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posted by fanblog

2017年11月10日

アメリカの大腸内視鏡検査の値段を下げる試みはあるのか!?

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Rad Fan オンライン様に
メルマガ「大腸CT検査アカデミー」を
ご紹介いただきました!
ありがとうございます
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PubMedから、今日のつぶやき − 110 −


The $2.7 Trillion Medical Bill


こんにちは。
ニューヨークタイムズの2013年の記事の続きです。


アメリカでも過剰医療に対して抑制キャンペーンを行っているドクターはいます。
テキサス大学老年医学のゴドウィン医師です。

メディケアで実施されている検診の4分の1は、合併症のリスクがあるにも関わらず
行われており、推奨を超えた検査であると見積もっています。
ルーチンの検診目的の大腸内視鏡検査は75歳以上にはすべきではない・・と。

雇用者側もこうした高騰する医療費に抵抗を始めたところもあります。
アメリカ大手スーパーマーケット・チェーンのセーフウェイでは、
カリフォルニアでの大腸内視鏡検査を848〜5,984ドルまで下げることに成功しました。
支払いの減額に伴う、検査の質の低下は認めませんでした

セーフウェイは全費用込みの参考価格を提示し、
従業員はそれでも質の高い検査を受けられることを担保しました。
それ以上の額で検査を受ける場合には、
従業員はその差額を支払わなければなりません。
セーフウェイは3分の1の費用を払うことにしてますが、
それでも引き受ける医師は十分にいます。

けれども、アメリカ全体で見れば医療市場の権益は守られています。
2007年に保険会社アエトナが大腸内視鏡検査に伴う麻酔費用の支払いを中止しよう
と試みましたが、麻酔科医と内視鏡医の団体による猛烈な攻撃の末、
断念せざるを得ませんでした。
メディケアが救急外科センターの施設使用料の引き下げを検討すれば、
施設の所有者は高く取り扱ってくれる医療機関に売り渡されかねない懸念があります。

(感想)
既得権益を崩すのは相当厳しいでしょうね。
日本でも、内視鏡ではないのですが、同様のことはあるように感じますね。

ただ、物事には光と影があります。
一方向からだけ見て、決め付けないようにしないといけませんね。
それでも、科学的なエビデンスの有無、バイアスの有無などには
気をつけていきましょう〜


長いシリーズで続いた「ニューヨークタイムズの2013年の記事」ですが、
次回で最後にしたいと思います。

それでは、また。


ご注意)必ずしも記事の内容をすべて網羅している情報ではございません。
また、2013年の記事であること、私の渡米時期(2007-2011年)の観点から、
現在のアメリカの医療を正確に反映していない可能性があります。
どうぞご了承ください。
なお、詳細にご興味の方は原文をご確認ください。
つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、
その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。

原文
http://www.nytimes.com/2013/06/02/health/colonoscopies-explain-why-us-leads-the-world-in-health-expenditures.html?pagewanted=all


★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y

PubMedにも掲載済みですよ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967

委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★





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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。

<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。

<検診>
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
 大腸CT検査による検診受診率は735%増加した。
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
 大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。
・腸管外病変診断による利益・不利益バランスには注意が必要。

<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。

<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。

<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。

<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。




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■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。



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プロフィール
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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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