、処分する必要が出てくる。

@の場合は、新書が大半のため興味のある本をもっていってもらうことで資源配分の効率性が達成される。こちらは本のスペースができ、少なくとも本が処分できたことでハッピーになり、相手もただで本がもらえるのでハッピーである。これは現在の状況と比較しても効率的な状況にある。

Aの場合は、本の処分ができてかつ何らかの金銭的な授受があるため非常に喜ばしい。古本屋も商品を仕入れることができるため双方ともハッピーである。心理的なコストとしては古書店に連絡することや本を発送する手間がかかることぐらいであろう。また古書店に連絡するのが面倒であるという人も多いだろう。新書の処分の場合、査定額は相当低めになるので、セドリなどのような金銭的なプラスは低いと考えられる。

Bの場合は、登録等のコストがかかることを除けば自分で値付けができるためそこそのリターンが戻ってくることもある(時には購入額以上で売れること)。あとは購入されるのを待つだけだが、すぐに処分したいという人以外は時間がかかる可能性も出てくる。手続きコストなどの手間暇があるが、それなりに満足する方法である。

もちろんコレクションしている本自体も死蔵という言葉の通り、社会全体で見ると資源配分の効率性の意味では効率的ではない。しかしながらコレクターにとっては、コレクションこそが命。コレクションを蒐集するまでの過程での金銭へのコスト、時間的なコスト、機会費用などを考えるとその個人にとってはコレクションを所持すること自体が意味があるため、コレクションを処分することは、それまでの手間暇を含め、その人の満足度を下げてしまうので正当化はできない。死蔵という言葉があるが、コレクションを蒐集すること自身もまた社会に貢献することになる。なぜならまとまった数をしっかり保持し、それを後世に引き継ぐということ自体には計り知れない価値があると感じているからだ。よくコレクターが亡くなったり、家族の理解がないためにコレクションが散逸することがあるが、まとまって引き取られないことが大きな損失だと小生は感じるのだがいかだろうか?

脱線してしまったのだが、ダブり本の処分でも気を遣ってしまう当たりにまだまだ業が深いなと小生自身感じたのでした。
posted by empirestar at 07:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本

2014年07月27日

スリップの変遷(その2)

昨日に引き続き、スリップの変遷について考察してみたい。ビニールカバーから現在のカバーになった中公新書は、1989年9月発売の浅井香織『音楽の<現代>が始まったとき』(中公新書・938)からである。それ以降の帯についてもまた紹介する予定であるが、今回はカバー時代の中公新書のスリップについて紹介する。なお小生が入手したスリップは古書で入手したものであることを付記しておく。

まず紹介するのは、時は進んで1998年2月発売の河原和枝『子ども観の近代』(中公新書・1403)である。スリップを見てみると、中公新書注文カードの横に「R」の文字が入り、突起の部分から中公新書のシンボルマークが消えている。基本的にはスリップの構成要素は変化していないことがわかる。消費税導入があり、定価のところを見てみると本体価格+税の表示になっていることが伺える。ただ消費税3%が導入されたのが1989年であるので、そのころの本スリップを確認する必要があるので、もし所持していれば公開したい。多分スリップ付きの本を所持している可能性が高いので、それを紹介できればと思う。このときがたぶん大きな変遷になっていると考えられる。

子供観の近代

こちらは6年前のスリップで、2008年2月に発売された大垣貴志郎『物語 メキシコの歴史』(中公新書・1935)である。ちょうど河原本より10年後の本である。スリップの方の大きな変化は、バーコードが導入されていること。それから本体価格840円(税込882円)となっていることである。これは消費税が1997年に3%から5%に上がったことによる。そのため、スリップの突起の部分に税込み価格が印刷されていることもわかる。このあたりは消費税3%時代のスリップを見る必要があるため、いずれかの際に比較検討してみたいと思う。

物語メキシコの歴史

昨今は2014年4月より消費税が8%に上昇したため、その変化を受けたスリップの変遷があることが予想される。もし保持している方がいれば小生に提供していただけるとありがたい。
posted by empirestar at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 新書

2014年07月26日

スリップの変遷

先日は初期のスリップを紹介したが、今回は偶然入手しているスリップの変遷について記してみたい。まず紹介するのは、小川鼎三『解体新書』(中公新書・165)、1968年8月である。註文伝票となっており、当時の定価は200円。註文数と書店名などの項目があり、売り上げおよび、報奨金の管理などがあったと考えられる。

解体新書


次は1970年11月に販売した藤田健治『ニーチェ』(中公新書・235)である。100番台と異なるのは、註文伝票→注文伝票となっていること。定価は300円(分厚い本である)、ここから分類(1210)−製品(070235)−出版社(4622)というISBNの前身になる管理番号が入ってくる。

