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2014年07月14日

栞について

先日書いたように、中公新書は昭和38年12月に発行された岡本良知『豊臣秀吉』(中公新書・28)より内容に関する栞が付属しており、写真にあるような感じである。

豊臣秀吉


見ていただけるとわかるように、聚楽第の地図、関白秀吉の花押が記されている。白井晟一装丁で、本本体には紐栞も付属している。今の中公新書にはない2点が付属しており、なんともマニア泣かせのつくりになっている。完本を探すためには、@ビニカバが付属していること、A内容栞が付属していること、B帯が完備していること、C初版であることの4つの条件を満たしていないといけないので、特に重版になっていたり、古いものになると探すのが大変である。本書も偶然、神保町の古本市でゲットしたが、それ以前に入手したものは内容栞が付属しておらず、『豊臣秀吉』にはないものと信じていた。ちなみに林健太郎『ワイマール共和国』(中公新書・27)には内容栞が付随していないので、たぶん大丈夫だと思うのだが、内容栞が付随しているものがあれば、ぜひご教示いただきたい。また修羅の道が始まるので鬱になりそうですが…。小生の所有する『ワイマール共和国』には黄色の注文伝票がたまたま付属しており、当時の定価は200円となんとなく時代を感じさせる。

内容栞が最後であると思われるのは、永井芳夫・神原周『高分子物語』(中公新書・199)昭和44年発行である。こちらも写真をご参照いただきたい。偶然だが肌色帯。内容栞は化学工業略年表である。紐栞があったのは中岡哲郎『人間と労働の未来』(中公新書・234)昭和45年10月までで、このときには写真にあるような小さな栞が付随している。このころの栞でもわかるように、25日発売が固定していたわけですね。

栞


紐栞がなくなるのは、手元の本を確認したところ藤田健治『ニーチェ』(中公新書・235)昭和45年11月からである。このときから小さい栞のみになる(どこまで継続したのかは、また調査して報告する予定)。

高分子物語


ということで、中公新書の初期は本の状態だけではなく内容栞があるかどうか、付属品のチェックなど古書好きにはたまらない仕掛けがたくさんあるわけだが、時代が変遷するにつれて600番台前後は割りとセヤケに強いつくりになっているのはありがたい(が、色帯になってから背やけで、赤色と緑色が消えやすいのでビオビストとしては困る)。初版を探すのは楽だと思いきや、ものによっては重版が出すぎて初版が見つかりにくいものもあるため、重版のかかった初版の中公新書を探すのはなかなかに大変だったりする。ただやはり神保町はさすがで、まとまって状態の良い中公新書がワゴンセールなどで出るので、小生と同様、新書修羅になりたい方はぜひ定点観測をすると神保町がまた違って見えるでしょう。まさに「狩場」です。

posted by empirestar at 19:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 新書
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