日当たりの良い畑から荒れ地、庭先、路傍まで、何処にでも蔓延る。
その為、特に農家からは畑の雑草として目の敵にされ易いが、実は万葉の時代(7〜8世紀)から「いはいづら(イワイズラ)」と呼ばれた古強者の野草なのである。
スベリヒユは古くから飢饉の際の食料として重用された歴史が長い。
現在でも東北地方の一部では「ヒョウナ」と呼んで常食している地域もある。
食べ方は、塩一撮み加えた熱湯で茹でてから、お浸し、和え物、炒め物などにする。
特有のぬめりがあり、これが中々美味しいのだ。
一方、中国や東南アジア諸国では、食用よりも専ら薬用として多用されており、乾燥品が薬店や市場で売られている。
主に虫毒などの解毒に用いるが、漢方では花期の全草を乾燥したものを「馬歯莧」と呼び、細菌性の下痢の治療や膀胱炎などに使用する。
日本でも、虫刺されの痛みや痒みに生葉の揉み汁を塗布したり、淋病に馬歯莧を煎じて飲んだりするなどの民間療法がある。
特に虫刺されには速効性があり、野外での活動が多い私は重宝している。
但し、子宮の収縮作用がある為、妊婦は食、薬共に控えたい。
大海 淳 エッセイスト
愛媛新聞 野草と紡ぐ暮らしから
食べても飲んでも良いらしい。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image