2017年10月23日
アメリカの大腸内視鏡検査はなぜ高額なのか!?
PubMedから、今日のつぶやき − 97 −
The $2.7 Trillion Medical Bill
こんにちは。
読影トレーニングのご報告です。
岡山県のF先生が今年5月25日にトレーニング開始され、
昨日8月28日に全200例を完了されました〜パチパチ!
約3ヶ月でトレーニング完了と素晴らしいですね!
F先生のコメント(了承済み)を紹介しますね。
*******以下引用*******
200例トレーニングに取り掛かった時は
1例の読影に30分〜1時間かかっており、
いつまでかかる事かと思っていましたが
100例を超えたあたりから腸管をつなぐス
ピードと読影がグッと速くなり、
全体のペースも上がっていきました。
最近は腸管をつなぐ処理が不要で、
病変がない症例では10分程度で読影できるよう
になりました。
80例〜120例辺りでモチベーションが怪しくなりかけましたが、
トレーニング開始前に先生から
”絶対に相当な力になります!
保証します!”
と言っていただいたことが
励みになりやり通せました。
トレーニング開始前と現在では読影力は雲泥の差だと思います。
トレーニング画像や解答の作成
画像や解答の送付など大変なご負担だと思いますが
私にとっては貴重なトレーニングとなりました。
本当にありがとうございました。
*******引用終わり*******
嬉しいですね〜〜
現在トレーニング中の先生方も是非、頑張ってくださいね!
さて、ニューヨークタイムズの2013年の記事の続きを読んでいきましょう。
本文に入りますね。
米国以外の先進国では治療を伴わないなど通常の大腸内視鏡検査の費用は
数百ドルに過ぎません(日本もそうですね)。少なくとも1000ドル以下です。
アメリカ国民がより一層いい医療を受けているわけでもないのに、
医療費がべらぼうに高いというのはこの辺りにあるのです。
アメリカ国民には自身の財布から直接出すにせよ、保険からの支払われるにせよ、
医療に多額のコストがかかっています。
私的あるいは国立の保険制度の如何に関わらず、アメリカ人は他国の国民よりも
薬や検査にお金を払っているのです。
米国の薬、検査、治療にかかる費用は21分野で世界1なのです。
股関節置換にかかる費用は、スイスやフランスの4倍
帝王切開にかかる費用は、ニュージーランドや英国の3倍
アレルギーに使用されるナゾネックス点鼻液は
アメリカでは108ドル(約1間2千円)に対し、
スペインでは21ドル(約2300円)。
(ちなみに日本ではナゾネックス点鼻液56噴霧用の薬価は1912円)
入院費用は他の先進国の3倍。
アメリカでは終末期医療費用が高く、
全体の医療費を押し上げている側面もあるが、
基本、医療提供者(病院や保険会社など)に
お金のほとんどを使っているようなもの
と分析されています。
最初に出した大腸内視鏡検査がこのよい例です。
アメリカで認められている検診でもっとも高額なのです。
それは、他の先進国における出産費用や虫垂炎手術よりも高額です。
(確かに、日本と比べてもそうですよね)。
検診としての大腸内視鏡検査件数はこの15年で何倍にもなり、
1年間に1000万人が検査を受け、
1年の医療費を100億ドル押し上げている。
大腸内視鏡検査が高額なのは、患者の処置に費用がかかるのではなく、
保険会社と病院がビジネスとして潤うように最適化されているのである。
大腸がん検診ガイドライン等では
より安価で負担の少ない検査も推奨されているが、
アメリカでは検診として他の国よりも多く実施されている。
余分にコストを掛けただけに見合う効果がある
とのエビデンスはないにも関わらず。
長くなってきたので今日はこの辺で終わりにしますね。
まだ続きます〜〜
「括弧()の中」が自分のコメントです。
それでは、また。
ご注意)必ずしも記事の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
http://www.nytimes.com/2013/06/02/health/colonoscopies-explain-why-us-leads-the-world-in-health-expenditures.html?pagewanted=all
★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y
PubMedにも掲載済みですよ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<検診>
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸CT検査による検診受診率は735%増加した。
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。
・腸管外病変診断による利益・不利益バランスには注意が必要。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
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メルマガタイトル:大腸CT検査アカデミー
http://www.mag2.com/m/0001679515.html
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最新の世界の知識を身につけることで、患者さんに還元するのはもちろんですが、きっと新しい研究の芽も生まれると信じています。
皆でパワーアップしていきたいですね!!
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■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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本当にありがとうございました。
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アメリカでは108ドル(約1間2千円)に対し、
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が放射線領域の代表的なジャーナル
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に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
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・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
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<腸管前処置>
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<読影>
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<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
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<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
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ご質問もお待ちしています。
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