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夜空の蛍2



肩にかけていたショルダーバッグをトサっと地面に置くと、その上に腰を下ろした。

周りにはミサの膝ほどの草がしげっている。

空を見上げた。

辺りは薄暗くなってきているが、まだ星は見えない。

《良かった。間に合った》


ミサは体育座りの格好で、そのままじっとしていた。

そして、もう一度濃紺色の星空を見上げた。

神様、今日私は25歳になったよ。

お星様になる日だね。

神様の言った通り、私、怖くないよ。


みんなのところに、行けるんだね。


風が草むらをそよそよと揺らした。

その時、ポワン ポワンと小さな灯りが揺らめいた。

蛍だった。



ミサは蛍に触ろうと手を伸ばした時、小さな蛍の灯りは

右にも左にも増えて、ミサの周りいっぱいになった。

小さな灯りがたくさん集まって、まるで宇宙のようだ。


神様、蛍がすごく綺麗だよ

お父さん、ありがとう。

さようなら。




つづく








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