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深い森の物語9

リボン    リボン    リボン





こうもりが垂直に落下したのを見届けると、ミーサンは駆け寄った。

近くに転がっていた棒切れを拾い、こうもりをつついてみたが、ぴくりと

もしない。

《やった》

ミーサンはしいたけ達を振り返ると、ポカーンとしていたが

徐々に歓喜の表情に変わっていき、一斉に歓声を上げ始めた。


良かった。

これから夜は、暗闇で光るラメのカチューシャを付けよう!


そう思っていると、しいたけが、ミーサンの前におずおずと歩いてきた。

しいたけはもじもじしていたが、意を決したように言った。


《ミーサン、一つお願いがあるのです………》






ミーサンは小道を辿り、来た時の半分の時間で車の前に出た。

隣に見知らぬ車が停まっている。

《ミーサンさんですね?お怪我はありませんか?》

その声に驚いて振り返ると、JAFのロゴが入った服を着た男性が、心配

そうに立っていた。



クローバー    クローバー    クローバー


ミーサンはその夜、親友のミーコを家に呼んだ。

今日は山菜鍋をご馳走すると伝えたら、喜び大急ぎでミーコはやってきた。

ミーサンはぐつぐつと煮込まっている、土鍋の蓋を開けた。

なんとも言えない美味しい匂いが部屋中に漂う。

ミーコは待ちきれないとばかりに箸を出した。


つづく









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