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posted by fanblog

2017年08月07日

【大腸CT検査アカデミー】今日のつぶやき − 45 −

おはようございます!
第12回消化管先進画像診断研究会 (GAIA)が2018年3月11日に金沢市で開催されます!
当番世話人は市立砺波総合病院の龍泰治先生です。
是非、ご参加ください!
http://gaia.kenkyuukai.jp/event/




PubMedから、今日のつぶやき − 45 −



Pickhardt PJ, et al. Volumetric analysis of colonic distention according to patient position at CT colonography: diagnostic value of the right lateral decubitus series. AJR Am J Roentgenol 2014; 203: W623-8.


こんにちは
以前お話しましたように本日(ラインコミュニティ配信時の2017.6.14.(水))、
職域検診を受けてきました。
自分の受診枠は11時30分だったので、お腹すきました〜
でも、立場上、検診はきちんと受けねばなりませんね。

さて、前回の続きです。
臨床で感覚的に感じている体位による腸管拡張の違いは、本当にあるのでしょうか?

【結果】
腸管のガス量の平均は
背臥位:1617mL
腹臥位:1441mL
右側臥位:1901mL

右側臥位でガス量が一番多かったのは73.3%の症例で、一番少なかったのは6.2%。
腹臥位でガス量が一番多かったのは0.7%の症例で、一番少なかったのは73.3%。

読影医による主観的判定による平均拡張度スコア(4点満点)
背臥位:3.48点
腹臥位:3.33点
右側臥位:3.71点

読影医による主観的判定による不十分な拡張腸管の割合
背臥位:10.4%
腹臥位:12.1%
右側臥位:4.2%

読影医による主観的判定による平均拡張度スコアが3点以下だった腸管区分は
背臥位のS状結腸:2.68点
腹臥位のS状結腸:2.58点
のみで、他の体位・腸管区分はすべて適切な読影が可能な3点以上。
ちなみに右側臥位のS状結腸は平均3.23点

上記の結果はすべて統計学的に有意差がありました。

さらに、BMIが増加するにつれて、右側臥位の撮影による腸管拡張度の改善を認めたことも分かっています。

【結論】
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・とくに右側臥位はS状結腸の拡張を改善する。
・腹臥位は腸管拡張が一番不十分であり、とくに肥満者でその傾向を認める。
・右側臥位はルーチンで選択する体位とすべきである。
・自動送気装置の注入量の解析は腸管拡張度の評価に有用である。


う〜ん、臨床で感じていたそのままの結果ですね。
明日からの皆さんの臨床にお役立てください。

具体的な主義のコツついては、単行本「これ1冊でわかる! 大腸CTプロフェッショナル 100のレシピ」の75-76ページにも詳述していますよ。
是非、ご覧ください。
http://www.e-radfan.com/event/47211/

ちなみに私たちも同様の臨床研究を追試として進めています。
UMIN26162
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000030064
近く皆さんに公表できればと思っています。

めでたし!と終わりたいところですが、今回のピッカード論文には大きなリミテーションがあるんですよ。
何だと思いますか?
次回までの宿題です〜

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25415727




★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA−03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y

PubMedにも掲載済みですよ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967

委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★




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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。

<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。

<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。

<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。

<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。

<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。

<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。



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プロフィール
大腸の専門家 ナガイチさんの画像
大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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