2012年08月24日
夜空の蛍8
《了解しました。では、私に付いてきてください。》
黒い影はサッと村の奥に移動すると、付いてこいという気配をミサに向かって発散した。
黒い影に従いながら、ミサは四角い箱に囲まれた石畳を歩いて行った。
小道の両側には、灯篭が立っているが灯りはついていない。
突き当たりの白い箱の前に黒い影は立ち止まると、白い箱の横の文字が並ぶ四角い板
の上にかぶさると、カチャカチャと何かを打っている気配を発散した。
そしてカチッと何かを押したようだった。
すぐに白い箱の中に、白いヒゲのはえた老人の姿が映し出された。
老人はこっくりこっくりと頭を動かしている。
《神様、起きてください。来訪者です。》
影の声に老人は、ハッと目を覚ました。
そして、杖を使ってゆっくりと椅子から立ち上がると、白い箱の中からこちらに向かって
歩き出した。
《おお、今日はまたちっさい女の子だのぉー》
老人は、ミサを見ると目を細めフォッフォと笑った。
《あなたは神様?》
ミサは目をこらしながら老人を見た。
《そうデスティニー♪》
神様はそういうと、腰を左右に降ってみせた。
そうデスティニー?
《神様、シンちゃんみたいな難しいギャグを言わないでよ》
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