ニーチェ


8年後の1978年6月に発売された稲垣眞美『日本のビール』(中公新書・507)の注文伝票を見てみよう。注文伝票の名前は変化し、「中公新書注文カード」とある。過去のものと比較するとシンプルになっている。長方形の枠に囲まれ、本のタイトル・通し番号・著者名が中央に書かれている。また大きな変化は、安野光雅氏デザインの中公新書のマーク(RC)が本のスリップのトップに印刷されていることである。他の新書スリップと区別がつくようにマークが印刷されていたのだろうか。

日本のビール


内容による区分けのための帯の色が変化したあとのスリップは微妙に変化している。1986年12月に発行された水野忠夫『囚われのロシア文学』(中公新書・823)のスリップである。このころの伝票にはISBNがきちんと印刷されている。スリップの左側にISBNが記されている。まだ安野光雅氏のRCマークはスリップの丸く突起した部分に印刷されていることもわかる。スリップの名称は「中公新書売上カード」と変化していることもわかる。

囚われのロシア文学


今回はビニールカバー時代の中公新書のスリップの時系列的変化を見てきたが、引き続き普通のカバーになった時代の中公新書のスリップの変化を見てみたいと思う。




posted by empirestar at 11:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本

2014年07月24日

1962年11月の封入物

本日は初期の1冊である加藤一朗『象形文字入門』(中公新書・5)に封入していたものを紹介したい。古書で入手しているため、偶然黄色のスリップが入っていたので、それも紹介する。

封入物1は、はがきである。1〜5までの封入物としては、愛読者カードが各巻に付属していたものと考えられる。そのため、1〜5についてはそれぞれについての愛読者カードが付属しており、切手を貼らずに投函するものであった。項目はそれぞれ(1)本編についての感想、(2)今後出る予定の中公新書の中で興味のある本、執筆者、(3)読んでいる雑誌・新聞、(4)最近購入した本、(5)将来的に読みたい内容・テーマ・執筆者、(6)装丁・価格について、(7)「中公新書」に寄せるあなたのアイディアとなっている。

はがき(象形文字入門)はがき(象形文字入門・裏)

興味深いのは、できたばかりの新書ということで読者に寄り添う形でテーマや内容を考案していく形である。また予告などを見ても、ある程度の執筆陣は固まってはいても、それなりの柔軟性を出していく方向にあったのはこのはがきのおかげかもしれない。装丁・価格についても方向性を模索していたことも、これから作っていくという感じを出していてとても好感度が高い。これはやはり、宮脇俊三氏の「何度でも」という姿勢が出ているのかもしれない。

他に封入されていたのは、中公でベストセラーになったシリーズ、<世界の歴史>の紹介。今回は偶然スリップが入っていたのでそれも併せて紹介する。

スリップ

初期のスリップは黄色で、100冊スリップをおくると中公新書の発売記念で1枚につき弐円もらえるとのこと。当時の物価を考えると、そこそこの報酬であったと考えられる。大卒男子の給与が16115円のころに200円の報酬。これは日本銀行の消費者物価指数を考えると、大体5倍ぐらいで換算される(東京都)ので、1万円ぐらいの報奨金になる。大体今現在の報奨金と比べると、創刊のお祝い相場になっていたこともあり、中央公論社も販売に力を入れていたことが、このスリップからもよくわかる。

スリップ(裏)

2014年07月22日

メタモルフォーゼ帯

大久保


松岡英夫『大久保一翁』(中公新書、536)の変遷。ちなみに発行年月は1979年初版。帯だけ付け直されて出されたバージョンである。600番台後半より帯は内容に応じて5色(赤、茶、黄、黄緑、橙)になった。装丁は白井晟一だったが、茶色帯のバージョンでは、安野光雅デザインとなり、帯のマークも変化している。ということで、600番台後半までは帯は写真の左帯のようなもので、ビニールも不透明なもので、ややざらざらしたものである。あと帯のものはビニカバもなめらかで、色帯になっている。値段は変わらずなのだが、この場合賞をとったというプレミアムの分だけ帯の大きさが微妙に異なっている。その後本書は重版を重ね、表紙カバー版も存在する。よって真のコレクターであれば、多分重版後のものを購入すべきだと思うのだが、あまりにも死蔵になるし、置き場所にも困るため、この程度でやめておいた方が身の丈にあっていると思う。

このあと帯のことを当時知らなくて、初版・帯・ビニカバだけで集めていた。ところがワゴンセールで同じ本があるのに、帯が違うことに気が付き、調査を開始したところ600番台後半までは左側の装丁であった。なのでいくつかの本は色帯になってしまっていたので気が付かず、長らくそのバージョンが正しいものだと思っていたのでありました。のちのち知って、色帯でないバージョンを探すことになりましたが、結構レアなものになってくるとそろえるのが大変でした。

