今までこのブログでは
本屋で働くことになると
本屋を運営するとなると
どれだけ酷な運命が待っているかを解説してきました
今回は
本屋で働いた経験をもとに
\こんな本は買わないで/
と声高らかに呼びかけたいと思います
駄目な本・略して駄本の3ポイント
まずは
駄目な本・略して駄本のパターンを挙げます
【駄本にありがちな3ポイント】
@号泣と帯に書かれた小説
A発売即重版の謳い文句の本
Bコミックの新作1巻
では順に解説します
@号泣と帯に書かれた小説
号泣してしまう本=小説や実話があてはまりますが
ありがちなキャッチコピーに
\5ページ読んで泣きました/
\ありえないほど大号泣/
\泣かないと決めていたのに号泣/
このようなキャッチコピーが多いです
でも考えてみて下さい
号泣レベルの話なら、そもそも帯に表す必要はなく
物語の内容だけで売り出せるはずだと思いませんか?
つまり、号泣とアピールする本は
大体が内容の薄い本なのです
ジャケットが美麗なイラストで飾られた文庫本に多く
本屋で見かけたら要注意です
A発売即重版の謳い文句の本
\えっ/ \嘘でしょ/
と思われるかもしれません
ところが事実なんです
もちろん理由があります
本というものは
近年の出版不況において
初版が極めて少なくなっていて
例えばA書店で
10年前なら、初回の仕入れ冊数が10冊だった有名作家の最新小説が
今は3冊なんてザラで
最悪仕入れゼロもあります
出版社は本の在庫を抱えたくないため
初版を全国の本屋や問屋に出荷したら
あとはお客さんからの注文用在庫を持つ程度
本屋から
\売場に積みたいから出荷して/
と言われても
\すみません品切れです/
と断られます
しかし同様の問合せが続き
いよいよ全国の本屋の在庫(市場在庫)が少なくなってくると
ようやく重版に踏み切ります
重版するには
- 印刷工場の確保
- 紙の確保
- 重版部数の規模
を決めなければならず
発売日から数えて
早くても2週間後くらい
本屋に並ぶのは
大体が3〜4週間後になります
\あれ?/ \それっておかしくない?/
と思いませんか
そうです
発売即重版とは
- 元々の刷り部数が少なく
- 思いのほか売れたから
- ようやく重版に踏み切った
現実はスピード感に欠ける重版
それが発売即重版
世の中には
重版がかかったのに
その後売れない本がごまんとあります
だから騙されないで下さい
世の中の本は
昔からある物語の焼き増しがほとんどなのですから
Bコミックの新作1巻
コミックは
発行点数が極めて多く
雑誌扱いコミックスと呼ばれるコミックだけでも
月に650〜750点程度は発売されています
その内
1巻、つまり完全な新シリーズがどれくらいを占めるのか
答えは約100点
全体の13〜15%にあたります
\そんなにあるの?/
と思われたかもしれません
そうです
ONEPIECE、宇宙兄弟、夏目友人帳、名探偵コナン
毎月、沢山のシリーズ最新巻が発売しているのに
1巻がこれでもかと云わんばかりに発売ラッシュ
どれもが面白いマンガなら良いのですが
残念ながら現実は違います
とりあえず小規模部数でも発売してみて
売れの動向を注視しています
需要が供給を上回り
市場在庫がある程度さばけたら
めでたく重版が決まりますが
1巻のおよそ9割は重版もなく
やがて返本の運命にあります
とりあえず積んでみる本屋が割とあるので
新刊コーナーにはおそらく
至るところに1巻が並んでいるはずです
気を付けてください
その1巻、大抵がはずれです
まとめ・駄本を掴まないために
いかがでしたでしょうか
本屋には
罠が仕掛けられています
駄本を掴まないために
以下の3ヶ条を覚えておくと便利です
- 号泣と帯に書かれている本は素通り
- 発売即重版の表示には要注意
- コミックは帯に累計部数が書かれているシリーズを選ぶ
上記のすべてが
駄本に100%あてはまるとは言えませんが
本選びのひとつの目安になると思います