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登場人物 / 我妻燈子


記事
【鬼滅 if 現代編】第10話「盃」 [2023/02/08 21:49]
殺しに行った相手に、逆に窘められて帰るという顛末は、燈子の短い生涯の中でも特に忘れ得ぬ記憶として刻まれる事となった。いつの間にか降り始めた小雨は次第に強くなり、敗北感に打ちひしがれた燈子の頭を、追い討ちをかけるように小突き回す。 「あーあ、何やってんだろ、私」 濡れた制服に体温を奪われ、何度もブルリと震えながら、足は自然と可楽の居る道場へと向かっていた。 「で、可楽に会ってどんな顔を向けるんですか??ありのままに全て話しますか?それとも、何も無かった事にして..
【鬼滅 if 現代編】第9話「看破」 [2023/01/28 22:34]
その日、可楽と共に出かけた寄席から逃げるようにして帰宅した燈子は、目を真っ赤に泣き腫らしながらベッドの中に潜り込んだ。 「う゛ぅぅ…悔しい…く゛やし゛ぃよ゛ぉぉぉぉぉ!!」 戦いの道を歩む事に関して、可楽から「覚悟が足りない」と言われた事にショックを受けたのはもちろんだが、それ以上に、日頃から全幅の信頼を置く師が”他の女”をベタ褒めした事が、燈子にとっては他の何よりも耐え難かった。 「あ゛の女ぁ…可゛楽に色目使゛いやか゛って…許せ゛ない、殺し゛てや゛りたい!..
【鬼滅 if 現代編】第8話「噺」(はなし) [2023/01/12 22:21]
『この尾形清十郎、齢はとっても、腕に年はとらせんつもりと、長押(なげし)の槍を小脇に抱え、ツカ…ツカ…ツカ〜ツカ〜ツカ〜ツカっ!!』 『おいおい、待っておくれよ、先生!!この長屋ぁ、そんなに広くないでしょうよ??ここからソコまで、精々が三間ぐらいだ。ツカ、ツカ、ツ〜で止めときなよ!!』 「うはははは!!楽しいのぅ!!」 今、私の隣の席で、可楽が普段の言動からは想像もつかないほどの大声で笑っている。 私自身、すっかり忘れていたが、可楽は弱体化したとはいえ..
【鬼滅 if 現代編】第6話「更なる疑い」 [2022/08/24 21:34]
「燈子ちゃんの様子が、おかしいって?どういう風に?」 「なんかもう、別人になっちゃったみたいなんだよ…」 我妻 善照は、姉の燈子が約一ヶ月前から早朝のジョギングを始めた事、それ以降、自分との会話が極端に減り、必ず一人で下校するようになった事、そして…… 武道場のような建物に入って行った件を問い質したところ、怒りを露にして両親には秘密にするように念を押された事を、順を追って竈門 カナタに説明した。 「ジョギングを始めた事は俺も本人から聞いたけど…護身術まで習..
【鬼滅 if 現代編】第5話「今時のJK」 [2022/08/09 00:26]
その日、燈子は殊の外に機嫌の良い表情で電車に揺られながら、鼻歌交じりで窓の外を流れる景色を眺めていた。 先日の防御技の習得の際に(訳は分からなかったが)可楽に褒められた事に加えて、今日はいよいよ、次なる対戦予定者の顔と対戦予定地の確認に向かっている最中であり、嬉しい事続きで否応もなく気持ちは昂る。 (ふふっ、楽しみだなぁ…今度こそ、完全に決着するまで思う存分に戦りたいなぁ…) まるで、デートの待ち合わせ場所に向かう同年代の女子のようにニヤけた顔をしながら..
【鬼滅 if 現代編】第4話「鈴割り」 [2022/06/06 19:20]
「…で、可楽の事は『護身術の先生だ』って言っといたわ」 「そうか、弟に足取りを追われていたか…」 「もちろん、親には絶対に言わないように、キツく念押ししといたけど…」 「まぁ、家族と同居している時点で、露見するのは時間の問題であったからな」 昨日、弟の善照に放課後の行動を追跡されていた次第を、燈子は焦り半分、怒り半分の面持ちで可楽に報告した。脅しが効いたのか、一夜明けてから下校の時刻に至るまで、善照は特に何も言ってはこなかった。 「今後は家での振舞いに細..
【鬼滅 if 現代編】第3話「疑い」 [2022/05/24 21:13]
朝6時ちょうど、家の門をカチャリと開ける音が軽く響き、燈子の一日の始まりを告げ知らせる。今日もまた、その音で目を覚ました弟の善照(よしてる)は大きく欠伸をしながらカーテンを少し開けて、徐々に小さくなっていく姉の背中を見送った。 (おかしい、何かがおかしい…) 姉の燈子が毎朝のジョギングを始めてから、一ヶ月ほどが過ぎようとしていた。もちろん、それだけの事であれば何ら訝しむ要素は無いのだが、日常生活の中のあらゆる言動がそれまでとは大きく変わり、一言で表すなら”怖いぐら..
【鬼滅 if 現代編】第2話「岩の柱」 [2022/05/12 23:50]
「た・お・れ・ろぉぉぉぉっ!!」 「こらっ、やめなさい!!なんなんだ、君は!?」 太腿へのミドルキック、脹脛(ふくらはぎ)へのローキック、鳩尾(みぞおち)と金的への前蹴り、爪先への踏みつけ、そして側頭部への跳び回し蹴り…その全てを防がれて、燈子の焦りは頂点に達していた。 路上格闘の王者となる為に、そのデビュー戦として彼女が選んだ対戦相手は、身長が2メートルはあろうかという巨漢だった。 (体躯の差など、特には問題にならんだろうと思っていたが…これは迂闊だった..
【鬼滅 if 現代編】第1話「蹴り鬼」 [2021/12/23 00:57]
地面に蹲って呻き声を上げていた三人のチンピラが、やっとの思いでヨロヨロと立ち上がった。何かしら捨て台詞でも吐くかと思ったが、私の方を振り返りもせずに身体を引き摺りながら去って行った。 それを見届けるようにして、事の一部始終を建物の影から覗いていた視線の主が、私の前に姿を現した。 年齢こそ六十歳を過ぎた感じではあるが、切れ長の鋭い目つきと豊かな白髪が、時代劇に登場する剣豪を連想させる。 男は作務衣の襟元を正しながら、確かな威圧感を纏ってゆっくりと私の前に進み出..
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