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夜空の蛍6



明くる日、学校ではシーちゃんがお星様になった話で持ちきりだった。

たかちゃんもタンクトップも、インディも、みんな大騒ぎだ。

まさみんせんせは、とっても名誉なことと、繰り返しシーちゃんを褒め称えた。

隣の席で、靴下をつくろっているシンちゃんにミサは聞いてみた。

《ねえ、シンちゃん、シーちゃんがいなくなって寂しくないの?》

シンちゃんは、驚いた顔でミサを見た。

《ミサちゃん、何を言ってるの?寂しいなんてことないけど》

シンちゃんの真っ直ぐな視線を受けながら、思わず頷いた。

《うん、そうだよね》

ミサは、シーちゃんのいた机を、その日何度も振り返った。


夜になって一番星が出る頃、ミサは裏山の麓までとぼとぼと歩いて行った。

昨日は雨が降ったから、あぜ道はカエルの合唱だ。

麓の小高い丘まで登ると、ミサはその場で体育座りをして夜空を見上げた。

シーちゃん星を探すと、直ぐに見つかった。




どの星や惑星よりも輝き、まばゆいばかりに光を放っている。

ミサはシーちゃんの名前を叫んだが、シーちゃん星はピカピカと輝いているだけだった。

ミサは何度も何度も何度もシーちゃんの名前を叫んだが、返事は帰ってこなかった。

手をぐるぐる回して見せた。

近くにあった小石を拾って投げた。ジャンプしてみたりキックしてみたりした。

夜の濃度が深くなると、シーちゃん星の美しさは信じられないほどだった。

もう一度シーちゃんを呼んでみたが、もう掠れ声しか出なかった。

横切った☆しましま☆な野良猫が、ミサを一瞥すると、何事もなかったように草むらに

消えた。

《シーちゃん、ホントにこのまんまなの?》

満点の星空の下、ミサは立ち尽くした。



つづく









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