2024年04月13日
本屋という名の何でも屋
本は原則定価販売
閉店セールも無ければ
ワゴンセールもありません
けれど本というものには
売れる時期があり
大体3月8月12月と決まっています
何故かというと
春休み夏休み冬休みという大型連休に重なり
普段は本屋に来ないお客さんも来店するため
出版社も本気で売りたいものをここぞとばかりに投入してくるから
人気アニメの原作コミック然り
年間で指折りの公開規模の映画原作小説然り
年々発売時期を大型連休時期にぶつける傾向は強くなるばかりで
3シーズン以外=閑散期には売れる本を発売することは稀になってきました
売れる本が無いと
本屋は通常業務以外に何をするかというと
@集客するためのイベント
Aノベルティ企画
Bひたすら返本
概ね上記の3パターンにあてはまります
次点で陳列棚の大変更もありますが
元々人件費をきりつめて何とか運営している前提があり
重い本を棚から避けて別の本をひたすら入れる、時には重い棚ごと移動する
滅多に出来る作業ではありません
という訳で
@からBまでのいずれかを日常業務中に行うのですが
@Aの内容はあまり人を割かずに出来、なおかつ集客効果が強いため(但し内容による)殆どの本屋で年に数回は行っていますが
Bの返本には限度があります
何故なら売れるかもしれない本を返本する訳で、片っ端から進める訳にはいかないからです
吟味に吟味を重ね返本し
それでも全国平均の返本割合は雑誌以外が約35%、雑誌が約40%(※出版科学研究所ONLINEより)
単行本にしろ雑誌にしろ
1000冊仕入れて350冊以上を返本するという作業を日々繰り返しているのが本屋の実態な訳です
話題になりそうなコミックや小説を大量に仕入れ、売れ残ったらそのまま返し、また大量に仕入れる
最も売り逃しにくく、かつ最もリスクを背負う流れであると解っていながら
本屋はそれを止めることは出来ません
結果、同じ事を繰り返すだけの本屋は悪評を生む
実のところ、出版社から本を卸し本屋へ本を送る問屋は
本屋それぞれの仕入れ額、売上額を把握出来る立場にあり
返本の割合が高すぎると
その本屋には適正な仕入れをと進言するもので
最終的な返本割合が高すぎるまま改善出来なければ
様々な重荷を課せられます
内訳は契約上の話になってくるため
暴露ブログの割にここでは明かせませんが
本屋はだいぶ前から
如何に仕入れを抑え
如何に効率よく本を売り
如何に返本を抑えるか
理想をつきつけられ続けています
本の仕入れを抑えると
最終的な返本も必然的に減少しますが
比例して売上も落ちる
何故なら売れ筋も仕入れが滞る=売れ筋商品が欠けているからです
次に本屋はこう考えます
「よし、本が売れないなら本以外を売ろう!」と
やがて棚は淘汰され
空いたスペースに雑貨が置かれ
食品が置かれ
終いには服飾品が並び始める。これらは既に現実化しています。
おそらく10年後には家電量販店も真っ青の電化製品が並ぶ事でしょう
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