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posted by fanblog

2017年12月12日

検診目的の大腸MR検査(MR colonography)の精度検証は3テスラのMRIで行われました 〜テスラの由来(雑学だよ)〜

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
関西大腸CTセミナー 2018」を開催します!
昨年、大変ご好評をいただきました
日時: 2017年1月20日(土)
場所: 大阪

こんな症例の読影はどうする!?
という症例がありましたらご連絡ください。

当日、司会者がその場で読影・解説します!!
非常に中身の濃い企画をご用意しております。
是非、お越しくださいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




PubMedから、今日のつぶやき − 131 −


Graser A et al. Magnetic resonance colonography for the detection of colorectal neoplasia in asymptomatic adults. Gastroenterology 2013;144:743-50.



それでは、いよいよ「検診目的の大腸MR検査(MR colonography)の精度検証」論文
の考察を見ていきましょう。

【考察】
第1段落は、大腸検査のモダリティ別の長所と短所について
第2段落は、腺腫検出率(adenoma detection rate, ADR)について
言及していますが、大したことがないのでスルーします。

第3段落は、この論文と大腸MR検査に関する先行7研究とを比較しています。
今回の論文の長所と新規性について強調しているわけですね。
・3テスラのMRIを使用した研究である。
 2013年に発表の研究ですから、確かに早いですね。
 先行研究はいずれも1.5テスラ。

横道にそれますが、テスラっていうと電気自動車メーカーの
テスラモーターズが最近有名ですよね。
MRIの3テスラは、磁束密度(磁石の強さ)の単位なんです。

知らなかったのですが、この両者のテスラの由来って同じなんですね!!

セルビアの電気技師であり物理学者でもあったニコラ・テスラさんから
来ているそうですよ。

テスラさんは電気の交流を発明し、
エジソンさん(直流を発明)のライバルだったそうです。

既存の自動車メーカーに対抗する意図から来ているのでしょうか。。。
面白いですね。

・先行2研究では大腸MR検査と大腸内視鏡検査が同日に行われていない。
 同日におこなうと患者さんの負担は少なく、病変の対比も信頼性が増しますね。

・先行研究はセグメンタルアンブラインド法で実施されていない。
 (大腸区分ごとに内視鏡を引き抜いたら大腸MR検査の結果を参照する方法)
 内視鏡の精度をきちんと評価するには有用ですが、
 患者さんや読影者の負担は増す欠点もあります。

などが挙げられており、この論文の長所を述べています。

論文を投稿する際には、必要なくだりです。
既に報告されている研究に比べて何が素晴らしいのかを説明できなければ、
良いジャーナルには載らないからです。

今回はこのあたりにしておきますね。

それでは、また。



ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23415805



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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。

<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。

<検診>
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
 大腸CT検査による検診受診率は735%増加した。
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
 大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。
・腸管外病変診断による利益・不利益バランスには注意が必要。

<検査食は不要>
・低容量腸管前処置においても、ガストログラフィンを使えば食事制限は不要。
・腸管残渣の状態は食事制限の有無に左右されない。
・水溶性造影剤によるタギングの質は食事制限の有無に左右されない。
・食事制限の撤廃は患者の受容性向上に寄与する。

<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。

<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。

<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。

<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。




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ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。





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プロフィール
大腸の専門家 ナガイチさんの画像
大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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