2014年07月20日

未所持リスト

中公新書の未所持リストを公開しておきます。 もし譲っていただける、発見して確保していただけるという方がいらっしゃいましたらご一報ください。条件は本の横に書いてあります。

会田雄二『アーロン収容所』(中公新書・3) ビニカバ・初版
池見 酉次郎『心療内科』(中公新書・29)の栞(だけでも構いません)
万成 博『ビジネス・エリート』(中公新書・71)ビニカバ・帯・初版
高坂 正堯『国際政治』(中公新書・108)栞
矢内原伊作『サルトル 実存主義の根本思想』(中公新書・124) 栞だけ希望

実質的に持っていない本は、『アーロン収容所』のみで、栞がない本が2冊。早く揃うとうれしいのですが、重版の多い会田先生の初版本が見つかりません…。

また入手したものの、状態がいまいちだったり、セヤケによる帯の痛みなどで買いなおしたい本のリストは以下の通りで、こちらも絶賛捜索中であります。

加茂 隆康『交通事故賠償』(中公新書・1076)
関満博『フルセット型産業構造を超えて―東アジア新時代のなかの日本産業 』(中公新書・1158)
佐藤淑子『日本の子供と自尊心』(中公新書・1984)
中塚 裕 『カラー版 スイス―花の旅』(中公新書・1692)
柘植 雅義『学習障害(LD)』(中公新書・1643)
松井正文『カエル』(中公新書・1645)
一坂 太郎『仁王』(中公新書・1995)
小山 慶太『犬と人のいる文学誌』(中公新書・1996)
牧野 雅彦『ヴェルサイユ条約』(中公新書・1980)

意外と色ヤケがあるのは、蛍光オレンジの帯ではなくて青系の帯は焼けると結構色むらが出てしまうので比較的発行年が新しくても、見つけるのが大変。ブックオフだと蛍光灯焼けするし、運よく誰かが処分した際に出会わない限りはたぶん入手は難しいかな…。

一部の本が焼けてしまったために気がつきましたが(あとの祭でしたが)、帯やけ対策はパラフィンだけではだめで、遮光カーテン(あるいは本屋の紙カバー)を本気で導入しないとセヤケには対処できないことが判明しました。そのため後半の帯本は今のところ、箱詰め状態になっているため、探すのがとても大変だったり。

アリソン・フーヴァー・バートレット 『本を愛しすぎた男』(原書房)を読んだのですが、以下のセリフが印象に残っていますので、紹介。コレクターの業とは際限がないことを表現した素晴らしい言葉だと思う。

「結局、蒐集という観点から言うと、本を探し出して自分のものにすることでコレクターのやる気が出てくるし、コレクションは充実する。だがときにコレクターが力尽きてしまったり、コレクションを手放すことがある。それは、彼らがコレクションの対象を絞り込むあまり、新しいものに手を出さなくなるからだ。コレクションがこう着状態に陥ると、コレクターは燃え尽きてしまうんだ」 (引用源、同書)

ということでこれまではSF・ファンタジー・海外文学・専門系のみに絞ってコレクションを充実させていたのですが、新書のせいでこう着状態から脱却し、新たな世界に入ったおかげでやる気が出ました。でもある程度集めきってしまったので、何となくこう着状態になりつつあるかなと感じてはいます。

2014年07月19日

中公新書の起源

人々を惹きつけてはやまない中公新書。どんな経緯で中公新書のレーベルが立ち上がったのか、ふと好奇心が湧いたので調べてみることにした。そこで今回は中公新書自体は紹介しないが、それに携わった人や歴史背景について紹介したい。中公新書の創刊にかかわっていたのが、中央公論社元常務取締役で鉄道・紀行作家として名高い故・宮脇俊三氏である。氏が草壁焔太氏に語りまとめた『私の途中下車人生』(角川文庫、2010年)の第三章に、「中央公論社のころ」という章があり、そこに中公新書が創刊したいきさつが書かれている。名シリーズが出たいきさつについて、『私の途中下車人生』から紹介したい。

もともとこじんまりとした所帯であった中央公論社の目玉は「婦人公論」や「中央公論」。宮脇氏は当初校閲部→雑誌「自然」に配属され、「婦人公論」部に配属される。ところがハードな仕事の結果、途肺結核となった宮脇俊三は休職を余儀なくされる。一旦建築家になるために会社を退職するも、29歳で復帰。病み上がりということもあり、出版部に回される。その当時中央公論社は「週刊公論」という週刊誌の発行に踏みきったのだが、2年も満たずに廃刊(詳細はこちらを参照)。宮脇によればこのとき新入社員を大幅に増員。ところが売れ行き不振の「週刊公論」の赤字が累増し、社外の編集会社に依頼し、全集シリーズを刊行するもなかなかうまくいかなったようだ。その後、読売の<日本の歴史>がヒットしていた関係で『オリンピア』などの著作がある村川堅太郎氏に相談し、<世界の歴史>シリーズの編纂で成功。「週刊公論」の赤字をかなり回復するが、週刊誌のために大量に雇った新入社員を出版部に配属することなり、従来の文藝路線の第一出版部と宮脇氏が担当することになるノンフィクション部門の第二出版部に分かれて本を出版することになる。この当時、宮脇氏は34歳であった。

