2021年12月23日
【鬼滅×呪術】単話「呪い」
「おぉ、久しいな、鬼舞辻 無惨!!」
「お前は、宿儺…」
「相も変わらず、お花探しか?」
「黙れ、貴様には関係ない」
「つれないな、たとえ一時といえど助け合った仲であろう?」
「その馴れ馴れしい物言いが私の癇に障るのだと、何故分からぬ…」
「そうは言うが、あの痣のある剣士が振るっていた赫い刀…あれは呪いだぞ?俺が軽減してやらねば、おまえの身体は千もの欠片のままだ」
その指摘の言葉を受けた途端に、継国 縁壱の手によって刻まれた無数の刀傷の痕が、まるで生きた蟲のようにモゾモゾと全身を這いまわるかのような錯覚を覚えた。
(なるほど、さすがは『呪いの王』だ。あの男の化け物じみた強さを、その正体を、草陰から覗いていただけで看破したという事か…)
「その借りは、稀血の人間を嗅ぎ分けて十人ほど貴様にくれてやった事で返した筈だ」
「クックックッ…そうであったな。お陰で、俺も呪力と膂力が共に底上げされたからな、有難い事だ」
「で、話は終わりか?」
「なんだ、忙しないな!折角、再会したのだ、一緒に街の一つでも蹂躙せぬか?」
「くだらぬ…人間など、私にとっては牛や豚と変わりがない。家畜とじゃれ合って何が楽しいのだ」
「家畜の中にも、特に力が強い牛や、素ばしっこくてなかなか捕まえられぬ豚が稀に居るから楽しいのだが…」
「勝手にやっていろ、私は忙しい」
「ははっ、そうか。あぁ、それと、おまえが探している青い彼岸花とやら…やはり、この日の本には無いと思うぞ?有るとすれば、彼岸花そのものが渡ってきた明の国であろうな」
「明の国?そうか、分かった…頭の隅に留めておこう」
「では、無惨よ、互いに生きていたら、また会おうぞ!」
(ふん、貴様に言われずとも私は生きる。必ずや陽の光を克服してな…)
「お前は、宿儺…」
「相も変わらず、お花探しか?」
「黙れ、貴様には関係ない」
「つれないな、たとえ一時といえど助け合った仲であろう?」
「その馴れ馴れしい物言いが私の癇に障るのだと、何故分からぬ…」
「そうは言うが、あの痣のある剣士が振るっていた赫い刀…あれは呪いだぞ?俺が軽減してやらねば、おまえの身体は千もの欠片のままだ」
その指摘の言葉を受けた途端に、継国 縁壱の手によって刻まれた無数の刀傷の痕が、まるで生きた蟲のようにモゾモゾと全身を這いまわるかのような錯覚を覚えた。
(なるほど、さすがは『呪いの王』だ。あの男の化け物じみた強さを、その正体を、草陰から覗いていただけで看破したという事か…)
「その借りは、稀血の人間を嗅ぎ分けて十人ほど貴様にくれてやった事で返した筈だ」
「クックックッ…そうであったな。お陰で、俺も呪力と膂力が共に底上げされたからな、有難い事だ」
「で、話は終わりか?」
「なんだ、忙しないな!折角、再会したのだ、一緒に街の一つでも蹂躙せぬか?」
「くだらぬ…人間など、私にとっては牛や豚と変わりがない。家畜とじゃれ合って何が楽しいのだ」
「家畜の中にも、特に力が強い牛や、素ばしっこくてなかなか捕まえられぬ豚が稀に居るから楽しいのだが…」
「勝手にやっていろ、私は忙しい」
「ははっ、そうか。あぁ、それと、おまえが探している青い彼岸花とやら…やはり、この日の本には無いと思うぞ?有るとすれば、彼岸花そのものが渡ってきた明の国であろうな」
「明の国?そうか、分かった…頭の隅に留めておこう」
「では、無惨よ、互いに生きていたら、また会おうぞ!」
(ふん、貴様に言われずとも私は生きる。必ずや陽の光を克服してな…)
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伝承によると、両面宿儺は仁徳天皇の時代(四世紀末から五世紀初頭)に現れたとされており、鬼舞辻 無惨が千年生きていると自ら述べていたのが事実であれば、両者は時代的に遭遇する機会があったと充分に考えられます。
で、両者が出会った際にどんな言葉を交わしたのか、アレコレと妄想していたワケですが…
どうせなら、縁壱に殺されそうになった際に自ら爆散し、バラバラに飛び散って逃げた無惨の「肉片」を宿儺が見つけて回収し、恩を売っておいた…という設定にしたら面白いかな、と思って書きました。