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posted by fanblog

2017年10月03日

大腸CT(CT colonography)検査の側臥位撮影に対する偏見!?

2018年3月11(日)に金沢で「第12回消化管先進画像診断研究会 (GAIA)
が開催されます。
取り上げてほしい企画がありましたら、お気軽にご連絡下さい〜




PubMedから、今日のつぶやき − 84 −

Pickhardt PJ, et al. Volumetric analysis of colonic distention according to patient position at CT colonography: diagnostic value of the right lateral decubitus series. AJR Am J Roentgenol 2014; 203: W623-8.

前回の続きで以前の「つぶやき − 44 〜 47 −」でご紹介した
「体位と腸管拡張の関係について比較検討した論文」についてです。

いただいた二人目のコメントのご紹介です


【N県のS技師さんからのコメント】

ピッカードの側臥位の論文読ませて頂きました。

全て背臥位と側臥位にしましょう!
と言いたいですが、まだ乱暴のようですね。

当院も背臥位と右側臥位(左側臥位の時もある)しか撮っていません。
腹臥位はここ数年撮ったことがないです。

しかし、N県の仲間に言ってもなかなか受け入れてもらえません。

反対派の意見は側臥位は安定しないので
モーションアーチファクトの原因になるのでするべきではない。
残渣を移動させるには側臥位では不十分であるなどです。

もうひとつ、気になるのは鎮痙剤の影響です。
使用した場合、バウヒンが開大した状態で止まると、
右側臥位にするとどんどん小腸へ流れていきます。

それも、右側臥位のデメリットであると思います。

なお、当院では両側臥位だけで撮影することもあります。

私も側臥位撮影について、なにか研究できたらと考えております。

********コメントの引用以上(ご本人の承諾済みです)********


「全て背臥位と側臥位」にすることが必ずしも科学的に問題ある
ということではないと思います。
「背臥位と腹臥位」で取らなければいけないというエビデンスもないのですから。
2体位で取るということについては、現在までに欧米でコンセンサスは得られています。
つまり、2体位撮影をしていれば問題ないでしょう。

「側臥位は安定しない」、これは謙虚に気をつけなければなりませんね。
64列以上であれば撮影時間は短いのですが、それではぐらついたりしないよう
体位がきちんと固定されるよう配慮すべきだと思います。

でも、側臥位だったから「モーションアーチファクト」が
発生したということは、MDCTの時代に入ってからは
個人的には経験していません。
皆さんはいかがでしょうか?
経験したことのある方は、是非、ご教示ください。
なお、シングルCTの時代には確かに言われていましたね。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14986055

「残渣を移動させるには側臥位では不十分である」は前回の解説通りです。
根拠がありません。
心配であれば両側臥位にしてもよいでしょうね。
ただ、腸管外病変を読影される施設では、読影される先生が嫌がることもあるので
お気をつけ下さい。

鎮痙剤の影響の件ですが、たしかにグルカゴンはバウヒン弁を弛緩させますね。
以前のつぶやきでもお伝えしたように、
鎮痙剤も使用しなければ良いのに〜〜と考えています笑。

「側臥位撮影について、なにか研究できたらと考えております」
是非、しましょう!!

議論を深めるのはいいですね。
皆で考えていきましょう〜〜

それでは、また。

ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25415727

★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
新しい精検結果報告書雛型が国立がん研究センター
研究班ホームページにアップされました。
精密検査に大腸CT検査が明記されるようになりましたよ!

http://canscreen.ncc.go.jp/pdf/3/yoshiki4_daicho.pdf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★



★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y

PubMedにも掲載済みですよ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967

委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★





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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。

<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。

<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。

<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。

<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。

<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。




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皆でパワーアップしていきたいですね!!


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そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。



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プロフィール
大腸の専門家 ナガイチさんの画像
大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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