その後光文社カッパノベルズの成功で新書ブームが起こり、第二出版部の部長として中公新書のレーベルの立ち上げにかかわることになる。その結果、昭和37年11月に中公新書が創刊、第一回発売は桑原武夫編集『日本の名著』(中公新書・1)、野々村一夫『ソヴェト学入門』(中公新書・2)、会田雄次『アーロン収容所』(中公新書・3)、林周二『流通革命』(中公新書・4)、『象形文字入門』(中公新書・5)の5冊である。特に会田雄次氏の『アーロン収容所』はのちに中公新書にも収録され、現在も重版を重ねているベストセラーである。小生は現在会田雄次『アーロン収容所』の初版・帯・ビニカバを探しているのだが、いまだに入手できていない。当時の帯は統一した色ではなく、ビニカバも表面がすべすべしているものではなく、ざらざらしたものであった。この傾向はしばらく続く。のちにこのブログでも紹介する予定であるが、当時のチラシとはがき、スリップなどがこれらの本には入っていたが、そこには中公世界の歴史のシリーズのチラシ(赤色)があった。このことは宮脇氏のエッセイでもわかるように、<世界の歴史>シリーズがよく売れていた証左であろう。

岩波新書に続き、現在は中公新書が二番目に古いレーベルになっている。1962年から緑と白の落ち着いた風情のデザインは変わらず、「議論や解釈を避け、事実に語らせようちう方針」(p.114, 『私の途中下車人生』)が今でも継承されていることをいまだに小生は感じるのである。

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posted by empirestar at 21:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 新書

2014年07月18日

帯の管理

本の保存については、小生よりも愛書家や蔵書家の方々が日々悪戦苦闘して様々な手段で頑張っておりこのブログで紹介するのはおこがましいかもしれないが、帯にこだわりを持って新書を集めている自分としては少しそのことについて記しておきたい。

ビオビストの小生は、帯の管理に気を使っている。帯にはいろいろな天敵があり、特に紫外線との戦いは長期戦に及んでいる。特に中公新書は、黄色・オレンジ・赤などの暖色系の帯も多く、蛍光灯や太陽光の紫外線によって帯が焼けて、帯の色が均一ではなくなり、白っぽくなったりして、ビオビストとしては悲しい状態になることもしばしばある。こうなると仕方がないので買いなおすしかなくなる。また帯は破れたり、濡れたり、スレたりすることもあり、一定の防御策が必要になってくる。防御策として考えられる1手は、カバーである。カバーがないとちょっとした衝撃の際に帯が破れたり、スレてしまったりと、帯本体の防御のために非常に重要になってくる。目下のところ、切る手間などを考えるとグラシン紙よりもトレッシングペーパーの方が便利なので、ここ数年愛好している。トレペをかけるだけで、帯の痛みが減少するし、紙本体が透明なため、本を探す際に背が見えるために、探すのが楽だったりする。またトレペ自体が丈夫なので、ちょっとしたことでは帯に痛みを伴わないのもありがたい。

これまではグラシン紙を入手し、適度な大きさに切って巻いていたが、昨今はトレッシングペーパーを巻くようにしている。トレッシングペーパーの利点は安くて入手しやすい。愛用しているのはコクヨS&T トレペ40g 薄口 A4 50枚で、薄口なので巻きやすく、コスパもよく重宝している。またこのトレペは長期保存に向いている中性紙であることもポイントが高い。特にビニカバから現在のカバーに移行し、帯が外帯になってしまったことで、帯の破れ、ヤケなどの恐れがある。そのためいかにして、紫外線対策をして、帯を大切に守るかということにある。一番の方法は、ケース等に入れて保存するのが大切だと思うが、それはやはり寂しい。そこで紫外線が強い場合は、トレペだけではやけてしまうために書店でもらえる書皮を利用して本棚の前面におくか、箱の中で保存するなどするしかない。そのため、小生の場合、焼けないように箱詰めして、読む際には取り出すという手間をかけて楽しんでいるのだが、果たしてこれでよいのか、疑問に思う瞬間もある。探す手間を考えたのならば、実は遮光カーテンを買うべきなのだろうが、それをしていないのはマニアとしてはまだまだなのかもしれない。まるでドラキュラのごとく、住む場所は暗い方が好きになってしまうのは古書マニアの悲しい性である。ほかの蔵書家の方々がどのような帯の保存をしているのか、ぜひご教示いただければ幸甚でございます。

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