2024年04月16日
記憶の欠片
本屋は
大型連休を含む期間、いわゆる繁忙期以外のタイミングで
小説や雑学本のフェアをよく開催しています
夏休みに合わせ、出版社大手3社が同時期に打ち出す夏の文庫フェアなど例外もありますが
概ね繁忙期以外=閑散期に
本当はやりたくもないフェアを提案
何故やりたくもないフェアを開催するのか
何故なら
自分たちで企画、提案する内容ではなく
出版社発案の
【売れ残り大量送品フェア】
だからです
売れ残りを何とか捌きたい出版社は
共通オビと呼ばれるフェア用オビをフェア用商品に巻き
あたかもコンセプトに沿った価値の本であるかのように
巧妙にパッケージングし
当選確率の極めて低い限定プレゼント用応募券をオビの端に用意し
もしくは大して価値のないと思われるノベルティをレジで配布する程度の陳腐なフェアを何食わぬ顔で
\どうぞフェアを始めて下さい/と仰る
それでも本屋側としてはやらざるを得ません
何故なら
@企画する暇がないから
A恩を売るため
上記の理由があるからです
一体どういう事なのか
暴露します
@企画する暇がない
本屋は今
如何に売れる本を他の店より先取りするかという一点に必死です
\新聞広告が出ます/
\今度TVで本を取り上げます/
上記の情報は予め流れてくるのですが
何の予告もなく突然売れる本があり
理由は大体同じで
SNSでインフルエンサーが紹介という理由によります
売れ始めて
\注文お願いします/
と声高らかに伝えたところで
\保留になります/
そのひと言で済まされます
出版社が品切れを起こす前に
何とか商品を確保したい
先回りのマインドに囚われすぎているため
企画は二の次(但し自店の企画でフェアを行う流行りに囚われない店舗もある)
結果、提案のアイデアも湧かないままに
とりあえず棚を埋めるために
フェア用商品を出版社から送品してもらう
結果、大して売れもしないフェアが終わり、何事もなかったかのように返品の憂き目に遭うという訳です
A恩を売るため
恩は出版社に売るのですが
主に自店の担当者に対しての話になります
欲しくもないフェアでも、普段からある程度展開し続けると
いざ売れる本が出た時に
\いつも売って頂いてるので/
何とか手配します
というミラクルが起きたりします
結局、折角確保できた本も売れなければただの無駄足なのですが
不況にまみれた本屋は
とにかくフェアを入れ替える
フェアに取り組んでいるスタンスだけは崩さない
謎の使命感すら垣間見えます
大事なのは入れ替えること
つまり、フェアに含まれていた1冊の本の名前を憶えてないとかザラで
けれどお客さんはそんな意に反するかのように
\この前ここの棚にあった/
こんな感じの本欲しいんだけど
\残念ながら本の名前が分かりません/
記憶の欠片
それは既に返品された未知なる書物
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